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「女」の追及10 「マ」の逆転「ム」/85

 今回は前回紹介できなかった「ム」会意文字を中心にその解読を紹介します。


1.最初に前回紹介した「マ」と「ム」の関連解読を再掲します。

」(象形):=女の股間=>股間=>正面=>前面=>まえ=>前方(再掲。cf.77)
」=Ⅴの左回転型:=横になった股間=>横になって生む動物=>産むことのできるもの=>母性/メス(再掲。cf.83)
」=「フ」+「丶」:=メス+特別なもの=>特別なメス=>妊娠したメス=>腹に子供をもつもの=>腹に子がある=>ある(再掲。cf.17)
」:=女性器がない=>女性器がないもの=>おとこ=>おす (cf.40、cf.84)

 「ム:=女性器がない=>おとこ=>オス」の意味を持つ会意文字が非常に多いため「ム」の元「マ:=女性器がある」としましたが、「フ:=母性/メス」から厳密には上のように解読するのが正しいようです。


 「窓」は「ム+心」から解読します。

窓-宀-儿」=「ム」+「心」:=女性器のない男+思考=>男の思考=>わずかにあかるいもの(「心」cf。)
」=「宀+儿」+「ム+心」:=小屋+わずかに明かるいもの=>小屋のわずかな明かり=>明り取り=>まど(「宀+儿」cf.66)

「窓」 解字:会意形声。意符の穴と意符と音符を兼ねる囱(木をまばらに組んだ櫺子の意)とから成る。櫺子のある天まどのもともと、囱が窓の意。



2.「至-土」の解読とその会意文字

 「至-土」にはその会意文字から二つの意味の流れがつかめます。

至-土」=「一」+「ム」:=体+(女性器が)ない=>女でない体/男と中性の子供の体=>男の体=>関係を持たない男=>身内でない男=>他部族の男=>男=>おす
至-土」=「一」+「ム」:=体+ない=>体でないもの=>ものごと
」=「至-土」+「土」:=中性の体+男の人=>中性の子供から男のひとへ=>男子が成長する/大きくなる=>男子が成人となる=>成人する=>いたる(「土」cf.20)

 「至」は辞書では象形と成っていることに注意してください。

」=「扌」+「至」:=手+大きくなる=>大きくした手のひら=>指を開いた手=>突き飛ばす手=>てでつく(「扌」cf.12)
」=「糸」+「至」:=糸+大きくなるもの=>伸ひる織物=>伸縮する麻織りの帯=>麻織りの帯=>喪服の帯(「糸」cf.49)
」=「土」+「至」:=つち+大きくなるもの=>大きくなる土=>蟻塚(「土」cf.20)
」=「口」+「至」:=くち+大きくなるもの=>大きくなる口=>笑う口=>笑う(「口」cf.37)
」=「車」+「至」:=くるま+大きくなる=>前が大きく造られた車(「車」cf.24)
」=「虫」+「至」:=むし+おおきくなる=>(血を吸って)大きくなる虫=>ひる(「虫」cf.38)
」=「厂」+「至」:=曲がる+大きくなる=>(川の)蛇行で広がったところ=>川の名(「厂」cf.23)

」=「イ」+「至」:=男に関するもの+成人した男=>成人しただけの男=>(刀の扱えない)愚かなもの=>おろか(「イ」cf.54)
」=「广」+「至」:=小屋+成人男子=>男の小屋=>いっぱいにふさがるもの=>ふさがる(「广」cf.23)
」=「至」x2:=大人の男達=>大きくなったもの達=>成長しきったもの達=>いたる
」=「女」+「至」:=おんな+成人したもの=>成人した女=>兄弟の子供[父系制社会]=>めい(「女」cf.76)
」=「サ」+「至」:=くさ+成長した男=>成長した男のような草=>粘る白液を取る草=>ビナンカズラ/サネカズラ(「サ」cf.62)

」=「老-ヒ」+「至」:=年取ったもの+成人男子=>年取った男子=>じいさん(「老-ヒ」cf.49)
」=「至」+「阝」:=成人男子+たくさんの有機的なもの=>協同する男達=>男の支配するみやこ=>さかんな所=>さかん(「阝」cf.46)

 「郅」は「都:=有機的な老女達の作るもの=>みやこ」に対する文字と考えられます。

」=「至」+「刂」:=大きくなる男+かたな=>刀を持って成長する男子=>刀が扱えるようになる=>刀を持つ男子=>一人前になる=>いたる(「刂」cf.63)

 初期には男子の成人は「至:=成人する=>いたる」でしたが、次第に成人とともに武器を持つようになり、「到:=刀をうまく扱う男子/成人男子を切れるもの=>一人前になる=>いたる」で表すことが主流になったと考えられます。

」=「イ」+「到」:=男の仕事+武器を持つ男子=>武器を持つ男子をたおす仕事=>無法者をたおすもの=>たおす(「イ」cf.11)
」=「侄」+「刂」:=ばかな男+刀で切る=>ばかな男を切る=>男をたおす=>たおす(参考)
「椡」=「木」+「到」:=木+大きくなるもの=>成長の早い木=>(10年ほどで生長する)くぬぎ(「木」cf.59)

」=「木」+「至」:=夫+成人した男=>夫の所有する男子=>つなぎとめるもの=>足をつなぐ=>あしかせ(「木」cf.59)
」=「至」+「鳥」:=成長したもの+鳥=>三角(=女)型の尾を持つ鳥=>とび(「鳥」cf.61)

」=「宀」+「至」:=いえ+成人男子=>家の中での男子=>男のいる区画=>男子の部屋=>部屋(「宀」cf.31)
」=「木」+「室」:=木+男の部屋=>男の部屋の鼠よけの葉を持つ木=>ねずみさし/むろ(「木」cf.59)
」=「月」+「室」:=からだ+部屋=>体の中の(子供の)部屋=>子宮=>ちつ(「月」cf.45)

 「室」は家の中の一部を男子用に仕切ったのが始まりのようです。

」=「穴」+「至」:=小さな家+成人男子=>小さな家に住む男子=>家がふさがる=>ふさがるもの=>ふさぐ(「穴」cf.66)
」=「月」+「窒」:=からだ+部屋=>体の中の(いつも)ふさがっている部屋=>子供の育つ所=>子宮=>ちつ(「月」cf.45)

 「腟」と「膣」は康煕字典では共に「肉が生じる也」となっており原義は「子宮」と考えられます。

」=「尸」+「至」:=しり+おとこ=>おとこのしり=>(性交で後ろから)かぶさるもの=>上にかぶさるもの=>おおいかぶさるもの=>やね(「尸」cf.16)
」=「扌」+「屋」:=て+かぶさるもの=>手がかぶさる=>つかむ(「扌」cf.12)
」=「イ」+「屋」:=男の仕事+かぶさるもの=>身をかがめて仕事をする男=>熱中した男=>こだわる(「イ」cf.11)
」=「巾」+「屋」:=ぬの+かぶさるもの=>覆う布=>てんまく(「巾」cf.34)
」=「口」+「屋」:=くち+かぶさるもの=>口を覆った発声=>雄鶏の擬声音=>鶏の声(「口」cf.37)

  「喔」は当時の手で口を覆った発音が鶏の鳴き声と聞こえたのでしょうか? 

***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「至」 解字:象形。射られた矢が逆さまに立って止まった形にかたどる。射られた矢が飛んできて、或る地点にとどまる、「いたる」意。ひいて、きわまる意に用いる。
「挃」 解字:形声。意符の手(て)と音符の至(つく意)とから成る。手でつく意。
「絰」 解字:形声。意符の糸(いと)と音符の至(いただく意)とから成る。喪のとき首にいただく帯。
「垤」 解字:形声。意符の土(つち)と音符の至(きわまる意)とから成る。土の窮まって高いもの、「ありづか」の意。
「咥」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の至(わらう意)とから成る。笑う意。
「輊」 解字:形声。意符の車(くるま)と音符の至(低い意)とから成る。前部が重くて低く下がっている車。
「蛭」 解字:形声。意符の虫(むし)と、音符の至(くっつく意)とから成る。人や動物にくっつくむし、「ひる」の意。
「厔」 解字:山曲也。
「侄」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の至(うしなう意)とから成る。物事を見失った人、愚かな人の意。
「庢」 解字:礙止也。
「臸」 解字:到也。
「姪」 解字:形声。意符の女(おんな)と音符の至(つらなり続く意)とから成る。血の繋がっている女の意。転じて、「おい」「めい」の意に用いる。
「荎」 解字:形声。意符の艸(くさ)と音符の至(の意)とから成る。
「耊」 解字:形声。意符の「老-ヒ」(おいる)と音符の至(鉄のように黒い意)とから成る。顔面が黒く鉄色になった老人の意。
「郅」 解字:形声。意符の邑(まち)と音符の至(のぼる意)とから成る。盛隆の町の意。
「到」 解字:形声。意符の至(いたる)と、音符の刀(=刂、いたる、とどく意)とから成る。「いたる」意。
「倒」 解字:会意形声。意符の人(ひと)と意符と音符を兼ねる到(人が逆立ちした意)とから成る。人がたおれる意。
「桎」 解字:形声。意符の木(き)と音符の至(自由に動けなくする意)とから成る。人の行動の自由を奪う木、「あしかせ」の意。
「鵄」 解字:鴟の別字体。
「室」 解字:形声。意符の宀(いえ)と、音符の至(とどまる意)とから成る。家の中でひとのとどまる所の意。
「榁」 解字:形声。意符の木(き)と音符の室(の意)とから成る。
「腟」 解字:膣の俗字。
「窒」 解字:形声。意符の穴(あな)と、音符の至(ふさぐ意)とから成る。穴をふさぐ意。ひいて、「ふさぐ」「ふさがる」意に用いる。
「膣」 解字:形声。意符の肉(からだ)と音符の窒(の意)とから成る。
「屋」 解字:会意。意符の尸(人が体を伏せて伸ばした形)と、音符の至(元の形は厔で、屋に同じ)とから成る。体を横たえる暖かい部屋、寝室の意。
「握」 解字:形声。意符の手(て)と音符の屋(五本の指でつかむ、にぎる意)とから成る。手でつかむ、「にぎる」意。(「扌」cf.)
「偓」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の屋(しばりつけられる意)とから成る。人が物事にとらわれる意。
「幄」 解字:形声。意符の巾(ぬの)と意符と音符を兼ねる屋(いえの意)とから成る。布で作った家の形をした天幕の意。
「喔」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の屋(鶏の鳴き声の擬声音)とから成る。鶏の鳴く声。
「渥」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の屋(うるおう意)とから成る。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「云」の解読とその会意文字

  「云」は「芸」の解読のときに少しふれました(cf.62)が、改めて二つの意味の流れを示します。

」=「二」+「ム」:=二つ+(女性器の)ないもの=>二人の男達=>語合う二人の男=>男達の会話=>二人で(モグモグ)言い合う/いう=>聞きかじった言葉=>ぐちゃぐちゃいう=>ぐちゃぐちゃなもの=>もやもやしたもの(再掲追加あり。cf.62)
」=「車」+「云」:=くるま+ぐちゃぐちゃいう=>車ががらがらいう=>ころがる(「車」cf.24)
」=「扌」+「云」:=て+ぐちゃぐちゃ=>ぐちゃぐちゃな手=>取り落す手=>なくす(「扌」cf.12)
」=「雨」+「云」:=天候+ぐちゃぐちゃなもの=>天候に関するぐちゃぐちゃなもの=>くも(「雨」cf.68)
」=「糸」+「云」:=いと+ぐちゃぐちゃなもの=>ぐちゃぐちゃの糸=>みだれる(「糸」cf.49)
」=「口」+「云」:=くち+ぐちゃぐちゃなもの=>発音の乱れた言葉=>意味不明のわめき=>うめき言葉(「口」cf.37)

」=「忄」+「云」:=感覚+ぐちゃぐちゃなもの=>はっきりしない感覚=>もやもやする(cf.73)
」=「イ」+「云」:=男の仕事+いう=>言葉をつたえる仕事=>つたえる(「イ」cf.54)
」=「辵」+「云」:=あし+男達の言葉=>女の言葉を伝えるお使い=>走って伝言する=>言葉を運ぶ/飛脚=>はしる(「辵」cf.65)
」=「耳」+「云」:=きく+男達の言葉=>男達の話を聞くこと=>男のいうことを聞き取る仕事=>聞き取る仕事=>仕事(「耳」cf.48)

 「耘」の字は「耒」からの解読を示します。「耒」はいろいろに解釈可能できます。

」=「ノ」+「十」+「不」:=特別な+男根+だめ=>男根がだめな特別の男=>たがやすだけの男=>たがやすもの=>たがやす道具=>すき
」=「ノ」+「土」+「Λ+|」:=特別な+男+男根を下げた股間=>不能な特別の男=>たがやすだけのもの=>たがやす道具=>すき
」=「丰」+「Λ」:=たくさんの男+立ち上がる男=>働くたくさんの男=>たがやすもの達=>たがやす=>たがやす道具=>すき
」=「耒」+「云」:=たがやす男+ぐちゃぐちゃいうもの=>ぐちゃぐちゃいう農夫=>草取りの農夫=>草をとる=>草取り=>くさぎる

「芸」は第62回を参照してください。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「云」 解字:象形。入道雲が巻いて天上に上るさまをさかさまにした形。回りめぐる雲の意。雲の源字。
「転」 解字:なし。(旧字「轉」の解説)
「抎」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の云(うしなう意)とから成る。手から失う意。
「雲」 解字:会意形声。意符の雨(水蒸気)と、意符と音符を兼ねる云(めぐりながらわくもの意)とから成る。「くも」の意。
「紜」 解字:形声。意符の糸(いと)と、音符の云(入り混じってもつれる意)とから成る。糸の乱れもつれるさま。
「呍」 解字:「吽」に同じ。
「忶」 解字:悶也。
「伝」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の云(意)とから成る。意に用いる。
「运」 解字:走貌。
「耺」 解字:形声。意符の耳(みみ)と音符の云(の意)とから成る。

「耒」 解字:形声。意符の木(き)と音符の丯(きる意)とから成る。葉を重ねる木の部分、曲がっているすきの柄の部分の意。ひいて、「syき」の意に用いる。
「耘」 解字:形声。意符の耒(すき)と音符の云(なくす意)とから成る。すきで田畑の雑草をなくす、「くさぎる」意。


***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4.「去」の会意文字の紹介

  まず第14回と19回で紹介できなかった「去」の会意文字を補充します。辞書では「厺」が去の本字と成っています。

」=「土」+「ム」:=男+ない=>いなくなった男=>さった男=>さること=>さる=>見えなくなる=>みえなくする=>おおいかくす(意味追加。cf.19)
」=「大」+「ム」:=おおきい男+ない=>いなくなった男=>さった男=>さること=>さる(「大」cf.57)

」=「去」+「力」:=いなくなったもの+役人=>いなくなった役人=>追い出された役人=>新役人の邪魔をするもの=>役を脅かすもの=>おびやかす(「力」cf.50)
」=「去」+「卩」:=さる+おとこ=>去っていった男=>ひきさがる=>しりぞく(「卩」cf.69)
」=「月」+「却」:=体+しりぞく=>体でしりぞく所=>ひざのした=>ひざした=>すね(「月」cf.45)
」=「忄」+「去」:=感覚+さるもの=>(部族を)さるものの感覚=>おびえる(「忄」cf.73)
」=「月」+「去」:=からだ+さる=>(触られると)身を引く所=>わきの下(「月」cf.45)
」=「衣」+「去」:=ころも+さるもの=>衣で(手を伸ばすと)ひじのほうへ去っていく所=>そでぐち(「衣」cf.51)
」=「示」+「去」:=神事+さる=>災いを除く神事=>お払いをする/つき物を除く=>はらいきよめる=>はらう(「示」cf.61)
」=「氵」+「去」:=みず+さるもの=>(洪水後に)さって行く水=>元に戻る=>自然の道理に戻る=>自然の道理=>規範となるもの=>のり
」=「口」+「去」:=くち+さる=>口から(気力が)さる=>気が抜ける=>口をあんぐり開ける(「口」cf.37)
」=「石」+「去」:=いし+さるもの=>(天秤から)取り去る石=>天秤の錘(「石」cf.54)
」=「去」+「廾」:=みえなくする+垂れ流す男=>垂れ流す男を隠す=>かくす=>おさめる(「廾」cf.48)
」=「扌」+「去」:=て+みえなくする=>手で隠す=>もちさる(「扌」cf.12)
」=「阝」+「去」:=たくさん+おおいかくす=>たくさん(鳥獣を地形を利用して)おおって捕らえる=>囲いに追い込む=>おり(「阝」cf.46)

」=「去」+「皿」:=おおいかくす+さら=>覆った皿=>ふたをする=>ふたのあるもの(「皿」cf.48)
」=「口」+「盍」:=くち+ふたをする=>口にふたをするもの=>上顎=>噛み合う(「口」cf.37)
」=「氵」+「盍」:=みず+ふたをする=>(水害で)水をかぶる=>水害に合う=>たちまち水に覆われる=>たちまち(cf.)
」=「石」+「盍」:=いし+ふたをする=>石でふたをする=>石のふたを閉じる音=>石のぶつかる音(cf.54)
」 解字:形声。意符の石(いし)と音符の盍(石がぶつかり合う意)とから成る。石の打ち合う意。また、その音の意。
」=「目」+「盍」:=め+ふたをする=>目をとじる=>居眠りする(「目」cf.48)
」=「門」+「盍」:=もん+ふたをする=>門を閉じる=>とじる(「門」cf.65)

」=「サ」+「盍」:=くさ+ふたをする=>草がふたをする=>草が覆う=>おおうもの=>おおう(「サ」cf.62)
」=「土」+「蓋」:=つち+おおうもの=>つちでおおうもの=>つちぼこり=>ほこり(「土」cf.20)
」=「石」+「蓋」:=いし+おおうもの=>石のふた=>石のふたをする音(「石」cf.54)

」=「木」+「盍」:=き+ふたのあるもの=>ふたのある木の容器(「木」cf.79)




 「ム」を含む文字「台」「治」「胎」「始」は第37回を、「幺」、「糸」「系」「紀」「累」、「幾」「機」、「幽」「磁」「滋」「慈」、「幼」、「奚」「雞」は第49回を、「允」、「充」「銃」「統」、「流-氵」「流」「硫」「旈」「琉」、「育」および、「玄」「畜」「昡」「」「痃」「眩」「蚿」「舷」「呟」「泫」「弦」「玆」「袨」は第52回を、「以」「似」は第54回を、「幻」は第70回を、各々参照してください。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「厺」 解字:去の本字。
「劫」 解字:形声。意符の力(ちから)と音符の去(しりぞける意)とから成る。もと、力ずくでしりぞける意。かりて、「おびやかす」意に用いる。
「却」 解字:なし(「卻」の解字)。
「脚」 解字:形声。意符の肉(からだ)と音符の却(しりぞく意)とから成る。後退するとき先に出す部分、足のすねの意。
「怯」 解字:形声。意符の心(こころ)と音符の去(しり込みする、しりぞく意)とから成る。しり込みする心の意。
「胠」 解字:形声。意符の肉(からだ)と音符の去(わきのしたの意)とから成る。体のわきの意。
「袪」 解字:形声。意符の衣(ころも)と音符の去(あける、ひらく意)とから成る。衣服のあき開いた部分、そでぐちの意。
「祛」 解字:形声。意符の示(かみ)と音符の去(はらいのぞく意)とから成る。神の下す災いをはらい除く意。
「法」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の??(去は省略形。かこむ意)とから成る。水が流れ去らないように囲むものの意。
「呿」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の去(ひらく意)とから成る。口を開けてあくびをする意。
「砝」 解字:題字なし。
「弆」 解字:題字なし。
「抾」 解字:形声。意符の手(て)と音符の去(とりさる意)とから成る。手で除き去る意。
「阹」 解字:題字なし。
「盍」 解字:会意。意符の皿(さら)と意符の去(ふたのある飯びつの意)とから成る。容器を閉じるふたの意。ひいて、「おおう」意に用い、また、借りて、疑問の助辞に用いる。
「嗑」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の盍(あう意)とから成る。上顎と下顎ががっちりかみ合う意。
「溘」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の盍とから成る。もと、川の名。借りて、「たちまち」の意に用いる。
「瞌」 解字:形声。意符の目(め)と音符の盍(あわせる意)とから成る。まぶたを合わせて眠ろうとする意。
「闔」 解字:形声。意符の門(もん)と音符の盍(あう意)とから成る。両側から合う門、両開きの扉の意。ひいて、とじる意に用いる。

「蓋」 解字:会意形声。意符の艸(くさ)と意符と音符を兼ねる盍(ふたの意)とから成る。草でふたのように覆う意。ひいて、「ふた」「かさ」の意に用いる。
「壒」 解字:形声。意符の土(つち)と音符の蓋(ほこりの意)とから成る。ちり、ほこり、土煙の意。
「礚」 解字:「磕」と同じ。
「榼」 解字:形声。意符の木(き)と音符の盍(おおう、ふたの意)とから成る。ふたのある酒や水を入れる木製の器の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



5.「參」の解読とその会意文字

 「参」の字体は康煕字典では見当たらず「參」となっています。

」=「ム」x3+「Λ」+「彡」:=たくさんの男+男の股間+たくさんの毛=>毛のおおい男達/野生的な男達=>長身で細く見目良い男達/見目良いもの=>長身の色男たち/細長いもの=>(神事の)仲間に加える=>くわえる/そえる=>まぜこむ=>まじる(「大」cf.57、「彡」cf.65)
」=「ム」+「大」+「彡」:=(女性器が)ない+大きい男+たくさんの毛=>毛深い大きい男=>野生的な男=>・・・ (参考)

」=「イ」+「參」:=男に関するもの+見目良いもの=>見目良い男=>みめよいもの(「イ」cf.54)
」=「扌」+「參」:=て+見目良いもの=>見目良い手=>手の美しいさま(「扌」cf.12)
」=「木」+「參」:=き+見目良いもの=>見目良い木=>まっすぐに伸びた木=>すっと伸びた木(「木」cf.59)
」=「サ」+「參」:=くさ+細長いもの=>ほそながい根のくさ=>にんじん(cf.62)
」=「禾」+「參」:=穀類+細長いもの=>細長い穂をつける穀類=>ひえ(「禾」cf.11)

」=「竹」+「參」:=たけ+細長いもの=>細長い竹/竹のかんざし=>不ぞろいなもの=>ふぞろい(「竹」cf.54)
」=「山」+「參」:=やま+不ぞろいなもの=>でこぼこした山(cf.)

」=「忄」+「参」:=感覚+そえる=>そえられたものの感=>みじめなもの=>みじめ(「忄」cf.73)
」=「馬」+「參」:=馬+添えるもの=>馬車の添え馬(「馬」cf.61)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「參」 解字:金文の第一字は象形。ひざまづいた女性の頭に飾ったかんざしの玉が、燦然と美しく光っているさまにかたどる。
    解字:金文第二字と篆文は形声。意符の??(ひざまづいた女性の頭に飾ったかざしの玉)と音符の彡(美しくきらめく意)とから成る。かんざしで頭を美しく飾った女性の意。「まじわる」「まいる」意に用いる。
「傪」 字義:好貌。
「摻」 解字:形声。意符の手(て)と音符の參(ほっそりと麗しい意)とから成る。女の手のほっそりと麗しい意。
「槮」 解字:形声。意符の木(き)と音符の參(長く伸びる意)とから成る。木の長く伸びている意。
「蔘」 解字:形声。意符の艸(くさ)と音符の參(次第に伸び膨らむ意)とから成る。根が年月を経て次第に成長する草、にんじんの意。
「穇」 字義:いぬきび(ひえ)。

「篸」 解字:形声。意符の竹(たけ)と音符の參(長さの揃わない意)とから成る。竹の長さがふぞろいの意。
「嵾」 解字:形声。意符の山(やま)と音符の參(大小があってふぞろいなでこぼこしている意)とから成る。山に高低があってでこぼこしている意。
「惨」 解字:形声。意符の心(こころ)と音符の參(はりの意)とから成る。心が針で刺されたように痛む意。
「驂」 解字:形声。意符の馬(うま)と音符の參(みっつの意)とから成る。車につける三頭の馬の外側の二頭。添え馬の意。


***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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