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「且」と「其-ハ」の解読 特殊部首その5/74

「且」と「其-ハ」の解読 特殊部首その5/74

 今回は「且」「其」の解読を紹介します。第48回では「目」を骨格とする字を紹介しましたが、そのとき紹介のもれた部首です。また、最後に「某」解読訂正を追加します。

 「其」は「且」の骨格を含みますが、解読してみると珍しく別の異なる由来であることが判明します。


1.「且」の解読とその会意文字

 「目」を再掲することから始めます。

」=「日」+「一」:=最高の女+からだ=>最高の人のからだ=>優れたひと(統領)=>知者=>観察の優れたひと=>(何事も)深く見つめる顔=>観察する顔=>顔=>深く見る所=>め (再掲。cf.48)

 「一」は「いち」、「からだ」もしくは「じめん」の意味でした。また、以下の会意で示すように「且」の字の中には順にその意味の流れから①故人もしくは祖先に関するもの、②地にかえる意、③ごつごつして雑なもの、④~の上、の四種が汲み取れます。そこで「且」はこれらの意味を整理し以下のように解読できます。


」=「目」+(融合)+「一」:=統領+地面=>地にかえる統領=>地にかえる故人=>故人=>祖先=>あらあらしかったもの=>荒々しいもの=>ごつごつしたもの=>ざつなもの
」=「目」+(融合)+「一」:=統領+地面=>地にかえる統領=>故人の墓標=>墓標=>亡骸の上にあるもの=>上にあるもの=>~のうえに


① 故人もしくは祖先

」=「歹」+「且」:=死んだ体+土にかえるもの=>土にかえす遺体=>土葬する故人=>土葬する=>しぬ(「歹」cf.55)
」=「宀」+「且」:=被り物+地へかえる故人=>布で覆い地にかえす故人=>遺徳のある故人=>惜しまれる故人=>よき一生=>よろしい(「宀」cf.31)
」=「肉-冂」+「且」:=オス(男)達+地にかえるもの=>オス達を地にかえすもの=>オス達を料理するもの=>調理台=>まないた(「俎-且」cf.55)
」=「示」+「且」:=しめす+亡くなったもの=>祖先を示す=>血筋の始まりを示す=>はじめを示す=>はじめ(「示」cf.61)
」=「口」+「且」:=くち+そせん=>祖先の荒々しい口=>荒々しい口=>かみつくもの=>かむ(「口」cf.36)

 我々が経験した一昔前の「叩いて躾ける」手法は、「咀」の字の解読から、原始の時代には「かみついて躾ける」だったようです。

」=「言」+「且」:=ことば+地にかえった故人=>(争いに負けた)故人の言葉=>のろうことば=>のろう(「言」cf.39)
」=「且」+「力」:=そせん+力のあるもの=>力のあった祖先=>故人の威光=>たすけとなるもの=>たすけ=>たすける(「力」cf.70)
」=「犭」+「且」:=けもの+そせん=>けものの様な祖先=>獲物をねらうもの=>ねらうもの=>ねらう(「犭」cf.13)
」=「阝」+「且」:=たくさんのもの+(地にかえった)あらあらしもの達=>たくさんのあらあらしかったもの達=>行く手をふさいだもの=>はばむ(「阝」cf.43)

 「昔」の解読の項で少し触れましたが、「阻」や「助」(「殂」には「たすける」意味はない)から「且」の意味は漢字を造った母系社会の更に古い時代に「男のボス社会」が存在したことを匂わせます。
」:=「共-ハ」+「日」:=男達+統領=>男の統領たち=>むかし(再掲。cf.62)


② 地にかえる意

」=「疒」+「且」:=やまい+地にかえるもの=>地にかえるやまい=>地に戻った皮膚=>かさぶた=>かさ(「疒」cf.64)
」=「禾」+「且」:=いね+地にかえすもの=>故人へささげるこめ=>上納するもの=>みつぐもの=>みつぐ(「禾」cf.11)
」=「且」+「隹」:=地にかえるもの+とり=>地にかえす鳥=>(魚を)地中に埋めて保存する鳥=>みさご(「隹」cf.33)
」=「虫」+「且」:=むし+地にかえるもの=>地にかえす虫=>死骸を土に戻すむし=>うじ(「虫」cf.38)


③ あらあらしくて、ごつごつしたもの

」=「山」+「且」:=やま+ごつごつしたもの=>ごつごつした山=>石のやま=>そば(「山」cf.33)
」=「石」+「且」:=いし+ごつごつしたもの=>ごつごつした石=>石の山=>石山(「石」cf.54)
」=「彳」+「且」:=部族間の男の仕事+あらあらしもの=>部族を渡り歩く仕事=>べつ部族へ行き来する=>おもむく(「彳」cf.54)
」=「忄」+「且」:=性格+ごつごつしたもの=>ごつごつした性格=>いばる=>おごる(「忄」cf.73)
」=「糸」+「且」:=いと+ごつごつするもの=>糸でくんだもの=>くみいと=>くむ(「糸」cf.49)
」=「米」+「且」:=こめ+ごつごつしたもの=>ごつごつした米粒=>米粒の感触=>でこぼこの感触=>荒れた感触=>あれる
」=「走」+「且」:=はしる+ごつごつしたもの=>ごつごつした走り=>ぎこちない走り=>うまく走れない=>ゆきなやむ(「走」cf.20)
」=「馬」+「且」:=うま+荒々しいもの=>荒々しい馬=>駿馬(「馬」cf.33)


④ ~の上にの意

 「査」の意味は「土にかえすもの」ですが、その解読から現在の「且」の「~のうえ」の意となったことが推察できます。参考に「木」の解読も再掲します。

」:=「十」+「ハ」=>男根(男)+立ち上がるもの=>立ち上がる男=>夫=>立っただけの代理=>立っただけのもの=>草木=>木(再掲。cf.59)
」=「木」+「且」:=おっと+土にかえすもの=>土にかえす夫=>土葬する夫=>土葬に値するかを調べる=>しらべる

 木の下に埋葬する夫は特別の審査があったようで、「査」の中の「木」は夫と木の意味を掛け、かつ埋める意味を強調するために木偏でなく「木」と「且」を上下に組み合わせています(木偏に構成する文字もある)。

 以上の推定から、墓標を立てる前の時代は、女を木の下に土葬にする習慣だったようで、現在の意味は「墓標となる土葬の上の木=>~の上に」と変化した結果と考えられます。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「且」 解字:象形。土塀を作るときに、土石を三段だけ積み上げた形にかたどる。もと、土石を積み重ねて造った墓の意。積み重ねる意から、ひいて、その上にの意に用いる。

「殂」 解字:形声。意符の歹(死)と音符の且(ゆく意)とから成る。「しぬ」意。
「宜」 解字:形声。意符の宀(??。まな板に同じ。祭りのとき生贄を載せる台)と意符の且(肉など、酒を飲むとき食べるもの)とから成る。俎板上に酒の肴を載せて土地神を祭る祭りの意。ひいて、「よい」意に用いる。
「租」 解字:形声。意符の禾(いね)と音符の且(共同して耕す意)とから成る。公田から共同耕作によって上納する稲の意。
「疽」 解字:形声。意符の疒(やまい)と音符の且(じくじくぬれている意)とから成る。常にじくじくぬれている腫れ物の意。
「雎」 解字:形声。意符の鳥(とり)と音符の隹とから成る。鳥の名。
「蛆」 解字:形声。意符の虫(むし)と音符の且(肉の中に生まれたうじの意)とから成る。腐った肉などの中に生ずるはえの幼虫、「うじ」の意。
「俎」 解字:形声。意符の「肉-」(∧+∧。「肉-冂」は変わった形。肉の筋をあらわす)と音符の且(のせる意)とから成る。魚や肉を料理する台。

「祖」 解字:形声。意符の示(かみ)と音符の且(はじめの意)とからなる。始祖神を祭る御霊屋の意。
「咀」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の且(つみかさねる意)とから成る。何度も口でかむ動作を繰り返す、「かむ」意。
「詛」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の且(のろう意)とから成る。ことばで「のろう」意。
「助」 解字:形声。意符の力(ちから)と音符の且(たすける意)とから成る。力をそえて、「たすける」意。
「狙」 解字:形声。意符の犬(けもの)と音符の且(どんぐりなどの木の実の意)とから成る。どんぐりなどの木の実を好む獣、猿の意。借りて、「ならう」意に用いる。

「岨」 解字:形声。意符の山(やま)と音符の且(かさなるの意)とから成る。石の重なった山の意。
「砠」 解字:形声。意符の石(いし)と音符の且(積み重なる意)とから成る。石の積みかさなた山、「いしやま」の意。
「徂」 解字:形声。意符の彳(みち、または、あるく)と音符の且(かさねる意)とから成る。「ゆく」意。
「怚」 解字:形声。意符の心(こころ)と音符の且(つみかさなる意)とから成る。心がおごる意。
「阻」 解字:形声。意符の阜(おか、やま)と意符と音符を兼ねる且(かさなる意)とから成る。岡や山が重なって険しい意。ひいて、「へだてる」「はばむ」意に用いる。
「組」 解字:形声。意符の糸(いと)と音符の且(よりあわせる意)とから成る。糸をたでより合わせた組みひもの意。ひいて、「くむ」意に用いる。
「粗」 解字:形声。意符の米(こめ)と音符の且(あらいもののい意)とから成る。あらい米の意。ひいて、「あらい」意に用いる。
「趄」 解字:形声。意符の走(ゆく)と音符の且(はばむ意)とから成る。阻まれてすすめない、「ゆきなやむ」意。
「駔」 解字:形声。意符の馬(うま)と音符の且(さかんの意)とから成る。勢いの盛んな馬の意。

「査」 解字:形声。意符の木(き)と音符の且(互い違いの意)とから成る。木を互い違いに組んで造ったもの、「いかだ」の意。かりて、「しらべる」意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.「其-ハ」の解読とその会意文字

 「其-ハ」は前項の「サ(クサカンムリをこの文字で代用します)」と「且」との融合のようにも見えますが、「其」の会意文字からは一部を除いて「且」に関連する意味が読み取れず、由来が異なると考えられます。

 「目」の字は融合や独立した変形が多いのが特徴でした。「且」と「其-ハ」はこの観点からも別の構成であると考えられ、結局「其-ハ」は「サ」と「目」と「一」を融合したデザインと解読します。その意味は「兵士」の意味と、兵士達をさす代名詞の二者に分岐しています。

其-ハ」=「サ」+(融合)+「目」+(融合)+「一」=>男達+賢いもの+体=>賢い男達の体=>こ賢い男達=>こ賢い男=>ちょっと賢いもの(「サ」cf.62、「一」cf.20、「目」cf.48)
」=「其-ハ」+「ハ」:=ちょっと賢いもの+立ち上がる男=>立ち上がる男達=>兵士達=>兵士=>(ゲームの)こま(「ハ」cf.60)
」=「其-ハ」+「ハ」:=ちょっと賢いもの+立ち上がる男=>立ち上がる男達=>兵士達=>かれら=>それら=>それ

 「其」の中には「サ」の横棒と下の横棒により読み取れる「二」の意味「女につぐ二番目の知恵者=>男」が隠されているようです(参考「再」の中の「二」。cf.25)。


」=「其」+「土」:=ちょっと賢いもの+男のひと=>ちょっと賢い男=>ちょっと賢いこと=>人としてのきほん=>もとい(「土」cf.19)
」=「イ」+「其」:=男の仕事+ちょっと賢い男=>ちょっと賢い男の面倒を見る仕事=>偉そうな顔をするもの=>大きな顔のもの=>大きなお面=>大面(「イ」cf.54)
」=「其」+「心」:=ちょっと賢い男+考え=>こ賢い男のかんがえ=>下手なかんがえ=>(たてついて規律等を)そこなう=>毒(「心」cf.73)
」=「其」+「欠」:=ちょっと賢い男+理性のない男=>野生的なこ賢い男=>期待を裏切るもの=>あさむくもの=>あざむく(「欠」cf.6)
」=「言」+「其」:=ことば+ちょっと賢いもの=>こ賢い言葉=>だます言葉=>あざむく(「言」cf.39)
」=「示」+「其」:=神事+ちょっと賢い男=>(神への)ちょっと賢い男を得た感謝=>得られたさいわい=>さいわい(「示」cf.61)
)=「其」+「月」:=ちょっと賢い男+体=>ちょっと賢い男の体=>(食料となり)命に限りのあるもの=>区切りを持つもの=>かぎり=>きげん(「月」cf.46)

 「期」は前項の「査」と関連し、交尾後の男は食料であったことを示唆しています。

)」=「木」+「其」:=き+駒:=木の駒=>木の駒を持つもの=>将棋(「木」cf.59)
」:=「其」+「石」:=いし+駒=>石の駒を持つもの=>囲碁(「石」cf.54)
」=「足」+「其」:=あし+こ賢いもの=>こ賢いものの足=>(幼児の)投げ出した足=>両足を投げ出す座り=>なげ座り(「足」cf.41)
」=「虫」+「其」:=むし+ちょっと賢いもの=>ちょっと賢いむし=>毒のあるかに=>どろがに(「虫」cf.38)
」=「馬」+「其」:=うま+ちょっと賢いもの=>賢い馬=>青黒の馬(「馬」cf.33)
」=「竹」+「其」:=たけ+ちょっと賢いもの=>竹のちょっと賢いもの=>米殻などをより分ける道具=>み(「竹」cf.54)
」=「其」+「糸」:=ちょっと賢いもの+糸=>ちょっと賢い糸=>履物を足に結ぶ糸=>くつ紐=>もえぎ色のひも=>もえぎ色(「糸」cf.49)

 「綦」ですが、絹糸や白髪のように白い蛋白質は時間がたつと黄ばんできます。黄ばみを避けるには目立たない黄色に染めるか、反対色の紫で薄く染め(染め毛)純白に見せるかです。

 「旗」の字はその旁から解読しておきます。

旗-方」=「乞-乙」+「其」:=若い男子+少し賢いもの=>少し賢い若い男子=>選ばれた男子(「乞-乙」cf.54)
」=「方」+「旗-方」:=動き回る+選ばれた男子=>動き回る選ばれた男子=>旗を持って動き回る男子=>旗士=>はた(「方」cf.51)

 「斯」は説文解字の意味は「析(さく)」の意味となっています。角川大辞典には題字がありませが、「斯」の会意文字が少しあるので解読しておきます。

」=「其」+「斤」:=ちょっと賢いもの+反り返る男=>ちょっと賢く自慢する男=>生意気な男=>引き裂く男=>ひきさくもの(「斤」cf.22)
」=「广」+「斯」:=いえ+反り返る男=>家で威張る男=>召使の男=>めしつかい(「广」cf.23)
」=「扌」+「斯」:=て+ひきさくもの=>てでひきさく(「扌」cf.)
」=「口」+「斯」:=くち+引き裂くもの=>くちを引き裂く鳴声=>馬のいななき=>いななく(「口」cf.37)
」=「冫」+「斯」:=ちょっと+切り裂く=>ちょっとさける=>氷がさける=>溶けだす=>とける(「冫」cf.64)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「其」 解字:象形。穀物を入れてあおり、殻やチリを除く道具の形にかたどる。もと、穀物を入れてあおり、殻やチリを除く道具の意。借りて、指示や強意などの助字に用いる。
「基」 解字:形声。意符の土(つち)と音符の其(物を載せる台の意)とから成る。土木工事の手はじめをの意を表すという。
「倛」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の其(みにくい意)とから成る。みにくい大きな面をかぶる人。
「惎」 解字:形声。意符の心(こころ)と音符の其(そこない傷付ける意)とから成る。人をそこなう心の意。
「欺」 解字:形声。意符の欠(口を開いた形)と音符の(あざむく、はかる意)とから成る。口を開いて、人をあざむく意。
「諆」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の其(あざむく意)とから成る。口先で人をあざむく意。
「祺」 解字:形声。意符の示(かみ)と音符の其(さいわいの意)とから成る。神の下す幸いの意。
「期」 解字:形声。意符の月(つき)と音符の其(ひとまわりする意)とから成る。月の一周り、満月から次の満月までの一か月の意。
「棋」 解字:形声。意符の木(き)と音符の其(ちいさい意)とから成る。将棋の小さい駒の意。
「碁」 解字:形声。意符の石(いし)と音符の其(ちいさい意)とから成る。ちいさい石、碁石の意。
「踑」 解字:形声。意符の足(あし)と音符の其(の意)とから成る。
「蜞」 解字:形声。意符の虫(むし)と音符の其(ちいさい意)とから成る。ちいさい虫、「どろがに」の意。
「騏」 解字:形声。意符の馬(うま)と音符の其(青黒の意)とから成る。青黒色の馬の意。
「箕」 解字:形声。意符の竹(たけ)と意符と音符を兼ねる其(み、ちりとりの意)とから成る。竹製の「み」の意。
「綦」 解字:形声。意符の糸(いと)と音符の其(もえぎいろの意)とから成る。もえぎ色の絹の糸。

「旗」 解字:形声。意符の「方+人」(はたあしがなびく意)と音符の其(集め会する意)とから成る。兵士を集合させる「はた」の意。
「斯」 解字:題字なし。
「廝」 解字:形声。意符の广(いえ)と音符の斯(ちいさく分ける意)とから成る。家の中で、まきを細かく割る小者の意。
「撕」 解字:形声。意符の手(て)と音符の斯(きりさく意)とから成る。手で引き裂く意。
「嘶」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の斯(きりさけるの意)とから成る。馬が、切り裂けるような声でなく、「いななく」意。
「凘」 解字:形声。意符の冫(こおり)と音符の斯(ばらばらに分かれる意)とから成る。氷が溶ける意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「甚」の解読とその会意文字

」=「其-ハ」+「L」+「儿」:=ちょっと賢いもの+女+垂れ流す子供=>垂れ流す賢い女=>(学習前の)非常に賢い女児=>非常に賢いもの=>程度のはははだしもの=>はなはだし(「L」cf.70、「儿」cf.19)

 「其」の会意文字から出てくる意味は「ちょっと賢い」意味でしたが、これに比べて、「甚」は「非情に賢い」意味が出てきます。この意味は、女統領の跡継ぎ娘を褒める言葉、もしくは祈願の意味を感じますが、女統領へのご機嫌取りの感じもします。

 「甚」は「兆:=虚弱な幼児=>ちょっと生きるもの(短命のきざし)=>長生きするもの=>ものすごく永くあるもの=>数多いもの(cf.64)」と意味が反転する変化が似ています。

」=「忄」+「甚」:=感覚+賢い女児=>賢い女児の感覚=>本当の感覚=>本物=>まこと(「忄」cf.73)
」=「甚」+「戈」:=賢い女児+武器=>女児の護身用武器=>突き刺す武器=>さす(「戈」cf.15)
」=「土」+「甚」:=男の人+非常に賢いもの=>非常に賢い男=>我慢強い男=>耐えられる人=>たえる(「土」cf.19)
」=「甚」+「少」:=賢い女児+すくない=>非常に賢い女児=>すくない(「少」cf.50)
」=「火」+「甚」:=ひ+賢いもの=>賢い火=>持ち運べるかまど=>置きかまど(「火」cf.61)
」=「木」+「甚」:=き+賢いもの=>賢い木=>物を切る台木=>あてぎ(「木」cf.59)
」=「米」+「甚」:=米+賢いもの=>あつものに米の粉を加えたもの=>こながき
」=「扌」+「甚」:=て+賢いもの=>賢い手使い=>手の感覚でさぐる=>手探り=>深く手を刺す(「扌」cf.12)

」=「甚」+「力」:=賢いもの+力のある男=>力のある賢いもの=>賢い役人=>罪を問いただす=>かんのいい男=>かん(「力」cf.70)
」=「土」+「勘」:=男のひと+非情に賢いもの=>非常に賢い男=>忍耐の強い男=>たえる(「土」cf.19)

 「墈」は「土+勘」と解釈するより次のように庶民と女領主達の間の役人(中間管理職)の男とみるほうが妥当かもしれません。

」=「堪」+「力」:=忍耐強い男+力のあるもの=>忍耐強い役人=>中間管理職=>忍耐強いもの=>たえる

 幼児が休日に父親と共に過ごす時間が長いほど我慢強くて自制心のある子供に育つという統計データがあるようです。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「甚」 解字:会意形声。意符の匹(男女のつれあいの意)と意符と音符を兼ねる甘(楽しみにふける意)とから成る。男女の楽しみにふける意。ひいて、「はなはだし」、「はなはだ」の意に用いる。
「愖」 解字:形声。意符の心(こころ)と音符の甚(まことの意)とから成る。「まこと」の意
「戡」 解字:形声。意符の戈(ほこ)と音符の甚(つきさす意)とから成る。ほこで突き刺す意。ひいて、「かつ」意に用いる。
「堪」 解字:形声。意符の土(つち)と音符の甚(突出する意)とから成る。むっくりと高くなった土地の意。借りて、「たえる」意に用いる。
「尠」 解字:形声。意符の少(すくない)と意符と音符を兼ねる甚(はなはだしい意)とから成る。はなはだしく「すくない」意。

「煁」 解字:形声。意符の火(ひ)と音符の甚(とる意)とから成る。手にとって持ち運べる火、置きかまどの意。
「椹」 解字:形声。意符の木(き)と音符の甚(鉄敷、または物を切る台の意)とから成る。切ろうとするものの下に置く、木の台の意。
「糂」 解字:形声。意符の米(こめ)と音符の甚(まじえる意)とから成る。米の粉を混ぜてつくるこながき(あつものに米の粉を加えたもの)の意。
「揕」 解字:形声。意符の手(て)と音符の甚(深く刺す意)とから成る。手で深く突き刺す意。

「勘」 解字:形声。意符の力(ちから)と音符の甚(たえる意)とから成る。力んでたえる意。借りて、「かんがえる」意に用いる。
「墈」 解字:形声。意符の土(つち)と音符の勘(突出する意)とから成る。むっくりと高くなた土地の意。借りて、「たえる」意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4.「某」の解読訂正とその会意文字

 「某」は第59回で上部が「甘」(cf.)と解読しましたが、「其-ハ」と同じ考えで解読するべきでした。訂正し、その会意文字を示します。

某-木」=「サ」+(融合)+「日」:=男達+すぐれたひと=>すぐれた男達(「サ」cf.62、「日」cf.45)
」=「某-木」+「木」:=男達+夫=>すぐれた夫達(「木」cf.59)

」=「言」+「某」:=言葉+すぐれた夫達=>すぐれた夫達の言葉=>だます言葉=>だます(「言」cf.39)
」=「火」+「某」:=ひ+すぐれた夫達=>山火事跡の黒くすすけた立木(男達)=>すすけたもの=>すす(「火」cf.61)
」=「女」+「某」:=おんな+すぐれた夫達=>すぐれた夫達のようなおんな=>男勝りなおんな=>おんなと男の間を取り持つもの=>仲立ちをするもの=>仲人
」=「示」+「某」:=神事+すぐれた夫達=>すぐれた夫達(が得られること)を祈願する=>良夫達を得る祈願=>男の成長祈願=>懐妊祈願(「示」cf.61)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「某」 解字:形声。意符の木(き)と音符の甘(口中に物を含むの意。転じて、体内に子を身ごもる意)とから成る。妊婦が好んで食する酸っぱい果実の意。借りて、「それがし」の意に用いる。
「謀」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の某(もとめるの意)とから成る。相手の言葉を探り求める、「はかる」意。ひいて、「はかりごと」の意に用いる。
「煤」 解字:形声。意符の火(ひ)と音符の某(の意)とから成る。
「媒」 解字:形声。意符の女(縁組み)と音符の某(はかる意)とから成る。縁組を仲立ちする意。
「禖」 解字:形声。意符の示(かみ)と意符と音符を兼ねる某(=梅。妊婦が欲する酸果、うめの意)とから成る。懐妊するよう神に祈る祭りの意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****


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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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