象形文字の秘密
漢字の解読

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特殊部首の解読 その2 /71

今回は「勿」に関する修正や補足と、「ユ」についての解読を紹介します。

1.「勹―ノ(今後「┐」と表記)」の再検討(cf.26~30。この修正項の字は図から省略)

 第26回から第30回にかけて「勹:=曲げた足」で象形と解釈しました。「┐」を調べて行くうちに「勹」が「┐」の会意であることに気が付きましたので、訂正します。
 曲げた足の意味はいつも腰を引いて屈んでいた「┐:男の特性」に由来しており、例によって「ノ:=特別な」を着ける位置で曲げた腰に見立ててた構成にしています。

」=「口-L」:=女(男女の特性を持つもの)-女の特性=>男の特性=>男の股間=>股間(再掲。Cf.69)

」=「┐」+「ノ」:=おすの特徴+特別な=>おすの特徴を持つ特別な所=>尻を曲げた男の股間=>曲げた下半身=>足を曲げたもの=>曲げた足(修正)
」=「┐」+「ノ」:=おすの特徴+特別な=>おすの特徴を持つ特別な所=>尻を曲げた男の股間=>またぐら=>(男根を)体でつつみこむ=>つつむ/ひとかたまり=>ひとつつみのもの=>一連のもの(修正)

 「万-一」「与-(下の)一」「弓-コ」の解釈を修正します。「万」と「方」は「勹」の会意ではなく「幻-幺」に「|+ノ(左はね棒)」が加わったものと訂正します。その他の「勿」以外の「勹」に関する会意文字は修正する必要がないので、第28回を参照してください。

万-一」=「ノ(左はね棒)」+「勹-ノ」=>たれ下がるもの+男の特徴=>男根を下げた男(訂正)
」=「一」+「万-一」:=体+男根を下げた男=>男根を下げた男の体=>動き回る体=>千変万化するもの=>すごくたくさん(訂正)
」=「亠」+「万-一」:=隠れる+動き回る=>動き回り見えなくなる/あのあたり=>あっちこっち=>行き来する=>行って戻る=>往復する(訂正)

与-(下の)一」=「勹-ノ」+「ト」:=男の股間+棒=>男の男根(訂正)
」=「与-(下の)一」+「(下の)一」:=男根+器官=>男根という器官(男性の性器)=>(精液を)あたえるもの=>あたえる(再掲)
弓-コ」=「|」+「┐」:=棒+男の特徴=>男根を立てた男の体=>曲がった体(修正)
」=「コ」+「弓-コ」:=はいはいする子供+曲がった体=>幼児の曲がった体=>ゆみ(修正)

 第29回で「局」は女の尻の産道口と誤解し子宮が縮む意味に解読しましたが、以下のように訂正します。

」=「口」+「|+ノ」:=肛門+垂れ流すもの=>しり=>突き出したもの=>覆うもの (再掲)
局-(下の)口」=「尸+「┐」:=しり+男の特性=>男のしり(訂正)
」=「局-口」+「口」:=男のしり+口=>男の尿道口=>ちぢむもの(ちぢむ)=>子宮の口=>子宮=>つぼ(修正)



2.「勿」の解読

 「勹」の中でも特に「勿」と「匆」の解釈は修正が必要であり、その会意文字を追加します。他の「沕」「吻」「物」「易」「昜」等の「勿」の会意文字は第28回を参照してください。

」=「勹+ノx2」:=男の股間+たくさんの毛=>毛の多い股間=>動物の股間=>動物(訂正。「ノx2」cf.65)

豕-一」=「勿」+「ヒ」:=動物+男(オス)=>動物のオス=>オス=>にく(再掲)
「豕」=「一」+「豕-一」:=体+動物のオス=>オス体/男の体=>オス/男=>にく=いのししの肉=>ぶたの肉=>ぶた
冡-冖」=「一」+「豕」:=体+オス=>オスの体/男の体=>オス/男=>にく

 これらの変化は、日本語で「おみおつけ」と「漬(物)」に三度も「御(お、み)」が付いた歴史的表現となっていることを思い出させてくれます。

 第49回では「豕」は「(勿+一)+ヒ」と考えて解説しましたが、今回解説するように「(勿+ヒ)+一」と解釈しても全く矛盾がありません。各時代で微妙に異なる男(オス)や肉を表現し分けたのでしょう。
 「家」「豚」「隊」「遂」「逐」については第49回を参照してください。

」=「勿」+「丶」:=動物+指示=>動物の足=>忙しく動くもの=>いそがしい

 「匆」はほとんどが「ヒ」の付いた「涿-氵」の形で存在します。従ってその会意文字は下の「涿-氵」の所で述べます。特に「琢」と「啄」は「丶」が付いていますが「涿-氵」の所で、そして「縁-幺」と「彖」に関しては別項で述べます。


」=「ク」+「日の90度回転」+「勿」:=動物+女の生理+獣=>生理のある動物=>ぞう(「ク」cf.6、「日の90度回転」cf.46)
」=「イ」+「象」:=男の仕事+ぞう=>ぞう使い=>ぞう使いの性格を映すぞう=>性格をうつす=>うつしたもの=>写ったもの(「イ」cf.54)


」=「冖」+「冡-冖」:=包むもの+にく=>(ソーセージノように)包んだ(保存用の)肉=>つつまれたもの=>つつむ(「冖」cf.34)
」=「クサカンムリ」+「冡」=>おとこたち+包まれたもの=>包まれる男たち=>隠された暗い所のひと=>(パオで包まれた)モウコ人(「クサカンムリ」cf.62)
」=「月」+「蒙」:=つき+覆われたもの=>雲に覆われた月=>輪郭のはっきりしないもの=>おぼろげなもの=>おぼろ(「月」cf.45)
」=「目」+「蒙」:=め+覆われたもの=>目が覆われたもの=>目の見えない人=>めしい(「目」cf.48)
」=「日」+「蒙」:=太陽+覆われたもの=>覆われた太陽=>うす曇りの太陽=>ぼんやりしたもの(「日」cf.45)
」=「氵」+「蒙」:=みず+覆われたもの=>覆い包む水=>きりさめ/こさめ
」=「巾」+「蒙」:=ぬの+覆われたもの=>覆い隠す布=>おおい(「巾」cf.34)


塚-土」=「冖」+「豕」:=かぶせるもの+動物の体=>包んだ獣の肉=>(腸詰めのような)包んだ肉
」=「土」+「包んだ肉」:=土で包んだ肉=>(保存のために)地中に埋めた肉=>地中に肉を埋めた所=>肉体を葬った土地=>土の盛り上がった所=>つか(「土」cf.19)
」=「高-口」+「豕」:=前を隠した体+男=>前隠しを付けた男=>すぐれた男/すぐれる=>つよい男/つよい=>(「高-口」cf.51)

 「塚-土:=覆う」と「冢:=高い盛り上がり」が康煕字典に説文解字の引用として載っていますが、意味の上から考えると「[塚-土]:=高い盛り上がり」なら納得できますが、「冢=冖+[冢-冖]=包むもの+忙しく動くもの」では意味がとれず、説文解字の誤りであると考えられます。


  「ノx2:=たくさんの毛」の意味を構成要素とする「勿」は、その形を「4本の足のイメージ」に象形的に構成しています。次の段階では、その象形とした形の「足」と想定できる部分に指示の「丶」を付けて、「四本の足の動きの忙しさ」の意味を持たせるという、形と意味に対する心憎いほどの高度な対処法を鑑賞してください。

涿-氵-一」=「勿」+「一」+「丶」=オス+体+指示(足の部分)=>オス(男)の足=>せわしく動くもの=>頻繁なもの
涿-氵」=「豕」+「丶」=オス+指示(足の部分)=>オス(男)の足=>せわしく動くもの=>頻繁なもの

 「涿-氵-一」も「豕」の場合と同様に「(勿+丶)+ヒ」と考えても「(勿+ヒ)+丶」と考えても同じ結果となります。

 前回気が付かなかったのですが、「涿-氵」は康煕字典の「豕」の項の最後に説文解字の引用として「足を絆でつないだ豚の象形」となっています。

涿」=「氵」+「涿-氵」:=みず+せわしく動くもの=>せわしく動く水=>したたる水=>したたる
」=「言」+「涿-氵」:=ことば+せわしく動くもの=>せわしく攻めることば=>そしる(「言」cf.39)
」=「木」+「涿-氵」:=おっと+せわしく動く意=>せわしく動く夫=>多動症の夫=>たたく
」=「疒」+「涿-氵」:=やまい+せわしく動くもの=>せわしく動く病=>せわしく掻くやまい=>しもやけ

 第49回で解説の欠けていた「琢」と「啄」の旁は康煕字典ではどちらも「一+匆+ヒ」で、「丶」の付いた字が登録されており、意味の上から考えてもそちらの方が納得できます。

」=「たま」+「涿-氵」:=宝石+忙しく動く=>宝石を忙しく磨く=>石を磨く=>みがく(「王」cf.21)
」=「口」+「涿-氵」:=くち+忙しく動く=>口を忙しく動かす=>(鳥が)ものをついばむ=>ついばむ(「口」cf.36)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「象」 解字:象形。鼻と牙と胴体などからなるぞうの全体の形にかたどる。体格の壮大な獣、「ぞう」の意。
「像」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の象(すがたの意)とからなる。人の姿、「かたち」の意。ひいて「かたどる」意に用いる。

「冡」 解字:会意形声。意符の豕(ぶた)と意符と音符を兼ねる「同-口」(おおう意)とから成る。豚の上に覆いをかける、ひいて、おおう意。
「蒙」 解字:会意形声。意符の艸(くさ)と意符と音符を兼ねる冡(おおう意)とから成る。覆いかぶさるつる草、まめだおしの意。借りて、「おおう」「くらい」などの意味に用いる。
「朦」 解字:形声。意符の月(つき)と音符の蒙(覆われて隠れる意)とから成る。つきが雲や霞などに覆われてかすむ、「おぼろ」の意。
「矇」 解字:会意形声。意符の目(め)と意符と音符を兼ねる蒙(覆われて暗い意味)とからなる。
「曚」 解字:形声。意符の日(ひ)と音符の蒙(おおう意)とから成る。日が覆われている暗い意。
「濛」 解字:形声。意符の水(あめ)と音符の蒙(こまかい意)とから成る。細かい雨の意。
「幪」 解字:形声。意符の巾(ぬの)と音符の蒙(見えない意)とから成る。覆われて見えないように隠す布の意。

「豪」 解字:形声。意符の豕(いのこ、または長い剛毛を持つ獣)、と音符の高(「高-口」省略形、こわい、かたい意)とから成る。剛毛が背中に生えている獣、「やまあらし」の意、ひいて、「つよい」、「すぐれる」意に用いる。

「涿」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の「涿-氵」(したたる意)とからなる。流れ滴る水の意。
「諑」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の「涿-氵」(つつく、たたく意)とからなる。ことばでたたく、そしる意。
「椓」 解字:形声。意符の木(き)と音符の「涿-氵」(うつ意)とからなる。木で「うつ」意。
「瘃」 解字:形声。意符の疒(やまい)と音符の「涿-氵」(ふくれる、はれる意)とからなる。手足のはれる病気、しもやけの意。

「琢」 解字:形声。意符の玉(たま)と音符の豕(みがききざむ意)とからなる。玉を刻んで形を整える意。ひいれ、「みがく」意に用いる。
「啄」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の豕(うつ意)とからなる。鳥がついばむ意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「ユ」の解読

 「ユ」の解読とそれに関連の深い「五-一(上部)」「五」をまず紹介し、残りを続く項で紹介します。

」=「┐」+「一」:=男の特性+体=>男の特性を持つ体(男根を持つ体)=>男の体=>男=>オス=>けもの(「一」cf.19)

五-一(上部)」=「|」+「ユ」:=たった男根+男の体=>男根を立てた男=>正常な男=>健全な男
韋-ヰ」=「五-一(上部)」+「口」:=男根を立てた男+ひと=>健全な男の人=>健全な男(「口」cf.37)
」=「韋-ヰ」+「ヰ」:=健全な男+前を隠した男=>前を隠した健全な男=>健全な男=>しっかりしたもの(「ヰ」cf.53)
」=「イ」+「韋」:=男の仕事+健全な男=>男の世話をする男=>男の世話のできる男=>抜きん出た男=>えらい男=>えらい
」=「辵」+「韋」:=はしる+健全な男=>走る(時だけは男根を立てない)健全な男=>普段とちがう男=>普段とちがう=>ちがう(「辵」cf.65)
」=「糸」+「韋」:=いと+しっかりしたもの=>丈夫な糸=>(織物の)たていと=>縦にとおるもの(「糸」cf.49)
」=「口」+「韋」:=かこう+健全な男=>健全な男をかこう=>男をかこう=>かこう(「口」cf.36)

」=「行」+「韋」:=よその部族へゆく+健全な男=>部族を移る健全な男を護衛する=>ごえいする=>まもる(「行」cf.54)
」=「言」+「韋」:=ことば+しかりしたもの=>しっかりした言葉の男=>恐れる男=>きらうもの=>名前を口にするのもはばかる=>名を隠して言わない=>いみな(「言」cf.39)

 「諱」は知恵を得た男が腕力で次の父系社会を作ることを女達は本能的に恐れていたと思われます。

」=「一」+「五-一」:=体+(男根をたてる)健全な男=>男となる体=>五歳男児=>五歳児=>五歳=>ご(「一」cf.19)
」=「丁」+「ユ」:=働く男+男の体=>働き出す男=>五歳児の男=>五歳児=>五歳=>ご(別解)
(「丁」cf.21)

 「五」は二番目の解読も可能ですが、自分を意識しだす年齢の意味の方が重要で一番目の解読が正しいと思われます。「六:=(男根を立てて)隠れる男=>六歳児=>ろく(「六」cf.60)」や、下に示す「捂:=五歳児の手=>かみ合わない手=>さからう」から考えても一番目の解読に納得できます。

」=「五」+「口」:=ごさい+ひと=>五歳になたもの=>五歳児(幼稚なもの)=>五歳児の私=>わたし(「口」cf.37)

」=「言」+「吾」:=ことば+五歳児=>五歳児の言葉=>会話のできる言葉=>ことば(cf.39)

 「五歳児」は最初「五:=五歳の男児=>五歳児」でしたが、「五」に「口:=女(cf.37)」を加え、「吾:=五歳の女児=>五歳女児=>わたし」の意味に変化しています。
 「吾:=五歳児」という言葉は初め大人が使って呼掛けた固有名詞が、喋りだし呼び掛けられた当人が「語:=五歳児の言葉=>言葉」で自分のことを「五歳児」と言い、後にそれが「われ」の人称代名詞に代わっています。

」=「扌」+「吾」:=て+五歳児=>五歳児の手=>かみ合わない手=>意志に逆らう手=>さからう (「扌」cf.12)
」=「牛」+「吾」:=うし+五歳児=>五歳の牛 =>さからう(「牛」cf.12)

 私は犬を飼っていますが、思い起こすと牛ばかりか三歳の犬にも反抗期がありました。(「牾」)

」=「日」+「吾」:=支配者+五歳児=>五歳になった跡取り娘=>かしこい=>物事に明るい=>あきらか (「日」cf.45)
」=「木」+「吾」:=夫+五歳児=>五歳児妻の夫=>夫(棒)が支える=>棒で支える=>棒で支えたもの=>つくえ/あおぎり=>あおぎりで作る琴=>こと(「木」cf.59)

 「あおぎり」は二本の大きな棒状の若葉で挟み込まれるように小さな実の付く玉状の部分が生じます。

」=「口」+「吾」:=かこう+五歳児=>五歳児をかこう=>五歳児をかこいまもる=>かこう/まもる=>人をかこう=>牢に入れる=>ろうや(「口」cf.36)

 「四:=囲う垂れ流す子供=>四歳児=>四(cf.36)」でした。同じ囲うでも「圄」は閉じ込めてしまう意味が次第に強くなっています。

***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「韋」 解字:題字なし。
「偉」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の韋(なみはずれの意)とから成る。並外れて大きい人の意。ひいて、「えらい」意に用いる。
「違」 解字:会意形声。意符の辵(ゆく)と、意符と音符を兼ねる韋(足が互いに反対の方向をむく意)とから成る。離れ背いてゆく意。ひいて、「ちがう」「たがう」意に用いる。
「緯」 解字:形声。意符の糸(いと)と、音符の韋(かこむ意)とからなる。機の杼についていて、往復させて横糸をかこむ糸、「よこいと」の意。
「圍」 解字:形声。意符の口(まわりをかこむ)と、音符の韋(かこむ、めぐる意)とから成る。周りをかこむ意。ひいて「かこむ」意に広く用いる。
「衛」 解字:会意形声。意符の行(みち)と、意符と音符を兼ねる韋(周囲を巡りあるく意)とから成る。道を巡りあるいて見張る、「まもる」意。
「諱」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の韋(いましめる意)とから成る。言葉に出すのを戒めて避ける、「いみな」の意に用いる。

「五」 解字:象形。「二+X」糸巻き機の形にかたどる。糸巻きの意。借りて、数詞の「いつつ」の意に用いる。
「吾」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の五(われの意)とから成る。一人称代名詞「われ」の意。
「語」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の吾(対抗して答える意)とからなる。質問に対抗して答える言葉の意。ひいて「かたる」、「ことば」などの意に用いる。
「捂」 解字:形声。意符の手(て)と音符の吾(かみあう、交差する意)とからなる。手がかみ合うことから、食い違ってひっかかる、「さからう」意。
「牾」 解字:形声。意符の牛(きね)と音符の吾(つきあてる意)とからなる。杵をぶつける意。転じて「さからう」意に用いる。
「晤」 解字:形声。意符の日(ひ)と音符の吾(あきらかの意)とからなる。太陽の光が明るい意。
「梧」 解字:形声。意符の木(き)と音符の吾(おおきい意)とからなる。葉の大きい木、あおぎりの意。
「圄」 解字:形声。意符の口(かこう)と音符の吾(とどめる意)とから成る。人を閉じ込める所、「ひとや」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4.「彑」の解読

 「彐」は「けいがしら」と呼ばれる部首でその中に「彑」と「巾の右90度回転型」が含まれています。「巾の右90度回転型」は第回を参照してください。
 説明の都合上から「彐」の先に「彑」を解読します。「彑」には二つの意味の流れが認められます。

」=「L」+「ユ」:=(少しの)女の特性+男の体=>男の体の中の女の特性=>男の中の女の徳=>少し物の分かる男=>分かる男=>男
」=「L」+「ユ」:=(少しの)女の特性+けもの=>女の特性を持つけもの=>子を生むけもの=>メス

 前回紹介した「厄-厂」は大きな「L:=女の特性」に小さな「┐:=男の特性」でしたが、「彑」では逆に大きな「ユ:=男の体」に小さな「L:=女の特性」が付いています。

」=「彑」+「勿+ヒ」:=女の特性を持つもの+男=>少しものの分かる男=>おとこ(「家-宀」cf.49)
」=「彑」+「勿+ヒ」:=女の特性を持つもの+けもの=>出産するけもの=>メス

」=「竹」+「彖」:=たけ+メス=>メダケ(節の小さいマダケ?)=>筋の弱い竹(の子の)皮=>文字を書く竹皮=>竹皮に書かれた文字=>(縦筋の強い書体)てんしょ(「竹」cf.54)
」=「扌」+「彖」:=て+少しものの分かる男=>手に入れた少しものの分かる男=>手伝う男=>下働きの男=>下役(「扌」cf.12)

」=「彑」+「氺」=少しものの分かる男+少し垂れ流すもの=>少し垂れ流す道理の理解できる男/あちこちにいるもの=>徐々に理解が減退するもの=>経年変化するもの=>(表面が)はがれてゆくもの=>はげおちるもの=>削られたもの=>けずったもの(「氺」cf.64)

」=「氵」+「彔」:=みず+少し垂れ流すもの=>少したれ流れるみず=>したたる
祿(禄)」=「示」+「彔」:=神事+少し垂れ流すもの=>(神からの)下されるもの=>物資の豊かなこと=>ゆとりのあること=>さいわいなこと=>さいわい(「示」cf.61)
」=「王」+「彔」:=宝石+めずらしいもの=>めずらし宝石=>貴重な宝石(cf.21)
」=「辵」+「彔」:=あるく+少し垂れ流すもの=>ぶらぶら歩きまわる=>ぶらぶら往来する(「辵」cf.65)
」=「石」+「彔」:=いし+あちこちにあるもの=>散らばってある石=>でこぼこの地面=>(車で通ると)がたがたする道=>せわしない(「石」cf.54)

 旁は同じ「彔:=少し垂れ流す男」ですが、「琭」のできた時代にはまれであり、「逯」のできた時代にはあちこちで見かけ、車も多くなった「碌」のできた時代にはごろごろしていたと推測できます。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「篆」 解字:形声。意符の竹(ふで)と音符の彖(玉のうえに筋彫りする意)とから成る。筋彫りのように盛り上がっている書体の意。
「掾」 解字:形声。意符の手(て)と音符の彖(たすける意)とから成る。手助けをする意。ひいて、下役の意に用いる。
「淥」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の彔(したたる意)とから成る。水が滴る意。
「祿」 解字:形声。意符の示(かみ)と音符の彔(食い物の意)とから成る。神から与えられた食物、穀物の意。ひいて、「さいわい」の意に用いる。
「琭」 解字:形声。意符の玉(たま)と音符の彔(きよい意)とから成る。数少ない清い玉の意。
「逯」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と音符の彔(なすところのない意)とから成る。道を行くになすところなく往来する意。
「碌」 解字:形声。意符の石(いし)と音符の彔(石のごろごろ多い意)とから成る。石がごろごろしている意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



5.「彐」の解読

 まず「彐」に関する辞書の解字から確認しましょう。

「彐」 部首解説:これが部首になって、豚やいのこに関する文字ができている。
「彐」 解字:象形。動物の首から上、特にくちばしの部分にかたどる。豚のとがった頭の意。本字は「彑」。

「彐」=「ユ」+「一」:=男の徳+体=>男の徳を持つ体=>男の体/オスの体=>男/オス

 「彐」の部首には「彑」が本字と記されています。「彐」は肉体的な男もしくはオスであり、「彑:=子を生むけもの=>メス」に対抗した意味を持つ時代があったと考えられます。後の時代には、オスとメスの意味に関しては「豕-一:=けもの」を付けて区別したのでしょう。

縁-糸」=「彐」+「豕-一」:=男の体+オスの獣=>オスの体=オス
(=「糸+彖」)」=「糸」+「縁-糸」:=いと+オスの体=>オスとつながる(肉体を持つこと)=>けものとつながる=>えん(「糸」cf.49)

剥-刂」=「彐」+「氺」:=男+少し垂れ流すもの=>少し垂れ流す男・・・=>少し垂れ流す道理の理解できる男/あちこちにいるもの=>徐々に理解が減退するもの=>経年変化するもの=>(表面が)はがれてゆくもの=>はげおちるもの=>削られたもの=>けずったもの(「氺」cf.64)
」=「彔」+「刂」:=はがれるもの+かたな=>刀ではがすもの=>けずりはがす=>はがす(「刂」cf.63)
」=「糸」+「彔」:=いと+はがれるもの=>(色の)はがれる糸=>緑に染めた糸=>みどり色の糸=>みどり(「糸」cf.49)
」=「金」+「彔」:=金属+削られたもの=>削られた金属=>記録する金属=>きろくする=>しるす

 「剥-刂」は変化の中の・・・以降は「彔」と混同されているのでそれと同じ内容を付けましたが、本来はないものでしょう。

 現在の染料が開発される昭和の時代まで、染料のうちで「緑色」が最も剥げやすい色でした。また、英語でも記録するという単語「scribe」は「引っかく」が語源だそうですが、漢字では金属に引っかくとなっています。

 全体を統合して考えると、特に「氺:=少し垂れながすもの」を付けた「彔」と「緑-糸」は、後代に混同したようです。「縁」の本字の旁が「彖」であるのは納得できますが、「緑」の旧字の旁が「彖」であることは納得できません。「剥」では偏が「彔」となっているのが本字ですが、本字は混同しています。

 「録-金(彐+氺)」は動物的肉体を現す「彐」と「氺:=少し垂れ流すもの=>少し理解のあるもの」との組み合わせには多少抵抗を感じますが、「剥」「緑」「録」の三字にのみ残っており、その解字はすべて正しく「彔」となっています。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「縁」 解字:形声。意符の糸(ころも)と音符の彖(布のへりの飾りの意)とから成る。ヘリを飾った衣の意。ひいて、「へり」「ふち」「ゆかり」などの意に用いる。

「剥」 解字:形声。意符の刀(かたな)と音符の彔(ひきはなす意)とから成る。刀で裂いてはがす意。
「緑」 解字:形声。意符の糸(きぬ)と音符の彔(銅、青銅からでる緑青の青色の意)とから成る。緑青の色の絹の意。ひいて、「みどり」の意に用いる。
「録」 解字:形声。意符の金(金属)と音符の彔(しみでる意)とから成る。銅や青銅から出る緑色の意。借りて、「しるす」意に用いる。

***** 開始 関連する辞書の解字 *****



6.そ他「ユ」の会意の文字

 辞書では「五」と同じく「二の部」に属し、かつ共に象形となっている「互」の字の解読には「ユ」に対する女のからだを示す文字を引き出さなくては解読不可能です。「互=彑+一」と解釈するより以下の解釈の方が適当です。

互-ユ」=「一」+「L」:=体+女の特性=>女の特性を持つ体=>女の体(「一」cf.19)
」=「互-ユ」+「ユ」:=女の体+男の体=>女の体と男の体=>男女の体=>互いに結び合うもの=>たがい

 「互」は男女の体がたがいにかみ合うように組み合わせた傑作文字の一つです。


」=「十」+「ユ」:=男根+けもの=>男根(角)を持つけもの(オス)=>うし(「十」cf.19)
」=「ソ+一」+「土」+「|+ノ(左はね棒)」+「丑」:=正面+ひと+垂れ流すもの+うし=>丑のように正面で(よだれを)垂れ流すひと=>よだれをたらすひと=>はすかしいひと=>はずかしい(「ソ+一」cf.35、「土」cf.19、「|+ノ(左はね棒)」cf.18)
」=「糸」+「丑」:=いと+うし=>丑のように従順ないと=>ひも(「糸」cf.49)

 同じ「丑」が入っていても「牛のように涎を垂らす」「丑のように従順」と字により異なる丑の特性を表しています。


呉-(一+ハ)」=「口」+「|」+「ユ」+「一+ハ」:=ひと+立てた男根+おとこ+立ち上がる=>男根を立てて立ち上がる人=>男根を立てて活動する男=>常態に反するもの=>異常なもの(の建てた)国=>国名(「一+ハ」cf.60)
」=「言」+「呉」:=ことば+常態でないもの=>普通でないことば=>あやまったことば=>あやまり(「言」cf.39)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****


「互」 解字:象形。綱あるいは糸をS字状にない合わせる道具の形にかたどる。綱あるいは糸をS字状にない合わせる道具の意。ひいて、「たがい」の意味に用いる。

「丑」 解字:象形。ひとが手の指を曲げ動かして、物をつかみ取るさまにかたどる。手の指でつかみ取る意。借りて、十二支の第二位に用いる。
「羞」 解字:形声。意符の羊(ひつじ)と音符の又(丑は変わった形。すすめる意)とから成る。宗廟に羊の肉を勧め備える意。借りて、「はじる」意に用いる。
「紐」 解字:形声。意符の糸(いと)と音符の丑(手でつかねておく意)とから成る。手で結びつかねておく糸、「ひも」の意。

「呉」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の「呉-口」(かたむく)とから成る。口から出る言葉が常と反して背く意。借りて、国名に用いる。
「誤」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の吾(対抗して答える意)とから成る。質問に対抗して答える意。ひいて、「かたる」「ことば」などの意に用いる。

***** 開始 関連する辞書の解字 *****



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【2008/11/25 02:18】 | 漢字解読3 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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