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特殊部首「幻-幺」の解読 /70

 前回「卩」が解読の対象となったところで、「幻」の旁に使われている「幻-幺」(「卩-|」)を更に追求します。


1.「幻-幺」の解読

 「幻-幺」の意味をつかみたくて「幻」の字の解字を辞書で調べてもまったく手掛かりがありません。どんな内容か確認しておきましょう。

「幻」 解字:象形。??(はたを織るときに横糸を入れた杼を右手で押しやる形)を反対向きにした形。杼を押し返す意。借りてまどわす意に用いる。

 漢字の世界では男女で対となる考えがはっきりしています。第19回では「L:=女の徳=>女の特性」を導きました。これをヒントに「男の徳=>男の特性」を表す文字があるはずだと仮定し探します。すると両者の合成から考えられる「口」に思い至ります。

」(産道口の象形):=産道口を持つもの=>おんな(再掲。cf.37)・・・=>男女の特性を持つもの

 女と男から女ができることは明白だったようで、「口:=おんな(男女の特性を併せ持つもの)」から「L:=女の特性」を除けば男の特性が残ります。

」(分解)=「L」+「幻-幺」:=女の特性+男の特性=>男女の特性をもつもの=>女(追加)

 「L」と「幻-幺」が自然界に存在せず、その象形のとなる対象が見つからないので、「L」と「幻-幺」の合成で「口」ができているのではなく、口が「L」と「幻-幺」に分解されたと考えるべきでしょう。
 「幻-幺」はその現存する文字の解析から、独自の意味の変化が生じたと考えられます。

幻-幺」=「口-L」:=女(男女の特性を持つもの)-女の特性=>男の特性=>男の股間=>股間

「幻」=「幺」+「幻-幺」:=オスの(見つかって)いないもの+男の特性=>まったくないもの=>まぼろし(「幺」cf.52)

」=「|」+「幻-幺」:=男根+男の股間=>股間に下がった男根=>たれた男根(別解。「卩」cf.69)

 第69回で「卩」は男根の象形「卯」の右半分、横から見たたれた男根の象形と推定しました。しかし、その形は更に意味の構成を読み取ることができるのです! それらを確信するにいたった「幻-幺」の会意を以下に紹介しましょう。


2.「厄-厂」の解読

 「厄-厂」(まげわりふ)は大きな「L」と小さな「幻-幺」からできています。辞書では.「厄-厂」は「卩」の部で「卩」の変形と書かれていますが、この解読ではまったく別物と考えます。

厄-厂」=「L」+「幻-幺」:=女の特性+(少しの)男の特性=>女の中の男の特性=>女の中の野生=>野生的なもの=>野生

」=「犭」+「幻-幺」:=けもの+野生=>獣の野生=>決まりをもたぬもの=>決まりのないもの=>決まりをむしするもの=>決まりをおかすもの=>おかす(「犭」cf.13)
」=「氵」+「厄-厂」:=みず+野生=>水の野生=>水の氾濫=>はんらん
範-竹」=「車」+「厄-厂」:=くるま+野生=>車の野生=>ころがること=>ころがる
」=「竹」+「範-竹」:=たけ+ころがる=>ころがる竹=>竹筒=>(特に祭りごとの)規範を収めるもの=>収めた規範=>きはん

 「範」は途中の「範-竹」の字が残っておらず解読は困難です。辻褄を合わせるためには、竹筒が規範を保管する容器であったと推定します。
 次の「厄」は途中で意味が二つに分かれています。

」=「厂」+「厄-厂」:=曲げた体+野生=>体を曲げた野生=>飛び掛って襲う身構え=>飛び掛って襲う=>襲われる=>さいなん=>わざわい(「厂」cf.23)
」=「厂」+「厄-厂」:=曲げた体+野生=>体を曲げた野生=>襲う身構え=>(縦に)丸くなったもの=>丸いもの
「卮」=「ノ」+「厄」:=特別な+丸くなったもの=>特に丸くなったもの=>さかずき (「ノ」cf.11)

」=「口」+「厄」:=くち+おそわれる=>口が襲われる=>しゃっくり
」=「扌」+「厄」:=て+丸くしたもの=丸くしたうで=>曲げたうで=>手でおさえる>おさえる (「扌」cf.)
」=「阝」+「厄-厂」:=たくさんのもの+まるいもの=>たくさんの丸いもの=>場所をとるもの=> 場所をふさぐ=>ふさぐ(「阝」cf.43)
」=「車」+「厄」:=くるま+縦丸のもの=>車を引かせる牛馬の肩当木=>くびき (「車」cf.24)

」=「ク」+「厄」:=動物+襲う身構え=>身構えた動物=>あぶない動物=>あぶないもの=>あぶない(修正)

 「危」はこの解読のきっかけとなった記念すべき字です、第6回では今日に引き継がれた最終の意味「厄:=わざわい」と解釈しました。「厄」の本来の意味、「飛び掛る丸い体」で解読すると字の認識のレベルが深まります。

」=「言」+「危」:=言葉+あぶないもの=>あぶない言葉=>だます言葉=>あざむく(「言」cf.39)
」=「足」+「危」:=あし+あぶないもの=>あぶない足=>ひざまずく足=>ひざまずく (「足」cf.41)

宛-宀」=「タ」+「厄-厂」:=横にした体+野生=>横になった体の野生=>横になって曲げて寝る体=>横に丸くなって寝る姿勢(横に曲がったもの)=> 中央がへこんだもの(「タ」cf.42)
」=「宀」+「宛-宀」:=おおうもの+中のへこんだもの=>カバーを付けた中のへこんだもの=>丸くふさがったもの=>ふた付のおわん(おわん)=>(領主から一人ひとり)あてがわれるもの=>あてがう=>あてる(「宀」cf.31)

 「宛」は説文解字の解説で「草を曲げてその下に覆われている意」となっています。一方本解読では「(草で)覆われた横向きに曲げて寝る体」が得られ、微妙に一致します。

」=「木」+「宛」:=き+おわん=>木のおわん=>おわん (「木」cf.59)
」=「月」+「宛」:=体+横に曲げる所=>体で横に曲げる所=>ひじ=>うで (「月」cf.45)
」=「扌」+「宛」:=手+横に曲げる所=>手の横に曲げる所=>てくび=>うで (「扌」cf.12)
」=「氵」+「宛」:=みず+横にまがったもの=>曲がって流れるもの=>曲がった流れ

」=「艸」+「宛-宀」:=草木+中のへこんだもの=>高い草木に囲われた所=>その (「艸」cf.62)
」=「心」+「宛-宀」:=こころ+横になった体=>横になる心=>ふさいだ心=>にくむ=>うらむ

***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「犯」 解字:形声。意符の犭(いぬ)と音符の「厄-厂」(おかす意)とからなる。犬が人を害する意。引いて、「おかす」意に用いる。
「氾」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の??(「厄-厂」は誤り変わった形)。ひろがりあふれる意)とからなる。水が広がりはびこる意。
「範」 解字:形声。意符の車(くるま)と音符の「竹+(厄-厂)」(火を燃やす意)とからなる。門出に際し、道祖神の前で火をもやし、車のお祓いをする祭りの意。借りて、「のり」の意に用いる。

「厄」 解字:形声。意符の「厄-厂」(人がひざまずいているさま)と、音符の厂(むっくりと突起している意)とからなる。ひざまずいて背中がむっくりと突起しているせむしの意。借りて、「わざわい」「くるしむ」などの意に用いる。
「卮」 解字:形声。意符の「厄-厂」(人がひざまずいているさま)と、音符の「ノ+厂」(ちいさい意。あるいは、うねうねした体の意)とからなる。もと、ちいさくひざまずいた、あるいは、体のくねくねした人の意。借りて、「さかずき」の意に用いる。
「呃」 解字:なし(「口+戸+乙」の解説)。
「扼」 解字:形声。意符の手(て)と音符の厄(しめつける意)とからなる。手でしめつける、おさえる意。
「阨」 解字:形声。意符の阜(おか、やま)と音符の厄(せまい意)とからなる。丘や山によって狭くなる、「ふさがる」意。ひいて、「せまい」意に用いる。
「軛」 解字:なし(「車+(戸+乙)」の解説。
「範」 解字:形声。意符の車(くるま)と音符の笵(「範ー車」は省略形。火を燃やす意)とからなる。門出に際し、道祖神の前で火を燃やし、車の祓いをするための祭りの意。借りて、「のり」の意に用いる。
「危」 解字:会意形声。意符の「厄-厂」(人がひざまづいたさま)と、意符と音符を兼ねる「ク+厂」(人が、がけの上または屋上に乗り、立てないでひざまずいているさま)とからなる。人ががけの上でひざまずくことから、「あやうい」意。
「詭」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の危(あざむき、いつわる意)とからなる。言葉で欺き、偽る意。
「跪」 解字:形声。意符の足(あし)と音符の危(ひざまずく意)とからなる。ひさまずく意。

「宛」 解字:形声。意符の宀(おおう)と音符の「宛-宀」(まがる、まげる意)とからなる。草をまげてその下におおわれている意。
「椀」 解字:形声。意符の木(き)と音符の宛(えぐる意)とからなる。木の内部をえぐりとって作った器の意。
「腕」 解字:なし(本字??の解説)。
「捥」 解字:形声。意符の手(て)と音符の宛(真直ぐで短いものの意)とからなる。手のひらとひじの間でまっすぐで短い部分
「涴」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の宛(まがる意)とからなる。水が曲がりくねって流れるさま

「苑」 解字:形声。意符の艸(くさ)と音符の「宛-宀」(垣根でかこう意)とからなる。囲いを設けた草原、まきばの意。転じて、「その」の意に用いる。
「怨」 解字:形声。意符の心(こころ)と音符の「宛-宀」(気がむすぼれる意)とからなる。心がむすぼれて、「うらむ」意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「刀」の解読

 部首である「刀」ノ部には「刀」と「刂」とがあり、「刀」「刂」の付く字とを比べると「刀」の付く字の方が圧倒的に少ないのです。そして「刀」が画数の少ない方を占め、「刂」の付く字の画数が多い方を占めています。
「かたな=>きる」の意味で使われた字は初期の時代には「刀」、しばらくして「刂」に変わったと考えられます。そして「刃(やいば)」が刀の派生であることから、「刀」の時代に既に金属製の刀があったのでしょう。
 辞書の解説から見てゆきます。

「刀」 部首解説:これを部首にして、刀や刃物の種類・性質・働きなどをあらわす文字ができている。旁になるとおおむね「刂」の形となり「りっとう」と呼ぶ。
「刀」 解字:象形。刀の形にかたどる。きるものの意。


」=「幻-幺」+「ノ」(左はね棒):=男の特性+垂れ下がるもの=>男が腰にぶら下げるもの(男根)=>かたなをぶら下げた男=>かたなをさした男=>腰にさしたかたな=>かたな(「ノ(左はね棒)」cf.19)
」=「刀」+「丶」:=かたな+特別な=>特別な刀=>はを持つかたな=>かたなのは=>やいば
」=「辵」+「刀」:=あし+かたなをぶら下げた男=>かたなをさして見回る男=>村周辺を見張る男=>周りを見張る=>まわり=>はしっこ=>へん
」=「衣」+「刀」:=男達のころも+腰にぶらさげた男根=>男達の腰の衣=>男が最初に付ける衣(ふんどし)=>最初のころも=>はじめて

 現代になっても、パンツは男女を問わず風呂上りで最初に着ける衣です。

」=「刀」+「幻-幺」:=腰にぶら下げるもの+男の特性=>かたな(男根)を持つ男=>おまえ=>なんじ=>これ(呼びかけ)=>それから/それで
」=「イ」+「乃」:=男の仕事+刀を持つ男=>刀を持つ男に仕えるもの=>男に従う男=>したがう=>よりそう=>よる(「イ」cf.54)
」=「禾」+「乃」:=あわ(いね)+刀(鎌)を持つ男=>稲を刈る男=>優れた男=>すぐれたもの=>すぐれる(「禾」cf.11)

 話の途中で相手に呼びかける二人称の呼称「乃」が、注意を促す呼びかけに変化し、更に次第に口調の中に定着して「それから」という論をつなげる従属詞となったと考えられます。

」=「刀」+「口」:=かたな+ひと=>刀を作る技術を持ったお方=>領主のまねく匠=>まねく/匠=>自発的にめしだす=>めす(「口」cf.37-47)
」=「扌」+「召」:=て+まねく=>てでまねく=>まねく(「扌」cf.12)

 「召」も「招」もともに「まねく」意味があります。「まねく」の意味を持つ字は最初「召」で、領主にまねかれるものを自発的に「めしだす」ようになり「召」が「めしだす」意味に代わったようです。そこで「扌」をつけて「招」を「まねく」の意味に使い出したと考えられます。

」=「走」+「召」:=はしる+匠=>足の早い男=>飛びぬけてまねかれるもの=>ぬきんでたもの=>他をこえるもの=>こえる(「走る」cf.20)
」=「糸」+「召」:=いと+匠=>糸をつなぐ匠=>次代の領主が引きついで受ける匠=>引き継ぐ=>つぐ=>つなぐ(「糸」cf.49)

 「紹」は「匠を引き継ぐ」意と「糸をつなぐ」意とを掛けた頓智の利いた文字です。「分」「券」に関しては第17回を参照してください。

***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「辺」 解字:なし(旧字「邊」の解説)。
「乃」 解字:象形。体がなえて二つに折り重なっている形にかたどる。体が柔軟で二つに折り重なる意。
「仍」 解字:会意形声。意符の人(ひと)と、意符と音符を兼ねる乃(体の折り重なる意)とから成る。人の体が柔軟で、折り重なる意、かりて、「よる」意に用いる。
「秀」 解字:形声。意符の禾(いね)と、音符の乃(背の曲がった人の意)とからなる。稲が穂を出す意。ひいて、「ひいでる」意に用いる。
「召」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の刀(よぶ意)とからなる。口で呼ぶこと。上に向かって口で呼ぶことが原義。
「招」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の召(よぶ意)とから成る。手で呼ぶ、「まねく」意
「超」 解字:形声。意符の走(はしる)と、音符の召(おどりあがる意)とから成る。高く躍り上がって飛び越える意。ひいて、「こえる」「こす」意に用いる。
「紹」 解字:形声。意符の糸(いと)と、音符の召(つなぐ意)とから成る。糸をつなぐ意。ひいて、「つぐ」意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4.「力」の解読

「力」は特に部首として独立していますが、「卩-|」「刀」「力」の展開は第18回で検討した「乙」の展開「几」「凢」「九」を連想させます。そこで「力」や「九」の上に出た棒は「飛びぬけた棒=>素晴らしいもの」の意味を引き出せそうです。

「力」 部首解説:これを部首にして、力をもってする動作・働き、努めるなどの意を表す文字ができている。
「力」 解字:象形。腕に力をいれている形にかたどる。腕の筋肉が膨れて筋立ち、ちからの入っている意。

」=「口-L」+「ノ」:=男の特性+特別なもの=>得に優れた男の特性=>力のあること=>ちから/ちからこぶ=>こらえてふんばる
」=「刀」+「|」:=刀をぶら下げたおとこ+とびだす棒=>ぬきんでたおとこ=>ちからのあるおとこ=>力持ち=>ちから(別解)
」=「エ」+「ちから」:=男の技術者+力のあるもの=>腕力のある技術者=>力のこもった仕事=>素晴らしい仕事=>素晴らしい技=>いさお
」=「少」+「力」:=すくない+ちから=>力がすくないもの=>おとるもの>おとる(「少」cf.50)
」=「去」+「力」:=さるもの+力のあるもの=>力があり去ったもの=>暴力におびえる=>おびやかす(「去」cf.)
」=「束」+「力」:=ご亭主+力のあるもの=>亭主が力持ちを指導する/ 亭主が領主の意向を伝える=>いましめる/つげる(「束」cf.59)
」=「田」+「力」:=うむもの+ちから=>力を生じるもの=>男(「田」cf.37)
「勧」=「勧-力」+「力」:=飛んでる若者+力=>力持ちの飛んでる若者=>(夫として)推薦する=>すすめる(「勧-力」cf.54)
」=「莫」+「力」:=覆いかぶさるもの+力もち=>体の大きい力持ち=>まねきあつめる=>つのる (「莫」cf.67)

 「励」「勢」はその偏から紹介しましょう。

励-力」=「厂」+「万」:=曲げた体+たくさん=>いろいろに曲げた体 (「厂」cf.23、「万」cf.30)
」=「励-力」+「力」:=いろいろに曲げた体+力持ち=>いろいろに力を加える=>いろいろ試す=>はげむ

勢-力」=「坴」+「丸」:=子供と大人+まるい=>丸くなった大人と子供 (「坴」cf.66)
」=「勢-力」+「力」:=丸くなった大人と子供(丸くなった大小のもの)+力こぶ=>丸くなった大小の筋肉=>盛り上がる筋肉の体=>勢いのある体=>いきおい

」=「力」+「口」:=ちから+ひと=>力のある男=>(女の)ひと並みに扱う男=>人数にくわえる男=>人数にくわえる=>くわえる(「口」cf.37-47)
」=「木」+「加」:=おっと+くわえるもの=>夫に課すもの=>夫を縛るもの=>かせ(「木」cf.59)
」=「加」+「木」:=くわえる+き=>くわえる木=>足場として渡す木(かける)=>ものを置くために渡した木(たな)
」=「加」+「貝」:=力のある男+賢い男=>賢くて力のある男=> ほめる=>喜ぶ=>いわう(「貝」cf.60)
」=「疒」+「加」:=やまい+くわわる=>くっついたやまい=>かさぶた (「疒」cf.64)
」=「加」+「衣」:=(女に)くわえたおとこ+男達のころも=>加えた男のころも=>坊主の衣 =>けさ(「衣」cf.50)

」=「幺」+「力」:=メスオスの区別のないもの+ちから=>幼児のちから=>おさないもの=>おさない(「幺」cf.52)
」=「扌」+「幼」:=て+おさない=>幼子のて=>ねじれるもの=>ねじれる(「扌」cf.12)

」=「月」+「力」:=からだ+ちから=>胸の筋肉のつく所=>むね=>あばら (「月」cf.45)
」=「竹」+「肋」:=たけ+ちから=>竹のちから=>竹の筋=>すじ (「竹」cf.54)

」=「力」*3:=たくさんの力のあること=>力持ち達/たくさんの筋肉
」=「十」+「」:=一本のぼう+力持ち達=>力持ち達と一本の棒=>力を合わせ棒で動かす/力を合わせ棒を動かす=>力を合わせる=>あわせる(「十」cf.20)
」=「十」+「」:=一本のぼう+力持ち達=>力持ち達と一本の棒=>力を合わせ棒で動かす/力を合わせ棒を動かす=>協力して達成する=>達成する=>かなう(意味の分枝)
」=「」+「月」:=力のある者達+体=>腕力者達の体=>集団でおどす=>おどす(「月」cf.45)
」=「体」+「」:=からだ+たくさんの筋肉=>たくさんの筋肉のある所=>胸から腹にかけての筋肉のある所=>胸板=>わき

 一般に「嶋」「嶌」や「町」「甼」や「界」「畍」など要素が同じだと構成が異なっても意味は同じです。今回紹介した「枷」「架」および「脅」「脇」は要素が同じで構成が異なり、かつ珍しく両者の意味が異なっています。

 「男」は第9回、「勇」は第14回、「勝」は第17回、「勧」は第54回を、各々参照してください。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「功」 解字:形声。意符の力(ちから)と、音符の工(石斧で木を切って器物を作る仕事の意)とからなる。力を入れて仕事をする、仕事に務める意。ひいて、仕事に努力した結果や成果。「いさお」の意に用いる。
「劣」 解字:形声。意符の力(ちから)と、音符の少(すくない意)とから成る。筋肉の力がすくなくて、ねじれやすい、「おとる」意。
「劫」 解字:形声。意符の力(ちから)と、音符の去(しりぞける意)とから成る。もと、力ずくで退ける意。借りて、「おびやかす」意に用いる。
「勅」 解字:なし(旧字「敕」の解説)。

「勧」 解字:なし(「勸」の解説)。
「募」 解字:形声。意符の力(つとめる)と音符の莫(手に入れる意)とからなる。手に入れるように努める、広く求める意。
「励」 解字:なし(「勵」の解説)
「勢」 解字:形声形声。意符の力(つとめる)と意符と音符を兼ねる「勢-力」(穀物を植える意)とからなる。種植えに努める、農事にちからを尽くす意。穀物や草木を植えつける農事には非常な労力を要することから、力の意味が生まれ、「いきおい」の意に用いられる。

「加」 解字:会意。意符の力(ちから)と、音符の口(ことば)とから成る。力を入れて言葉を多くする、いいまくる意。ひいて、他人をしのぐ意に用いる。
「枷」 解字:形声。もと架に同じ。後とくに「からざお」「くびかせ」の意に用いる。
「架」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の加(交互に組み立てる意)とからなる。木材を交互に組み立てる、「かける」意、ひいて、組み立てた「たな」の意に用いる。
「賀」 解字:形声。意符の貝(貨幣)と音符の加(ましくわえる意)とからなる。言葉だけでなく、銭を増しくわえて喜びを表す意。
「痂」 解字:形声。意符の疒(やまい)と音符の加(かりのものの意)とからなる。皮膚の傷の絵にできた借りのひふ、「かさぶた」の意。
「袈」 解字:形声。意符の衣(ころも)と音符の加(梵語の音字訳)とからなる。僧衣の意。

「肋」 解字:形声。意符の肉(からだ)と音符の力(すじの意)とからなる。体の筋の意。引いて、あばら骨の意に用いる。
「筋」 解字:会意。意符の竹(たけ)と音符の肋(すじ)とからなる。竹のすじの意。ひいて、「すじ」の意に用いる。

「幼」 解字:形声。意符の力(ちから)と、音符の幺(かよわい意)とから成る。力がかよわい意。ひいて、「おさない」意に用いる。
「拗」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の幼(かがまる意)とから成る。扌でねじまげる意。ひいて「きる」意に用いる。

「協」 解字:形声。意符の(力を合わせる意)と、音符の十(集める意)とからなる。多くの力を集め合わせる意。もと、で多くの力を集める意を表したが、のち、音符の銃を加えたもの。
「脅」 解字:形声。意符の肉(からだ)と、音符の(はさむ意)とから成る。両肘がはさむ体の両側の部分、わきばらの意。借りて、「おびやかす」「おどす」意に用いる。
「脇」 解字:形声。肉(からだ)と、音符の(はさむ意)とから成る。両肘がはさむ体の両側の部分、わきばらの意。もと、脅に同じ。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****<・font>

70chikara5

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【2008/10/13 17:42】 | 漢字解読3 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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