象形文字の秘密
漢字の解読

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複合文字の解読(その2) /63

 今回は複合型の二回目です。特殊な複合型として「冎」も採り上げます。前回言い忘れたのですが、「呂」「官」などの複数の口の複合型は第43回を参照してください。

7.複合型「堯」

  前回の「共-ハ」の解読のヒントは実は「堯」の字にあります。「堯」の省略形が「尭」で、中央の横に並んだ「土」が融合して「共-ハ」(上側の横棒の方が長い)となっています。ただし、これは更に「兀」の横一画とも融合した特殊な例となっています。

 「堯」自身を解読するに当たってまず「兀(ゴツ)」の解読から入ります。

」=「一」+「儿」:=いち+垂れ流す子供=>一年目の垂れ流す子供(ゼロ歳児)=>(栄養不足で)ゴツゴツした子供=>ゴツゴツしたもの(比較「元」cf.19)
」=「土」+「土」+「土」+「兀」:=人々+ゴツゴツしたもの=>やせ細った人達=>食を求めるもの=>寄り来るもの=>まといつくもの=>まといつく音=>引きずる音

 以下に示す「堯」の展開では、「嶢」の場合だけは「ゴツゴツしたもの」の意味ですが、その他は全て「まつわりつくもの」の意味を共通に持っています。ただし、「僥」「燒」「磽」「獟」「驍」「嬈」のように偏が「まつわり付くもの」の主語となる場合と、「澆」「繞」のように偏が目的語となる場合、その他「曉」「嘵」「鐃」「橈」のように偏が「まつわれ付かれるもの」の主体(間接目的語)となる場合があります。


」=「山」+「堯」:=やま+ゴツゴツしたもの=>ゴツゴツした山=>けわしいやま=>たかいやま=>たかい(「山」cf.33)
」=「イ」+「堯」:=男の仕事+まといつく=>まといつく仕事=>依頼ごとの使者=>望みを頼むもの=>ねがう/もとめる(「イ」cf.54)
)」=「火」+「堯」:=ひ+まといつくもの=>火がまといつく=>やける=>やく(「火」cf.61)
」=「石」+「堯」:=いし+からみつく=>からみつく石=>石ころの多いさま=>石の多い土地(「石」cf.54)
」=「犭」+「堯」:=犬+まつわりつく=>まつわりつく犬=>攻撃する犬(よい犬)=>あらあらしい犬/狂った犬=>あらあらしい(「犭」cf.13)
」=「馬」+「堯」:=うま+まつわりつく=>(戦場で敵に)まつわりつく馬=>勇猛な馬=>たけし(「馬」cf.33/61)
」=「女」+「堯」:=おんな+まつわりつく=>まつわりつく女=>わずらわしい
」=「虫」+「尭」:=虫+まつわりつく=>(腸に)まつわりつく虫=>ギョウチュウ(「虫」cf.38)
」=「食」+「堯」:=しょくもつ+寄り来るもの=>(人徳等で)食物が集ってくるもの=>ゆたかなもの=>ゆたか
」=「土」+「堯」:=つち+からみつくもの=>からみつく土=>粘土質の土地=>痩せた土地=>やせち(「土」cf.19)
」=「辵」+「堯」:=あゆみ+まつわりつくもの=>まつわりつく歩み=>めぐるあゆみ=>めぐる

」=「氵」+「堯」:=水+まとわり付く=>水をまつわり付ける=>みずを加える=>そそぐ/うすい
」=「糸」+「堯」:=いと+まつわりつくもの=>まつわりつく糸=>糸をまつわりつける=>糸を巻き付けてくくる=>糸でまとう=>まとう(「糸」cf.49)

」=「日」+「堯」:=日+まといつくもの=>雲のまといついた日=>あかつき(「日」cf.45)
」=「木」+「堯」:=き+まつわりつくもの=>(器で混ぜる)木にまつわりつく=>きがたわむ=>たわむ(「木」cf.59)
」=「扌」+「堯」:=て+まといつく=>手にまといつく=>(手で)かき混ぜる=>指にからみつく=>指がたわむ=>たわむ(「扌」cf.12)
」=「足」+「堯」:=あし+まつわりつく=>まつわりつく足=>すばやい(小回りの)動き=>すばやい動き(「足」cf.41)
」=「口」+「堯」:=言葉+まつわりつく言葉=>引き伸ばされた言葉=>悲鳴(「口」cf.37-48)
」=「金」+「堯」:=金属+引きずる音=>(反響して)音を引きずる金属=>どら


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「兀」 解字:会意。意符の儿(人体)と、音符の一(頭の意)とから成る。人のまるい頭の意。借りて、山などが高い意に用いる。
「堯」 解字:会意形声。意符の兀(高く突き出る意)と、意符と音符を兼ねる「堯-兀」(土を高く盛ったさま)とから成る。非常に「たかい」意。

「嶢」 解字:形声。意符の山(やま)と、音符の尭(たかい意)とから成る。山が高い意。けわしい意。

「僥」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の堯(他よりぬきんでて高い意)とから成る。人がひときは高い望みを持つ意。
「燒」 解字:形声。意符の火(ひ)と、音符の堯(たかい意)とから成る。草などが燃えて、火や煙が高く昇る意。ひいて、「やく」意に用いる。
「磽」 解字:形声。意符の石(いし)と、音符の堯(かたい意=硬)とから成る。硬い石の意。転じて、石が多い痩せた土地の意に用いる。
「獟」 解字:形声。意符の犬(いぬ)と、音符の尭(くるう意)とから成る。狂った犬の意。
「驍」 解字:会意形声。意符の馬(うま)と、意符と音符の尭(たかい、りっぱの意)とから成る。りっぱな馬、良馬の意。
「嬈」 解字:形声。意符の女(おんな)と、音符の尭(まといつく意)とから成る。女がまといついて煩わしい意。
「蟯」 解字:形声。意符の虫(むし)と、音符の堯(巡りもつれる意)とから成る。腸の中に巻きつく寄生虫の名。
「饒」 解字:形声。意符の食(たべもの)と、音符の堯(あまる意)とから成る。食物が余って多い意。
「墝」 解字:形声。意符の土(つち)と、音符の堯(痩せて石ころの多い土地の意)とから成る。石ころの多い痩せた土地の意。
「遶」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の堯(めぐる意)とから成る。めぐりゆく、めぐり囲む意。

「澆」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の堯(めぐらす意)とから成る。水を注ぎ巡らす意。
「繞」 解字:形声。意符の糸(いと)と、音符の堯(まつわりめぐる意=撓)とから成る。糸がまつわりつく意。ひいて、「まとう」意に用いる。

「曉」 解字:形声。意符の日(ひ)と、音符の堯(次第に明るくなる意)とから成る。太陽の光が次第に明るくなる、「あかつき」の意ひいて、心の迷いが解けて「さとる」意に用いる。
「橈」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の堯(たわむ意=撓)とから成る。たわんだ木、曲がった木の意。
「撓」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の堯(乱れる意)とから成る。手でかき乱す意。
「嘵」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の堯(鳥などが怖れて騒ぐ声の意)とから成る。怖れる声の意。
「蹺」 解字:形声。意符の足(あし)と、音符の堯(高く上げる意)とから成る。足を高く上げて歩く意。
「鐃」 解字:形声。意符の金(かね)と、音符の堯(かまびすしい音の意)とから成る。金属製のやかましい音を出す楽器、「どら」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****




8.複合型「刂」

 「刂」(リットウ)は大小二本の縦棒で構成されており、長さの違う同一のものの複合です。金属の開発前の武器の原点は、両手に持った「二本の棍棒」です。部首「刀」の中に「刂」があり、また「刂」が付いて展開される字が「切る」意味を持つことから金属の刀の発明以降も長く「刃物」を「刂」で表現したと考えられます。「刀」の付く字は少なく、特に「券」「巻」「剪」など、「刀」の展開とされる字はどちらかというと複雑で、またその数は少ないのです。金属の刀の開発以降かなりのちに「刀」の字が作られたようです。

」=「(短い)棒」+「(長い)棒」:=二本の棒=>両手の武器=>腰に下げて携帯するもの=>かたな=>きる=>けずる=>きれる

」=「干」+「刂」:=強姦する男+きる=>男根を切る=>かりとる=>かる(再掲。cf.19)
」=「半」+「刂」:=半分+きる=>半分にきる=>(真ん中を見定め二つに)わける=>わかつ(cf.17)

」=「禾」+「刂」:=あわ+きる=>あわをきる=>実を刈り取る=>収穫する=>りえきとなる=>もうけ(「禾」cf.11)
」=「禾」+「刂」:=あわ+きる=>あわをきる=>実を刈り取る=>鋭い刃のかたな=>するどい=>きれる

」=「害」+「刂」:=家に隠れ住む人+きる=>隠れ住む同僚を切る=>袂をわかつ=>連帯をわかつ=>わる(「害」cf.51)
」=「克」+「刂」:=男の相続人+きる=>(年上の)男の相続人を(年下の妹が)殺す=>相続人を殺す=>かつ(「克」cf.40)

」=「耳」+「刂」:=みみ+きる=>耳を切る=>みみきる(刑罰)(「耳」cf.48)


 「刂」は意味がはっきりしており、その構成を検討せずにすでに意味だけを検証に利用してきました。以下の「刂」の展開はさかのぼって参照してください。

「刳」(cf.27)、 「刎」(cf.28)、 「別」(cf.41)、 「副」(cf.41)、 「列」(cf.42)、
「剞」(cf.58)、 「刺」(cf.59)、 「剌」(cf.59)、 「則」(cf.60)、 「刑」(cf.62)、
「制」(cf.34/54)


 「刷」に関しては「刷-刂」から解読します。

刷-刂」=「尸」+「巾」:=しり+きれ=>シリの布/腰布/パンツ(「尸」cf.16)
」=「刷-刂」+「刂」=>パンツ+きれる=>パンツの尻が擦り切れる=>すれる=>こする=>する

 「削」に関しては「肖」から解読します。「肖」の冠はこれまでしばしば出てきたように「小」が正式で、意味の流れが二つあります。

」=「小」+「月」:=ちいさい+にく=>ちいさいにく=>こまかなもの
」=「小」+「月」:=ちいさい+からだ=>ちいさいからだ=>にた小型のからだ=>似る/かたどる

」=「肖」+「刂」:=こまかなもの+きる=>こまかいものをきる=>きざむ=>けずる


***** 終了 関連する辞書の解字 *****


「刂」 解字:「刀」の解説。
「刊」 解字:形声。意符の刀(かたな)と、音符の干(掘り起こす意)とから成る。刀で木を「けずる」意。
「判」 解字:会意形声。意符の刀(かたな)と、意符と音符を兼ねる半(二つに分ける意)とから成る。刀で二つに切り分ける意。のち、一般に「分ける」意に用いる。
「利」 解字:会意。意符の??(刀は誤り変わった形。すきで土を掘り起こしているさま)と、音符の禾(穀物の意)とから成る。すきの先端がとがっていることから、「するどい」意に、借りて、利益の意に用いる。
「割」 解字:形声。意符の刀(かたな)と、音符の害(動物を解剖して体をばらばらにする意)とから成る。刀で解剖してばらばらにする意。ひいて、傷つける、断ち切る意に用いる。
「剋」 解字:形声。意符の刀(かたな)と、音符の克(ころす意)とから成る。かたなで殺す意。かりて「かつ」意に用いる。
「刵」 解字:形声。意ふの刀(かたな)と、意符と音符を兼ねる耳(みみ意)とから成る。刀で耳を切る意。


「刷」 解字:形声。意符の刀(小刀)と、音符の「刷-刂」(こする意)とから成る。小刀で削る意。借りて、「こする」意に用いる。

「肖」 解字:形声。意符の肉(からだ)と、音符の小(似る意)とから成る。体つきが似ている意。引いて「にる」「かたどる」意に用いる。
「削」 解字:形声。意符の刀(かたな)と、音符の「削-刂」(入れ物の意=箱)とから成る。刀を入れるさやの意。借りて、「けずる」の意に用いる。


***** 終了 関連する辞書の解字 *****




9.複合型「冎」

 複合型「冎」には「冂」が大小二重に使われています。「冎」は部首にないのですが、「咼」の付く字が多くあります。「冎」を解読するには部首「骨」を利用しなければならないので、二段階の解読となります。まず、以前に紹介した「冂」の解読の再掲です。

」=「一」+「||」:=体+二本足=>立っている体=>立っているもの=>とびだすもの=>飛出した形=>ものの形/ものの型=>輪郭=>きょうかい(再掲。Cf.31)

 漢字の中で「┌」を持つ文字は「冎」意外に「骨」しかありません。ここで「骨」の中央部は「冖:=被せるもの」(cf.34)と解釈するより、「冂:=輪郭」(cf.31)と考える方が自然です。「骨:=体の骨」ですから「月:=にく/体」(cf.45)を取り去った部分は「骨」自身、もしくは「骨組み」を意味すると考えられます。

「冎」=「骨-月」:=からだのほね/ほね組み-肉/体=>ほね/ほね自身

 「冎」には「冂」が二重に使われており、意味の構成として「輪郭の中の輪郭=>ほね」の予感が見えてきます。以上から「骨」の解読を確認しましょう。

」=「冎」+「月」:=(角や牙を含む)骨組みの中の(肉がに包まれた)骨=>ほね

 ここで矛先を変えて「冎」の展開である「咼」を注目します。まず、「咼」の展開にある「渦」「鍋」「堝」を捉えます。これらの文字の共通な含意として「中のくぼんだ皿状のもの」が出てきます(各文字の解読結果を直接示します)。

「咼」=「冎」+「口」:=?=>皿状にくぼんだもの
」=「氵」+「咼」:=みず+皿状のもの=>皿状になった水=>うず
」=「金」+「咼」:=金物+皿上のもの=>皿上になった金物=>なべ
」=「土」+「咼」:=つち+皿状のもの=>(解けた金属を入れる)皿状の土鍋=>るつぼ

 以上の解読では「猧」「緺」「過」「禍」の意味が取れません。「猧:=チン(犬の種類)」「蝸:=かたつむり」「緺:=印の紐」とから「咼」にはくぼみとは逆に「段状に飛出すもの」の意味がありそうです。

「咼」=「冎」+「口」:=?=>段状に飛出すもの
」=「犭」+「咼」:=いぬ+段状に飛出すもの=>顔が段状に飛出す犬=>チン
」=「虫」+「咼」:=むし+段状に飛出すもの=>段状の殻を持つ虫=>かたつむり
」=「糸」+「咼」:=いと+段状に飛出すもの=>段状に結ぶ紐=>印を結ぶ紐

 以上から「過」を解読するためには「咼」に「凹凸のピーク」を加えれば解けそうです。

「咼」=「冎」+「口」:=?=>段状に飛出すもの=>ピークを持つもの
」=「辵」+「咼」:=あし/あるく+ピーク持つもの=>ピークを通過すること=>すぎる

 ここまで来ると「禍」の本来の意味が見えてきます。

」=「示」+「咼」:=しめす+ピークを持つもの=>ピークをしめす=>絶頂をしめす=>衰退の兆候=>わざわい

 外堀が埋まったので、改めて「?」を持つ「咼」を解読しましょう。「ほね」と「くち」を構成要素として持つ「咼」を以上の検討から総合して以下の解読を得ます。

」=「冎」+「口」:=ほね+くち=>口を持つ骨=>穴のある骨=>骨盤=>薄い円錐型の凹凸のもの/段状に飛出すもの=>ピークのあるもの

 更に「冎」の解読に遡ります。「┌」は他の文字を探しても見当たらない要素といいましたが、この「冎」に限られた特別な記法と考えられます。そこで、「┌」は「口」の省略された変形ではないかと予想します。

」=「冂」+「口」:=立っているからだ+女性器=>女性器のある体=>女の体 (再掲。cf.38)
」=「冎-冂」+「冂」:=女の体+骨組み=>女の骨格=>骨格=>ほね

 これで一連の解読はうまく収まり、「咼」は「冋」と「冋」が複合された文字であることが判明します。「咼」は「冋」の同形の複合ですが、厳密には上の「口」は「女」の意味、下の「口」は穴の意味、であり両者の微妙な意味の相違と表記の煩雑さとから、上の「口」を省略型に変形したと考えられます。


 今回の「堯」の項では実は「髐=骨+堯:=骨にまつわりつくもの=>?=>かぶら矢」の意味が解きにくかったのですが、「堯」の中の「嘵」「鐃」があり「音のまつわり付き」を意味していることから、「骨」には「ヤジリ」の意味があり、骨のヤジリを彫り込んで(ピューと)音の出る加工を加えた矢がカブラヤの始まり考えられます。

 また、下に示した「骨」の展開である「榾」「猾」「搰」(同類「穿」:後述)の字から共通に「土を掘る意味」が見出されることから、大型動物の肋骨を土掘りの道具として利用したようです。鋤以前の最初の農具と考えられます。最終的な「骨」に関する解読は次のようになります。

」=「冎」+「月」:=(角や牙を含む)骨格+にく=>(角や牙を含む)骨組みの中の(肉がに包まれた)骨=>ほね=>骨の道具=>やじり/ほるもの

」=「氵」+「骨」:=骨を繋ぐみず=>関節液=>骨のすべりを良くするもの=>すべる

」=「骨」+「堯」:=やじり+まつわりつくもの=>(まつわりつく)音を発するやじり=>かぶら矢

」=「木」+「骨」:=き+ほりだすもの=>木の根=>こかぶ
」=「犭」+「骨」:=けもの+ほりだすもの=>(えさを埋めて)ほりだす犬=>(餌を隠す)賢い犬=>わるがしこい
」=「扌」+「骨」:=てにしたもの+ほりだすもの=>ほる道具=>ほる

 犬は余分な餌を地中に埋める習性があり(屋内で飼うと肥満になる?)食料保存と肥満対策を本能的に獲得しており、お産が軽く、集団で狩をし、リーダーが敵の正面で(超能力的コミニケーション?により)攻撃の指揮を取り、狩でばらばらになっても超能力的?に集団に戻れ、また人と共同生活のできる不思議な優れもの(犬=大+ノ:=特別なおとこ。cf.13)です。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「咼」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の冎(もとる意=禍)とから成る。口がゆがんで正しくない意。
「渦」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の過(咼は省略形)とから成る。もと、川の名。借りて、川の水が渦を巻いて流れる意に用いる。
「鍋」 解字:形声。意符の金(金属)と、音符の咼(中空の意)とから成る。車のコシキの中にある中空の鉄器、かりもの意。
「堝」 解字:形声。意符の土(つち)と、音符の咼(つぼ状のものの意)とから成る。土で作ったつぼ状のもの、「るつぼ」の意。
「猧」 解字:形声。意符の犬(いぬ)と、音符の咼(ちいさい意)とから成る。ちいさな犬、チンの意。
「蝸」 解字:形声。意符の虫(むし)と、音符の咼(うずまきの意=渦)とから成る。渦巻きの殻を持つ貝、「かたつむり」の意。
「緺」 解字:形声。意符の糸(ひも)と、音符の冎(背が青色の意)とから成る。紫がかった青色の印の紐の意。
「過」 解字:形声。意符の辵(みち)と、音符の咼(おおい意)とから成る。道を多く行き過ぎる、「すぎる」意。
「禍」 解字:形声。意符の示(かみ)と、音符の咼(まがっている意)とから成る。神の下すまがごと、「わざわい」の意。

「冎」 解字:象形(音は「カ」)。首より上の肉をとった骨の形にかたどり、意符として、骨の意を示すという。

「骨」 部首解説:これを部首にして、体の骨節の部分の名称、骨による製品の名称などに関する意を表す文字ができている。
      解字:会意。意符の肉(月は省略形。肉の意)と、音符の冎(頭蓋の隆骨の意)とから成る。肉中に残る硬い骨の意。ひいて、広く「ほね」の意に用いる。

「滑」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の骨(流出する意)とから成る。水が自ずから流れ出る意。ひいて、「なめらか」「しベル」などの意に用いる。
「髐」 解字:形声。意符の骨(ほね)と、音符の堯(かぶら矢の意)とから成る。骨製のかぶら矢の意。
「榾」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の骨(高く突き出る意)とから成る。地上に高く突き出ている木の一部分。木の切り株の意。
「猾」 解字:形声。意符の犬(いぬ)と、音符の骨(わるがしこい意)とから成る。わるがしこい犬の意。ひいて、「わるがしこい」意に用いる。
「搰」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の骨(精出して土を掘る意)とから成る。手で土をほる意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****


 北宋の学者であった王安石(1021-1081)は「字説」という書で漢字を会意で解字しようとしたといわれています。
 中国の有名な笑い話に、王安石が「波」は「水の皮」だと主張すると、それなら「滑」は「水の骨か」と問われて困ったという逸話が残されており(「滑」は上の解読を参照)、中国では漢字は多くを会意で解釈することができないという考えが植え付けられてきたようです。

 王安石の著した「字説」は復刻版が「福建人民出版社」より出ており取り寄せましたが、部首や象形とされる文字についての解読は無く、意味(訓)の注釈書となっています。ちらほらと例外的に解字的な注釈があるので、それらを参考までに示しておきます。
「波:波者水之皮」
「伍:五人為伍」
「示:示之字从二从小」(注:「示」=「二」+「小」と考えたようです。「示」は第61回参照)
「役:役則執殳」
(注:「皮」「五」「殳」は追ってこのブログで解読を紹介する予定です)


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【2007/12/24 10:02】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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