象形文字の秘密
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「Y」の追求9 /57

「人」の解読(その4)

 今回から「人」の中の「大」の展開です。第13回では「大=一+人」「夫=二+人」「春-日:=三+人」と「人」を要素として取り出しました。その逆を辿ることになります。


1.「おとこの系譜」

今回、改めて「大」を検討しますが、まず前回に引継ぎ「おとこ」の意味を表す文字の流れを展望します。「大」は辞書では象形となっている点に注意してください(辞書の項参照)。

」象形:=男根を下げた股間=>おとこ
」=「Y」の逆転:=男根を立てたおとこ=>おとこ
丙-冂」=「一」+「人」:=からだ+おとこ=>おとこの体=>おとこ
」=「丙-冂」+「冂」:=おとこの体+からだ=>おとこの体=>おとこ=>?=>ひのえ(=火の兄)

」=「一」+「人」:=からだ+おとこ=>おとこの体=>おとこ
」=「一」+「人」:=一番+男根を立てた男=>一番大きい男根の男=>おおきい男根=>おおきい

 「大」は以下に紹介する展開からその意味に「おとこ」「おおきい」の二つの意味を読み取ることが出来ます。

 「大」は前回紹介した「丙-冂:=おとこ」と比べて「一」の位置が下にずれています。そして文字の形が「男が両手を広げた形」となっており、イメージと意味が一致する傑作となっています。

「大」の展開が非常に多く、「おとこ」の意味で使われた期間が他の「おとこ」の意味の文字に比べ格段に長かったであろうと考えられます。


)」=「大」+「十」:=おとこ+男根=>男根を持つおとこ=>おとこ=>進取するもの=>命を掛けるもの=>命をささげることを本望とするもの=>男のもと=>もと
」=「夲」+「廾」:=おとこ+垂れ流すもの=>おとこ=>(動物的に)うごきまわるもの=>動き回る

 「本」の俗字として「夲」が解説されていますが、逆に「夲」が元で「本」に変形したと考えられます。「大」の中に読み取れる「おとこ」の意味は「奔」の文字の中に受け継がれているからです。

 最後の少なくとも「奔」の字が使われた時代まで、男の理性は目覚めてはおらず、猿、熊、犬、馬と同じレベルです(哺乳類では猿、熊、イルカが、鳥類ではカラスが賢い)。

 余談ですが、輪廻による人間の完成を目標とするヒンズー教では、理性の目覚める6歳ごろ以前に死亡すると葬儀をしないようです。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「大」 部首解説:これを部首にして、人が立った状態に関する意、または、大きい意などを表す文字ができている。字形の上からこの部首に置かれた文字も多い。
解字:象形。大きな青年の男子が正面を向いて、両手両足を広げた立っているさまにかたどる。普通と違った人体の形から、「おおきい」意に用いる。
「夲」 解字:会意。意符の人(ひと)と、意符の十(十人)とから成る。十人の力を合わせたほど、速く進む意。のち、もっぱら、本の俗字とした用いられる。
「本」 解字:象形。木の幹や根の形にかたどる。「設文解字」は木と丁(=下)との会意字とみる。木の幹根、根もとの意。ひいて、「もと」の意に広く用いる。
「奔」 解字:金文は象形。左右の手を振って足を広げたさまと、三つの足跡の形とで走るさまにかたどる。篆文は形声。意符の??(人が首を曲げている形)と、音符の「奔-大」(急ぐ意)とから成る。ともに、急いで手を振り振り、大またに急いで手を振る意。ひいて、走る意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.「天」の解読と展開

」=「一」+「大」:=上にあるもの+大きいおとこ=>大きい男のうえ=>そら=>てん
」=「天」+「虫」:=天の虫=>白い糸を出す虫=>かいこ

「天」の第一画は指示のようです。また「夫」は「二」と「人」の結合であり「一」と「大」の結合ではありません(cf.13)。
「天」は次の「矢」と比べ「大」の横の一画が長い点に注意してください。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「天」 解字:象形。人の体を正面から見て、特にその頭部をはっきりさせたさまにかたどる。人のてっぺんにある頭の意。ひいて、「そら」の意に用いる。一説に象形指示で大(おとな)の頭部を強調して大きく書いて脳天を表し、転じて、頭上に広がる空、また、自然の意に用いるという。
「蚕」 解字:形声。意符の虫(むし)と、音符の天(のびる意=延)とから成る。みみずの意。「蚕」の旧字「蝅」が「かいこ」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「矢」の解読と展開

矢-ノ」=「一」+「大」:=上の部分+男根=>男根の先にあるもの=>飛出すもの=>射精=>精液=>陰の極
」=「ノ」+「矢-ノ」:=特別な+飛出すもの=>特に飛出すもの=>や

 「矢」の意味と字形が次のどちらの解読も成立しそうです。しかし、「飛出すもの」という意味が出てこないので正解ではありません。「矢」は辞書では象形となっている点に注意してください。
「矢-ノ」の形は、設文解字にも康煕字典にもまったく現れていません。「奏」の字も辞書では全体が象形と説明されています(何の象形とされているかは、下の辞書の解説を参照)。

「矢」=「乞-乙」+「大」:=若いおとこ+おおきい男根=>大きい若い男の男根=>つきだすもの
「矢」=「气-乙」+「人」:=若いおとこの体+男根=>若い男の男根=>つきだすもの


 「矢」はこれまで解読せずにそのまま意味だけを使ってきました。意味と形が一万年以上たっても変わらない、これが象形文字の特徴です。だからこの解読の冒険が出来るのです。

 「矣」とその展開については第14回を参照、また「知」は第39回を、「矯」は第40回をそれぞれ参照ください。

」=「疒」+「矢」:=やまい+や=>矢のやまい=>射られた病=>(多量出血で)すぐ死亡する>はやい
」=「や」+「とり」:=やのとり=>矢のように飛ぶとり=>キジ
」=「矢」+「豆」:=や+あたま=>頭を狙う矢=>みじかい矢=>みじかい(「豆」はcf.47)

 「きじ」は大型の鳥ですが、羽型はセキレイやツバメに近く矢のように飛びます。「短い矢」からは衣に隠す小型の弓が連想できます。


族-方」=「乞-乙」+「矢」:=>若い男+や=>矢を持つ男子=>弓を持つ男子
」=「方」+「族-方」:=動き回る+矢を持つ男子=>弓を持った男子が動き回る所=>部族内=>ぶぞく=>ぞく


」=「春-日」+「矢-ノ」=三番目の男(=>穏やか)+飛出すもの=>穏やかに発っするもの=>かなでるもの/もうす=>みなで合唱する=>あつまる(再掲「春-三」cf.13)
」=「氵」+「奏」:=みず+穏やかに出るもの=>出航するふね=>船着場=>みなと
「轃」=「車」+「奏」:=くるま+あつまる=>車の輻があつまる=>あつまる

 「矢-ノ」の意味は「癸(発):=とびだすもの」の字で確認したいのですが「ハツガシラノ」の解読の所で紹介します。皆さんも「ハツガシラノ」意味を考えておいてください。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「矢」 部首解説:これを部首にして矢の種類・性質などに関する文字ができている。
    解字:象形。鏑(やじり)と栝(ためぎ)と矢竹により、やの形にかたどる。真っ直ぐに飛ぶやの意。

「疾」 解字:会意形声。意符の疒(やまい)と、意符と音符を兼ねる矢(やの意)とから成る。矢に射られて床に就く意。ひいて、「やまい」の意に用いる。
「雉」 解字:形声。意符の隹(とり)と、音符の矢(ぬいとりの意=黹)とから成る。羽がぬいとりのように美しいとり、「きじ」の意。
「短」 解字:形声。意符の矢(ものさし)と、音符の豆(ちいさい意=侏)とから成る。背丈が小さい意。ひいて、「みじかい」意に用いる。
「族」 解字:形声。意符の矢(や)と、音符の「方+人」(とがる意=尖)とから成る。とがった矢、矢じりの意。借りて、「やから」などの意に用いる。

「奏」 解字:象形。いけにえの動物の胸や腹を解剖して風雨の神に供え、肉が脱落して白骨となった形にかたどる。神に生贄を供える意。ひいて、「もうす」「かなでる」意に用いる。
「湊」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の奏(あつまる意=「轃)とから成る。みずが集まる意。ひいて、「みなと」の意に用いる。
「轃」 解字:形声。意符の車(くるま)と、音符の奏(あつまる意)とから成る。車の輻がこしきに集る


***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4.「夷(えびす)」の解読と展開

 「夷(えびす)」には二つの意味の流れがあります。

」=「大」+「弓」:=おとこ+ゆみ=>弓を持つ男=>(未開部族を)ほろぼす=>たいらげる
」=「大」+「弓」:=おとこ+ゆみ=>弓を持つ男=>未開部族=>部族外者=>異家系者=>その他のもの
」=「氵」+「夷」:=みず+弓を持つ男=>鼻水を垂らす未開部族=>はなみず
」=「女」+「夷」:=おんな+異家系の=>異家系の女=>おば
」=「口」+「夷」:=くち+未開部族の=>未開部族の言葉=>わめく言葉=>わめき声(設文解字)
」=「月」+「夷」:=にく+その他のもの=>背中の肉=>背肉(康煕字典)
」=「夷」+「鳥」:=その他のもの+とり=>その他の鳥=>やまどり(康煕字典)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「夷」 解字:会意形声。意符の弓(巻きつけた糸の形)と、意符と音符を兼ねる矢(やの意)とから成る。糸を巻きつけた、いぐるみの短い矢の意。借りて、「たいらげる」「えびす」などの意に用いる。
「洟」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の夷(鼻をかむ意)とから成る。意に用いる。
「姨」 解字:形声。意符の女(おんな)と、音符の夷(ひとしい、同等の意=對)とから成る。母と同じ腹から生まれた姉妹、「おば」の意。
「咦」 解字:見出しなし。

「胰」 解字:見出しなし。
「鴺」 解字:見出しなし。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



5.「奄」の展開

 今回「奄」の展開を解読して、以下に示すように新たに「かくれる」意味が見つかったので、それを補充します。

」=「大」+「奄-大」:足が曲がって伸びた男の体=>纏足(てんそく)の男=>部族に止まる男=>長くとどまる=>ながく、ともに、いこう(再掲/cf.9)
」=「大」+「奄-大」:足が曲がって伸びた男の体=>纏足(てんそく)の男=>かくれるもの=>かくれる

」=「口」+「奄」:=くち+纏足の男=>纏足男の言葉=>(性交時の)含み声=>含んだ音=>ふくむ
」=「广」+「奄」:=いえ+纏足の男=>纏足の男の家=>粗末な家=>いおり
」=「扌」+「奄」:=手にする+纏足の男=>扶養する纏足の男=>保護する=>かくまう=>おおう
」=「イ」+「奄」:=部族内の仕事+纏足の男=>纏足の男の仕事=>おれ(自称)
」=「歹」+「奄」:=死体+纏足の男=>纏足の男の死=>病んで死ぬ=>病死=>しぬ

」=「月」+「奄」:=からだ+纏足の男=>纏足男の体=>塩漬けにする体=>塩漬けにした肉=>塩漬けにする
」=「酉」+「奄」:=さけ+かくれる=>酒にかくす=>酒漬けの肉=>塩漬けのもの=>塩漬け
」=「氵」+「奄」:=みず+かくれる=>水にかくれる=>ひたす=>(水に)漬ける

 纏足の男は種馬としての男で、その男に仕える男が「俺」という言葉で「私(も男だ)」と主張する切ない感じが伝わってきます? しかし、「俺」も殗(しぬ)とその末路は塩漬けの肉でした。


」=「山」+「奄」:=やま+かくれる=>(太陽の)かくれる山=>西方の山の名
」=「日」+「奄」:=ひ+かくれる=>日がかくれる=>くらい


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「唵」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の奄(覆い隠す意=掩)とから成る。口で覆い隠す、口に「庵」 解字:形声。意符の广(いえ)と、音符の奄(おおう意=掩)とから成る。草やかやなどで覆っただけの「いおり」の意。
「掩」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の奄(おおう意=覆)とから成る。手で覆い隠す意。
「俺」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の奄(おおう意=掩)とから成る。人をすっぽり覆うことからおおき意。のち、自分を大げさに言う際の自称、「おれ」に意に用いる。
「殗」 解字:形声。意符の歹(死)と、音符の奄(やむ意=)とから成る。病んで死ぬ意。
「腌」 解字:形声。意符の肉(にく)と、音符の奄(つける意=淹)とから成る。塩や酢で漬けた肉や魚の意。
「醃」 解字:形声。意符の酉(しる)と、音符の奄(ひたす、つける意=淹)とから成る。塩漬けにした漬物の意。
「淹」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の奄(ひたす意=醃)とから成る。水に浸す、漬ける意。
「ふくむ」意。

「崦」 解字:形声。意符の山(やま)と、音符の奄(かくれる意=晻)とから成る。日の隠れる山の意。
「晻」 解字:形声。意符の日(ひ)と、音符の奄(おおう意=掩)とから成る。太陽が雲などに覆われて暗い意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



6.その他

 まだ、「大」の展開は「因」「奇」など続くのですが、既に紹介したものと、比較的その展開の少ない物を今回の最後にまとめます。

 以下「大」の変形の解説は第13回を参照してください。
「犭」「犬」「太」「夭」(「呑」の展開cf.40)


」=「大」+「弓-コ+二」:=おおきい+曲げた二本足=>大きく曲げた二本足=>大きくまたいだ足=>誇張したうごき=>おおげさ=>ほこる(更新再掲cf.27)
「跨」「洿」「袴」「刳」「胯」「誇」については第27回を参照してください。

奚-爪」=「幺」+「大」:=おすがいない+大きいもの=>おすの分からない大きいもの(再掲cf.49)
以下「奚」「雞」については第49回を参照してください。


」(シュン)=「大」+「隹」:=おおきい+大きい鳥=>大きな鳥(「隹」cf.33)
」=「奞」+「田」:=おおきなとり+うむもの=>大きな鳥がもたらすもの=>ふるいたつ=>ふるう

」=「大」+「圭」:=男の男根+男達=>男達の男根=>かぶさり来るもの=>かぶさるもの=>男のふともも=>ふともも=>またぐら


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「奮」 解字:会意。意符の田(た)と、意符と音符を兼ねる奞(鳥がはばたく意)とから成る。鳥が羽ばたき田から飛び立つ、「ふるう」意。

「奎」 解字:形声。意符の大(人)と、音符の圭(ひらく意=開)とから成る。人が両足をひらいたままの間の意。また、両足を開く意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****


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テーマ:漢字 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2007/07/07 12:36】 | 漢字解読3 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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