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「口」の追求7 /43

 今回は複数の「口」に付いて追いかけます。

1. 「回」の追求

 まず口の中に入った口からです。辞書の内容から入りましょう。

「回」 解字:象形。淵へ流れ込む水の渦のぐるぐる回るさまにかたどる。水がぐるぐる巡る。ひいて、「まわる」意に広く用いる。

 辞書の解説では口そのものの意味も、囲む口の意味もまったく無視して、唐突に水の象形とされています。

」=「口」+「口」:=口+口=>口の中の口=>膣の中の尿道口=>刺激するところ=>まわす
」=「イ」+「回」:=男の仕事+まわす=>見回る仕事=>めぐる
」=「彳」+「回」:=部族間の仕事+まわす=>持ちまわる仕事=>めぐる
」=「氵」+「回」:=水+まわす=>まわる水=>うず=>逆流する部分=>さかのぼる

 辞書の「回」の解説は「」の解説と混乱しています。

 「回」で連想できるのは「口の中の口=のど」と「膣口の中の尿道口」ですが、「まわす」意味と繋がるのは後者の方です。「回」から連想される英語の「Q」は音を他所から借用しているので起源をたどるのは困難でしょう。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「佪」 解字:会意形声。意符の人(ひと)と、意符と音符を兼ねる回(まわる意)とから成る。人があちらこちら回る意。
「徊」 解字:会意形声。意符の彳(ゆく、みち)と、意符と音符を兼ねる回(めぐる意=環)とから成る。道路をぐるぐるとめぐる意。
「」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の回(さかさま、転ずる意=迴)とから成る。流れにさかのぼる、「さかのぼる」意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2. 「官-宀」の追求

「官-宀」は既に単独では辞書にはありません。直接解読に入ります。
これまで「|:=男根=>棒」の意味でしたが、ここで新しく次の意味の流れを加えます。

」:=上下=>上下関係
官-宀」=「口」+「|」+「口」:=女+上下関係+女=>上下関係の女達(=>上下関係)=>役のある女集団=>組織の女=>官僚の女=>官僚
」=「宀」+「官-宀」:=いえ+官僚=>官僚の家=>役人
追-辶」=「ノ」+「官-宀」:=特別な+上下関係=>特別な上下関係=>男の上下関係=>師弟関係
」=「追-辶」+「辶」=男の上下関係+あし=>獲物を追う上下関係=>りょうし達=>おう

」=「帥-巾」+「巾」:=男の上下関係+指揮するもの=>軍団を指揮するもの=>統率者=>ひきいる
」=「帥-巾」+「帀」:=男の上下関係+鍛えた体=>個人的な師弟関係=>し(「帀」は第34回参照)

 教師はもと猟師や漁師と同じくマンツーマンの指導者でした。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「官」 解字:形声。意符の宀()と、音符の「追-辶」(「官-宀」は省略形。仕事をする意=事・幹)とから成る。仕事をする家、または小役人の家の意。ひいて、小役人の意に用いる。

「追」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の「追-辶」(およぶ意=逮)とから成る。おいつくように行く、「おう」意。
「帥」 解字:形声。意符の巾(ぬの)と、音符の「追-辶」(??<針を先に付けた鞭の形>が正しい形。ぬぐう意)とから成る。ものをぬぐう手ぬぐいの意。借りて、「ひきいる」意に用いる。
「師」 解字:形声。意符の「追-辶」(臀部のむっくり盛り上がった形から小丘の意に借用された。古代、堆丘に軍隊が止駐していたので、軍隊の意に用いる)と、音符の帀(小高い丘の意=「追-辶」)とから成る。軍隊が駐屯する小高い丘の意。のち、軍隊の意の専用字となり、借りて、「おさ」の意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「阜」(阝)の追求

 前項の展開で「阜」(阝)の追求です。辞書でのコザト偏から入ります。

 「阜」(阝) 部首解説:これを部首にして、地勢や盛り土など、丘や山の形状に関する意を表す文字ができている。楷書の偏になると省略形の阝が用いられるが、旁となる阝(邑の省略形。オオザト)と区別される。
    字義:おか
    解字:象形。丘や田畑の斜めに傾いて、平らかでないさまにかたどる。土地が盛り上がって高い丘の意。


」(阝)=「帥-巾」+「十」:=男の上下関係+男=>集まっただけのもの=>たくさんあるもの=>多数・複数(コザト編)

 前項で解読した「追-辶」を使います。「阜」の形が「阝」に変形するのですから、それだけで数千年の歳月が流れているようです。

」(「址」の本字)=「阝」+「止」:=複数+とまる=>多くの(痕跡や思い出を)止めたもの=>あと
」=「阝」+「可」:=複数+おおきい=>たくさんの大きいもの=>山の連なり=>山脈=>くま
」=「阝」+「占」:=複数+うらなう=>多くの占い=>混乱する=>あやうい
」=「阝」+「占」:=複数+占領=>多くの占領=>むさぼるもの=>あやうい
」=「阝」+「付」:=複数+付け人=>沢山の付き人=>多くの付着=>つく
」=「阝」+「完」:=複数+必ず育つ=>ほとんどうまくゆく=>かたい
」=「阝」+「車」:=複数+くるま=>沢山の車=>車で囲う陣地=>じん
」=「阝」+「走」:=複数+走る人=>沢山の走るひと=>あわただしい=>そばだつ=>けわしい
」=「阝」+「禺」:=複数+男を産むもの=>沢山の愚か者=>愚か者の集まる所=>すみ
」=「阝」+「昜」:=複数+穏やかな四つ足=>沢山の草食獣=>日向で暮らすもの=>ひなた=>おひさま

 「阽」は二つの意味の流れが読み取れます。

***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「阯」 解字:なし。(「址」の解説)
「阿」 解字:形声。意符の阜(おか、やま)と、音符の可(おおきい意=廈。又、曲がりくねる意=丂)とから成る。大きい丘、また、丘や山の曲がりくねった所、「くま」の意。
「阽」 解字:形声。意符の阜(盛り土)と、音符の占(垣の破れくずれる意=坫)とから成る。壁がくずれ落ちかかる意。ひいて、「あやうい」意に用いる。
「附」 解字:形声。意符の阜(おか)と、音符の付(むっくり高くなっている意=陪・部)とから成る。むっくり高くなっている丘、小さい丘の意。
「院」 解字:会意形声。意符の阜(盛り土)と、音符の完(家の周りをめぐる垣の意)とから成る。土を堅く積み重ねた垣の意。完の後にできた字。転じて、「かたい」意に用いる。
「陣」 解字:なし。(形声。もと、??に造る。その解説)
「陡」 解字:形声。意符の阜(おか、やま)と、音符の走(走るは省略形。けわしい意=隥)とから成る。丘や山が険しい意。ひいて、けわしい意に用いる。
「隅」 解字:形声。意符の阜(おか)と、音符の禺(曲がった狭い所の意=區・嵎)とから成る。丘の下の曲がった狭い所、「すみ」の意。
「陽」 解字:会意形成。意符の阜(おか、やま)と、意符と音符を兼ねる昜(太陽が昇り、光輝く意)とから成る。日光の当たる山の側、南側の意。ひいて、太陽の意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4. 「呂」の追求

 「呂」の口の意味を尊重して解読します。まず辞書の意味からです。

「呂」 字義:せぼね
    解字:象形。人の脊髄骨が一連に繋がっている形にかたどる。連なった背骨の意。

」=「口」+「ノ」+「口」:=女+特別な+女=>特別な関係の女達=>集団で働く女達=>神殿の女達=>巫女達=>?=>せぼね
」=「イ」+「呂」:=男の仕事+巫女達=>巫女に仕える男=>寺院の男=>ともがら=>とも
」=「宀」+「呂」:=家+巫女達=>巫女達の家=>寺院の建物=>おみや

 「呂」は背骨の象形とされ、その意味はもはや辿ることができません。元の意味と形が伝えられていない文字は、後代になって形から象形の元を推測したと考えられます。

 「侶」は巫女達に仕える多くの男達で、「ともがら」の意味から単独で仕えることはなかったようです。

 以上「呂」は字の中の「口」の意味と「侶」と「宮」から総合的に解読すると宗教に関係する意味が浮かび上がりました。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「侶」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の呂(集まる意=旅)とから成る。「とも」の意。
「宮」 解字:会意。意符の宀(いえ)と、音符の??(呂は変わった形。四方を取り囲んだ数個の部屋の意)とから成る。四方を障壁で囲んだ、建物がいくつも連なった屋敷の意。もと、身分に関係なく住居のことを言ったが、秦の始皇帝以降は、もっぱら皇居に称になった。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



5. 「品」の追求

 口が三つの場合の追求です。辞書の解説から入ります。

「品」 字義:しな。くらい。
    解字:会意。人の口を三つ合わせた形からなる。多くの人がしゃべる意。のち、口の意味が消え多くのしなもの、種類・区別などの意に用いる。


」=「口」+「口」+「口」:=多くのひとびと=>多くのもの=>しなもの=>しな
」=「口」+「口」+「口」:=上下のあるひとびと=>品格の異なるひと=>格のあること(くらい)=>でこぼこしているもの=>塊を持つもの=>かたまり

 「品」の字は「多くのひとびと」の意味の他に、その上下に構成した上にある「口:=ひと」で「品格・気品」を表現しています。

(区)」=「匚」+「品」:=隠す+しな=>ものを隠す=>区切って覆う=>くぎる
」=「口」+「區」:=くち+くぎる=>塊で口から出るもの=>一息ごとのことば=>うたう

」=「品」+「山」:=かたまり+かざん=>塊のある山=>岩山=>いわ


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「區」 解字:会意。意符の??(匸は変わった形。脇の下)と、意符の品(もの)とから成る。もと、脇の下の狭いところの意。ひいて、狭く仕切った場所などの意に用いる。
「嘔」 解字:形声。意符の口(こえ)と、音符の區(付しづける意=曲)とから成る。声を節付ける、「うたう」意。

「嵒」 解字:なし。(「岩」の解説)。

 注:「癌」の字は以前「嵒」であったものに最近になって「疒」をつけて造られたそうで、とうぜん康煕字典にはありません。


***** 終了 関連する辞書の解字 *****


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テーマ:漢字 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/12/25 22:31】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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