象形文字の秘密
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「口」の追求6 /42

 今回は「口」が解けると付随して解けてくる周辺を追ってみます。

1. 「ナ」の追求から

 もう「右」の字は解読可能になりました。これを機会に「ナ」に関する文字「左」そして「厷」「有」「布」もついでに片付けましょう。まずは辞書の解字を確かめます。

「右」 字義:みぎ
    解字:形成。意符の口(くち)と、音符の??(すすめる意=侑)とから成る。口と手で勧め助ける意。佑(たすける)の原字。佑が主に助ける意味に用いられるようになったので、「佑」と区別して「みぎ」の意味に用いる。
「左」 字義:ひだり
    解字:会意形声。意符の工(仕事)と、意符と音符を兼ねるナ(??ほんらい左手の象形文字。右手を助けることから助ける意)とから成る。工作の仕事を「たすける」意。のち、助ける意にはもっぱら佐が用いられ、左が「ひだり」の専用字と成った。
「厷」 字義:かいな
    解字:(肱の本字。以下「肱」の項の解説)意符のナ(手)と、音符のム(大きく曲げる意=弘、宏)体の肩から肱までの大きく曲がる部分、かいなの意。
「有」 字義:ある
    解字:会意形声。意符の肉(にく)と、意符と音符を兼ねるナ(=又、手を突き出しておす意)とから成る。肉を手に持って突き出し、さらに食えといって勧める意。侑の原字、ひいて、「たもつ」「ある」などの意に用いる。
「布」 字義:ぬの
    解字:形声。意符の()と、音符の(意=)とから成る。意。

 「ナ」が手の象形とされ以上すべてが手の関係で説明されています。独自に「ナ」の解読から導きます。

|+ノ」(左はね縦棒)=「|」+「ノ」:=真直ぐ落ちるもの+特別な=>くそ=>垂れ落ちるもの=>垂れ下がるもの=>紐=>ころも (第16回、第34回参照)
」=「一」+「|+ノ」:=からだ+垂れ下がるもの=>体から垂れ下がるもの=>ころも

」=「ナ」+「口」:=ころも+女=>腰巻の女=>女の衣=>みぎで縛る衣=>みぎ
」=「ナ」+「工」:=ころも+職人=>腰巻の職人=>職人の衣=>ひだりで縛る衣=>ひだり

 初期にはタオルのような布を腰に巻いて横で縛る衣でしょう。右手をよく使う男の職人が左側で縛るのは、刀を左腰に下げるのと同じです。

 左右の縛り方で離れていても異性を区別することができたのです。
性器を隠すと性のアピールの代用表示が始まります。現代では、股間を象徴する男ものネクタイ、Vカットの女ものブラウス、ターバンを巻いたり髭を伸ばしたりするアラブ人などです。


」=「イ」+「右」:=男の仕事+右で縛る衣=>女の着付け係り=>着衣をたすける=>たすける
」=「イ」+「左」:=男の仕事+左で縛る衣=>男の着付け係り=>着衣をたすける=>たすける

 「佑」と「佐」は衣類の発達で権威を示す衣の着付けに手間が掛かるようになってきた時代の字です。

」=「ナ」+「月」:=ころも+体=>衣を着た体=>衣がある体=>衣がある=>ある

示+右」(祐)=「示」+「右」:=しめす+右縛り=>右縛りを示す=>女であることを示す=>(女なら)命をたすける=>たすける

 緊急の事態や、部族間の抗争で争ったときなど、女は助けても男は見捨てられたようです。ただ部族間の抗争で負けた女は足切りの刑が「別」であった可能性があります。
」:=女の足を切る=>特別の刑=>べつ扱い=>べつ(前回参照)


」=「ナ」+「ム」:=ころも+おとこ=>(一般の)男のころも=>(保護用の)腕巻き(かいな)=>腕飾り=>かざり
」=「月」+「厷」:=からだ+腕飾り=>腕飾りの部分=>うで(かいな)=>ひじ
」=「宀」+「厷」:=いえ+飾り=>飾りのある家=>広い家=>ひろい
」=「厷」+「隹」:=かざり+足の長い鳥=>飾り羽の鳥=>おんどり=>おす

 「厷」の意味は、棒が武器であった時代には相手の右腕を叩くことが重要で、右腕を守る衣が股間を隠すより重要だったのでしょう。

 「ころも」は最初は「|+ノ」(左はね縦棒)、「ナ」、「衣」と次第に複雑に変化しています。当然「衣」の字の中にも「ナ」が隠れていますが、現段階ではこの解読は不可能です。大きな回り道をした後で再び挑戦しましょう。



***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「佑」 解字:会意形成。意符の人(ひと)と、意符と音符を兼ねる右(たすける意)とから成る。人をたすける意。
「佐」 解字:会意形声。意符の人(ひと)と、意符と音符を兼ねる左(たすける意)とから成る。人がたすける意。

「示+右」 解字:会意形声。意符の示(かみ)と、意符と音符を兼ねる右(たすける意)とから成る。神が「たすける」意。

「肱」 解字:なし。(本字「厷」の解説)
「宏」 解字:形声。意符の宀(いえ)と、音符の厷(おおきい意=廣)とから成る。奥深い大きい家の意。ひいて、「ひろい」意に用いる。
「雄」 解字:形声。意符の隹(とり)と、音符の厷(光明が盛んの意=融)とから成る。羽毛の美しい鳥の意。ひいて、「おす」の意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2. 「夕」の追及

 「夕」と「歹」は別の部首となっていますが、「一:=からだ」を獲得しているので、同類の字であることが容易に分かります。まず辞書の解字を確認します。

「夕」 部首解説:これを部首にして、夜に関する意を表す文字ができている。
解字:象形。月の形にかたどる。古くは月と同字であった。月の白く光る夜の意。もと、夜と同じであったが、のちには区別して、夜の始めの意味に用いるようになった。
「歹」 部首解説:これを部首にして死・障害の意を表す文字ができている。
    解字:なし。(別の古字??の説明:象形。脊髄の先端の頭蓋を支えている骨の形にかたどる。肉を削り取った残骨の意。)


 「夕」の解読は二つ考えられます。一つは「口」から、もう一つは「ク」からです。

円-中央縦棒」=「口」+「||」:=おんな+二本足でたつもの=>立っている女
」:=「円-中央縦棒」の右45度回転=>傾いて立つ女=>傾いた体=>傾いたもの=>傾いたお日様=>ゆうがた=>ゆうべ

 「然」では「夕」が「月:=からだ」の傾いた形になっています。

」:=動物の頭(第5回参照)
」=「ク」+「ノ」:=動物の頭+特別な=>特別な動物の頭=>小首をかしげる頭=>傾ける頭=>傾いたもの=>傾いたお日様=>ゆうがた=>ゆう

 子供や犬などが、かわいく小首を傾ける動作に感激したことがあると思います。

 以上二つはどちらも捨てがたい解読です。しばしば紹介すると思いますが、別の解読ができる場合、両者の意味を掛けたと思われます。

」=「一」+「夕」:=体+傾いたもの=>傾いた体=>死んだ体
」=「歹」+「刂」:=死んだ体+刀=>切り殺された体=>ならべる体=>つらなる=>れつ
」=「殘-戔」+「戔」:=傾いた体+あさい=>少し傾いた体=>傷の浅い体=>生き残ったひと=>生き残る=>のこる(「戔」は第15回参照)

 「列」は部族間の闘争の後に、敵味方の死体を並べ戦果と損失者の確認をする後処理でしょう。

」=「夕」+「夕」=傾いたもの+傾いたもの=>たくさんの傾いたもの=>たくさんのもの=>おおい
」=「夕」+「ト」:=傾いたもの+枝=>傾いた枝=>(放射状に伸びる)外向きの木の枝=>外向き=>そと
」=「氵」+「夕」:=みず+夕方=>夕方の水=>夕方の満ち潮=>しお
」=「夕」+「口」:=夕方+おんな=>夕方番のひと=>(暗くて)名を呼ぶ=>呼び名=>なまえ

 「汐」の辞書の解字は意見が一致しました。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「多」 解字:会意。意符の夕(ゆう)を二つから成る。夕べを積み重ねる、日数がおおい意。ひいて、「おおい」意に用いる。
「名」 解字:会意。意符の口(くち)と、音符の夕(おおごえの意=唶)とから成る。口から出る大声の意。ひいて、独り言を言う、自分をなのる意となる。一説に意符の口(くち)と、意符の夕(ゆうべ)とからなり、夕方の暗闇のなかで、人に自分の名をなのることから、「な」の意に用いるという。
「外」 解字:形声。意符のト(亀の甲羅にできたひび割れの形)と、音符の月(夕は省略形、欠ける意=缼)とから成る。亀トの表面に現れた、占いのひび割れの意。ひび割れが甲羅の表面(そとがわ)にできるところから、「そと」の意に用いる。
「汐」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の夕(ゆうがたの意)とから成る。夕方におこる「しお」の意。

「列」 解字:形声。意符の刀(かたな)と、音符の??(=歹。ばらばらにする意=裂)とから成る。刀でばらばらに分ける意。転じて、「つらねる」意に用いる。
「殘」 解字:形声。意符の歹(死)と、音符の戔(きる意=斬)とから成る。切って死に至らしめる、斬殺する意。ひいて、「そこなう」意に、借りて「のこる」意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3. 「革-十」の追求

 「革-十」は形も意味も既に歴史から消えていますが、解読のためには復元する必要があります。「革」と「漢-氵」ですが、部首に現れる「革」の辞書の意味から入りましょう。

「革」 部首解説:これを部首にしてかわの状態・製品などに関する意を表す文字ができている。
    解字:象形。犠牲にした小動物を雨ざらしにして白骨化した骨のさまにかたどる。小動物の白骨の意。借りて、「かわ」「あらためる」の意に用いる。

 白骨のなれの果ての「革」が何からできているかを十二分に観察してみます。

革-十」=「廿」+「口」:=乳房+女性器=>女の肉体 (「廿」は第35回参照)
」=「革-十」+(融合)+「十」:=女の肉体+男=>女を知った男=>童貞でなくなった男=>穏やかになる男(かわる)=>やわらかくなるも=>なめし皮=>(なめした)かわ
」=「革」+「卑」:=かわ+曲がって伸びたもの=>かたなのさや=>さや

 「革」の字の中に「中」の字が読み取れれば正解です。デザインの深い配慮が光っています。

 獣皮はそのままだとすぐ硬くバリバリになり使えません。古代では植物のタンニンでなめしたようです。


漢-氵」=「革-十」+(融合)+「夫」=>女の肉体+おっと=>女体にまつわり付く夫=>乳離れの難しい夫=>難しい乳離れ=>むずかしい
」=「氵」+「漢-氵」:=水+むずかし=>(治水の)困難な河=>黄河
」=「漢-氵」+「隹」:=むずかし+足の長い鳥=>(捕獲が)むずかしい鳥=>得がたいもの=>むずかし
」=「口」+「漢-氵」:=くち+むずかしい=>むずかしい口=>苦渋の口=>ため息を付く=>なげく

 現在使われる「漢-氵」の上の「廿」が「くさかんむり」に省略されています。

 漢字を創造した漢民族の男共は甘えん坊達でした。照れ隠しのためか康煕字典の「漢」には二つの古字が、「難」の字にはなんと8個もの古字があり、素性を煙に巻く魂胆です。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「鞞」 解字:形声。意符の革(かわ)と、音符の卑(覆って保護する意=庇)とから成る。刀身を保護するる皮製のもの、「さや」の意。

「漢」 解字:形声。意符の氵(みず)と、音符の「漢-氵」とから成る。もと、川の名。
「難」 解字:形声。意符の隹(とり)と、音符の??(=菫。こがね色の意=金)とから成る。黄金色の羽をしている鳥の名。借りて、「かたい」「むずかし」の意に用いる。
「嘆」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の「漢-氵」(のみこむ意=呑)とから成る。声を飲み込んで「なげく」意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



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テーマ:漢字 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/12/16 21:59】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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