象形文字の秘密
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「口」の追求3 /39

 今回もさらに「口」を追求します。

1. 字の下に付く「口」を探します。そして二つのグループに分けてみます。

 「告、呑、言、名」 と 「君、后、各、吾、吝」 です。両グループの各字を何度も眺めて、その中にある共通の意味を引き出しましょう。

 第一グループの各字は「告げる」「呑む」「言う」「呼び名」と確かに「食べる口」のと関係があります。しかし第二一グループには「口」というより共通に「ひと」の意味が読取れます。逆に、第一グループも「くち」よりむしろ「ひと」と関係が深いと考えることができます。
以上から次の二つの流れの解読を断行します。

」(象形):=産道口/女性器=>産道口をもつもの=>子を産むもの=>おんな=>ひと
」(象形):=産道口/女性器=>産道口をもつもの=>欠け込む口=>食べる口=>くち


以上の「口」を手がかりに解読を進めることにします。

」=「ト」+「口」:=小枝+ひと=>枝占いのひと=>枝で占う=>うらなう=>占いでだます=>依頼者のものを占領する=>せしめる=>しめる
 現代でもオカルト的な人物が予言の名の下に多くの人を洗脳(マインドコントロール)します。

」=「矢」+「口」:=や+ひと=>矢のようなひと=>飛び出すひと=>すでに知っているひと=>知っていること=>しる
 自然界では知らないものは不気味で危険ですが、すでに知っている獲物には飛び出して先を争う様子が「知」の字で想像できます。

」=「口」+「巾」:=ひと+せいする=>(勝手な)支配をする人=>つるす
 「吊」は口の位置が逆さまで拒否の意味を含んでいるようです。この字の構成は絞首刑の形を暗示したのでしょう。

」=「力」+「口」:=ちから+ひと=>力のあるひと=>仲間にくわえるひと=>くわえる
」=「不」+「口」:=だめ+ひと=>だめというひと=>こばむひと=>こばむ
」=「扌」+「口」:=て+ひと=>手をだすひと=>たたくひと=>たたく

 以上、母系制時代では「ひと」といえば狭い意味では女を意味し、広くは男を含んでいたのです。以降、女を中心とし男を含む広い意味を「ひと」と仮名で示し、男を中心とする狭い意味を「人」と漢字で示します。

 同じく母系社会では漢字の「人」は狭くは男の意味を、広くは獣を含んでいました。現代では逆転し「人」は狭くは男の意味を、広くは女を含んでいます。


」=「尹-(|+ノ)」+「|+ノ」:=制する男+衣=>衣を付けた支配者(男)=>衣を着けた役人=>役人(第34回参照)
」=「尹」+「口」:=役人+ひと=>役人の御方=>役人の長=>君主=>きみ

 「尹」はもともと男の意味で「口」が付いていますからこの「口」は狭い意味の「女」ではなく、広い意味の「ひと」です。さらに「口」には尊敬の意味を感じます。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「占」 解字:会意形成。意符のト(亀甲を焼いたひび割れでうらなう)と、音符と意符を兼ねる咨(口は省略形。問いはかる意)とから成る。トして吉凶を判断する意。借りて、「しめる」意にもちいる。
「加」 解字:会意。意符の力(ちから)と、意符の口(ことば)とから成る。力を入れて言葉を多くする、いいまくる意。ひいて、他人をしのぐ意に用いる。
「知」 解字:形声。意符の吁(口は省略形。驚き叫ぶ意)と、音符の矢(続けて並べる意=陳)とから成る。叫び続け並べる意。借りて、「しる」意味にもちいる。

「否」 解字:会意形声。意符の口(くち)と、意符と音符とを兼ねる不(いな。反対の意思表示の語)とから成る。くちで「いいえ」という意。もと不で原義を表したが、のちに否が持ちられるようになった。
「扣」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の口(ひかえる意=控)とから成る。手で押さえる意。
「吊」 解字:仮借。もと、弔の俗字。弔がおもに「とむらう」意に用いられたため、「つるす」を表すのにこの字が作られた。
「君」 解字:形声。意符の口(くし)と、意符と音符を兼ねる尹(衆を治める意)とから成る。口から号令を出して衆を統率する人、「きみ」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2. 「口」の解読により新たな展望が開けてきます。

」=「二」+「二」+「口」:=複数+複数+ひと=>たくさんのグループのひとびと=>がやがやするひと達=>うるさいことば=>ことば

「女三人寄ればかしましい」の全体が「言」の一文字に要約されています。

「言」は類似な形を持つ字が他になく解読が困難を極めました。現在の辞書では「言」の第三画と第四画は同じ長さですが、康煕字典では第四画が第三画よりわずかに長くなっています。これがヒントでした。


」=「一」+「|」:=いち+棒=>一本の棒=>棒(男根)を持つもの=>おとこ(第12回参照)
」=「口」+「十」:=くち+おとこ=>おとこを口にする=>(欲望が)かなう=>かなう
」=「十」+「口」:=おとこ+ひと=>男のひと=>部族に残ったおとこ=>ふるいひと=>ふるい
「()」=「十」+「口」:=一本の棒+口=>口の棒=>した
」=「ノ」+「古」:=特別な+口の棒=>特別な口の棒=>口の中の棒=>した

 今までしばしば利用した同じ形を持つ文字の共通な意味から解読する方法は「古」と「舌」には利用できません。歴史的に意味の絡んだこれらの解読は、基本的な「口」の意味の流れを基にして始めて可能となります。

 「口」は始め「ひと」の意味で後に「食べる口」の意味が加わったか、同時に両方の意味が通用していたとすれば「ひと」の意味の方が優勢であったと考えられます。上の「舌」の例ばかりか実際に「ひと」の意味の「口」は文字の中の位置が下、右、上と自由であるのに対し、「食べる口」が口偏に統一されていることからもうかがえます。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「言」 部首解説:これを部首にして、ことば、また、言葉による表現・意見などの性質・状態に関する意を表す文字ができている。
解字: 形声。意符の口(くち)と、音符の辛(「言―口」は変わった形。こころの意=心)とから成る。口から表現された心のうち、ことばの意。
「叶」 解字:形声。意符の口(意見)と、音符の十(あつまる意=集)とから成る。多くの人が意見を一つに合わせ、共にする意。協の古字。
「古」 解字:象形。大昔の神々の頭に似せた冠の形にかたどる。神々は遠い昔に人であることから、「いにしえ」「ふるい」意に用いる。
「舌」 解字:会意。意符の口(くち)と、音符の干(千は誤り変わった形。含と音通でふくむ意)とから成る。口中に含んでいて外に出すもの、「した」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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テーマ:漢字 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/11/26 15:13】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) |
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コメント

今年亡くなられた白川静博士は、下に付く口には祭祀の器を表しているものがあると研究されていました。この研究は、中国からも教えを請いにきた内容のひとつだったようです。
【2006/11/27 00:38】 URL | nom-sin #-[ 編集]
 貴重なご意見ありがとうございます。

不勉強で申し訳ないのですが、下に付く口が祭器の器と判断された根拠をお教えいただければ幸いです。
 ご指摘により再考すると、今回紹介した中で上や横に付く口を除いた占,否,君,古は「祭器の器」とする解釈も成り立つかもしれません?

 私は漢字達が語り掛けて来る音色を私の感性で聞き分けています。白川博士の耳と私の耳では同じ文字達から異なる音色を聞き取っただけの違いでしょう。

 これから、もっと多くの人に共感できる音色を聞き取れるよう努力いたしますので、今後ともご協力をお願い申し上げます。
【2006/12/02 09:56】 URL | #-[ 編集]

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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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