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「口」の追求 /37

 いよいよ「口」の追求です。今回は囲う口を除いてどんな口の種類があるかを探します。


1. 食べる口の確認をします。最初にこれまでに解読した字の見直しと、すでに解読可能な文字を紹介します。まず「口」に関する辞書の意味から見ることにします。

「口」 部首解説:これを部首にして、食う、飲む、話すなどの口の動きや、口から発する声・言葉などに関する文字ができている。口の意味に関係なく、場所や穴などを示すことがある。
    字義:くち。あな。
    解字:象形。人間の開かれた口を真正面から見たさまにかたどる。人のくちの意。ひいてさまざまな穴の意に用いる。

 これまでに出てきた要素で「食べる口」と関係するものは次のとおりです。
」(第5回参照)=「口」+「欠」:=くち+口を開けた男=>口を開けた男の口=>(冷ます)ふく口=>ふく
」(第8回参照)=「口」+「申」:=口+上下に伸びたもの=>上下に伸びた口=>うめく
」(第13回参照)=「口」+「犬」:=くち+いぬ=>犬の口=>ほえる
」(第14回参照)=「口」+「矣」:=くち+きのぬけたもの=>気の抜けた口=>ああ
」(第20回参照)=「口」+「土」:=くち+つち=>くちのつち=>嘔吐物=>はく
」(第22回参照)=「口」+「丁」:=くち+働く男=>(口答えする)男の口=>たたく
」(第22回参照)=「口」+「斤」:=くち+反抗する男=>大口で笑う=>あざ笑う=>わらう
」(第28回参照)=「口」+「勿」:=くち+四本足のけもの=>獣の口=>くちさき
」(第29回参照)=「口」+「句」:=くち+まるいもに=>丸くした口=>(暖めるために)ふく口=>ふく
」(第32回参照)=「口」+「吶-口」:=くち+うち=>内にこもるくち=>どもる
」(第36回参照)=「口」+「因」:=くち+よる=>くちで生じること=>胸がつかえる=>むせぶ

 食べる口の意味はよく見るとすべて口偏となっていることに注意してください。



2. 「食べる口」以外の「口」の意味を整理しておきます。

」(第16回参照)=「口」+「|+ノ」:=肛門+垂れ流すもの=>しり=>(後ろに)突き出したもの=>覆うもの
」(第29回参照)=「勹」+「口」=>股関節+口=>産道口=>(赤子の生まれる)丸い口=>まるい=>まるいもの出産=>一回の出産=>くぎり
」(第29回参照)=「尸」+(融合)+「句」:=しり+産道口=>股間の産道口=>産道口=>(産後)縮まる所=>ちぢまる
」(第29回参照)=「尸」+(融合)+「句」:=しり+産道口=>股間の産道口=>赤子を収めた口=>赤子ツボの口=>子宮の口=>子宮=>つぼ

 今振り返ると「尸」の意味の「肛門」は限定のしすぎですから次のように修正します。
「尸」:=「|+ノ」(左下はね棒)+「口」=>垂れ流すもの+排泄口=>しり=>突き出したもの=>おおうもの

 「尸」は横から見て突き出した尻の意味が、「句」は内側から見た尻の意味が強いようです。



3. ほかの意味を持つ「口」を探索します。「台」を取り上げますが、まずは辞書の意味を確認します。

「台」 意味:(A)だい。(B)われ。
    解字1:ナシ(旧字「臺」の解説)
    解字2:形声。意符の口(くち)と、音符のム(おのれの意=自)とから成る。一人称代名詞で、「おれ」という意。古くは台が臺と同音であることから、借用された。

 「ム」(第14回を参照)のすでに獲得した意味で「台」を追ってみます。
「台」=「ム」+「口」=>ない+口=>口のないもの=>あなのないもの=>?=>だい

 「だい」の意味には繋がりませんが、不思議なことに「口のないもの」で解読すると、「台」を持つ字の展開がうまく進みます。

」=「氵」+「台」=>みず+口のないもの=>決壊口のない水=>治水した川=>川をおさめる=>おさめる
」=「月」+「台」=>からだ+口のないもの=>口のない器官=>妊娠した子宮(羊水が漏れない)=>はらむ
」=「女」+「台」=>おんな+口のないもの=>口のない女=>処女膜のある女=>処女=>はじめ

「台」の意味は逆転的で「陥没した穴のない」の意味が単に「平らなもの」を通り過ぎて「隆起した所」を意味しているとは、これまでの解読に誤りがあったのでしょうか?

「だい」とは繋がらないと考えてはいけません。この字が「火山」に対する「火口ない山」を表しているのです。口は口でも台の口は山頂の「火を噴出す口」の意味なのです。そして「ム」が山の形を連想させています。初期の時代は「山:=火山」で「台:=非火山=>やま」だったのです(第33回「火山でない山」の回答)。

」=「ム」+「口」:=>ない+口=>口のないもの=>火口のないもの=>非火山=>山=>だいち=>だい

「台」はさらに辞書に示された「始」に連なるもう一つの意味の流れが読み取れます。
」=「ム」+「口」:=>ない+口=>口のないもの=>(処女膜のある)わたし=>われ(女子の自称)=>おれ(男子の自称)

 以上「口」は開いている方から眺めた穴の意味が強く、前回までの「凵」は横から眺めた穴の意味が強くなっています。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「治」 解字:形成。意符の水(みず)と、音符の台(よくする意=能)とからなる。水をよくする、「おさめる」意。
「胎」 解字:形成。意符の肉(からだ)と、音符の台(みごもる意=胚)とからなる。体がみごもる、「はらむ」意。
「始」 解字:形声。意符の女(おんな)と、音符の台(はじめの意=初)とから成る。始に生まれた女、長女の意。ひいて、「はじめ」の意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4. 「田」の追求に入る前に第8回から第10回にかけて集めた「田」の展開を二つ補います。先の時点では解読できませんでしたが、もう解読可能です。初めは「卑」の字で、まずは辞書を参照します。

「卑」 字義:いやしい。ひくい。
    解字:会意。意符の??(由の倒形。酒のかすを搾るかご)と、音符の??(手)とから成る。もと酒かすを搾るかごを手に持つ意ひいて、「いやしい」意に用いる。

 辞書の解説にはあまり期待が持てませんが、時々思わぬヒントが隠れています。

卑-上のノ-十」=「田」+「ノ」:=うまれる所+曲がって伸びるもの=>曲がって伸びるもの
卑-上のノ」=「卑-上のノ-十」+「十」:=曲がって伸びるもの+棒=>曲がって伸びる棒
」=「ノ」+「卑-上のノ」:=特別な+曲がって伸びる棒=>曲がって伸びた男根=>いやしい=>ひくい

 説問解字では「卑」の中央の「ノ」は「田」の中央縦棒と繋がっており、康煕字典には切れた九画の正字と繋がった八画の俗字が載っています。

 「曲」は「曲がってたくさん伸びるもの」、「甩」は「曲がって下に伸びるもの」でしたが、「卑-上のノ-十」は「ひとつの曲がって伸びるもの」の意味です。



5. 追加する二つ目は「華」の字です。辞書の内容からはじめます。

「華」 字義:はな。
    解字:会意形声。意符の艸(くさ)と、意符と音符かねる??(「華―草冠」は省略形。つぼみが美しく垂れ下がって咲く意)とから成る。草のつぼみが美しく咲く意。ひいて「はな」「はなやか」の意に用いる。

華-草冠-十」=「田」+(融合)+「三」:=生むところ+たくさん=>種の周りで四方に伸びるもの=>はなびら
華-草冠」=「華-草冠-十」+「十」:=はなびら+棒=>茎の先の花=>はな
」=「華-草冠」+「草冠」:=茎の先の花+くさ=>くさのはな

 康煕字典の「華-草冠」は同じく「はな」の意味で「田」の左右の縦棒も上に突き出しています(図を参照)。草花を生む種の四方に開く花びらを表現したい気持ちがひつこい程に伝わってきます・・・(^∇^)クスッ♪。



6. 「田」の字の追求です。第10回では立ちはだかる壁に挑戦をあきらめた「田」に挑みます。「田」の辞書の意味ももう一度確認します。

「田」 字義:た。はたけ。
    解字:象形。十(あぜみち)で区切られた畑が並んでいる形にかたどる。稲や野菜を栽培するための並んだ土地、耕作地、「た」の意。

 第12回、第20回で得た「十」の結果を改めて整えると次のようになります。
」=「」+「一」:棒+一=>一本の棒(=>はり)=>棒のある体=>男根の体=>男=>じゅう(「九:=女」に対抗する)

「田」-「十」=「口」
また、意味の関係から次のことが成立します。
「田」-「十」=「生まれる」-「男性器」=「女性器」

したっがて最終的には次のように解読できます。
」:=女性器
」=「口」+「十」:=女性器+男性器=>交わる性器=>生まれる=>生まれる所=>稲の生まれる所=>た

 このブログの紹介文で右コラムの先頭に示した内容をもう一度見てください。
『部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。』

 私たちはついに「田」をさらに深く分解することができたのです。


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テーマ:漢字 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/11/11 13:12】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) |
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コメント

面白いものですね。

『草花を生む種の四方に開く花びらを表現したい気持ちがひつこい程に伝わってきます・・・』

には、、ちょっと唸りました、、、
【2006/11/15 01:11】 URL | 華文字 #-[ 編集]
 解読していて面白のは、これだと納得できたときには大きな嵌め絵がガツッと音を立てて収まったようなショックが走ります。

 「華」が解読できたときもそんな感激を一人満喫しました。

【2006/11/15 21:21】 URL | sachio43 #-[ 編集]

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