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「口」(かこう)の追求 /36

 今回から「口」の追求に入ります。

注意:Windows98で特殊文字や偏の字が左へ90度回転した変な表示となるものがありますのでご注意ください。ブログのプレビユーでは正常ですが、実際のブログでは回転します(原因不明です)?。

 辞書の口には全体を囲う「くにがまえ」と「くち」の2種類があります。

1.まず分かり易い「囗」(くにがまえ)から挑戦します。「口」と「囚」の辞書の内容から入ります。

「口」(くにがまえ)部首解説:これを部首にして、囲む、巡らすなどの意味を持つ文字ができている。また、○の変形として、円い意味を表わすことも有る。
    字義:かこむ。めぐる。
    解字:指示。四面を囲った形により囲む・囲い・囲み、また、巡らすなどの意を示す。
「囚」 字義:とらえる。とらわれる。
    解字:会意。意符の口(囲い)と、意符の人(ひと)とから成る。人を囲いの中に入れて捕らえる意。ひいて「とらえる」意に用いる。


 「くにがまえ」の解説はまったく矛盾を感じません。展開をみてみましょう。「囚」は辞書の解字が明快です。

」=「口」+「人」:=囲う+男=>囲われた男=>とらわれた男=>とらわれる=>とらえる
」=「氵」+「囚」:=みず+とらわれる=>水にとらわれる=>水中を動く=>およぐ

 辞書には能動と受動の両者の意味がありますが、「泅」を解読すれば当初の意味が受動形であったと考えられます。すなわちこの時代にすでに受動形があったのです。


 「因」について少し見ておきます。「大」の字が男を意味することの確認でもあります。
「裀」「絪」「茵」がみな「しとね(ふとん)」の意味です(下の辞書の解字を参照)。そこで以上の「因」の偏や冠は布団の原料を示しており「因」が「ふとん」の意味となっていたはずです。

」=「口」+「大」:=囲う+大きい男=>囲った大きい男=>身を寄せる男=>よせる=>よる/原因=>よりどころ=>寝る所=>布団
」=「女」+「因」:=おんな+身を寄せる男=>(子を産む)女のよりどころ=>女になる所=>女のしとね=>縁組=>嫁ぎ先
」=「火」+「因」:=ひ+よる=>火の起きる所=>火になるところ=>火の原因=>けむり
」=「因」+「心」:=よりどころ+こころ=>心の拠り所=>安らぐこころ=>いつくしむ

 「姻」の最後の「嫁ぎ先」は父系社会になって追加された意味でしょう。「烟」の厳密な意味は「発火直前に上る白いけむり」で、炎の先から出る煙とは異なります。「恩」の当初の「いつくしむ」は女が扶養(「扶:=手に入れた夫」に注意)する夫を思う気持ちです。

」=「口」+「古」:=囲う+古い=>古い囲い=>年を経て固まった囲い=>固い囲い=>かたい
」=「氵」+「固」:=みず+かたい=>みずで(溶いて)固まったもの=>かれる
」=「イ」+「固」:=男の仕事+固い囲い=>囲う仕事=>(レンガを)ひとつづつ積む=>一つ一つ=>こ
」=「疒」+「固」:=やまい+かたい=>固いやまい=>固定した病=>長患い
」=「金」+「固」:=かね+かたい=>固いかね=>(鋳型で)固めるかね=>かねでふさぐ=>ふさぐ

」=「口」+「儿」:=囲う+垂れ流す子供=>囲う垂れ流す子供=>囲う四年目の児童(三歳児)=>四年目=>よん
」=>「氵」+「四」:=みず+四年目の子供=>三歳児の水=>たらすみずばな=>みずばな

 特に「四」(「儿」は第19回を参照)の意味は四年目の児童(=現在の三才児・・・注:当時ゼロ才はない)で歩き回りますが、まだ当時は垂れ流す年代です。

 前回解読した「屯」は「たむろす=集まる」意味でしたが「囤」を解読するため「集める」意味を追加します。
」=「ノ」+「凵+L」:=特別な+メス犬=>メス犬の特性=>同種で寄合うメス犬=>均一の集まり(純血なもの/純粋のもの)=>たむろす(あつまる)=>あつめる
」=「□」+「屯」:=かこう+あつめる=>集めて囲う=>小さい倉

」=「□」+「甫」:=かこう+はじめ=>初めに囲うもの=>はたけ
」=「□」+「巻」:=かこう+夫の子供が分ける=>夫の子供が分けたものを囲う=>子供が成長するまで囲う=>手を付けない範囲=>しきり


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「泅」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の囚(旈のようにうねうねする意)とからなる。水上や水中をうねうねする意、ひいて「およぐ」意。

「因」 解字:会意。意符の口(家の回りの囲い)と、意符の大(ひと)とから成る。他人の家に身を寄せて生活する意。ひいて、「よる」意に広く用いる。
「裀」 解字:形声。意符の衣(ころも)と、音符の因(かさねる意=襲)とから成る。布団の上にしき重ねたもの、「しとね」の意。
「綑」 解字:形声。意符の糸(ぬの)と、音符の因(しとねの意=茵)とから成る。布製の敷物の意。
「茵」 解字:形声。意符の艸(くさ)と、音符の因(しとねの意=裀)とから成る。草で作った「しとね」の意。

「固」 解字:形声。意符の口(四囲の城壁)と、音符の古(かたい意=堅)とから成る。城壁を固く守る意。ひいて、「かたい」意に用いる。
「涸」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の固(かれる意=枯)とから成る。水がかれて尽きる意。
「個」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の個(鎧を着ている人の意=介)とから成る。よろいを着ている人の意。のち箇と同意に用いる。
「痼」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符の固(長く久しい意)とから成る。長患いの意。
「錮」 解字:形声。意符の金(金属)と、音符の固(閉じ込める意=禁)とから成る。金属を溶かして穴などをふさぐ意。

「四」 解字:象形。開いた口と、舌と、はく息のさまにかたどる。気息の意。借りて、数詞の「よつ」に用いる。
「泗」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の四(はなの意=自)とから成る。鼻から出る水、はなみずの意。

「囤」 解字:形声。意符の囗(かこい)と、音符の屯(あつめる意)とから成る。穀物をまとめておく囲い、米倉の意。
「圃」 解字:会意形声。意符の囗(かこい)と、意符と音符を兼ね備える甫(田に苗を植える意)とから成る。蔬菜を植える「はたけ」の意。
「圏」 解字:形声。意符の□(四方をかこんだおり)と、音符の巻(さえぎりふせぐ意=閑)とから成る。四方を囲んで出られなくした獣を入れておくおりの意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.「囲」の追求

特に「囲」の字を追求しましょう。まず辞書の意味です。

「井」 字義:い。いど。
    解字:象形。井戸の井桁の形にかたどる。穴をうがって水を出すところ、つまり「いど」の意。
「囲」 字義:かこむ。かこう。
    解字:形成。なし(「圍」の解字)。

「囲」=「□」+「井」:=かこう+いど=>井戸の周りを囲う=>かこう
簡単に解読が得られますが、「井」の字の解読に疑問があります。「井」の字は単独では解読不可能で「囲」以外に他の字の助けも必要です。

 少しわき道へそれます。「先」の字に注目してください。
」=「土」+「儿」:=おとこ+垂れ流す子供=>垂れ流す男子
」=「ノ」+「圥」:=特別な+垂れ流す男子=>特別な男子=>最初の男子(育てる男子)=>先のもの=>さき

 詳細は後の説明に譲りますが、長男だけは育て次男以降は間引く貧しい時代であったようです。だからこそ「先」という字が特に存在したのです。「先」の表す意味は財産分与などの末節の問題ではなく、育てるか間引くかという命の問題を表現しています。
 「甫」(第25回参照)の字は「初産の男児」の意味でしたが、やはり「育てる男児」と絡んでいます。

これまでの知識で「囲」を追ってみましょう。

井-二」=「|+ノ」(下左はね棒)+「|」=>垂れ流すもの+棒=>垂れ流す男子
」=「二」+「井-二」:=二+垂れ流す男子=>二人の男子
」=「□」+「井」:=かこう+二人の男子=>二人の男子を囲う(二人の男子を育てる)=>かこう

 以上の検討から「囲」の意味を考えると、男児を一度に両手で抱えられるだけしか育てられなかった時代を想像することができます。

 「先」の一人の男子を育てる時代と、「囲」の二人の男子を育てる時代の前後は現在不明です。後世に「井」が井戸の周囲を(泥水の流入を防ぐ)木枠で囲う形に見立て、その意味が書き換えられたと考えられます。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「圥」 解字:なし。
「先」 解字:形声。意符の儿(人)と、音符の止(死の意=遷)とから成る。死んだ人の意。ひいて先祖・昔などの意味に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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テーマ:漢字 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/11/04 19:27】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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