象形文字の秘密
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「厂」の追求-その23

「|+ノ」をもつ「厂」を検討します。まず辞書の解説を見てみましょう。
「厂」 部首解説:これを部首にして、がけ、石、岩などの形状をあらわす文字が出来ている。「がんだれ」、また「いしだれ」とも言う。
    解字:象形。切り立った崖の下の人の住む所の形にかたどる。もと、岩山のがけに造られた住居の意。


 いままで獲得した「一:=いち。体=>器官。地面。」を使って解いてみます。
「厂」=「|+ノ」+「一」:=垂れ下がるもの+からだ=>からだに垂れ下がるもの=>ふらさがるもの
「厂」=「|+ノ」+「一」:=垂れ下がるもの+器官=>垂れ下がる器官=>ぶらさがるもの
「厂」=「|+ノ」+「一」:=垂れ下がるもの+地面=>垂れ下がる地面=>がけ
と考えられますが、「圧」「灰」の字も解けません。


 そこで、方針変更です。逆に字から解きほぐすしかありません。「雁」の字を捕らえます(隹の解読は後述)。
「雁」=「厂」+「イ」+「隹」:=?+働く男+とり=>?して働く鳥=>かぎになり渡るがん=>がん

「厂」は上の式で両側から追うと「かぎ」もしくは「がぎ型」の意味に絞られます。一方「厂」は「一:=体」の要素を持ちますから、
「厂」=「|+ノ」+「一」:=?+体=>曲げる体=>曲げた体=>かぎ型の体=>かぎ型
と、間違いの入らない範囲で慎重に解釈を広げます。そして他の字で検証してみましょう。

」=「厂」+「土」:=曲げた体+座った男=>体を曲げて男を座らせる=>肩を押さえて座わらせる=>押さえて座らせる=>あっする
」=「土」+「土」:=つち+つち=>かさなった土
崖-山」=「厂」+「圭」=>かぎ型+重なった土=>かぎ型に重なった土=>がけ=>行き止まり=>おわり
」=「山」+「崖-山」=>やま+がけ=>山のがけ=>がけ
」:=「氵」+「涯-氵」:=みず+がけ=>崖の水流=>流れの終り=>流れのはて=>はて=>かぎり
」=「厂」+「火」:=曲がった体(曲がったもの)+火=>火で曲がったもの=>はい
と解けてきます。

 「崖-山」は後代に意味が「おわり」に変わったので、「おわり」と区別のため改めて山を付けて「がけ」の意味を表わしたものでしょう。また既に解読した「土:=座った男=>座る所=>地面=>つち」の意味の変化にはかなり長い時間が掛かっていますから、「圧」と「崖―山」の二つの字のできた時代は遥かに離れていたと思われます。


 外堀がはっきりしたので、いよいよ「厂」の中の「|+ノ」の分析です。
「厂」=「|+ノ」+「一」:=曲げた体
これで問題なく残りの字が解けたのですから、「|+ノ」は単なる「|」であると考えてみましょう。そして、悩みの種であった縦棒の下を左に曲げる形は、筆記上の経年変化または混乱から生じたものと解釈します。

これまで学んだ「象形の形:意味に合せた要素の構成」を使うと、「厂」は「|」と「一」を「腰を直角に曲げた体の形に合成した」と解釈できます。

改めて示します。
「厂」=「|」+「一」:=棒+体=>曲げた体=>かぎ型の体=>かぎ型

 縦棒「|」は(「真直ぐに落ちるもの」の意を除き)、これまでは遡る解読であったので棒の意味からはじめましたが、ここでは正確に意識の生まれた焦点、すなわち根本の意味であったと思われる「男根」からの意味の流れとして捉え直します。
」:=男根=>棒=>立った足

」=「|」+「一」:=立った足+体=>曲げた体=>曲がったもの=>かぎ型のもの=>かぎ型
广」=「厂」+「丶」:=かぎ型のもの+特別な=>等別にかぎ型のもの=>雨よけの囲い=>仮小屋=>小屋=>家
」=「广」+「車」:=小屋+車=>車の小屋=>車小屋=>くら
」=「广」+「丁」:=小屋+男の労働者=>労働者の小屋=>仕事をする小屋=>事務所(オフィス)
」=「广」+「土」:=家+男=>男の家=>男の家のある所=>いなか
」=「广」+「奄」:=家+纏足の男=>纏足の男の家=>仮の小屋=>いおり


 最後に今回関係した文字の辞書による解字を参考に追加しておきます。
「圧」 解字:ナシ(「厭/土」の解説)
「圭」 解字: 象形。土を積み重ねたさまにかたどる。(かどのある)たま。
「崖-山」解字:形声。音符の厂(がけ、いわお)と、音符の圭(きわ・ほとりの意=際)とから成る。がけや巌のそばの意。
「崖」 解字:会意形声。意符の山(やま)と、意符と音符を兼ねる「崖-山」(がけの意)とから成る。山のがけの意。
「涯」 解字:会意形声。意符の水(みず)と、意符と音符を兼ねる「崖-山」(かぎりの意)とから成る。水のかぎり、「きし」の意。
「灰」 解字:形声。意符の火(ひ)と、音符の又(厂は変わった形。消えて尽きる意)とから成る。火が消えて尽きたもの、「はい」の意。

「庫」 解字:意符の广(いえ)と、意符と音符を兼ねる車(くるまの意)とから成る。車を入れておく家の意。
「庁」 解字:(ナシ。「廳」の説明)
「庄」 解字:荘の草書体からの転化字。
「庵」 解字:形声。音符の广(いえ)と、音符の奄(おおう意)とから成る。草や茅などでおおっただけの「いおり」の意。

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 「|:=立った足」の獲得により、漢字解読は再び新たな段階に達することになります。近々「田」の付く文字「車」「角」「用」について解読する予定です。皆さんも挑戦してみてください。

テーマ:サイエンス - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/08/16 07:20】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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