象形文字の秘密
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「乙」の検討-その18

今回は「乙」の字を検討します。まず辞書の意味から出発です。

「乙」 部首解説:これを元にしてできている文字はきわめて少なく、主に文字整理の上から設けられた部首。文字を構成する一画としては、曲がっているさま、押さえるさま、伸び出すさまを示す。楷書で「L」(注:活字がないので英字を流用)の字形を持つものを含めており、その形を俗に「つりばり」と呼ぶ。

 「乙」の部首の字には「乞」と「乾」の他は「L」を持つ字ばかりですが、例外的に「九」と「丸」があります。
「乙」は一画となっていますが、何か変です? 「L」は一画で「乙」は二画です。そして「乙」の部首の中にある「九」と「丸」だけは「乙」の展開と考えられます。
 更に「乙」の部首の字にある「九」と「丸」の存在は、類似の「几」「凡」が「乙」の仲間であることを教えてくれています! まとめて辞書を確認しましょう。ついでに部首「風」も後で述べるのでいっしょに調べておきます。

「乙」 字義:きのと、おつ
    解字:象形。中間に太い握りがあり、上下両方とがっている、両刃の彫刻等の形にかたどる。
「几」 字義:肘掛、脇息
    解字:象形。座ったとき身を寄せ掛けたり、ものを置いたりする、脚のついた台の形にかたどる。
「凡」 字義:およそ、すべて、なみの
    解字:象形。水を受けるたらいの形にかたどる。
「九」 字義:きゅう
    解字:象形。肘を曲げたさまにかたどる。
「丸」 字義:まるい
    解字:形声。意符の人と、音符の厂(カン、丸い意)とから成る。仄(ソク)を反対むきにした字。人が体をごろごろさせて寝返理をうつ意。
「風」 字義:かぜ
    解字:形声。意符の鳥(後に虫に変わった)と、音符の凡(おおきい意)とから成る。大きい鳥鳳凰の意。借りて、「さぜ」の意に用いる。

辞書の字義と解字からは全く関係も手掛かりもつかめません。


 我々は「|+ノ」:=垂れ下がるもの=>のき=>ひさし であることを「尸」(その16)で解読しました。これを使って「戊」の字を手掛かりに意味を拡張しておきましょう。

「戊」=「|+ノ」+「戈」:=垂れ下がるもの+武器=>垂れ下がる武器=>紐の付いた武器=>錘のついた武器
から、次のどちらかが考えられます。
「|+ノ」:=垂れ下がるもの=>紐
「|+ノ」:=垂れ下がるもの=>おもり

一方「几」は「乙」の仲間としますが、すると次のどちらかです。
「几」=「乙」+「|+ノ」:=乙女+紐
「几」=「乙」+「|+ノ」:=乙女+おもり

そこでうまく辻褄が合うためには結局全体が次のように成ります。
|+ノ」:=垂れ下がるもの=>紐
」=「|+ノ」+「戈」:=垂れ下がるもの+武器=>垂れ下がる武器=>紐の付いた武器
」=「乙」+「|+ノ」:=乙女+紐=>飾紐(地位の象徴)の女=>女首領=>指揮する女=>一般の女=>?=>肘掛
」=「几」+「丶」:=女首領+特別な=>特別な女首領=>平凡な女=>平凡なこと=>みんな
」=「乙」+「|+ノ」:=乙女+紐=>最高の飾紐のある特別な女首領=>最高に円熟した首領女=>九歳になった女=>九才=>きゅう
」=「九」+「丶」:=成熟した女+特別な=>特別に成熟した女=>円熟した女=>まるい
」=「尸」+「九」:=しり+成熟した女=>成熟した女のしり=>しり
とまとめることができます。

「九才」が原始社会での女の成熟年齢であったと思われます。これはについては「八」「七」の関係で後に詳しく述べます。

始め「尸」だけで「しり」を意味していたのが、「尸」が次第に「しり=>突き出したもの=>ひさし状のもの=>のき=>覆うもの 」と変わっていったために、改めて「九」を加えて「しり」の意味を表わしたと考えられます。


 部首「風」は象形ではなく形声で説明されています。部首は基本的に象形とされていますが、さすがに画数の多い字はすべて象形で説明するのは困難であったらしく、七画あたりから画数が多くなるに従い形声(会意ではない)で説明される部首が現れてきます。

」=「几」+「ノ」+「虫」:=乙女+特別な+虫=>特別な虫のいる女=>かぜを引いた女=>悪寒のするもの=>かぜ

風邪は一時的に特別な虫が体に入ったと考えられたのでしょう。最初に示した辞書の解説は飛躍し過ぎています。

 体や身近に起こること(例:悪寒)が外の世界のある対象(例:風に吹かれる寒さ)と結び付き、外の世界に転用されることを「意味の外延」といいます。心や感情の状態や働きは形がないので逆に自然現象などに立心偏を付けたりして表現します(意味の取込み,意味の逆外延?)。


「几」「凡」「九」の関してですが、現代物理の世界で「スーパー」「ウルトラ」「ウルトラスーパー」のように時代と共に最上級が更新され、次の世代の平凡へと移り行くのは原始の社会でも同じようです。「几」は現在「机」「凱」や「殳」(役,殺,設,般,毅,段)にその意味が残っていますが、他の部分の解読が必要なので後に回します。


 今回の解読はかなり強引ですが、時代の流れで擦り切れた部分は想像で復元するしかありません。まずは進んで矛盾が生じればその時点で更新しながら先を目指します。


 次にいよいよ「乙」の追求に入りますが、問題が大きく資料の整理が大変なので次回まわしとさせてください。


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【2006/07/18 23:10】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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