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「ハ」の検討-その17

 今回は「ハ」について考えます。そのままの形「八」と「分」「半」の内容を辞書で確認しましょう。
「ハ」 部首解説:これを元にしてできている字はなく、文字整理の上から設けられた部首。文字構成の上からは、分ける、開く、背くなどの意を示している。
「八」 字義:やっつ。わかれる。
   解字:指示。左右の両線が反って、互いに反発しているさまを示す。「はち」を示すのに片手の中三本指を曲げて親指と小指を立てて示した形が「八」の形をしていることからの借用。
「分」 字義:わける。
    解字:会意形声。意符の刀(かたな)と、意符と音符を兼ねる八(切り分ける意)とからなる。刀で切り分ける意。
「半」 字義:なかば。二分する。
    解字:会意形声。意符の牛(「|+二」は変わった形。うし)と、意符と音符を兼ねる八(左右に分かつ意、分かつ意)とからなる。牛の体を二つに分ける意。

 「半」の字は上の「ハ」が「ソ」に逆転していますが、設問解字も康熙字典も共に「ハ」の形です。たぶん毛筆が発達し早くたくさん書くと「ハ」が「ソ」に変化すると思われます。いずれにしろ辞書に示された以上の三つの字から「ハ」には「分ける」意味があることが確信できます。

「半」には既に解読した「|+二」があり「二本の棒」=>両手=>て の意味で正しく解読しておきましょう。
「ハ」:=分ける
」=「ハ」+「刀」:=わける+かたな=>刀で分ける=>わける=>こなごなにする=>こなごななもの=>こな
」=「ハ」+「|+二」:=わける+て=>手でわける=>二分する=>はんぶん

」=「分」+「皿」:=わける+さら=>分けるための皿=>大きな皿=>ぼん
」=「米」+「分」:=こめ+こなごななもの=>こなごなのこめ=>こな
」=「糸」+「分」:=いと+こなごななもの=>こなごなのいと=>短い糸=>まぎれる
」=「雨」+「分」:=あめ+こなごななもの=>こなごななあめ=>もや
」=「|+二」+「分」:=て+こなごななもの=>てがまみれる=>まみれる=>よそおう=>ふんする


参考までに辞書では「盆」は「形声。意符の皿と音符の分(ふくれる意)と成る。」と会意で説明できるのに形声で説明しています。また、辞書の「分」の意味には「こなごなにする」と「こな」の意味が見つかりませんが、「粉」「紛」「雰」「扮」の字からこの意味があったと推測できます。辞書では当然「粉」「紛」「雰」「扮」はみな会意でなく形声で説明しています。


」=「イ」+「半」:=男の仕事+手で分ける=>(女の)手分けの代理男=>つれて回る男=>ともなう
辞書では「伴」は「形声。意符の人と、音符の半(でっぷりとして豊かな意)とから成る。」です。


「券」も元字は上の「ソ」が「ハ」の形に書かれています。
」=「ハ」+「夫」+「手」:=わける+おっと+て=>夫の手で分ける=>争いを分ける手=>こぶし
」=「ハ」+「夫」+「刀」:=わける+おっと+かたな=>夫の刀で分ける=>わりふ=>けん
」=「ハ」+「夫」+「力」:=わける+おっと+ちから=>夫の力で分ける=>つかれる
」=「月」+「劵」:=>からだ+夫の力で分ける=>敵の体を奪い合って分ける=>かつ

辞書で「拳」「券」「劵」はいずれも形声で各々「手」「刀」「力」が意符となっており、残りが音符です。「勝」はまた少し血生臭い話になりましたが、康熙字典では「設問解字に舟偏が月に変わったとある」と解説され、当の設文解字には「力と朕の合成」と解説されており、両者の説明が違っています。


「小」と「公」の字を思い出してください。辞書で調べてみましょう。
「小」 字義:ちいさい
    解字:象形。甲骨・金文は三つの点を書き、微小・微細のものをかたどる。
「公」 字義:おおやけ
    解字:会意。意符の八(開く意)と、意符の口(又は○、ムは変わった形、囲む意)とから成る。囲みを公開して自由に出入りできるようにした公開した屋敷の意。

我々は既に「|」は「棒」又は「真直ぐ落ちる」の意味を知っています。又「ム」は「ない」の意味であることを知っています。そこで
」=「|」+「ハ」:=棒+わける=>棒で分ける=>小さい物を分ける=>ちいさいもの=>ちいさい
」=「ハ」+「ム」:=わける+ない=>(形)ないものを分ける=>役などを分ける=>皆の仕事をわける=>みなのものをわける=>皆のもの=>おおやけ
と解読しても矛盾を感じません。「小」は箸のような細い棒で小さいものを分けている情景が浮かびます。「小」もまた象形の仲間からはずすし会意とすることができるのです。

ここまでの「ハ」は文字の上について分ける意味を持ちますが、他に文字の下につく例、部首では「貝」や「頁」、部首以外では「只」「共」「兵」「具」「貞」「興」などがあります。

 「ハ」の意味がはっきりしてきたので改めて「ハ」の追求に入るはずなのです。期待を裏切って申し訳ないのですが、「ハ」がなぜ「はち」の意味に使われているのか、「ハ」がなぜ「分ける」意味となるのか、「ハ」が字の下に付くと何と解釈するべきか、という謎は非常に厚い壁です。これまでの解説では残念ながらこの壁を突き崩せないので、また改めて別の迂回ルートから追求することにします。


 「公」の検討を追加しておきます。上に示した「公」以外は分ける手段を「ハ」と組み合わせています。しかし、「公」は分ける目的を「ハ」と組み合わせています(他には「少」「巻」もこの類、後に解説)。

 単なる否定の記号であれば、「ハ」と組み合わせても「分けない」の意味しか生まれません。そして、「ム」の追求(その14)の時には「払」を除いてこの否定の使い方しか出てきませんでした。(「ム」の発音は日本で偶然「無」と同じです。)

 「ない」を意味する表記「ム」があるからこそ「公」は「(形)ないものを分ける」、「払」は「ないものを持つ」と言う意味を表現できるのです。

 「ム」はアラビア数字でないものを表わす「零の表記」に匹敵します!

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テーマ:語学 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/07/12 23:17】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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