象形文字の秘密
漢字の解読

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漢字の表記体系/106

漢字の表記体系/106

 本ブログの第100回で漢字では一つの親部首から多くの派生部首が生まれることを紹介しました。
今回は派生語と派生部首の相違を検討し、漢字の表記体系がどのよなものであるかを考えます。

 言語の表音文字は単なる表記記号であり表記体系を構成してはいません。これに対し漢字が象形部首と派生用部首とを核とする表記体系を構成していることを今回と次回で示します。

 表記される部首との違いを強調するために、今回も単に「語」とは書かず[音声]語と書きます。歴史的には表記のない時代にも音声言語は長く存在し、表記の時代を迎える以前に[音声]語体系(=音系)は既に存在しています。


1. 語と部首

 表記の問題をつき進むためには「語」と「部首」との関係を更に厳密にする必要が生じました。前々回まで無神経に「語」と「部首」を同意に使い、複合された部首も単に複合語と書いてきました。

1.1.[音声]語体系(音系)とは

 [音声]語の体系と漢字の表記体系とを対比させて検討した結果、[音声]語を中核とするとその派生語や複合語と、部首を中核とする派生部首と複合部首とを明確に区別する必要があると判明しました。

1.1.1. [音声]語

「音韻」:=音声による言語体系を構成する発音の単位
「[音声]語」:=訓を代理する民族語ごとの音韻の塊[第99回参照]
([音声]語のシニフィエ」:=訓)
(「[音声]語のシニフィアン」:=音韻)

「表音記号」:=音韻を表記する記号
「文字」:=[音声]語を表記する記号
「表音文字」:=[音声]語の音韻を表記する記号
「ハングル」:=韓国語の音韻を代理する表音文字

 音声言語体系の中核となるのは民族固有の音韻記号により形成された[音声]語(擬音や外来語を含む)です。その[音声]語の体系に関しては西欧語等の言語解析で詳細に検討されています。

 ここで注意してほしいのは、[音声]語は音韻と訓との対応、造語法、構文構成などの意思伝達の体系となっていますが、表音記号や表音文字そのものは[音声]語の各音韻(ほぼ300種以下)に1:1に対応する記号ですから体系的である必要はなく、また実際に表記記号の体系を構成してはいません。

 一般には体系化された[音声]語を表記する記号をみな文字と呼んでいますが、表記記号自体が体系化されていない西欧言語の表音文字は、文字というより表音記号もしくは発音記号と呼ぶ方が適切と考えられます。

 ハングルは発音形態に対応した音声要素と表記の形の対応した表記記号で、各音韻をこの音声記号の複雑な組合せや配置で体系的に表記できるようなので、表記体系と呼べる例外でしょう(時代とともに語の発音が変化したときに、常に発音に従って表記が変更されるかは別問題)。


1.2. 派生[音声]語と複合[音声]語

 まず派生[音声]語に関する考察から[音声]語の特徴を取り出し再認識します。

語【ご】(=[音声]語)
 語とは、言語の構成単位の一つであり、一つ以上の形態素からなる。語が集まることで句、節、文が作られる。文法的な役割を持つ語を機能語、それ以外の一般的な意味を持つ語を内容語という。一つの形態素からなる語を単純語、複数の形態素からなる語を合成語という。
 語の厳密な定義は各言語によるが、一般に以下の性質がある。発音上、まとまっている(接語を除く)/意味を変えずに分割できない(接中辞、分離接辞を含む語を除く)/単独で質問の答になり得る(機能語を除く)/語は複数の語形を持つことがある。[広辞苑]

派生語【はせいご】(=派生[音声]語)
 ある語から派生して形成された語。意味を変化させる場合と品詞を変える場合とがある。語の内部の音韻交替によるもの(speak→speech),接辞の添加によるもの(あたらしい→まあたらしい)がある。[マイペディア]

「詞」:=単語を文法上の性質から二つに分類したものの一。辞(じ)に対する。単独で文節を構成しうる語。名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・連体詞・感動詞・接続詞がこれに属する。自立語。時枝誠記(ときえだもとき)の学説では接続詞・感動詞などは辞に入る。
「辞」:= 単語を文法上の性質から二つに分類したものの一。詞(し)に対する。単独では文節を構成しえず、常に詞(自立語)に伴って文節を構成する語。助動詞・助詞がこれに属する。時枝誠記(ときえだもとき)の学説では、助動詞・助詞のほか、接続詞・感動詞などもこれに含まれる。

 「派生語」について調べると、辞書では[音声]語が対象です。そして、派生[音声]語は基になる[音声]語の語幹(詞)の音韻的な変化や[音声]語の活用で生まれる場合と、接辞(接頭語や接尾語等)が付加して生まれる場合があります。いずれの場合も派生[音声]語は新しい語として誕生しています。

 同様に「複合語」は[音声]語と[音声]語が合成されたもので、新しい[音声]語として誕生しています。

派生語:=[音声]語からの音韻的派生や接辞の付加等で生まれる新しい[音声]語
複合語:=[音声]語と[音声]語の合成によりできた新しい[音声]語


2. 派生部首

 部首とは訓を表記する記号、すなわち訓を代理する表記記号です。表記しようとする訓に対し既に[音声]語が先に存在し、次の段階としてその[音声]語が表記された表意記号(絵文字も含む)があり、表記記号が体系化されて表意文字(漢字の部首)が誕生すると考えると明快です。

「[音声]語表記」:=二次元的な訓の表記
「表音記号」:=音韻を代理する表記記号
「表意記号」:=訓を代理する表記記号
「表意文字」:=体系的な表意記号
「部首」:=漢語の各[音声]語を表記する表意文字

(参考1 「数学記号」:=数学に関する訓を代理する表意記号[数式])
(参考2 「化学記号」:=元素の種類や組成を表記する表意記号[化学式])
(参考3 「道路標識」:=交通に関する訓を代理する表意記号)

 慣用的に使われる「漢字の熟語」という言葉などから表記された漢字は一字一字すべて「語」と同じであると誤解されがちです。既に出来上がった漢字を学ぶ場合や、先に漢字(部首)を見て次にその訓を学ぶ場合は、ともに「部首⇒語⇒訓」の順に学習します。
 特に、中国の父系社会や日本のように、漢字を外から受け継ついで、部首から逆にその訓と音とを学んだ場合は「部首⇒[音声]語」となってしまうのです。

 表記に関しては、まず人がある訓を認識し、それに音韻による名前を付けて[音声]語が誕生し、次にそれをどのように表記するかの段階を経て、訓の表記法が体系化されて始めて表意文字が誕生すると考えます。

[音声]語⇒表記する記号⇒体系化された表記⇒表意文字


2.1. 派生部首の誕生

 漢字の「部首」とは訓(もしくは[音声]語)を表記したものです。したがって派生部首とは、親部首の表記に依存して生まれた新し表記です。派生部首によっては[音声]語の派生のように新しい[音声]語が誕生するのではなく、派生部首によって既にある別の[音声]語の新しい派生表記が可能となるのです。

 具体的な例で見てみましょう。同じ部首の重複は複数の意味を表すばかりではなく、漢字では同じ部首の(複合的に表記された)派生部首により別[音声]語の表記を可能としています。例として「炎」と「十」(派生木)で考えます。
今後、派生の種類は派生部首の直後に【 】で括って追加します。

例1:「炎」
「炎」【重複】=「火+火」:=ひx2⇒ほのお
「赤くて熱い火」とその「燃える時のほのお」はまったく別もので(炎をあげないで燃えるものもある)、[音声]語も別です。「火」の表記を重複して使い「ほのお」という別の訓を表記しています。

例2:「十」の派生木
「十」:=「|+一」:=おとこ/棒+一⇒一人の男/一本の棒⇒男/棒
|          ⇒男(「九:=完成された女」を超えるもの)⇒じゅう[父系社会]
├「├」【部分】:=片割れ棒/小枝⇒片足/小枝
|├「足―口」【重複】:=片足x2⇒両足⇒あし
|└「止」【重複】:=片足+横にした片足⇒一方を横にした両足⇒とまった足⇒とまる

├「⺾」【重複】=「十∪十」:=男+男⇒男達⇒棒立ちのものたち⇒草木⇒くさ

├「扌」【重複】=「十∪十」:=二本の棒⇒両腕⇒腕⇒て
|├「冊-冂」【回転】=四足として使う手
|└「乍-ノ-一」【部分】:=幼稚な両腕⇒幼稚なもの

├「丰」「重複」=「十∪十∪十」:=たくさんの男/三本の棒
|└「非」【分割】:=三本の棒を二つにする⇒できない⇒だめ

└「寸」【加点】=「十+丶」:=おとこ+特別な⇒特別な男
               ⇒守る男/僅かな社会への貢献⇒まもる/わずかなもの

 「├(:=片足)」の二つをずらして「足-口(:=あし)」の訓を表記しています。また、「├(:=片足)」二つで表した両足の一方を横にして「止(:=とまる)」の訓を表記しています。

 たまたま「一(数)」の表記があるために「扌」と「丰」は「扌」=「|+二」、「丰」=「|+三」と複合部首として解釈することも可能です。

 ここでは派生により多くの異なる[音声]語(もしくは訓)が表記可能となっていることに注意してください。

 繰り返すと、[音声]語の派生は新しい[音声]語が生まれ、部首の派生は既存の[音声]語の新しい表記が生まれる点が異なります。

 部首の複合した複合部首の場合は部首と部首の合成により別の訓を表記するのですから、同じく複合部首によっても新しい[音声]語が誕生するのではなく、既存の[音声]語の新しい表記が誕生します。

「派生部首」:=親部首から派生した別の[音声]語の新しい表記
「複合部首」:=部首の合成により生まれた別の[音声]語の新しい表記


2.2.1.派生の種類

 改めて派生部首の特徴と種類をはっきりさせます。派生部首には親部首の図形的操作で生まれる図形派生と、親部首に派生記号を付加して生まれる付加派生とがあります。
 ただし、同じ親部首を複数個集めた複合部首だけは、派生的な記号の利用法ですから、重複派生として派生の仲間に入れます。

 派生部首の図形派生と付加派生は、派生[音声]語の音韻交替による派生と、接辞の添加による派生に対応したものと考えられます。

本ブログの第102回では「丶(点)「/(線)」以外にも特定の修飾を親部首に加える象形部首(「一(数⇒一番の)」「ノ(毛⇒特別な)」「_(大地⇒最低の)」の三種)を派生用部首としましたが、私自身もまだ派生部首(もしくは複合部首)と派生語(もしくは複合語)とを明確に区別できていなかったことによる混乱です。

 派生部首の意味を明確としたので、象形部首が派生用部首へ転用されることはないと考えます。


2.2.2.図形派生

 図形派生とは、親部首に分離、部分、回転、逆転、反転、格式、変形、等の図形的操作を加えて生まれた新しい表記記号すなわち派生部首で、その図形的操作に対応する訓を表記することです。
 具体的には、親部首を上下逆転させた派生部首で親部首の反対[音声]語を表記します。

「▽」[象形(女性器)]の派生木を修正したいのでついでに派生木の例として示します(第102回では派生木の中で生まれた派生部首同士の複合部首も加えています)。

「▽」[象形(女性器)]の派生木を修正したいのでついでに派生木の例として示します(第102回では派生木の中で生まれた派生部首同士の複合部首も加えています)。

「▽」[象形(女性器)]:=女の股間⇒女性器⇒おんな/ひと
├「女」【▽の格式・▽の格式(各辺を延長した変形)】:=知恵を得た女⇒おんな
├「一」【▽の分割・▽の上辺】:=女の体⇒身体⇒ひとの体⇒体の部分⇒器官
|├「丄」【加線】=「一+|」:=体+上に⇒(男性器を)上にした体
||└「上」【指示】:=(男性器を)上にした体+その男性器⇒上を向くもの⇒うえ
|└「丅」【加線】=「一+|」:=体+下へ⇒(男性器を)下にした体
|└「下」【指示】=「一+|」:=(男性器を)下にした体+その男性器
|              ⇒したを向くもの⇒した
└「Ⅴ」【▽の分割・▽の下部】:=女の股間⇒股間⇒正面⇒前面⇒まえ⇒前方
|└「光-一―儿」【Ⅴの加線】=「|+Ⅴ」:=股間+上に⇒股間に立つ男性器
|             ⇒素晴らしいもの⇒よい
├「Λ」【Ⅴの逆転】:=男の股間⇒男の体/オスの体⇒立ち上がる男⇒立った男
||           ⇒仕事をする男⇒男仕事⇒仕事
|├「八【Λの分離/上部】:=男の股間を開く⇒(女が)分入る所⇒分入る⇒分ける
||           ⇒分ける年齢⇒八歳児⇒八歳⇒はち
|├「八【Λの分離/下部】:=開いた男の股間⇒動き回る足
|||          ⇒立派な男/(女を)支える男⇒普通の男⇒普通のもの
||└「灬」【八の重複】:=「八(下部)x2」:=男の足x2⇒男達の足⇒たくさんの足
||           ⇒子供達⇒幼獣達⇒煮るもの
|└「不-一」【Λの加線】:=男の股間+下へ⇒男の股間に垂れ下がるもの
|            ⇒だめな男性器⇒だめ
├「フ」【Ⅴの回転】:=生まれる⇒生むもの⇒メス
|├「マ」【フの加点】=「フ+丶」:=生む+準ずるもの=生むに準ずるもの
|||               ⇒出産するもの⇒出産のあるもの⇒ある
||└「ム」【マの反転】:=出産のないもの/男⇒生まないもの/オス⇒ない
|├「了」【フの加線】=「フ+|」:=生まれる+おちる⇒産み落とす
||                ⇒生み終わる⇒おわる
|└「也-乚」【フの加線】=「フ+|」:=生まれる+落ちる⇒産み落とす
|                 ⇒産する⇒作る
└「く」【Ⅴの回転】:=性交する
  └「巛」【くの重複】:=「くx3」⇒たくさん交わる⇒体位をめぐる⇒めぐる


 親部首「Ⅴ」から図形的に判別可能な多くの派生部首「Λ」「フ」「く」が生まれ、同じ形で多くの訓を表記し分ける記号の経済性にも図形派生が重要な役割を果たしています。

 漢字においては、表記しようとする訓と部首の形との間に、表記ならではの密接な視覚的な関係がある点に注意してください。これが図形派生を生む原点です。
特に「丄」「丅」では掛詞のように「|」が上下の方向の意味と男性器の意味とを掛けた図形です(「上」「下」の加点の指示的用法については次回の複合部首で詳しく紹介します)。

 「八」は複合部首の中で占める位置により訓の異なる同形異訓です。同形異訓については続く複合部首の項で詳しく紹介します。


2.2.3. 付加派生

 親部首に派生記号を加えるのは付加派生です。付加派生には「丶(点)」を加える加点派生と、「/(線)」を加える加線派生とがあります。

 加点派生を生む「丶(点)」と加線派生を生む「/(線)」は各々それ自身からの派生記号を持ちます。加点の派生木と加線の派生木は次のように修正します。また、使用例の少ない派生部首は派生木の中に例として加えました。

(1).加点自身の派生木

「丶(点)」【加点】:=準ずるもの⇒類似したもの
 ├「丶」【加点】:=その特性[丶1]
 ├「丶」【指示】:=字画の部分[丶2]
 └「ソ/ハ」【対反】:=字画の強調部位[例:「火」「光-兀」「示」]
   ├「丶x3」【丶の重複(三点指示)】:=ほとんど(3/4の確率で)三点指示
   |                   [例:「必」]
   └「丶x4」【丶の重複(四点指示)】:=完全な[例:「鬯」]

加点の例(詳しくは第99回を参照):
「宀」=「冖+丶」:=覆うもの+準ずるもの⇒覆うに準ずるもの⇒屋根のある家⇒家
「广」=「厂+丶」:=腰を曲げてかぶさるもの+準ずるもの
          ⇒かぶさるに準ずるものもの⇒仮小屋
「求」=「十+(氺-|)+丶」:=(「男」+「ちょっと垂れ流すもの」)+準ずるもの
         ⇒ちょっと垂れ流すに準ずる男⇒多少垂れ流す男
         ⇒多少知恵の進んだ男⇒もとめる
「刃」=「刀+丶」:=腰にぶら下げたもの(⇒刀)+その特性⇒刀の特性⇒切れる刃⇒やいば
「氷」=「水+丶」:=メスとオスが垂れ流すもの(⇒にょう⇒みず)+その特性
         ⇒水の特性⇒こおること⇒こおり

(2).加線自身の派生木

「/(線)」:=動きや方向を示す
 ├「/(斜線)」:=払う⇒払い除く⇒拒絶[例:「七」]
 |└「乄」【加点】=「/(斜線)+丶」:=殺すに準ずる⇒絞め殺す⇒しめる[例:「凶]
 |
 ├「一(横線)」:=左右方向⇒左右への伸長[例:「母」]
 |├「二」【重複】=「一(横線)x2」:=二度目の⇒ふたたび[例:「再」]
 |└「三」【重複】=「一(横線)x3」:=四方への伸長[例:「垂」「畢」]
 |
 ├「|(縦線)」:=上下方向⇒上る/下る⇒上下関係/上下への伸長
 ||       ⇒上へ動く/下へ動く[例:「上」「下」「山」]
 |├「||」【重複】=「|(縦線)x2」:=たくさん上に伸びるもの⇒素晴らしいもの
 ||                  [例:「业」「曲」]
 |└「||」【重複】=「|(縦線)x2」:=たくさん落ちるもの[例:「川」]
 ├「線延長等」【格式】:=親字の字画の延長[例:「女」]
 └「断線」【格式】:=親字の縦線の分割[例:「母」]

 加線は多く他の部首と融合します。独立した線だと「一(:=体)」「一(:=数)」「_(大地)」や「|(:=男)」「|(棒)」などの他の部首と混乱するからです。

 加点派生の中の指示の用法は続く複合部首の検討で詳しく紹介します。ここでは加線派生の例として象形部首「丿」の派生木と複合部首「田」の派生木とを紹介します。

「ノ」【象形】
 ├「丿」【加線】=「ノ∪|」:=特別なもの+下へ⇒特に垂れ落ちるもの⇒あめ
 |└「逆丿」【反転】=「し(逆ノ)+|」:=垂れ落ちる特別なもの
 |            ⇒(男が)落とす特別なもの⇒くそ
 └「丿」【加線】=「ノ∪|」:=特別なもの+下へ⇒特に垂下がるもの
              ⇒ぬの⇒ころも


「田」=「口+十」:=産道口と男性器⇒男女の結合⇒生まれる⇒生まれる所
 |        ⇒穀類を生む所⇒たんぼ
 ├「由」【加線】=「田∪/」:=生まれる+上方⇒上方への成長
 ||        ⇒上方への動き⇒下から上へ⇒~から
 |└「曲」【重複】=「田∪||」:=伸びる+たくさん上へ⇒たくさん上に伸びるもの
 |             ⇒豆の芽⇒まがる
 ├「甲」【加線】=「田∪/」:=生まれる+下方⇒下方への成長⇒下方への動き
 ||            ⇒上の固定したもの⇒こう 
 |├「竜-立」【変形】:=「田+乚」:=下に曲がって伸びるもの[例:電、竜]
 |├「華-⺾-一」【加線】:=「田∪/x3」:=落ちて四方に広がるもの[例:垂、畢]
 |└「卑-ノ-十」【加線】=「田∪丿」:=生まれる+曲がり伸びる⇒下へ曲がり伸びるもの
 ├「申」【加線】=「田∪/」:=生まれる+上下方⇒上下方への成長
 ||            ⇒上下に成長するもの⇒人とサル⇒さる
 |└「奄-大」【変形】:=「田+乚」:=足の曲がって伸びたもの⇒纏足
 ├「毌」【加線】=「田∪/」:=生まれる所+左右へ
 ||             ⇒左右へ広がる妊婦の腹⇒妊娠したもの
 |└「母」【格式】:=生まれる+縦線切断:=妊娠したもの+私を生んだお方
|              ⇒母親⇒はは
 └「婁-口―女」=「田」∪/x2」:=生む所+縮む⇒産後に縮む産道口
                ⇒産後の肥立ち




2.2.4. 重複派生

同じ部首を集めた重複派生は複合部首の一種とも考えられますが、派生に分類します。同じ部首を複数個使うのですから新しい部首の形が現れないからです。

 例として本ブログの2.1.で紹介した「十」の派生木には縦型「扌」、横型「⺾」の各々の重複派生の例がり、また「十」の部分派生である「├」には 縦型横型に縛られない段違いの並び「足-口」や一方回転「止」の例もあります。

 重複派生には重ね、並び、三角積、四角積、などがありますが、要は図形的な配置で訓の意味を理解しやすい配置なのです。

 他の例ともあげておきます。「一(数)」は第101回を参照(再計)です。

「木」=「十+Λ」:=男+動き回るもの⇒動き回る男⇒夫
⇒立っているだけの代理参加者⇒立っているもの⇒草木⇒き
├「林」【重複】:=たくさんの木⇒はやし
└「森」【重複】:=多くの木⇒もり

「土」=「十+一」:=男+大地⇒大地に降りた男⇒男
 ├「圭」【重複】:=上下関係を作る男達⇒優れた男達⇒優れたもの
 ├「共-ハ」【重複】=「土∪土」:=地上の男x2⇒男仲間
 └「垚」【重複】「土x3」:=たくさんの男達⇒男の集団

「一(数)」:=いち⇒一番のもの⇒一番目⇒上位の者
 ├「二」【重複】=「一x2」:=たくさん⇒に⇒二番のもの/ふたり⇒二番目
 |├「亖」【重複】=「二x2」:=ふたりずつ⇒四人
 |├「冫」【二の変形】:=二番目⇒二番⇒つづくもの⇒すこしすくない
 |├「氺-|」【冫の対反】=「冫x2」:=僅か上位の/僅か下位の⇒ほんのちょっと
 └「三」【重複】「一x3」:=たくさん⇒さん⇒三番のもの⇒三番目


縦型
「肉-冂」=「人」x2:=男+男⇒男達
「戔」=「戈」x2:=武器x2⇒重ねた防具⇒うすいもの⇒うすい
「多」=「タ」x2:=特に体を横たえる生き物x2⇒たくさんの生き物⇒おおい
「昌」=「日」x2:=女頭領x2⇒頭領の中の頭領⇒最高の頭領⇒輝く存在
⇒輝く⇒あかるい

横型
「刂」=「|x2」:=大小の棒⇒二刀流⇒きる
「比」=「ヒx2」:=男x2⇒二人の男⇒並べて比べる⇒くらべる
「双」=「又x2」:=二人の仕事仲間⇒ペアを組んだ仲間⇒二人⇒ふたつ
「刑-刂」=「干∪干」:=犯罪者たち⇒犯罪[処刑所を示す鳥居マーク]
「从」=「人x2」:=男x2⇒ならぶ男達⇒したがう男⇒したがう
「灬」=「ハx2」:=たくさんの動き回るもの⇒子供達⇒幼獣達⇒幼獣
「競」=「(立+兄)x2」:=立ち上がる二人の相続人⇒相続を争う⇒きそう

対称型
「互」=「(一+乚)+(一+┐)」:=女の特性の体+男の特性の体
⇒たがいに引き合うもの⇒たがい
「門」=「(|+日)【加線】+(日+|)【加線】」:=上る領主+降る領主
⇒領主の交代⇒覇権戦争⇒いくさ⇒勝ちいくさ
⇒凱旋記念物(縄張りの象徴)⇒凱旋門⇒もん


 今回は派生を検討しましたが、次回はこれに加えて複合部首を詳しく検討し、両者により部首が表記体系を構成していることを示します。

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【2013/12/18 14:57】 | 漢字解読5 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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