象形文字の秘密
漢字の解読

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「一(数)」の再検討/第105回

数の検討/105

 少し気が抜けたのと表記体系の把握に時間がかかり更新の間が空きましたが、また少しずつ続けます。



1. 派生用記号「一(加数)」の再検討

 これまで「一(数):=いち」は派生表記を生む独立した派生用部首として紹介してきました。しかし、違う考え方ができました。

 「▽:=女」は抽象的な記号で具体的な訓を表している象形文字の原点ですが、「一:=いち」は逆に具体的な一本の棒で抽象的な訓「いち」という抽象概念を表しているとも考えられます。ほかの具体的なもので抽象的な訓を表す例をみてみましょう。

「乞」=「(乞-乙)+乙」:=青年+乙女⇒乙女の強く求める青年⇒強く求めるもの⇒こう[具体物→抽象概念]
「圧」=「厂+土」:=曲げた体+男⇒男を押さえつける⇒抑えつける⇒あっする[具体物→抽象概念]
「危」=「ク+厂+(厄―厂)」:=動物+曲げた体+野生⇒体を曲げた野生の獣(襲いかかる体制の獣)⇒あぶない[具体物→抽象概念]
「鬲」=「(畐-田)+(冂+儿)+丁」:=子を持つ女+垂れ流す幼児+働く男⇒三者で成立つ部族社会⇒三つで成り立つもの⇒かなえ [具体物→抽象概念→具体物]
「隔」=「阝+鬲」:=たくさん+三者で成立つ部族社会⇒たくさんの部族社会⇒へだてられたもの⇒へだてる[具体物→抽象概念]

 「|(男性器)」は縦棒を男の意味に使い初期にはその派生的意味として「棒」の表記にも使われています。
例1: 「串」=「口+|+口」:=上の口+棒+下の口⇒上の口から下の口に通した棒⇒くし
例2: 「引」=「弓+|」:=ゆみ+棒⇒弓の棒⇒弓の矢⇒ひくもの⇒ひく

 縦型の「|:=棒」の横型として「一:=いっぽんの棒⇒いち」[具体物→抽象概念]が派生したと考えても問題はないようです。

 以上の検討から、派生用記号として紹介した加数「一(数)」は特別な派生用部首ではなく「|(男性器)」からの派生表記とし「|:男性器」の派生木の中に含むことにします。


 第102回の「|」の派生木の中には次のように「一(数)」の項を加えます。

「|(男性器)」:=男性器⇒素晴らしいもの/男[|1]
「|(男性器)」:=男性器⇒生えているもの/棒状のもの⇒棒[|2]

├「一」[横型]:=一本の棒⇒いち⇒一番のもの⇒一番目⇒上位の者
|├「二」【重複】=「一x2」:=たくさん⇒に⇒二番のもの/ふたり⇒二番目
||├「亖」【重複】=「二x2」:=ふたりずつ⇒四人
||├「氺-|」【対反】=「冫x2」:=僅か上位の/僅か下位の⇒ほんのちょっと
||└「冫」【変形】:=二番目⇒二番⇒つづくもの⇒すこしすくない
|└「三」【重複】「一x3」:=たくさん⇒さん⇒三番のもの⇒三番目

├「ト」【加点】=・・・・(以下は102回を参照)



 修正したついでにこの派生木で気になっている点を加えます。

 第102回では「|(男性器)」の派生木として記述したために「▽」の分解派生である「一:=体」が入る余地がなく、次のように紹介しました。
「上」:=ト+一(大地)⇒地上の棒⇒地のうえ⇒うえ
「下」=一(大地)+|:=地下の棒⇒木の根⇒地のした⇒した

 実際は「上=丄+丶[指示]」「下=丅+丶[指示]」と「一:=体」の意味に解釈する方が自然です。
「上」=「丄+丶[指示]」:=男性器を立てた体+その男性器⇒うえを向くもの⇒うえ
「下」=「丅+丶[指示]」:=男性器を下げた体+その男性器⇒したを向くもの⇒した


 本ブログの第13回で余談として紹介したアラビヤ数字の誕生とも連想がかみ合います。

文字の歴史の中では表記する部材や道具の変化で表記が90度回転することは頻繁に起こっています。アラビヤ数字「1」は「男」の意味に使わない漢字の借用民族が縦棒として表記したのが始まりでしょう。
漢数字「二」や「三」を書き続けると運筆の能率性(字の途中で筆を持ち上げないで書ける)で「二」から「Z」型を経て「2」(「Z」と識別するために頭を丸くした)が生まれ、同じく最小量の運筆要求から「三」は「二」の延長で「2」と識別可能な最終画が省略されて生まれたと考えられます。



2.漢字の基本記号

「一(数)」が基本部の「|」の派生と考えられとなると第100回で紹介した漢字を構成する基本要素である派生用記号「丶(点)「/(線)」「一(数)」は「丶(点)」と「/(線)」だけとなります。

 また、次回詳細に紹介する予定の「派生」の検討を経て結論として、漢字は次の6種の象形と2種の派生用記号、計8記号からなる表記体系であると考えられます。

Ⅰ.象形「▽」[女性器]:=おんな
Ⅱ.象形「|」[男性器]:=おとこ
Ⅲ.象形「口」[産道口]:⇒産道口⇒産道を持つもの⇒子を産むもの⇒女⇒ひと(含む男)/男
       [産道口]:⇒産道口⇒へこんだもの⇒くち上のもの⇒くち⇒ことば
Ⅳ.象形「ノ」[毛]:=毛⇒毛の生えたもの⇒成長したもの⇒特別なもの
Ⅴ.象形「丶」[涙(/唾/涎)]:=涙(/唾/涎)⇒排出するもの
Ⅵ.象形「_」[大地]:=大地⇒地面⇒低位のもの


 Ⅲの「口」は訓の流れを二つに分けて表記しました。

 第100回で紹介した派生用部首は「一(数)」を除いた「丶(点)」と「/(線)」の二種類であると変更します。

Ⅶ.派生記号「丶」:=準ずるもの⇒似たもの⇒似た点⇒特殊な点⇒図形的位置[指示的用法]
Ⅷ.派生記号「/(曲線を含む)」:=成長、動き、方向を示す



 最近藤堂先生の生徒さんであったハイペン・ジャック氏が提唱する「漢字原子論」を知りました(藤堂先生も生前ご推挙されたとの由)。漢字が「308種の漢字原子」からできているという説で、漢字家族を基に(形、音、意味)の共通な部首を基本原子と考え、それらの化合で残りの漢字ができているとする漢字の起源の解釈です。

 基本原子のグループ化の共通要素として部首の形と意味はいいのですが音も加えたために、音の違いで異なる原子と考える必要が生じたこと、また抽出した原子部首自身は従来の象形の解釈を引き継いでいる欠点があります。
 また、化合文字が三要素以上の場合にすべて各要素の一次結合として意味を解釈しています。この手法では化合文字「A+B+C」が「(A+B)+C」もしくは「A+(B+C)」と分解され、途中の化合文字の意味が抽象概念と具体物の変換が起った場合に解釈不能となります。



 次回、漢字は[音声]語を表記する表記記号(表意文字)であり、新しい派生語が生まれる[音声]語の派生と、新しい[音声]語が生まれるのではなく新しい表記記号として生まれる派生部首との違いを深く検討することで、六書の漢字のでき方の再度検討へと進みます。



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【2013/10/07 15:21】 | 漢字解読5 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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