象形文字の秘密
漢字の解読

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漢字の音とは/98

漢字の音とは/98


 今回は音声語や表記語におけるその発生的検討から語の訓(意味)、語の音について検討します。

左コラムの「漢字の部首(表記)と、漢字の意味(発音)について」での検討の前提を再確認します。
 発音される「音声語」と、表記される「表記語」とを明確に区別します。
「音声語」:=音声言語で表記を意識せず音声のみを意識した語
「表記語」:=発音を意識せず字形のみを意識した語
 更に
「表意語」:=表記語の訓を意識した語


1.音声語の発達

音声語は聴覚的符号で、音素や音節も記号の一種です。各言語は各々独自の音素の塊でできた音声語を用いて意志を伝授します。

 音声言語は言い易く聞き取り易いという人間の身体的な要求と、時代の文化を伝え易いという社会的要求の二つから常にダイナミックに研磨されます。

表記語を持つ前の時代、すなわち音声語だけの世界をまず検討します。中国では発音と意味の研究は音義説と呼ばれています。

 人の言葉は叫び声から次第に発達したと考えれば、始めは意味をもつ最小の音節(単独の意味をもつ音素を含む)による単音節語が生まれたと考えられます。

 最初は単音節の語だけであった音声言語が、次第に多くの語を言い分け、かつ聞き分ける必要から、母音や子音の増加(長母音、母音や子音の派生音、等)、母音や子音の複合化(重母音、重子音)などにより利用可能な語の言い分けや聞き分けが進んだことでしょう。
 発音でき聞き分けられる音素の限界に達すると、声調やアクセントの変化が生まれ、語彙が増えたでしょう。更には語彙を増やすために音声語同士が合成された複合音声語が生まれたと考えられます。


2.音声語の意志伝達のための体系

 音声語は構成する音素の列が一次元的記号です(ただし、発音の「高低」もしくは「強弱」をとりこむという二次元的要素は多少あります。実際中国語は四声で同音が四倍区別できます)。
 音声語は聴覚用の言語ですからものに与えた名前や物事に与えた「音節の塊(音素を含む)」すなわち特定の発音の塊でした。従って、音声の塊である語はそれを構成する音素の順番を変えることができません。

 音声語においては音声の特徴が意志伝達に最大限に生かされています。

 既存の語に対し最小の変更で新しい語を生成することは新しく別の語を創造するよりもはるかに能率的で、かつパターン化された語変化により意味の授受と記憶が効率的で容易となります。

 音声派生語は元となる語の発音の塊に対して、音節中の母音や子音の規則的な変換もしくは特定の音素の付加により生まれます。音声派生語の規則的な語尾変化や接尾語は、パターン化された発音により意味の類似もしくは意味の関連性が一様に変化し、意志伝達が簡潔となります。

 また、接頭語で代表される音声複合語の創造と前置詞、助詞等による格や、文章の構文や話法の固定化等が生まれます。以上の発音変化や文体のパターン化により、表現の簡易化、記憶の強化、新語の容易な創造、などが基本となり音声語による意味伝達の体系(音声語システム)が形成されています。



3.語の訓と音

 意味を伝えるのに語を使います。語とは意味を伝える単位です。「発音という音声記号で意味を伝えるのが音声語」で、「文字という表記記号で意味を伝えるのが表記語」です。

 語の訓とは語の意味のことです。参考までに「訓」の解読を示します。
「音」=「立」+「日」:=立ち上がるもの+女頭領=>立ち上がる女頭領=>言葉で指揮するもの=>(がみがみ)声を出すもの=>うるさいこえ=>おと
「訓」=「言」+「川」:=ことば+(高低に)従うもの=>音声語に従うもの=>音声語を基に創られた表記=くん

 音声語の訓は民族語毎にものや事象に対して名前等を表す音声記号で、それは発音の塊で構成されます。表記語の訓は民族語毎にものや事象に対して名前等を表す表記記号で、それは線の塊で構成されます。

 表記語を創造した民族は当然既に音声言語を持っています。既にある特定の音声語を書き記すための表記記号を新たに創造するとします。その表記記号の訓は音声語の訓で発音します。この民族語にとっては創造された表記語と音声語の訓が一致するのは当たり前です。

 表記語を創造した民族語は、意味(既存の音声語の訓)を書き記すための記号として表記語を創造するのであって、既存の発音を表記するための表音的な考えが入る余地はなく、既存の音声語の「音」が表記語の中には含まれません。
また、記号としての表意語(表意文字)は、いかに能率よく記述し、いかに容易に記憶できるかが問題であり、その表意語の音声語での発音をどう表記するかは問題外なのです。

 実際中国では北京語、広東語、漢音、呉音等とひとつの表意語が各部族の固有の音声語で発音されています。これはちょうど、アラビア数字が表意記号であるため世界共通の意味を持ち、その発音は各民族の音声語で発音するのと同じことなのです。

 繰り返し特に注意したいことは、表記語を創造した民族にとって自分たちの創造した表記語には「訓」だけしかなく、その表記語の訓は自民族語の音声語の訓(発音の塊)と一致するのです。

 時代と共に発音が変わっても、民族語が異なっても、表記語はその訓を変えることはありません。特に変わることのない「雨」「川」等の基本的な自然に対する語の訓(意味)は漢字を使うならばどの民族語であろうと創造された時から変わらず同じものを指しています。

 表記語の訓も時代や社会の変化に伴いその意味を近縁の概念へと次第に変化させるものもありますが、一般に音声語の変化に比べては非常に遅いのです。ただ、社会体制や生活環境が激変すると表記語の訓がそれに伴って大きく変化する特徴があります。

 表記語の「音」とは何を意味するのでしょうか? ある民族語が自己の音声語の訓(発音の塊)を書き記すのに、他民族語の創造した表記語を借り入れたとします。表記語の訓も借り入れる場合はその表記語を借入先の自民族語に翻訳して自国語の音声語で発音します。借入元の発音は自己の音声語体系に合わない発音の塊ですから、これを借入先では表記語の「音」と呼びます。
ここで初めて「借入語」に関して借入先の訓(自民族語の音声語規則に従った名前等の発音の塊)と、借入元の発音(自民族語の音声語規則に従わない名前等の発音の塊)である「音」とが生じます。

 極端な話、表記語を借入れるのにその訓は無視して「音」のみを利用すると、それは表音文字と呼ばれます。


4.漢字における「音」の誕生

 それではなぜ、中国の漢字に「音」が生まれたのでしょうか?

 象形文字は母系制社会のもとで女が造り上げた文化であることが漢字を解読して判明してきました。出産の陣痛から男より女の方が早く知性が進んだと考えられます。そして知恵の進んだ女がまず母系制社会を形成し、その社会では意志伝達の手段として表記言語が発達したのでしょう。
 最新の脳化学では男性は女性より攻撃的で空間的能力は優れていますが言葉は女性の方が流暢であると認めています。

 紀元前3世紀ごろ以降、漢字を創造した民族の社会が母系制社会から父系制社会へと社会制度が変化したため、父系社会は母系社会の言葉をちょうど異民族の言語として取り入れたと同じ現象が起きました。

 母系社会で漢字という表記語体系ができあり、この表記語の体系を父系社会は借り入れたことになります。表記語の訓は一定ですから、その表記の由来は多く象形により出来上がったと理解し、外国語のように父系制社会がその発音を「音」として借り入れたのです。

 漢字は生活の実態を刻み込みながら3万年以上もの間少しずつ成長したと考えられます。母系制社会で創造されたために、知性萌芽期の性に対する赤裸々な表現、女尊男卑の思想に基づく表現、2万1000年前と1万3000年前の氷河期を超えるための人肉食の習慣の表現、とうの歴史を刻み込んでいる漢字本来の意味は戦う男が天下を制する父系制社会では受け入ることができなかったのです。

 従って漢字で同じ「音」を持つから同じ意味であるとする解説は父系社会での音声語の解析をしていることになります。結局漢字は表意文字ではなく特定の意味を持つ音の塊を構成要素とする表語文字であると言われてしまうのです。もし、母系制社会のままであれば、既に表記語を創った訓に新しく別の表記語を創り加えるとは考えられないからです。

 例えば「ク」の付く漢字には「魚」「亀」「象」がありますが辞書ではすべて直接の象形と解字されています。高度な表記体系を構成している漢字の創造者が実際に似ても似つかない形をしている魚の頭、カメの頭、象の頭を同じ図形「ク」でデッサンしたとは考えられません。表記語「ク」に訓が別にあり、他の表記語の訓を合成した複合表記語として「魚」「亀」「象」そして「急」「角」「危」「争」「負」「免」「色」更には「欠」「久」などができ上がっていると考えられます(別途、複合表記語等による表記語体系の詳しい検討を紹介します)。

 漢字を和語が借り入れた場合を考えます。漢字の「見、視、察、看、覗、診、相、観、監、覧、督、瞰」は全て「MIRU」と訓(大和民族の音声語)で読みます。
元の漢字は各々別の発音の音声語に対応して表記語が創られていたのでしょうが、和語には語彙が少なく各々に対応する音声語がないため、すべて「MIRU」という音声語(訓)に吸収されました。
もう一つの問題は、和語の音韻が漢語に比べて少ないために、借入元の異なる発音の語を同じ発音で読まざるを得ず、同音で意味の異なる表記語(同音異義語)が多数存在することになりました。

 同じように、母系制社会では異なる発音で異なる意味を持っていた表意語が父系制社会に借入れられた時に異字の同訓への吸収と、異なる表記語の同音語化がおこったのです。

 韓国では同じく漢字を借入れても韓国語の音韻はものすごく多く、どんな漢字を借りても表記できない韓国語特有の音声語がたくさんあるために、独自の発音記号ハングルが開発されています。

 一つの記号としての文字は音を表すか、意味を表すかのどちらかで、音を表す場合はその記号に意味はありません。また文字が意味を表す場合はその記号に音はありません。
 暗号の解読は記号に託された意味を取り出す操作です。暗号として使われた記号が表音記号であれば、その音を確定し、更にその音の塊に託された語の意味を取り出す二段階の処理となります。表意記号であればその図形に託された意味を直接取り出す一段階の処理となります。



雑記

 世界中に女言葉と男言葉が異なる民族語が多くありますが、これらは母系社会の言語であった女言葉が父系社会に移行した以降も共存しているためと考えられます。
 逆に女と男の言葉の違いを持つ民族語は、その言語が母系制社会に起源を持つ歴史のある言語である可能性が強いのです。そして、異言語の接触により生まれた接触言語であるピジン言語、もしくはそれが言語化したクレオール言語にはこの女言葉と男言葉の差がないと考えられます。

 2000年ほど前には地球規模で母系制社会が父系制社会に移行したと考えられます。実際に秦の始皇帝の記録の中に女族を滅ぼした記録があります。
例えばその頃おこったキリスト教は、力を誇示し世界大戦まで突き進む父系制社会に愛を説いて警告を発した素晴らしい宗教ですが、旧約聖書には「アダム(男)の肋骨からイブ(女)が生まれた」と書かれており、どうしても父系制社会のための男優位を主張したかった気持ちが汲みとれます。

 日本では卑弥呼(日巫女/陽巫女・・・太陽を祀る巫女・・・故意に「卑」を使ったのは父系制社会の意図?)が女であったという説が有力のようですが、一人の女というより「天皇」と同じように日本を支配した女領主の冠位かもしれません?


表意語の訓と音02

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【2012/02/22 21:53】 | 漢字解読4 | TRACKBACK(1) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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