象形文字の秘密
漢字の解読

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「女」の追及6 「亠」の再検討から「立」へ/81

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今回はまず「亠」を再検討し「立」の字を解読し、その会意文字を紹介します。

1.「亠」の再検討

 「亠」を詳細に再検討するに当たり、同時に「上」「下」「十」「大」と「前」の解析から取り出した冠「ソ+一」との関連を辿ります。

」=「逆y」左90度回転:=横になった男=>ものにかぶさる=>かぶさる/まもる=>おおう=>かくす(再掲。cf.51)
」=「ト」+「一」:=枝分かれしたもの+地面=>地上の枝分かれしたもの(木の枝分かれ)=>土のうえ=>うえ(再掲。cf.20)
」=「ト」+「一」:=枝分かれしたもの+地面=>地下の枝分かれしたもの(木の根分かれ)=>土のした=>した(再掲。cf.20)
」=「一」+「|」:=いち+棒=>一本の棒=>はり(cf.12)
」=「一」+「|」:=体+棒=>棒のある体=>男根のある体=>男の体=>男=>(「九:=完成された女」を超えた)じゅう(再掲。cf.12)
」=「人」+「一」:=男+いち=>一番の男=>一番大きい男=>おおきいこと=>おおきい(再掲。cf.12)
前-月-刂」=「ソ+一」:=まえ(再掲。cf.35)

 以上の漢字の裏の意味として時々述べましたが、それらを体系的に関連付ける別解の紹介です。「一」から始めます。

 最初にひとつ訂正です。「亠」の解読は第51回で「Y」の変形であると解釈し、その会意文字から引き出した意味「かぶさる」とから「かぶさる男」と考えましたが、女中心に文字ができていることと象形的意味が常にその構成に配慮されていることから「女がかぶさる仰向けの男」と理解するほうが正しいと考えられますので訂正します。

」:=体=>体の一部=>器官(cf.21)
」=「|」+「一」:=男根+体=>(仰向けに男根を立てて)横になった男=>(女が)かぶさる(女性上位の性交)=>かぶさる=>おおう=>かくす/まもる (訂正。cf.51)
」=「亠」+「丶」:=(仰向けに男根を立てて)横になった男+指示=>上向きに立った男根=>うえ(別解)
」=「上」逆転:=下向きに立った男根=>した(別解)
」=「一」+「|」:=体+男根=>体に対し上下する男根=>男の体=>男(別解)
」=「人」+「一」:=男根を立てた男+体=>男根を立てた男=>大きい体=>おおきいこと=>おおきい(別解1)
」=「人」+「一」;=男根を立てた男+器官=男根を立てた男のその器官=>たった男根=>大きくなった男根=>おおきい(別解2)
前-月-刂」=「Ⅴ」+「一」:=女の股間+体=>体の中の股間のある方=>まえ(別解)


 「立」を紹介する前に第49回から第61回にかけて紹介した「Y」は男の股間の象形としましたが、その「Y」自体もまた「Ⅴ」の派生と解読できる、そこに矛盾を感じないのです!

」(象形):=女の股間=>股間=>正面=>前面=>まえ=>前方(再掲。cf.77)
」(象形):=股間に下がる男根=>おとこ(再掲。cf.49)
」=「Ⅴ」+「|」:=股間+棒:=棒をぶら下げた股間=>男=>おす(別解)


2.「立」の解読

 まず「立」「竒」に共通な「亠+Ⅴ」から解読を始めますが、「立」は「(亠+Ⅴ)+一」と「亠+(Ⅴ+一)」のどちらでも解読可能です。

立-下の一」=「亠」+「Ⅴ」:=隠す+女の股間=>股間を隠した女=>前を隠したもの(「亠」cf.51、「Ⅴ」cf.78)
」=「立-下の一」+「一」=>前を隠した女+体=>前を隠した女の体=>腰を伸ばした女=>たちあがる女/利発な女=立ち上がること=>たつ=>部族を立ち上げる=>一家を立ち上げる=>物事を立ち上げる
」=「亠」+「Ⅴ+一」:=隠す+股間の部分=>まえを隠す=>腰を伸ばす=>立ち上がる=>たつ=>部族を立ち上げる=>一家を立ち上げる=>物事を立ち上げる(別解)

 辞書の解字では「立」は次に示すように象形となっています。「立」もまた意味ある要素を視覚的に「ひとの立った姿」に模して構成した傑作です。

「立」辞書の解字:象形。人が正面を向いて地上に立っている形にかたどる。人が立ち止まって動かない、「たつ」意。

 以前紹介した「高」を再掲しましょう。「立」と「高」の意味が呼応していることが分かります。

」=「亠」+「口」+「冂+口」:=隠す+(産道の)くち+女の体=>股間の口を隠した女体=>腰布で前を隠した女=>腰の伸びた体=>姿勢の良い体=>たかい(少し修正。cf.51)

 立ち上がったひとの威厳を「Ⅴ:=女の股間」で構成した誇らかな自負を読み取ってください。


 「竒」は「奇」(cf.58)と意味が次第に似てきたため途中で混同されたようで、辞書ではすべて奇の俗字と解字されています。

」=「亠+Ⅴ」+「可」:=前を隠したもの+働く男=>前を隠して働く男=>めずらしい男=>めずらしい/あやしい(「可」cf.40)
「」=「山」+「竒」:=やま+めずらしい=>めずらしい山=>(裾野を持たず)海から突き出したやま=>みさき=>さき(「山」cf.33)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「竒」 解字:なし(奇の俗字)。
「」 解字:なし(崎の俗字)。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****


 第76回以降(第4部)今回までに紹介した基本的な部首を対象に「一」「Ⅴ」「|」を中心としてその関連を示します。
 我々の体の要素が漢字の中にいかに多く繰り返し使われているかに注意してください。

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 2.「立」の会意文字

 「立」の会意文字を紹介します。ただし「章」「咅」「音」「辛」は会意文字が多いのでさらに別項とします。

」=「イ」+「立」:=男に関するもの+立ったもの=>立ち上がる男=>上に立つ男=>上に位置するもの=>(男用に定められた)階位に付いたもの=>男の階位=>くらい(「イ」cf.11)
」=「竹」+「立」:=たけ+上に位置するもの=>竹で頭上にあるもの=>かさ(「竹」cf.54)
」=「立」+「束」:=くらいのあるもの+ご亭主=>くらいのある殿方=>身をつつしむ=>身を縮める=>すくむ(「束」cf.59)
」=「立」+「厷」:=立ち上がるもの+衣を着けた男=>衣を着て立ち上がる男=>(衣を付けるに)値するかを吟味する=>男を審査する=>はかる(「厷」cf.42)
」=「立」+「青」:=立ち上がる女+隠れた主人の体=>隠れて指揮する女統領の身=>(安全な環境で)やすらかな統領の身のこなし=>やすらか(「青」cf.51)
」=「立」+「占」:=たつ+しめる=>(他を抑えて)独占してたつ=>ひとりたつ=>たたずむ (「占」cf.39)

 辞書では「竝」は「並」の旧字となっていますが、両者別々に解読可能です。

」=「立」+「立」:=たった女+たった女=>並び立つ女=>ならぶ(cf.)
」=「Ⅴ」+「並-Ⅴ」:=まえ+ライバルの二人=>互いに対峙するライバル=>向い立つもの=>肩を並べる=>ならぶ(再掲。cf.78)

 「端」はその旁の「耑」の解読から紹介します。

」=「石-口」+「而-(石-口)」:=硬い男根+両手を付いてあるく男=>手を付いて歩く男根の硬い男/おまえ=>(男根を立てているにも関わらず)手を付いて歩き回る=>~にも関わらず(再掲。cf.54)
」=「山」+「而」:=やま+手を付いて歩く男=>手を付いて歩くような形の山=>おわんを伏せたような(コニーデ式)火山=>目印の山
」=「立」+「耑」:=たつ+目印の山=>目印の山にたつ=>出発点にたつ=>はじめ=>はしっこ

」=「立」+「月」+「ト」+「己」+「彡」:=たつ+体+棒(ひげ)+はいはいするもの+けの多いもの=>はいずってたつ毛が多く棒ひげのあるもの=>けの多いワニ型の体で棒ひげを持つもの=>(想像上の生物)リュウ(「月」cf.45、「ト」cf.20、「己」cf.31、「彡」cf.65)

 「竜」は第9回を参照してください。「竜」は現在の爬虫類であり、「龍」はその旁「ト」と偏の「立+月」から同じ爬虫類でも身を起こし天空を舞うさまが想像できます。

」=「宀」+「丁」:=覆うもの+働く男=>被り物をして働く男=>仕事の長(「宀」cf.31、「丁」cf.21)
」=「立」+「宁」:=たつ+仕事の長=>仕事を指導し見張るもの=>たたずむもの=>たたずむ

 「翌」の解読紹介のために「羽」の意味を追加します。「羽」の「冫」の部分は康煕字典ではすべて「ノ+ノ」となっていますが「冫」でも意味を取ることができます。「冫」を使う方が羽のしなやかさを表現すのふさわしいようです。今回「羽」の会意文字の紹介は省略します。

」=「口-L」:=女(男女の特性を持つもの)-女の特性=>男の特性=>男の股間=>股間(再掲。cf.71)
」:=男の特性=>オスの特性(意味追加)
「┐+ノ+ノ」:=おすの特性+特別なもの+特別なもの=>けものでたくさんの特別なものが付いたもの=>羽の付いたつばさ=>つばさ(「ノ」cf.11)
┐+冫」:=男の特性+(手に次ぐ)簡素なもの=>けものの簡単なもの=>鳥のて(「冫」cf.62)
」=「┐+冫」X2:=二つのはね=>はね/つばさ
」=「羽」+「立」:=つばさ+立ち上がる女統領=>明日を導く女統領=>次に明ける日>次ぎの日
」=「立」+「羽」:=立ち上がるもの+はね=>はねにより立ち上がるもの=>飛んでいる鳥=>鳥が飛ぶさま

 「翌」が納得できるように「鳳」の解読を紹介しておきます。「鳳」は暁に象徴される色をもち、登る太陽を導く鳥として崇拝されたようです。

」=「几」+「一」+「鳥」:=完成された女+体+鳥=>完成された女統領のような体を持つ(太陽を導く)鳥=>おおとり(「几」cf.18)


親-見」=「立」+「木」:=一家を成す女+夫=>一家を成す夫婦=>夫婦=>おや[意味は康煕字典による](「木」cf.79)
」=「新-斤」+「斤」:=夫婦+威張った使用人=>使用人(のみの)のいる夫婦=>新婚家庭=>あたらしい(再掲。cf.22)
」=「親-見」+「見」:=夫婦+統領の娘=>(跡取り)娘を持つ夫婦=>娘を持つ夫婦=>おや=>したしいもの=>したしい(「見」cf.)
」=「木」+「親」:=き+おや=>おやのための木=>親を葬るときのき=>ひつぎを造る木=>ひつぎ(「木」cf.79)
」=「衣」+「親」:=ころも+したしいもの=>したしい衣=>はだぎ(「衣」cf.50)

競の旁」=「立」+「兄」:=たち上がる女+相続人=>跡取りの女(「兄」cf.40)
」=「競の旁」x2=>(家督の)相続に立ち上がる女たち=>相続を競うもの=>きそう

竟-立」=「日」+「儿」:=女領主+垂れ流す女子=>女領領主の女児=>跡取りとなるもの=>後継者(「儿」cf.19)
」=「立」+「竟-立」:=立ち上がるもの+後継者=>立ち上がる後継者=>領主の交代=>先代を倒すもの=>先代の終わり=>おわる
」=「竟」x2:=(部族の)立ち上がる女たち=>相続を争うもの=>きそう
」=「土」+「竟」:=とち+領主の交代=>領主の交代による領地の分割=>領土の新区画=>さかい(「土」cf.19)
」=「金」+「竟」:=かなもの+領主の交代=>領主交代時に引き継ぐ金物=>かがみ
」=「イ」+「竟」:=男に関するもの+後継者=>男の後継者=>争いに勝ったもの=>(運や腕力の)強いもの=>つよい(「イ」cf.11)
」=「犭+「竟」:=けもの+跡取り=>(うまれると)親を食うといわれる猛獣(「犭」cf.13)

 「競」は一家の相続の争いの意味であり、「竟」は部族の相続の争いの意味と考えられます。
 「竢」は第14回を参照してください。

」=「立」+「女」:=たつ+おんな=>立ち上がる女=>仕事をする女=>共に仕事をする女=>仕事でつながるもの=>つながるもの=>(夫に)繋がった女 [父系制社会]=>めかけ(「女」cf.76)
」=「扌」+「妾」:=養うもの+しごとをする女=>領主の養う女=>領主を支える女家臣=>領主の代わりに接見する=>領主との間を取り持つ=>とりつなぐ=>つなぐ(「扌」cf.13)
」=「木」+「妾」:=き+つなぐもの=>つないだ木=>つぎきする=>つぎき(「木」cf.59)
「唼」=「口」+「妾」:=くち+つながる=>口と繋がる=>すする(「口」cf.37)



***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「位」 解字:会意。意符の人(ひと)と意符の立(人が地上に正しく立っている形)とから成る。昔は、進化の身分の高下に従って、階段の下の広場に並ぶ位置が決まっていたことから、位置・階級などの意に用いる。
「笠」 解字:形声。意符の竹(たけ)と音符の立(とどめおくの意)とから成る。頭上に載せておく竹製のもの、「かさ」の意。
「竦」 解字:形声。意符の立(たつ)と音符の束(つつしみ正す意)とから成る。気をつつしみ正して立つ「つつしむ」意。ひいて、「おそれる」「すくむ」意に用いる。
「」 解字:形声。意符の立(さだめる)と音符の所ム(ひろい意)とから成る。広さをさだめる、「はかる」意。
「靖」 解字:形声。意符の立(たつ)と音符の青(しずか、やすらかの意)とから成る。立姿の安静の意。ひいて、「やすい」「やすんずる」意に用いる。
「站」 解字:形声。意符の立(たつ)と音符の占(ひとりの意)とから成る。一人立っている、「たたずむ」意。
「竝」 解字:並ぶの旧字体。

「耑」 解字:題字なし。
「端」 解字:形声。意符の立(たつ)と音符の耑(真直ぐ、正しい意)とから成る。姿勢を正しく直立する意。ひいて、「ただしい」、借りて、「はじめ」「はし」などの意に用いる。
「竚」 解字:なし(佇の別字体)。

「羽」 解字:象形。鳥が飛び立つときの両翼の形にかたどる。鳥の体を覆う「はね」の意。
「翌」 解字:形声。意符の羽(はね)と音符の立(とぶ意)とから成る。もと、翊の俗字。借りて、明くる日の意に用いる。
「翊」 解字:形声。意符の羽(はね)と音符の立(とぶ意)とから成る。もと、翌の本字。
「鳳」 解字:形声。意符の鳥(とり)と音符の凡(おおきい意)とからなる。大きい鳥、「おおとり」の意。

「親-見」 解字 俗字。
「親」 解字:形声。意符の見(目の前に現れる意)と音符の(の意)とから成る。「親」 解字:形声。意符の見(目の前にあらわれる)と音符の「親-見」(同姓の意)とから成る。日ごろ近くに見ている同姓の人、起居をともにしている人の意。ひいて、「おや」「したしむ」などの意に用いる。
「櫬」 解字:形声。意符の木(き)と音符の親(近くくっ付く意)とから成る。死体に最も近い内側の「ひつぎ」の意。
「襯」 解字:会意形声。意符の衣(ころも)と意符と音符を兼ねる親(ちかい意)とから成る。体に近い衣、「はだぎ」の意。

「競」 解字:形声。意符の竝(立っている二人の人)と音符の「競-竝」(きそい争う意)とから成る。
「竟」 解字:形声。意符の音(音楽)と音符の儿(兄の省略形。きわまる意)とから成る。ひいて、「おわる」意に用いる。
「竸」 解字:題字なし(意味は康煕字典による)。
「境」 解字:形声。意符の土(つち)と音符の竟(の意)とから成る。
「鏡」 解字:形声。意符の金(金属)と音符の竟(の意)とから成る。
「傹」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の竟(つよい意)とから成る。人の強い意。
「獍」 解字:形声。意符の犬(けもの)と音符の竟(わるずよい意)とから成る。凶悪なけものの意。

「妾」 解字:形声。意符の女(おんな)と音符の辛(立は省略形。つみの意)とから成る。罪によって奴隷として召し上げられた女の意。ひいて、「めかけ」の意に用いる。
「接」 解字:形声。意符の手(て)と音符の妾(つなぐ意)とから成る。手をつなぐ意。ひいて、「まじわる」意に用いる。
「椄」 解字:形声。意符の木(き)と音符の妾(つなぐ意)とから成る。
「唼」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の妾(くっつける意)とから成る。口をつけて、すする意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.「章]の解読と、その会意文字

 説文解字による「章」の解説は「たのしみを終わらせる」もしくは「あわておそれる」とあり、娯楽や遊びを素早く仕事に切り替える能力、もしくは小心で素早く反応する意味となっています。

」=「立」+「早」:=立ち上がる女+早いもの=>素早く立上がる女=素早く立ち上がるもの=>豆に働くもの/お手本となるもの=>優れたしるし=>しるし(「早」cf.45)

」=「章」+「彡」:=お手本となるもの+ひげの濃いもの=>素早く立ち回る男=>すぐ現れる男=>(褒美の飾りをつけて)あらわれる=>飾りのあるもの=>文の飾り=>あや飾り=>あや(「彡」cf.65)
」=「阝(左)」+「章」:=多くのもの+お手本となるもの=>たくさんのお手本=>多すぎると害になるもの=>さしさわりとなるもの=>さしさわり(「阝(左)」cf.46)
「傽」=「イ」+「章」:=男の関するもの+手本となるもの=>男の手本となるもの=>先に生まれた男=>夫の兄(「イ」cf.54)
「」=「辵」+「章」:=男の足+豆に働くもの=>豆に働く男=>優れたしるし=>しるし[意味は康煕字典による](「辵」cf.65)
「嶂」=「山」+「章」:=やま+素早く立ち上がるもの=>急に立ちあがる山=>鋭く険しい山[意味は康煕字典による](「山」cf.33)


***** 終了 関連する辞書の解字 *****

「章」 解字:象形。刺青をする針の形にかたどる。鍼の先端が太く書かれて申となり、それが早に変わった。奴隷や罪人に入れ墨ををする鍼の意。ひいて、「あや」「しるし」「あきらか」意に用いる。
「彰」 解字:会意形声。意符の彡(かざる)と意符と音符を兼ねる章(はっきりする意)とから成る。あやかざり(文飾)の意。
「障」 解字:形声。意符の邑(おか、やま)と音符の章(隔てふさぐ意)とから成る。岡や山で隔てさえぎる意。ひいて、「へだて」「ふせぐ」などの意に用いる。
「傽」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の章(うえの意)とから成る。上の人、夫の兄の意。
「」 解字:題字なし。
「嶂」 解字:題字なし。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****


3.「咅」の解読とその会意文字

」=「立」+「口」:=たちあがるもの+おんな=>立ち上がった女=>主人となった女=>家長/家主(「口」cf.37)
」=「咅」+「阝(右)」:=家主+有機的に働くもの=>協力する家長たち=>部族を構成するもの=>部族=>縄張りを分けたもの=>わける(「阝(右)」cf.46)
」=「阝」+「咅」:=たくさのもの+女家主=>多くの家主達=>(部族の)おきてに従うもの=>したがう(「阝(左)」cf.46)
」=「土」+「咅」:=ひと+家主=>家主となったひと=>家を存続させる=>家を育てる=>植物を育てる=>つちかう(「土」cf.19)
」=「咅」+「刂」:=家主+刀=>刀を持つ女家主=>黒白を付けるもの=>見分けるもの=>わける=>(悪いものを)削り取る=>さく(「刂」cf.63)
」=「足」+「咅」:=あし+家主=>家主の足=>(運動不足で)つまずきたおれる=>たおれる(「足」cf.41)
」=「歹」+「咅」:=女の死+家主=>女家家主の死=>たおれる(「歹」cf.42)
」=「火」+「咅」:=火+家主=>家長を火葬する=>(死体を)火であぶる=>あぶる(「火」cf.61)
」=「貝」+「咅」:=賢い男+家主=>賢い男家主=>(家主としての権利もしくは納税を)金銭で支払うもの=>金銭でつぐなうもの=>つぐなう(「貝」cf.60)
」=「イ」+「咅」:=男+家主=>男の家主=>(しばしば部族の他の女家主の守る)おきてに背く=>(2倍の)納税をしないもの=>そむく(「イ」cf.54)
」=「木」+「咅」:=夫+家主=>(女主人の代わって)家長となった夫=>使用人を棒で扱うもの=>使用人をたたく棒=>つえ(「木」cf.79)


 「咅」の文字から部族内の各家主の生活の様子を推測できます。複数の家督相続者がきそい合い(竸)、家主となると家主同士で協力し(部)、部族の掟に従い(陪)、領主に税を治め(掊)、家での悪事を取り除き(剖)、一家をつちかい(培)ますが、デスクワークで足がなえ(踣)て倒れると(殕)火葬にされ(焙)たようです。 ただし、跡取り娘がなく夫が家主となった場合は、杖を持って皆を扱った(棓)たようで、賢い男だとお金で納税し(賠)、一般には掟に従うことができなかった(倍)ようです。

 同じように「貝」の解読の時には賢い男の生活の様子を推測することが出来ました(cf.60)。母系社会の生活が文字の創造の中に刷り込まれていることに注目してください。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「咅」 解字:題字なし。
「部」 解字:形声。意符の邑(集落、部族)と音符の咅とから成る。地名。借りて、「わける」意に用いる。
「陪」 解字:形声。意符の阜(やま、つち)と音符の咅(いまひとつ上に加える意)とから成る。つちの上にさらに積み重なった土の意。転じて、「したがう」意に用いる。
「培」 解字:形声。意符の土(つち)と音符の咅(いまひとつ上に高く重ねる意)とから成る。いまひとつ土を積み重ねる意。ひいて、「つちかう」意に用いる。
「剖」 解字:形声。意符の刀(かたな)と音符の咅(裂いて開き分ける意)とから成る。
「踣」 解字:形声。意符の足(あし)と音符の咅(たおれる意)とから成る。「たおれる」意。
「殕」 解字:角川大字源に題字なし。
「焙」 解字:形声。意符の火(ひ)と音符の咅(あぶる意)とから成る。火であぶる意。
「賠」 解字:形声。意符の貝(貨幣)と音符の咅(おぎなう意)とから成る。金銭などで補う、「つぐなう」意。
「倍」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の咅(そむく意)とから成る。人にそむく意。借りて、「ます」意に用いる。
「棓」 解字:形声。意符の木(き)と音符の咅(の意)とから成る。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4.「日+立」の解読とその会意文字

 同じ「日」と「立」の組み合わせですが、「」は古い意味が残っており、少し時代が下ってからできた「音」はその会意文字が非情に多く見つかります。辞書で「音」はひとつの部首となっており、「音」の解字では中の「日」は「口」にすり替わっていることに注意してください。

」=「日」+「立」:=女領主+立ったもの=>立ち上がる女領主=>統治者となった女領主=>新しい輝く領主/明るく輝くもの=>明日を照らすもの=>明日 (「日」cf.45)

 「音」および「咅」「意」「署J」「竟」の中の「立」の第一画は康煕字典ではすべて短い横棒になっています。「竟」と「童」(「童」は領主に関する意味が特にないが表記は引きずられている)は第一画が短い横棒のまま、この2字のみ「立」の部あり、その他「暑B」「意」「署J」「竟」の会意文字はすべて「立」の部にはありません。「立」第一画が横棒と考えた「二+Ⅴ+一」では意味が取り出せないのです。

 父系社会の中国では皇帝の名前と同じ漢字を書くのをはばかって、字の一部を欠いた「欠画」と呼ばれる文字が使われました。例えば「玄」は清の時代に皇帝の名前に使われた文字であり、この時代には最後の一画が書かれていません。

 「音」は「立ちあがる領主=>現領主」という重要な意味を持つ文字であり、第一画を異なる書き方にすることにより領主に対する敬意を表現したと考えられます。

 「辛」の会意文字には第一画を横棒とした変形は見られず、特に康煕字典の「辛」の項には続いて「辛」と似た「二+Ⅴ+干」の構成文字があります。同じ「立」を持つ「辛:=いたい=>からい」という悪いイメージの文字の構成も変えようとした跡がうかがえます。

 母系社会では文字の構成がそこなわれないように変形する繊細な神経がうかがわれますが、この考えを引き継いだと考えられる父系社会での欠画という伝統は字体の混乱を招く原因です。このため漢字辞典で正確に文字を探す時には、「はね、とめ、はらい」の他にその文字より一画多いか一画すくない似た文字も検索する必要があるのです。
(参照 http://tvf2008.jp/movie2/vote2007.php?itemid=134)


」=「立」+「日」:=立ち上がるもの+女領主=>立ち上がる女領主=>新しい女領主=>新領主=>領主=>(新体制に)注目するもの=>(新領主に)聞き入る=>聞き取るこえ=>こえ/叫び声=>おと(「日」cf.45)

」=「口」+「音」:=くち+おと=>音だけの口=>幼児の声=>言葉でない発声=>おし(「口」cf.37)
」=「日」+「音」:=領主+叫び声=>叫ぶだけの領主=>叫びの指令=>明晰でないもの=>くらい(「日」cf.45)
「愔」=「忄」+「音」:=こころ+新領主=>新領主の心=>(領主をやっと継いで)やわらいだ心=>やわらぐ(「忄」cf.73)

 以下に示すように「音」が偏に使われた場合は、当初「音:=新統領」の意ですが、後代には「音:=領主の声=>こえ=>おと」と変化しています。これを「音:=新領主=>時代を先取りするもの=>時代の声(天の声)をきくもの=>よくきくもの=きくもの=>こえ=>おと」と解釈できるかもしれません。

 「日」「女」「音」が偏であると旁は多くその所有物もしくは養う対象を現します。特に「音」偏の字は同じ「音」の意味でも「女領主の所有するもの」の意味が基本となっています。

」=「音」+「召」:=新領主の養うもの+召しだされた男=>領主の養う(他の家主から)召された男=>うつくしい男=>うつくしい声=>うつくしいおと(「召」cf.70)
」=「音」+「員」:=新領主の養うもの+賢い男=>新領主の養う賢い男=>風格を有するもの=>風格のあるこえ=>ひびき渡るこえ=>ひびく声の調子=>しらべ(「員」cf.60)
」=「音」+「欠」:=新領主の養うもの+野蛮な男=>新領主の養う野蛮な男=>各家長より(お祝いに)うけるもの=>うける(「欠」cf.5)
」=「音」+「」:=おと+二つの繋がったもの=>韻をふむもの=>いん(「」cf.26)

 「響」に関し「郷」の紹介が欠けていたので始から解読を示します。「郷」の偏は「幺」が偏となったものです。「響」の冠の中央部分「日+ム」は「日+ヒ(ただの男)」でも同じ意味となります。

「郷-幺-阝」=「日」+「ム」:=素晴らしい女統領+女性器のないもの=>女性器のない統領=>男の統領
「郷-幺」=「日+ム」+「阝」:=男の統領+協力し合うもの=>協力し合う男の統領=>優れた男達(「日」cf.45、「ム」cf.14)
「郷」=「幺」+「郷-幺」:=女性器のないオス+優れた男達=>普通の男と優れた男達(の集まる所)=>男達だけの集落=>ごう(「幺」cf.52)
「響」=「郷」+「音」:=男達だけの集落+声=>男達の集落での声=>簡単な言葉を大声で皆に伝える=>こだますることば=>ひびく言葉=>ひびく

」=「門」+「音」:=いくさ+おと=>音によるいくさ=>闇夜のいくさ=>やみ(「門」cf.65)
」=「言」+「音」:=ことば+おと=>発音される言葉=>つまびらかにしたもの=>つまびらか(そらんじる意味もある)(「言」cf.39)
「瘖」=「疒」+「音」:=やまい+こえ=>声のやまい=>おし(「疒」cf.64)


」=「音」+「心」:=新しい統領+心=>新領主の考え=>新領主の意識=>新領主の認識=>いしきするもの=>いしき=>いこう=>いしき(「心」cf.73)
」=「音」+「心」:=こえ+心=>声となった心=>言葉となったこころ=>他人に伝えるこころ=>いこう=>いしき(別解)
」=「忄」+「意」:=感覚+いしき=>感覚を意識する=>体が(ショック等で)覚える=>心に残る感覚=>おぼえる(「忄」cf.73)
」=「月」+「意」:=体+いしき=>からだのいしき=>物怖じするもの=>身(むね)をすくめるもの=>胸の働き=>むね(「月」cf.46)
」=「イ」+「意」:=男に関するもの+いしき=>男のいしき=>推測するもの=>察するもの=>たくさん思いつくもの=>限りない莫大なもの(「イ」cf.54)
」=「口」+「意」:=くち+いしき=>口がもらすもの=>(思わず)もれる声=>嘆息(「口」cf.37)

 「意」の会意文字の考察から「意:=領主の意志=>部族全体の意志(具体的に方向付けられた心)」であり、「イ:=男」だけでなく体の各部分「口:=くち」や「月:=からだ」が独立に「意」をもつと考えたられていたようです。特に「忄=感覚」にも独自の意識があると考えたようで、哲学的、心理学的な知能の発達史には興味ある問題です(英語の無生物の意志「WILL」を参考)。

」=「音」+(融合)+「戈」:=新しい女領主+武器=>武器を持つ新領主=>仕事をする領主=>領主の勤め=>おつとめ(「戈」cf.15)
」=「言」+「戠」:=ことば+領主の勤め=>領主の言葉に関するつとめ=>記録して宣布する=>書き記す=>しるす=>しるし=>しる(「言」cf.67)
」=「耳」+「戠」:=きく+領主の勤め=>(施政のために)現状や訴えを聞き取る領主の勤め=>領主の主な勤め=>つとめる=>つとめ (「耳」cf.48)
」=「糸」+「戠」:=いと+領主の勤め=>絹糸をおるしごと(を仕切る)=>糸をおりこむ=>くみおさめる=>くむ/おさめる (「糸」cf.49)
」=「木」+「戠」:=(領主の)夫+勤め=>邪魔者を(領主から)遮る夫のつとめ=>さえぎるもの=>くい(「木」cf.59)
」=「火」+「戠」:=ひ+領主の勤め=>燃やし続ける火=>さかんな火=>さかん/おこる(「火」cf.61)
」=「身」+「戠」:=みごもった体+領主の勤め身ごもった領主の勤め=>身重でつとめる領主=つとめ(「身」cf.48)
」=「巾」+「戠」:=ぬの+領主の勤め=>布に関する領主の勤め=>旗を立てて所在を知らせる=>目印の旗=>のぼり(「巾」cf.34)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「」 解字:形声。意符の日(ひ)と音符の立(こえる意)とから成る。基準となる日をこえたひ、翌日の意。

「音」 解字:形声。意符の「立+古」(ことば)と音符の一(ひきのばす意)とから成る。引き伸ばした言葉、口から出る声の意。
「喑」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の音(とじる意)とから成る。声を閉じる、「おし」の意。
「暗」 解字:形声。意符の日(ひ)と音符の音(ひかげの意)とから成る。日が陰って太陽の光がなくなる、「くらい」意。
「愔」 解字:形声。意符の緒W(こころ)と音符の音(黙ったままで声がでない意)とから成る。黙ったままで声がでない意。借りて、「やわらぐ」意に用いる。

「韶」 解字:形声。意符の音(音楽)と音符の召(つぐ意)とから成る。堯帝の徳を受け継いだ舜帝が作ったといわれる音楽の意。
「韻」 解字:形声。意符の音(おと)と音符の員(まるい意)とから成る。角ばらない温和な音、「ひびき」の意。
「歆」 解字:形声。意符の欠(口を開いた形)と音符の音(尸(神の代わりに祭りを受ける人)が酒を少しのむ意)とから成る。尸が口を開いて酒を少し飲む意。ひいて、「うける」意に用いる。
「韵」 解字:なし(「韻」の別字体)。

「郷」 解字:会意形声。意符の皀(香ばしい食物)と意符と音符を兼ねる「郷-皀」(人が向かい合っている意)とからなる。二人が向かい合ってたべる、郷飲酒の礼を行なうところの意。ひいて、「さと」の意に用いる。
「響」 解字:形声。意符の音(おと)と音符の郷(声をだす意)とから成る。声につれて出る音の広がり、「ひびき」の意。

「闇」 解字:形声。意符の門(もん)と音符の音(とどめ抑える意)とから成る。門を押さえとざす意。ひいて、「くらい」「やみ」の意に用いる。(「門」cf.65)
「諳」 解字:なし[意味は説文解字による]。
「瘖」 解字:会意形声。意符の疒(やまい)と意符と音符を兼ねる音(口から出る音、声の意)とから成る。声がでなくなる病気、「おし」の意。

「意」 解字:形声。意符の心(こころ)と音符の音(気が充満する意)とから成る。抑えられて充満している心の意。
「憶」 解字:会意形声。意符の心(こころ)と意符と音符を兼ねる意(心の中にうっさきしたものの意)と音符の意(の意)とから成る。心の中にうっせきして持っている、「おもう」意、ひいて、「おぼえる」意に用いる。
「臆」 解字:形声。意符の肉(からだ)と音符の意(胸の意)とから成る。胸の骨の意。ひいて、「むね」の意に用いる。
「億」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の意(意は変わった形。心が満ち足りる意)とから成る。心が満ち足りている意。ひいて、安んじる意に用いる。また、数のいっぱい満ちることから数の多い単位に用いる。
「噫」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の意(充満する意)とから成る。胸がいっぱいになって出る嘆息の意。

「戠」 解字:題字なし。
「識」 解字:形声。意符の言(ことば)と意符と音符を兼ねる戠(地上に立てた木の枝に縛り付けた、目印としての小旗の意)とから成る。命令を伝える小旗の意。ひいて、「しるし」「しる」などの意に用いる。
「職」 解字:会意形声。意符の耳(顔の横にくっついている意)と音符の戠(木の枝を切って地に立てる意)とから成る。木の小枝につけた旗印の意。各商家がそれぞれの小旗を立ててその商売を表示したことから、ひいて、職業の意に用いる。
「織」 解字:形声。意符の糸(いと)と音符の戠(おさめる意。くむ意)とから成る。糸をくみおさめる意。ひいて、「おる」意に用いる。
「樴」 解字:形声。意符の木(き)と音符の戠(先端の尖っている意、また、突き立てる意)とから成る。地面に突き立てた先の尖った木、「くい」の意。
「熾」 解字:形声。意符の火(ひ)と音符の戠(あかい意)とから成る。炭火が真っ赤になる意。ひいて、火の「さかん」の意。
「軄」 解字:形声。職の俗字。
「幟」 解字:形声。意符の巾(ぬの)と音符の(しるしの意)とから成る。遠方に命令を伝えたり、目印にするために立てる旗の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



5.「辛」の解読とその会意文字

 辞書では「辛」は「立」の部ではなく、独立した部首となっています。そして「奴隷の額に入れ墨をする針」の象形とされていることの注意してください。「辛」の意味は二つに分岐しています。
 
」=「立」+「十」:=たったもの+はり=>立った針(入れ墨の針)=>突き刺さるもの/しんらつなもの=>ささるもの=>舌に突き刺さるもの=>からいもの=>からい(「十」cf.20)
」=「立」+「十」:=たったもの+はり=>立った針=>突き刺さるもの=>痛いもの=>つらいもの=>苦しいもの
」=「舌」+「辛」:=した+突き刺さるもの=>舌がささる=>耳の痛い忠告=>諌める言葉=>言葉(「舌」cf.39)
」=「古」+「辛」:=古い男+突き刺さるもの=>突き刺さる古い男=>邪魔になる古い男=>とがめて殺す=>罪をきせてとがめる=>つみあるもの=>つみ(「古」cf.39)
」=「自」+「辛」:=わたし+突き刺さるもの=>わたしに突き刺さるもの=>自責の念=>罪の意識=>つみ(「自」cf.48)
」=「宀」+「辛」:=いえ+しんらつなもの=>家の中の辛辣な者=>仕切るもの=>家をおさめるもの=>つかさどる(「宀」cf.31)
」=「辛」+「束」:=辛+亭主=>しんらつなもの+亭主=>しんらつな亭主=>ぴりっとからい=>からい(「束」cf.59)

 「辟」の意味も二つに分岐しています。

辟-辛」=「尸」+「口」:=しり+女=>女のしり=>しり(「尸」cf.、「口」cf.37)
」=「辟-辛」+「辛」:=しり+突き刺さるもの=>しりに突き刺さるもの=>痛くて飛び上がるもの=>さけるもの=>とりのぞくもの=>つみなもの=>つみ
」=「辟-辛」+「辛」:=しり+突き刺さるもの=>しりに突き刺さるもの=>痛くて飛び上がるもの=>さけるもの=>とりのぞくもの=>悪をあばくもの=>おきてを定めるもの=>きみ=>時代を開くもの=>ひらく
」=「辵」+「辟」:=あるく+さけるもの=>歩いて身をひく=>身をさける=>さける(「辵」cf.65)

 始め「辟」で表現した「さける」の意は、「辟」が別の意味に使われだしたので、改めて「避:=身をさける=>さける」となったものと考えられます。

」=「辟」+「土」:=さけるもの+つち=>土で風や寒さをさけるもの=>つちかべ=>かべ(「土」cf.19)
」=「辟」+「鳥」:=さけるもの+鳥=>(水に潜り危険を)さける鳥=>水中に逃れる鳥=>カイツブリ[本来は魚を取るために水に潜る](「鳥」cf.61)
」=「辟」+「木」:=さけるもの+き=>(厚いコルク層もち材には適さない)さける木=>きはだ(「木」cf.59)
」=「辟」+「玉」:=さけるもの+たま=>(中央に穴のある天を祭る)特殊な玉=>おそれおおい玉=>たま(「玉」cf.59)
」=「雨」+「辟」:=天候に関するもの+さけるもの=>さける天候=>激しい雷=>いかずち(「雨」cf.68)

」=「辟」+「月」:=さけるもの+からだ=>体でさける所=>ぶつからないようにさけるひじ=>ひじ(「月」cf.45)
」=「足」+「辟」:=あし+さけるもの=>足でさけるもの=>いざって歩く(うまくあるけなくなる)=>いざる=>いざり(「足」cf.41)

」=「イ」+「辟」:=男に関するもの+さけるもの=>人を避ける男=>ひがんだ男=>ひがむ(「イ」cf.11)
」=「辟」+「女」:=さける女=>(領主に)気に入られたおんな=>えこひいきされたもの=>おきにいり(「女」cf.76)
」=「辟」+「言」:=さけること+ことば=>さけることば=>たとえばなし=>たとえる(「言」cf.67)
」=「辟」+「衣」:=さけるもの+ころも=>衣でさけること=>引きつった作りのころも=>ひだのあるころも=>ひだ(「衣」cf.51)
」=「門」+「辟」:=いくさ+さける=>いくさをさける=>かいもんする=>ひらく(「門」cf.65)

」=「疒」+「辟」:=やまい+とりのぞくもの=>とりのぞくやまい=>悪い習慣=>くせ(「疒」cf.64)
」=「辟」+「刀」:=とりのぞくもの+かたな=>刀でとりのぞく=>切り取る=>さく/つんざく(「刀」cf.70)


」=「辛」+「辛」:=とげ+とげ=>たくさんのとげ=>とげとげしたもの=>争いあうもの/男のけんか=>中傷しあうもの=>(罪人が)互いに訴える[意味は康煕字典による]
」=「辡」+「糸」:=とげとげしたもの+糸=>とげとげした糸=>(短い糸で編んだ)糸口がとげとげしたもの=>糸で編んだもの=>あみいと=>あむ(「糸」cf.49)

 「辡」の会意文字では「辧」「辦」「辨」「辯」が「弁」の旧字となっていますが、もともとは微妙に意味の異なる文字です。男の争いに関することなので次第に女の興味が薄れていったらしく、最終的にはすべて「(争いを)決着させる=>おわる」意味で「弁:=(垂れ流しを)おえる」の文字に飲み込まれ区別が消えていったと考えられます。

」=「辡」+「刀」:=争いあうもの+刀=>刀で争いあうもの=>争いが決着する=>生死をわける=>わける(「刀」cf.70)
」=「辡」+「力」:=罪人相互の訴え+役人=>役人と訴え合う罪人=>役人が処理する=>役人がさばく=>あつかう=>(善悪を)判じる=>わける(「力」cf.70)
」=「辡」+「リ」:=争うもの+猟師のあし=>獲物を競う猟師=>むさぼりあう=>争いを収める=>わける(「リ」cf.65)
」=「辡」+「言」:=中傷し合うもの+ことば=>中傷し合う言葉=>(善悪を)判じる言葉=>判じる=>わける(「言」cf.67)

」=「ム」+「廾」:=ない+垂れ流し=>垂れ流しがない=>垂れ流しを止める=>べん(再掲。cf.19)



***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「辛」 解字:象形。もと、奴隷の額に入れ墨をする針の形にかたどる。入れ墨をする針の意。入れ墨をされる時の痛さから、転じて、「つらい」「からい」意に用いる。
「辞」 解字:辭の俗字。「辭」は意符の辛(つみ)と意符と音符を兼ねる「辭-辛」(おさめる意)とから成る。かりて「ことば」の意に用いる。
「辜」 解字:形声。意符の「辛-下の横棒」(辛は変わった形。つみの意)と音符の古(ころす意)とから成る。罪人を殺す意。転じて、「つみ」の意に用いる。
「辠」 解字:なし(罪の本字)。
「宰」 解字:形声。意符の宀(いえ)と音符の辛(??が正しい形。つみの意)とから成る。罪人であって家にて仕事をするものの意。
「辣」 解字:形声。意符の辛(はり)と音符の剌(束は省略形。いたむ意)とから成る。針で打だれたようにピリッといたい、からい意。

「辟」 解字:形声。意符の「立+|」(つみの意)と意符の??(屈服する意)とから成る。罪に服する意。ひいて、罪する意に用いる。
「避」 解字:形声。意符の辵(みち)と音符の辟(かたよる、回転する意)とから成る。道路で急に向きを回転して行く意。ひいて、「さける」意に用いる。
「壁」 解字:形声。意符の土(つち)と音符の辟(しりぞけさける意)とから成る。土で塗った風や寒さをさけるもの、「かべ」の意。
「鸊」 解字:形声。意符の鳥(とり)と音符の辟(逃れ隠れる意)とから成る。水中に隠れ潜って魚を取る小鳥、カイツブリの意。
「檗」 解字:形声。意符の木(き)と音符の辟(木の外皮の意)とから成る。外皮は灰白色だが内皮は濃黄の木、「きはだ」の意。
「璧」 解字:形声。意符の玉(たま)と音符の辟(ひらたい意)とから成る。ひらたい「たま」の意。
「霹」 解字:形声。意符の雨(あめ)と音符の辟(つんざく意)とから成る。雨中に耳をつんざく音を出す雷の意。
「臂」 解字:形声。意符の肉(からだ)と音符の辟(両方に付く意)とから成る。体の両側についているもの、かいなの意。
「躃」 解字:形声。意符の足(あし)と音符の辟(足が不自由の意)とから成る。足が不自由の状態、「あしなえ」の意。
「僻」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の辟(かたよる意)とから成る。人が一方にかたよる意。
「嬖」 解字:形声。意符の女(おんな)と音符の辟(めしつかう意)とから成る。召し使う女の意。ひいて、気に入ってかわいがる意に用いる。
「譬」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の辟(並べ比べる意)とから成る。他の似ているものと並べ比べて説明する、「たとえる」意。
「襞」 解字:形声。意符の衣(ころも)と音符の辟(曲げて折る意)とから成る。衣服を曲げて折りたたむ意。ひいて、「ひだ」の意に用いる。
「闢」 解字:形声。意符の門(もん)と音符の辟(ひらく意)とから成る。門をひらく意。ひいて、「ひらく」意に用いる。

「癖」 解字:形声。意符の疒(やまい)と音符の辟(腹の意。また、積もる意)とから成る。腹の病気、また、は好みの積み重なったもの、「つみ」の意。
「劈」 解字:形声。意符の刀(かたな)と音符の辟(ひらく意)とから成る。刀でひらく、「さく」意。

「辡」 解字:なし。
「辮」 解字:形声。意符の糸(いと)と音符の辡(編む意)とから成る。糸を編む意。ひいて、「あむ」意に用いる。
「辧」 解字:弁の旧字体。
「辦」 解字:形声。意符の力(ちから)と音符の辡(つとめる意)とから成る。つとめてことを計る、処理する意。
「辨」 解字:弁の旧字体。
「辯」 解字:弁の旧字体。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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