象形文字の秘密
漢字の解読

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特殊部首の解読 その3 /72

 今回は「/」(斜線)の解読と、「東」「西」「南」「北」の解字を紹介します。


1. 斜線「/」の解読

 「切」の字を解読しましょう。まず辞書の解字を見て手がかりになるものがあるかを確認しておきます。

「切」 解字:会意形声。意符の刀(かたな)と意符と音符を兼ねる七(きる意)とから成る。刀で切断する意。もと、「七」できる意を表したが後に数詞に占用されるようになったので、刀を添えて七と区別し、「きる」意をいっそう明瞭にした。

 「切」の字をよく見てください。旁は「刀:=かたな」であり、偏の意味を「?1」とし、この字の構成と最終の意味とを結びつけることで「七」の意味を特定します。

「切」=「七」+「刀」:= ?1 +かたな=>かたなで ?1 する=> ?1 する=>きる(「刀」cf.70)

 最初と最後が矛盾なくなるには途中の「?1」は「きる」意味になりますから、偏の「七」だけで「きる」を意味する時代があったと考えられ、辞書の解字が正しいことが確認できます。

 同じ手法を使うと、「匕」の中には「L:=おんな」を含んでいますから更に、

「七」=「/」+「L」:= ?2 +女=>女を ?2 する=> ?2 する=>きる(「L」cf.19)

 「七」が最終の意味となるためには途中の「?2 」は「きる」意味になり、「七」よりさらに古い時代には斜線「/」が「きる」を意味したと考えられます。

」:=きる
)」=「/」+「丶」:=きる+特別に=>特別にきる=>見せしめにきる=>みせしめとする=>みなを引き締める=>気をしめる=>しめる=>(金銭の)収支をしめる=>合計する(「丶」cf.12)
」=「メ」+「刂」:=みせしめにきる+かたな=>(違法者等を)刀で見せしめに切る=>違法者等をかりだす=>たくさんきる=>(草を)かる

 康煕字典の「刈」の古字として「爼-且」を偏とする字が「爼-且:=たくさん切る」となっており、「かりだしてたくさん(みなを)切る」意味がうかがえます。「刈」は説文解字では既に後代の「草を刈る」意味になっています。

  「メ」の斜線は「きる」意味ですが、これとよく似た「爻」「文」「交」等の中にある「×」は「メ」とは異なり別の解読をしないと意味が取れません(後述)。また「区」は説文解字や康煕字典には見当たらず「區」の省略形です。

 「メ」の「みせしめ」の意味についてですが、禅寺で座禅を組んだ経験があり、そのとき警策(背中をたたく竹刀のような棒)で自分がたたかれるより、隣の人がたたかれたときの方がショックが大きかったのを不思議の思った経験があります。

」=「メ」+「凵」:=特別にきる+犬=>犬を切る=>犬を殺す=>災いがある=>わざわい/わるい(「凵」cf.35)
」=「凶」+「儿」:=犬を殺す+垂れ流す子供=>子犬を殺す=>災難が起こる=>わざわい/おそれる(「儿」cf.19)
」=「勹」+「凶」:=おとこ+おそれる=>恐ろしい男=>おそろしい=>どきどきするもの(「勹」cf.26、70)
」=「月」+「匈」:=体+恐れる=>体で恐れる所=>恐れを感じる所=>(恐ろしいとき)どきどきする所=>むね(「月」cf.45)
「詾」=「言」+「匈」:=ことば+おそろし=>おそろしい言葉=>言い争う言葉=>いいあらそう(「言」cf.66)
「洶」=「氵」+「匈」:=みず+どきどきするもの=>わきあがる水=>わきみず=>わく

 犬は集団で狩をするのではぐれても容易に仲間に戻れる超能力にすぐれた動物であり、共食いまでするひとと共同生活しても食われないための能力を備えているのでしょう。世界中で中国の赤犬料理以外はまれです。

「匕」=「/」+「L」:=きる+女=>女を切るもの=>あいくち(「L」cf.19)

 「七」の切る意味は「匕(あいくち=護身用の小刀:女の嫁入り道具の一つであった)」として今に残っていますが、数字を意味する手がかりは、次に示す辞書の「七」の解字を確認しても見つかりません。

「七」 解字:指示。「十」が原字で、ものを真ん中から切断したさまを示す。もと切の古字。借りて、数字の「しち」に用いる。げんこつを握った形で「六」を示し、次に、人差し指一本を突き出し、その指先を折り曲げれ「しち」を示した。

 本腰で「七」の意味の解読に取り掛かりましょう。「七:=しち」を検討するのに、これまで解読できた数字を羅列してみます。

」:=囲う垂れ流す児童=>四歳児=>よん(再掲。cf.36)
」:=男根を立てた男の体=>五歳児=>ご(再掲。cf.71)
」:=立ち上がり隠れる男=>六歳児=>ろく(再掲。cf.60)
」:=特別に完成された乙女=>成人した女=>九歳児=>きゅう(再掲。cf.18)

 「四」以降の数字はその年齢の児童の意味でしたから、「七」のもとの意味を「七歳児を切る」と解釈しましょう。すると「七」の意味が途中で「しち」と「あいくち」に枝分かれしたことになります。

」=「/」+「L」:=きる+女=>切り捨てる女=>七歳児の女=>しち歳女児=>しち歳児=>しち

 ついでに「八」と「十」とを追加します。「八」の詳細は後述する予定ですが、これまでに解読できた結果を示します。また「十」は父系時代になって、「十:=男」は男が女を超えるものとして追加したものでしょう。

(上部)」:=わける(再掲。cf.17)
(下部)」:=立ち上がる人(再掲。cf.60)

」:=(職業別に)選別された女=>分けられた八歳女児=>八歳児=>八歳=>はち
」:=一本の男根(一本の棒)=>男=>女を超えた男=>十歳男児=>十歳児=>じゅう(再掲。意味修正。cf.12)

 余談ですが、九星占星術は母系社会時代に、女による女のための占いとして生まれたのでしょう。

」=「匕」+「刀」:=きる+かたな=>かたなできる=>切り刻む=>きざんだもの
」=「穴」+「切」:=ちいさな入れ物+きざんだもの=>小物入れの中のきざんだもの=>小さくして小物入れにしまう=>かくす=>かくしとる=>ぬすむ(「穴」cf.66)

 「乇」は第二画目が運筆の習慣から斜線ではありませんが、その骨格は「七+ノ」と考えられます。

」=「七」+「ノ」:=七歳女児+特別な=>特別に様子を見る七歳児=>特定者に身をあずけられた七歳児=>身を預けられたもの=>あずける/まかせる=>たくす
」=「扌」+「乇」:=引き取ったもの+様子を見る七歳児=>引き受けた七歳児(訓育する女児)=>ひきうけるもの=>受けるもの(「扌」cf.12)
」=「言」+「乇」:=言葉+たくす=>言葉にあずける=>言葉(ゆわれ)をよりどころとする=>ゆわれにたよる=>たよる/よる(「言」cf.66)
」=「馬」+「乇」:=うま+身をまかせる=>(砂漠で)身をまかせるうま=>らくだ(「馬」cf.33)

」=「宀」+「乇」:=いえ+様子を見る七歳児=>訓育児の収容所=>収容所=>共同の家=>いえ(cf.31)
」=「イ」+「宅」:=男の仕事+収容所=>収容所で働く男(男の世話を受ける女)=>ほこる/わびしい(「イ」cf.11)
」=「口」+「宅」:=ことば+収容所=>収容所での言葉=>しかる言葉=>しかる(「口」cf.37)
」=「言」+「宅」:=言葉+収容所の七歳児=>収容所の児童の言葉=>あやまる=>わびる(「言」cf.66)

 「侘」は預けられた男の「ほこる」気持ちと、預けられた女の立場での「わびしい」気持ちとの二つの意味の流れが康煕字典にあります。

 数字「七」「八」「九」の文字の解読から、母系社会での女児は七歳になると選別され、選ばれたものは職を得て八歳で成人を迎え九歳で職業訓練を終えますが、選ばれなかったものは教育収容所に預けられ、全く見込みがないと判断されると切り捨てられたと考えられます。
 人の歴史ではその時代に得られる食料の量と人口の間には非常に深い関係があるので、最高の自負を持った女が仲間を間引かなければならないほど、原始の世界では食料が貧しかったのです。


 次に「/」の会意として「亥」を示します。参考までに「亥」の辞書の解字を示しておきますが、手掛かりが全く得られません。

「亥」 解字:象形。豚の形にかたどる。豚の意。ひいて、いのししの意に用いる。また、借りて十二支の第十二位に用いる。

 特に「亥」の骨格が理解できず、巧妙に組み込まれた五画目の斜線に気付くまで長い間苦労しました。「亥」の意味の流れは途中で二つに分岐しています。

」=「亠」+「ヒ」+「/」+「人」:=かくれる+オス+きる+おとこ=>隠れるオスと隠れる男をきる=>きざむ=>きざんだもの=>ばらばらにした細かなもの(「亠」cf.51、「ヒ(逆y)」cf.49、「人」cf.54)
」=「亠」+「ヒ」+「/」+「人」:=かくれる+オス+きる+おとこ=>かくれるオスと男をきる=>かくれるオスや男=>かくれるいのしし=>いのしし

」=「亥」+「刂」:=きざむ+かたな=>かたなできざむ=>きざむ(「刂」cf.63)
」=「亥」+「力」:=きざむ+力持ち=>力のある男(役人)をきざむ=>罪を調べて(力のある役人を)きざむ=>役人を訴える=>罪を調べる(「力」cf.70)
」=「口」+「亥」:=くち+きざむ=>口がきざむ=>ごほんごほんいう=>せき(「口」cf.37)
」=「言」+「亥」:=ことば+きざむ=>戦場で手下に(逃げればきざむと)言い渡す言葉=>戦の後できざむ者=>きざまれる者=>そのもの=>それ(「言」cf.66、67)
」=「土」+「亥」:=とち+きざまれたもの=>(弱小部族により縄張りを)小さくきざまれたなわばり=>最はての地=>地ちのはて=>はて(「土」cf.19)
」=「木」+「亥」:=き+きざまれたもの=>たねがたくさん集まった実=>果実のたね=>たね(「木」cf.59)
」=「月」+「亥」:=からだ+きざまれたもの=>からだのきざまれた所=>足の指/ひずめ=>足の親指(「月」cf.45)
」=「骨」+「亥」:=骨+ばらばらの細かいもの=>(風化して)ばらばらになった骨=>ばらばらの白骨(「骨」cf.63)
」=「馬」+「亥」:=うま+きざむもの=>(食用に)きざむ馬=>臆病な馬=>すぐおどろく=>おどろく(「馬」cf.33)

 説文解字に載っている「該」の意味は「軍中で約束する」となっており、初期には戦場で男たちに「逃げたものは後で刻む」と脅したのでしょう。また、熟語の「該当:=刻む(刑)にあてはまる(値する)=>あてはまる」と変化したと考えられます。

 「亥:=きざむオス=>いのしし」ですが、いのししは囲碁の訓示にある「子を捨てて先を争う(小を捨てて大を取る)」を地で行く獣であり、子供を先に偵察させ危険を感知すると子供を残して逃げ延びる習性を持つそうで、このいのししを改良した豚は道徳的に世界中から嫌われています(別に、脂肪分の多い豚の肉は腐りやすく、食あたりし易いので食べるのを禁じたと言う説もあります)。
 参考:「遯」=「豚」+「辵」:=ぶた+あし=>豚のあゆみ=>ひたすらにげる=>にげる

***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「/」 解字:なし。
「メ」 解字:トの字のくずれたものという。借りて、意味は総計、合計の意に用いる。
「刈」 解字:「爼-且+刂」の解説:会意形声。意符の「爼-且」(両手で持って草をかる大はさみの形にかたどる)から成る。のち、さらに意符の刀が加えられた。草をたちきる道具、ひいて、草を「かる」意に用いる。

「凶」 解字:形声。意符の凵(口を開いた形。あるいは食器の形)と音符のメ(空っぽでむなしい形)とから成る。口の中に食物がない、飢饉、ひいて、「わるい」意に用いる。
「兇」 解字:形声。意符の儿(ちぢめた体)と音符の凶(おそれる意)とから成る。恐れて体を縮める意。
「匈」 解字:形声。意符の勹(つつむ意)と音符の凶(空っぽの意)とから成る。人体の空気を包み入れる空所、胸の意。胸の原字。
「胸」 解字:会意形声。意符の肉(からだ)と意符と音符を兼ねる匈(むねの意)とから成る。「むね」の意。
「詾」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の匈(さわがしい意)とから成る。騒がしく言い争う意。
「洶」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の匈(わきあがる意)とから成る。わきあがる水の意。

「窃」 解字:なし(旧字「竊」の解説)

「乇」 解字:なし。
「托」 解字:形声。意符の手(て)と音符の乇(おく意)とから成る。手にものを載せる意。
「託」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の乇(身を寄せる意)とから成る。言葉を寄せる意。ひいて、「よる」意に用いる。
「馲」 解字:形声。意符の馬(うま)と音符の乇(ふくろの意)とから成る。背に袋こぶのある動物、らくだの意。

「宅」 解字:形声。意符の宀(いえ)と音符の乇(身を寄せる意)とから成る。身を寄せて落ち着く、「いえ」の意。
「侘」 解字:形声。意符の人(ひと)と音符の宅(寄せておく意)とから成る。何かを頼りにしてほこる意。
「咤」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の宅(たっと舌打ちする擬声音)とから成る。舌打ちする意。
「詫」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の宅(ほこる意)とから成る。言葉で誇る意。

「刻」 解字:形声。意符の刀(かたな)と音符の亥(きざむ意)とから成る。刀で木にきざむ意。
「劾」 解字:形声。意符の力(つとめる)と音符の亥(事実を調べて明らかにする意)とから成る。骨を「咳」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の(せきばらいをする意)とからなる。口でせきばらいをする意。ひいて、「せき」の意味に用いる。
折って罪状を取り調べる、苦心して罪を調べる意。
「該」 解字:形声。意符の言(ことば)と音符の亥(やくそくの意)とから成る。軍中の約束の意。借りて、「かねる」意に用いる。
「垓」 解字:形声。意符の土(土地)と音符の亥(はての意)とからなる。国土のはての意。
「核」 解字:形声。意符の木(き)と音符の亥(外側のかたい殻の意)とから成る。外側をかたい木の皮で作った箱の意。借りて、殻に包まれた「さね」の意に用いる。
「胲」 解字:形声。意符の肉(にく)と音符の亥(大きいものの意)とから成る。足の親指の意。
「骸」 解字:形声。意符の骨(ほね)と音符の亥(みなことごとくかねる意)とから成る。体を支えているすべての骨の意。転じて、「むくの」の意に用いる。
「駭」 解字:形声。意符の馬(うま)と音符の亥(ふるいうつ意)とから成る。馬を打って驚かす意。ひいて、「おどろく」意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.「東」「西」「南」「北」の解読

 第59回紹介した「東」「西」の会意を追加と、「西」の別解を紹介し、また「南」「北」の解読を加えます。 辞書では「東」「西」「北」は象形、「南」は形声となっています。「東」を持つ会意文字は「柬」(cf.59)との混同で「東」の意味ではほとんど解読できません。既に示した「凍」は第64回を参照してください。

」=「木」+(融合)+「日」:=夫+ひと=>ご亭主=>(女の)左手に添い寝るもの=>(北枕で)ひがし側に寝るもの=>北枕のひがし側=>ひがし側=>ひがし(再掲。cf.59)
」=「阝」+「東」:=複数の+ご亭主=>たくさんの夫達=>(式典で女の地位に合わせて)並んだ夫達=>戦闘隊形の配列に並べる=>ならべる

 「陳」で考えられる戦闘の時の夫達の並び方は、位の低い者が多く前面の危険な位置となり、位の高い者が後方に陣取ったようです。西洋の戦闘では指揮者が先頭を切る場合が多く、アレキサンダ大王(神の子の宣託を受けていた)やナポレオンのように大将が勝ち進むのは非常にまれなようです。


 「西」の字に関しては「西」の中の「口」の使い方が偏、足、冠と異なり「串」(cf.38)のように「兀」と絡んでいる特殊な構成なのであえて別の解釈を追加します。

西」=「口」+「兀」:=(おんなの)ひと+一年目の女子=>乳呑児/零歳児=>(女の)右手に添い寝るもの=>(北枕の)にし側に添い寝るもの=>(北枕の)にし側=>にし(再掲。cf.59)
「西」=「兀」+「口」:=一歳児+くち=>一歳児の口=>乳を飲む口=>乳呑児(新生児、ゼロ歳児)=>(北枕の)にし側に寝かすもの=>北枕のにし側=>にし=>夕日の方角(「兀」cf.19、「口」cf.37)

」=「クサカンムリ」+「西」:=くさ+夕日色の花=>夕焼け色の花の草=>あかねぐさ=>あかねいろ(「クサカンムリ」cf.62)
」=「日」+「西」:=太陽+乳呑児(新生児)=>太陽に見せる乳呑児=>日光浴をさせる=>日にさらす=>さらす(「日」cf.45)
」=「口」+「西」:=くち+乳飲み子=>乳呑児の口=>ほほえむくち=>ほほえむ=>わらう=>あざわらう(cf.37)
」=「木」+「西」:=夫+乳呑児=>現在の夫の間にできた乳呑児=>一緒に住んでいる夫=>一緒に住む=>すむ(「木」cf.59)
」=「氵」+「西」:=みず+乳呑児(新生児)=>=>新生児用の水=>(産湯で)洗い清める=>あらう


 「南」「北」は領主の女に対面する男を使って、やはり対比の手法で表現し分けています。

」=「十」+「冂」+「ソ+一」+「十」:=男+体+まえ+男根=>男根を前に向けた男の体=>女に向かう男=>南側に位置する男=>南側=>みなみ(「十」cf.12、「冂」cf.31、「ソ+一」cf.35)
」=「南」+「犬」=>みなみ+いぬ=>(領主の)南側から差し出す犬=>領主に献上するいぬ=>けんじょうするもの=>ささげる(「犬」cf.13)
」=「木」+「南」:=みなみ+き=>南に植える木=>芳香のある神妙な木=>くすのき(「木」cf.59)
」=「口」+「南」:=くち+女に向かう男=>面と向かった男の口=>もぞもぞいう=>口ごもってしゃべる=>(ぺちゃくちゃ)しゃべる(「口」cf.37)
「諵」=「言」+「南」:=言葉+女に向かう男=>面と向かった男の言葉=>もぞもぞいう=>口ごもってしゃべる=>(ぺちゃくちゃ)しゃべる(「言」cf.66,67)



」=「ソ+一(縦型)」+「ヒ」:=まえ+おとこ=>男のまえ=>男の正面=>北側=>きた=>(女の)せなか側=>はいご(「ソ+一」cf.35)

 「北」の偏「ソ+一」の縦型は第35回でその意味を抽出しただけですが、この形については後に詳しく述べます。

]=「北」+「月」:=はいご+体=>からだのはいご=>せなか(cf.)

 文字の解読から、東側に「東=>夫であるお方」、西側に「乳飲み子」を配置した位置関係が示されています。従って、母系社会の女は夜間北を枕として、東側に夫を、西側に乳飲み子を配置する習慣であったと考えられます。
 北を枕とする習慣は、中国父系社になって「北枕=死者を寝かす方向」と定め、かつての女による被支配的習慣を否定しています。

 文字の解読から、正式な場での昼間は世界の中心である北極星を背にして女領主が北側に立ち、男は北を向いて女に対面したと考えられます。従って「北」は男の顔を向ける方向であり、「南」は男の占める位置なります。
 この名残は中国の父系社会になっても引き継がれ、封建領主は太陽を背にして南に向かって臨み、「北面」とは家来や弟子の座を意味します。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「陳」 解字:形声。意符の阜(おか、やま)と音符の申(東は誤り変わった形)とから成る。陳(国名)の都の名。借りて、ならべる意に用いる。

「西」 解字:象形。酒を絞るかごの形にかたどる。酒を絞り垂らすかごの意。借りて、太陽が垂下する(沈む)方向、「にし」の意に用いる。
「茜」 解字:形声。意符の艸(くさ)と音符の西(あかねの意)とから成る。あかねぐさの意。
「晒」 解字:なし(旧字「曬の解説)。
「哂」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の西(はぐきの意)とから成る。はぐきをだす、「わらう」の意。
「栖」 解字:なし(本字「棲」の解説)。
「洒」 解字:形声。意符の水(みず)と音符の西(あらう意)とから成る。水で「あらう」意。

「南」 解字:形声。意符の??(十は変わった形、とばりの意)と音符の??(「南-十」は変わった形)とから成る。とばりの中が暖かい意。借りて、日当たりがよく暖かい方角、「みなみ」の意に用いる。
「献」 解字:なし(旧字「獻」の解説)。
「楠」 解字:形声。意符の木(き)と音符の南とから成る。枏の俗字とされる。
「喃」 解字:形声。意符の口(くち)と音符の南(口の中にこもったしゃべり声の擬声音)とから成る。口ごもりつつしゃべる意。転じて、ぺちゃくちゃしゃべる意に用いる。
「諵」 解字:喃の別字体。

「北」 解字:象形。二人の人が互いに背を向かい合っている形にかたどる。古代には、家は南向きに建てられ、人も南向きに座ったが、逆に、暗い日陰の方向には背が向くことになるので、背く意となり、また、背のむく方角、「きた」の意味となった。
「背」 解字:形声。意符の肉(からだ)と音符の北(そむく意)とから成る。体をそむけた反対側、「せ」の意。ひいて、「そむく」「そむける」意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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【2008/12/30 21:44】 | 漢字解読3 | TRACKBACK(0) | COMMENT(6) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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