象形文字の秘密
漢字の解読

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派生部首の解読 その2 /67

 今回はまだ会意文字を紹介していない「言」「莫」「高」と、新たな部首「黄」の解読とその会意文字を紹介します。


1.「言」の会意文字

 「言」の会意は非常に多いのでこの項で別に紹介します。以下のすでに解読の終えたものは、前を参照してください。ただし、「記」は少し修正します。

「誒」(cf.14)、「訂」(cf.21)、「訴」(cf.22)、「誇」(cf.27)、「記」(cf.31)、「詈」(cf.48)、「詆」(cf.50)「請」(cf.51)、「訪」(cf.51)、「誶」(cf.52)、「訝」(cf.52)、「信」(cf.54)、「訥」(cf.54)、「訖」(cf.54)、「許」(cf.54)、「誣」(cf.55)、「詇」(cf.56)、「誅」(cf.59)、「諫」(cf.59)、「談」(cf.61)、「講」(cf.62)、「謇」(cf.62)、「誂」(cf.64)、「諮」(cf.64)、「診」(cf.65)、


 「言」を持つ会意文字の要素は、4種に分類できます(上の解読の終えたものも分類します)。
1型.いろいろなひとの言葉 「訂」「訴」「詈」「詆」「請」「誶」「信」「許」「誣」「詇」「詇」「誅」「誂」「諮」
2型.ひと以外のものの言葉 「訝」「訥」「講」「診」
3型.言葉それ自身の内容  「誒」「誇」「訖」
4型.言葉の話される状況  「訪」「談」「謇」

 「言」は第66回の解読の再掲から始め、1型の「言葉を発するひと」との会意から順に示してゆきます。「詬」までは女が主体、「訶」以下は男が主体です。

」=「亖」+「口」:=ふたつづつのもの+おんな=>二人づつの女=>話し合う女=>ことば

」=「九」+「言」:=完成された女+ことば=>完成された女の言葉=>人にせまり来るもの=>せまる(「九」cf.18)
」=「言」+「ナ」+「乙」:=ことば+ころも+おとめ=>衣を着た乙女の言葉=>(聴いて)学ぶ人の言葉=>たずねる(「ナ」cf.、「乙」cf.18)
」=「言」+「主」:=ことば+隠れたひと=>隠れたひとの言葉=>書き伝える言葉=>(釈明を)しるしたもの=>ときあかす(「主」cf.51)
」=「言」+「己」=>ことば+はじめ=>初めの言葉=>記憶に刻まれるもの=>忘れないもの=>記録されたもの=>きろくする=>しるす(訂正。cf.31)
」=「言」+「后」:=ことば+反り返る女=>高慢な女の言葉=>はずかしめる=>はじ(「后」cf.41)

」=「言」+「可」:=ことば+仕事をする男=>仕事のできる男の言葉=>弟子をしかる=>しかる(「可」cf.40)
」=「言」+「工」:=ことば+男技術者=>男技術者のことば=>もめる(「工」cf.21)
」=「言」+「十」:=ことば+おとこ=>男の言葉=>(男の)能力を察するもの=>みつもる=>はかる=>かぞえる(「十」cf.12)
」=「言」+「売」:=ことば+(ベールを被った)物売りの男子=>ものを売るときの言葉=>棒読みの発音=>よむ(「賣」cf.60)
」=「言」+「若」:=ことば+若い男達=>若い男達の言葉=>うなずく=>ひきうける(「若」cf.62)
」=「言」+「隹」:=ことば+とんでいる若い男=>とんでいる若い男の言葉=>調子の不安定な言葉=>誰か分からない=>だれかの言葉=>だれ(「」cf.33)
」=「言」+「干」:=言葉+犯罪者=>犯罪者の言葉=>あばく(「干」cf.19)
」=「言」+「成」:=ことば+足の武器/道具=>足のプロテクタ(褒美?)を着けた男の言葉=>誠実な男=>まこと(「成」cf.30)
」=「言」+「斤」:=ことば+反り返る男=>反り返る男の言葉=>自慢する男の言葉=>よろこぶ(「斤」cf.22)
詿」=「言」+「圭」:=ことば+男達=>男達の言葉=>俗語を話すもの=>悪い影響を及ぼす=>巻き添えにする=>たばかる(「圭」cf.23)
」=「言」+「化」:=ことば+普通の男を世話する男=>やっと他人の面倒が見られる男の言葉=>あやしい言葉=>なまった言葉=>なまる(「化」cf.49)
」=「言」+「者」:=ことば+年取ったひと=>老人のことば=>いろいろの意見=>いろいろのもの=>もろもろ(「者」cf.45)

 次は2型の「ひと以外の言葉」との会意です。主体が一般に体の部分ですが、「訃」は例外です。

」=「言」+「舌」:=ことば+した=>言葉を生む舌=>はなす(「舌」cf.39)

」=「言」+「冋」:=ことば+女の体=>体の言葉=>ボディランゲージ=>本音を漏らす=>密告する(「冋」cf.38)
」=「言」+「牙」:=ことば+きば=>きばの言葉=>(初期には敵意を後には作り笑いを示す)きばを見せた言葉=>迎える言葉=>むかえる=>いぶかる(「牙」cf.52)
」=「言」+「ト」:=ことば+うらなう=>占いの言葉=>つげる(「ト」cf.54)

 次は3型の「言葉それ自身の内容」との会意です。

」=「言」+「非」:=言葉+いけない=>いけないこと=>そしる(「非」cf.12)
」=「言」+「甬」:=ことば+必要なもの=>必要な言葉=>声をだしていう=>となえる(「甬」cf.25)
」=「言」+「正」:=ことば+ただし=>正しい言葉=>あかしとなる言葉=>あかし(「正」cf.20)

 次は4型の「言葉の話される状況」との会意です。

調」=「言」+「周」:=ことば+まわりの=>まわりの言葉=>皆の意見=>聞いて回る=>しらべる(「周」cf.41)
」=「折」+「言」:=反り返る手+言葉=>(武器のないことを示す)掌を見せていう言葉=>敵意のない言葉=>誠実に約束する=>ちかう(「折」cf.22)
」=「言」+「公」:=ことば+みんなのもの=>皆にうったえる言葉=>おおやけにうったえる=>あらそう(「公」cf.17)
」=「門」+「言」:=いくさ+ことば=>ことばであらそう=>ぎろんする(「門」cf.65)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「訄」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の九(きわめる意)とから成る。言葉できわめる、「せまる」意。
「訊」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の卂(とう、たづねる意)とから成る。言葉でとう意。
「註」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の主(あきらかの意)とから成る。言葉の意味などをあきらかにする意。
「記」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の己(記す意=識)とから成る。言葉をしるす意、ひいて「しるす」意に用いる。「訖」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の乞(おわる意)とから成る。話し終わる意、ひいて「おわる」意に用いる。
「詬」 解字:形声。意符の言(言葉)と、音符の后(けがす意)とから成る。言葉でけがす、「はずかしめる」意。

「訶」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の可(おおきい意。また、せめる意)とから成る。大きな声でせめる、「しかる」意。
「訌」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の工(せめる意)とから成る。言葉でせめあう、「もめる」意。
「計」 解字:会意。意符の言(ことば)と、意符の十(かず)とから成る。言葉で数を調べる、「かぞえる」意。
「読」 解字:ナシ。旧字「讀」の解説。
「諾」 解字:形声。意符の言(ことば)と、意符と音符を兼ねる若(口で素直にいう意)とから成る。ことばで素直に従う、「うべなり」の意。
「誰」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の隹(だれかととう意)とから成る。未知のひとについて「だれ」と尋ねる意。
「訐」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の干(えぐりだす意)とから成る。人の秘密などをえぐり出していいたてる、「あばく」意。
「誠」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の成(ぴったり合う意)とから成る。言葉とぴったりあった心、「まこと」の意。
「訢」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の斤(よろこぶ意)とから成る。言葉に出してよろこぶ意。
「詿」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の圭(あやまる意)とから成る。ことばによって人を誤らせる、人を巻き添えにする意。
「訛」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の化(いつわりの意)とから成る。偽りの言葉、「うそ」の意。
「諸」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の者(もろもろの意)とから成る。口数が多い意。ひいて、「もろもろ」の意に用いる。

「話」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の??(舌は変わった形。よい意)とから成る。昔から伝わる良いことばの意。ひいて、「はなし」「はなす」意に用いる。
「詗」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の冋(うかがう、さぐる意)とから成る。探り知ったことを告げる、密告する意。
「訝」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の牙(むかえる意)とから成る。出迎えてねぎらいの言葉をかける意、展示て「いぶかる」意に用いる。
「訃」 解字:角川大現字源に題字なし。「つげる」の意は康煕字典による。

「誹」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の非(そしる意)とから成る。ことばで「そしる」意。
「誦」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の甬(となえる意)とから成る。ことばで「となえる」意。
「証」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の正(明白にする意)とから成る。明白に事実を申告する、あかしの言葉をいう意。借りて、「あかし」の意に用いる。

「調」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の周(和合する意)とから成る。口をきいて人とちととの間を和合させる、転じて、「しらべる」意に用いる。
「誓」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の折(とりきめる意)とから成る。ことばで取り決める、「ちかう」意。
「訟」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の公(あらそう意)とから成る。言葉であらそう意。ひいて、「あらそう」意に用いる。
「」 解字:形声。意符の問(門は省略形。口で相手をせめただず)と、音符の言(やわらぎよろこぶ意、また、論争する意)とから成る。和らぎ喜んで人と論争する意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.「莫」の解読とその会意文字

 「莫」は次に示すように「覆い隠す」意味ですが、「幕」「墓」「暮」「蟇」のように冠のように上に付けて形と意味が一致する構成を持たせているのが特徴です。

」=「クサカンムリ」+「日」+「大」:=男達+ひと+おおきい=>大きい男の人達=>(女に)おおいかぶさるもの=>おおいかくすもの=>覆い隠す(「クサカンムリ」cf.35)
」=「莫」+「巾」:=覆い隠す+ぬの=>覆い隠す布=>たれまく=>まく(「巾」cf.34)
」=「氵」+「莫」:=みず+覆い隠す=>水を覆い隠す=>水のない土地=>すなはら
」=「月」+「莫」:=からだ+覆い隠す=>体で(内臓を)覆い隠すもの=>腹膜=>まく(「月」cf.45)
」=「宀」+「莫」:=いえ+覆い隠す=>家に覆い隠す=>息を殺して隠れる=>ひっそりとする(「宀」cf.31)
」=「木」+「莫」:=おっと+覆い隠す=>夫を覆い隠す=>大切な男を隠す=>人情的習慣(対嫉妬心)=>規範=>かた(「木」cf.59)
」=「扌」+「莫」:=て+覆い隠す=>覆い隠した手=>さぐる手=>さぐる(「扌」cf.12)
」=「扌」+「莫」:=て+覆い隠す=>手で覆い隠す=>手中に握り持つ=>掌中に持つ=>もつ
」=「犭」+「莫」:=けもの+覆い隠す=>(謎で)覆い隠された獣=>(想像上の)得体の知れないけもの=>(夢を食う)ばく(「犭」cf.13)
」=「疒」+「莫」:=やまい+覆い隠す=>覆い隠す病=>病を隠して振舞う=>やんでいる(「疒」cf.23)
」=「莫」+「虫」:=覆い隠す+むし=>(いぼで)覆い隠されたむし=>ひきがえる(「虫」cf.38)
」=「莫」+「土」:=覆い隠す+土=>(死体を)土で覆い隠す=>はか(「土」cf.19)
」=「莫」+「日」:=覆い隠す+日=>日を覆い隠す=>太陽を覆い隠す=>くれる(「日」cf.45)
」=「言」+「莫」:=ことば+覆い隠す=>言葉を覆い隠す=>ひそかに思案する=>はかりごと=>はかる(「言」cf.39)


 「摸」は手で隠すと、手を隠すの両方の意味が残っています。また、「模型」の「模」がテヘンで手の中に隠せる意味でなかったかと推測できます。「墓」の字も「土」の別の意味「土:=ひと」で、「ひとを覆い隠す」と解釈することもできます。

***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「莫」 解字:形声。意符の日(ひ)と、音符の??(「クサカンムリ+大」は変わった形。ない意)とから成る。太陽が見えなくなって暗くなるころ、日暮れの意。暮れるの原字。借りて、「ない」の意に用いる。
「幕」 解字:形声。意符の()と、音符の(意=)とから成る。意に用いる。
「漠」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の莫(ない意、または覆われる意)とから成る。水分がなく、砂ぼこりに覆われているところの意。
「膜」 解字:形声。意符の肉(からだ)と、音符の莫(まく、つつむ意)とから成る。皮膚と肉の間にある、体を包む膜の意。ひいて、膜の意に広く用いる。
「寞」 解字:形声。意符の宀(いえ)と、意符と音符を兼ねる莫(ひっそりとして静かな意)とから成る。家の中がひっそり静まりかえる意。
「模」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の莫(かた・のりの意)とから成る。木で作った型、木型の意。
「摸」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の莫(捜し求める意)とから成る。手で捜し求める、さぐる意。
「獏」 解字:形声。意符の犭(けもの)と、音符の莫とから成る。獣の名。
「瘼」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符の莫(おかす意)とから成る。病気に冒される、やむ意。
「蟇」 解字:形声。意符の虫(小生物)と、音符の莫(みにくい意)とから成る。形の醜悪な小生物、ひきがえるの意。
「墓」 解字:形声。意符の土(つち)と、音符の莫(おおう意)とから成る。土で覆った所、「はか」の意。
「暮」 解字:形声。意符の日(ひ)と、音符の莫(意=)とから成る。意に用いる。
「謨」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の莫(はかりもとめる意)とから成る。相手の言葉をはかり求める、「はかる」意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「高」とその会意文字

「高」の会意文字の紹介です。改めて追求してみると、人の要素との会意文字は「たかいもの」というよりその原義に近い「のびたもの」の意味を持っており、第51回に紹介した解読内容を少し修正します。

」=「亠」+「口」+「冋」:=隠す+産道口+女の体=>腰を隠した女の体=>腰の伸びた体/姿勢の良い体=>のびたもの/たかい(再掲。修正あり)

」=「牛」+「高」:=若い男+姿勢の良い体=>姿勢の良い男子=>仕事をする男子=>仕事をほめる=>ねぎらう(「牛」cf.12)
」=「木」+「高」:=くさ+のびたもの=>背の高いくさ=>かれるくさ=>かれる(「木」cf.59)

稿」=「禾」+「高」:=あわ+のびたもの=>あわのながい茎=>(寝床に)しいて使うわら/わら=>しくもの=>写す下書き=>したがき(「禾」cf.11)
」=「火」+「高」:=ひ+のびたもの=>のびた炎=>熱いところ=>ねつ/あつい(「火」cf.61)
」=「土」+「高」:=つち+のびたもの=>つみあがる土=>かたい土=>かたい(「土」cf.19)
」=「扌」+「高」:=て+のびたもの=>伸ばした手=>横にたたく手=>よこなぐり(意味は康煕字典による)(「扌」cf.12)
」=「氵」+「高」:=みず+のびたもの=>降るみず=>あめ=>ながあめ(意味は説文解字による)
」=「口」+「高」:=くち+のびたもの=>縦にのびたくち=>伸びた声=>尾を引く叫び声=>厳しく大きな声(「口」cf.37)
」=「糸」+「高」:=いと+のびたもの=>伸びた糸=>細いくびれを持つ糸=>(太い所が)しまのようなこぶをもつ糸=>しまもよう=>しま(「糸」cf.49)
」=「言」+「高」:=言葉+伸びたもの=>たかくのびる言葉=>たかくほえる=>さけぶ
」=「高」+「欠」:=伸びる+口をあける=>のどを伸ばして口をあける=>暑くて息苦しい=>あつい(「欠」cf.5)
」=「竹」+「高」:=たけ+上にのびたもの=>のびたたけ=>ふなざお(「竹」cf.54)


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「犒」 解字:形声。意符の牛(うし)と、音符の高(もてなす意)とから成る。牛肉などを送ってもてなす、「ねぎらう」意。
「槁」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の高(かれる意)とから成る。木が枯れる、また、枯木の意。
「稿」 解字:形声。意符の禾(いね)と、音符の高(たかくうえに伸びる意)とから成る。茎が高く上に伸びた稲、借りて、「下書き」の意に用いる。
「塙」 解字:形声。意符の土(つち)と、音符の高(つよい、かたい意)とから成る。土が「かたい」意。
「熇」 解字:形声。意符の火(ひ)と、音符の高(きびしい意)とから成る。火気が厳しい、熱い意。
「搞」 解字:ナシ。
「滈」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の高とから成る。もと、川の名。
「嗃」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の高(鋭い声の擬声音)とから成る。厳しく大きな声の意。
「縞」 解字:形声。意符の糸(きぬ)と、音符の高(鮮やかに白く輝く意)とから成る。鮮やかに白い輝きのある絹、白絹の意。
「謞」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の高(ながく大きい声で叫ぶ意)とから成る。高い声で長く叫び呼ぶ意。
「歊」 解字:形声。意符の欠(口を開いた形)と、音符の高(たかい意)とから成る。開いた口から高く気が立ち上がる意。
「篙」 解字:形声。意符の竹(たけ)と、音符の高(船を渡す意)とから成る。船を進める竹ざお、ふなざおの意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4.「寅-宀」の解読とその会意文字

この項では「寅」と「黄」の解読とその会意文字の紹介です。辞書では「寅」連想の困難な「矢」と「臼」の会意、部首とされる「黄」は象形となっています。「黄」の字形は省略形になっていますが、その会意文字達から元は上が「廿」で下が「寅-宀」と考えられます(以下活字がないので省略形の「黄」で代用します)。

「寅」 解字:会意。意符の矢(や)と、意符の臼(てを組む意)とから成る。両手で矢の曲がりをまっすぐに伸ばす意。借りて、十二支の第三位に用いる。
「黄」 部首解説:これを部首にして、きいろに関する意を表す文字ができているが、数はきわめて少ない。
解字:象形。先端に火をつけ後ろに釣り合いをとるための錘をつけた火矢の形にかたどる。火の光を放つ火矢の意。引いて「きいろ」の意に用いる。


画-凵」=「一」+「由」:=体+上に伸びるもの=>あごを出す体=>妊娠した体=>はらむ(再掲。cf.35)
寅-宀」=「画-凵」+「ハ」:=妊婦+立ち上がるひと=>立ち上がる妊婦=>動き回る妊婦=>妊婦(「ハ」cf.17)
」=「宀」+「寅-宀」:=いえ+動き回る妊婦=>家の中で動き回る妊婦=>野生的に振舞う気の立ったひと=>獰猛なひと=>獰猛なもの=>とら(「宀」cf.31)
」=「氵」+「寅」:=みず+とら=>水浴びするとら(水浴びする気の立った妊婦)=>気持ちよさそうな表情=>表情を作る=>えんじる

 「画:=妊娠した犬=>引き離す=>くぎる」の所でも述べましたが、妊娠中の動物(女も同じ)は気が立っていて危険です。また、インドでトラが泉に入る記録映画を見たことがありますが、怖いトラの気持ちよさそうな表情が忘れられません。


」=「廿」+「寅-宀」:=乳房+妊婦=>妊婦の乳房=>黄色くなるもの=>きいろ=>き(「廿」cf.35)
」=「木」+「黄」:=おっと+妊婦=>妊婦に付き添う夫=>横でまもる夫=>よこ(「木」cf.59)
」=「黄」+「冘」:=妊婦の黄色い乳房+下に引かれるもの=>経産後の垂れた乳房=>横暴な態度=>たけだけしい(「冘」cf.31)
」=「黄」+「主」:=妊婦の黄色い乳房+隠れた主=>孕んで隠れた女主人=>黄色の目立つ乳房=>きいろ=>き(「主」cf.51)

」=「广」+「黄」:=いえ+妊婦=>妊婦の(優遇された)家=>ひろい家=>ひろい(「广」cf.23)
」=「糸」+「廣」:=いと+ひろい=>広がった糸=>わた(「糸」cf.49)
」=「土」+「廣」:=つち+ひろいもの=>(雑草を刈ってむき出しにした)ひろい地面=>墓穴を作る地面=>はかあな(「土」cf.19)
」=「日」+「廣」:=ひ+ひろもの=>広がる日=>昼間のひ=>あきらか(「日」cf.45)
」=「弓」+「廣」:=ゆみ+ひろいもの=>ひろいゆみ=>ひいた弓(「弓」cf.61)
「鐄」=「金」+「廣」:=きんぞく+ひろいもの=>広がった金属=>岩石中に広がり散在する金属=>こうぶつ
」=「犭」+「廣」:=けもの+小屋の中の身ごもったもの=>小屋の中で孕んで気を立てたいぬ=>あらあらしい犬=>あらあらしい(「犭」cf.13)
」=「氵」+「廣」:=みず+ひろい=>ひろみず=>川幅のある流れ=>広く深い流れ
」=「扌」+「廣」:=て+ひろい=>てをひろげる=>ひろげる(「扌」cf.12)

 「廣」「擴」「鐄」 は現在各々省略形「広」「拡」「鉱」が使われています。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「横」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の黄(ふせぐ、とめる意)とから成る。門の扉をとめるかんぬきの意。かんぬきがよこになっていることから、ひいて、「よこ」の意に用いる。
「黆」 解字:形声。意符の冘(沈の省略形。しずむ、おちつくの意)と、音符の黄(武勇の備わっている意)とから成る。沈着で武勇の備わっている意。
「黈」 解字:形声。意符の黄(きいろ)と、音符の主(くっつける意)とから成る。冠のわきに付けて耳をふさぐ黄色の綿、耳ふさぎの意。ひいて、きいろの意に用いる。

「廣」 解字:形声。意符の广(前方の開いた家)と、音符の黄(がらんとしてなにもない意)とから成る。四方に壁のない、屋根の大きい建物の意。
「」 解字:形声。意符の糸(わた)と、音符の廣(加工していない意)とから成る。木から採取したばかりで加工していない綿、新しい綿の意。
「壙」 解字:形声。意符の土(つち)と、音符の廣(がらんとひろい意)とから成る。土の中のがらんと広い所、墓穴の意。
「曠」 解字:形声。意符の日(ひ)と、音符の廣(ひかる意、または、ひろい意)とから成る。日の光が広く光る、「あきらか」の意。
「彍」 解字:形声。意符の弓(ゆみ)と、音符の廣(ひろげる意)とから成る。弓をはる意。
「鐄」 解字:形声。意符の金(きんぞく)と、音符の廣(てのはいっていない意)とから成る。銅、鉄などの未精錬]の鉱石、「あらがね」の意。
「」 解字:形声。意符の犬(いぬ)と、音符の廣(あらあらしい意)とから成る。荒々しい犬の意。
「」 解字:会意形声。意符の水(みず)と、意符と音符を兼ねる廣(ひろい意)とから成る。水の広々と深い意。
「擴」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の廣(ひろげる意)とから成る。手で引っ張ってひろげる意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****


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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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