象形文字の秘密
漢字の解読

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複合文字の解読(その4) /65

 今回は複合型の最後で「彡」「門」「鬥」を解読します。


1.13 複合型「彡」サンズクリ

「彡」と「毛」の辞書の解説を見てみましょう。

「彡」 部首解説:これを部首にして美しい彩り。模様・かがやき・飾りなどに関する意をあらわす文字ができている。「けかざり」「かみかざり」ともいう。
「彡」 解字:象形。筆で書かれた跡の、毛さきのそろった形にかたどる。筆できちんと書かれた彩の意。
「毛」 部首解説:これを部首にして、毛の性質・状態・製品などに関する意を表す文字ができている。
「毛」 解字:象形。毛髪を上向きにかいた形にかたどる。人間や動物の体の表面を覆うもの、「け」の意。

 「彡」が象形であることは大目に見るとしても、「毛」も象形となっていることには納得できません。「彡」が「け」の意味を持っていることが確かなようです。一方、本解読の初めに「ノ」は多くの文字から共通な意味として「特別な」という意味を引き出しました(cf.11)。まづ「ノ」と「彡」の形は同じ仲間と考えます。
 以上の事柄と今までの知識とから全体を整理すと次のようになります。

」:=一本の毛(象形)=>けのはえたもの=>ちょっと成長したもの=>特別のもの=>特別な
」=「ノ」+「ノ」+「ノ」:=け+け+け=>たくさんのけ=>け
」=「彡」+「L」:=け+女の特性=>おんなのけ=>け(「L」cf.19)

 これらの「ノ」「彡」「毛」は、同じ「け」をあらわす文字が時代と共に次第に進化しした跡を示しています。

 「ノ」と「彡」の中間の「彡-ノ」を探すと「衆」「聚(後述)」の中にあります。これから「衆」「聚」の全体が解読できなくても「彡-ノ」の意味が推測できます。

彡-ノ」(「ノ+ノ」)=たくさんの毛-一本の毛=>まだらに生えた毛を持つもの=>生えかかった毛をもつもの=>半人前のもの=>中途半端なもの

衆-血-(彡-ノ)」=「イ+逆y」:=仕事をする男+ただの男=>男達(「イ+逆y」cf.50)
衆-血」=「彡-ノ」+「イ+逆y」:=生えかかった毛を持つもの+男達=>毛の生え出した男達
」=「血」+「衆-血」:=ち+毛の生え出した男達=>血の気の多い男子達=>無法の男達=>おとこしゅう=>おおい(「血」cf.48)

 「彡-ノ」の展開が少ないためか、前回紹介した「冫」がその変形として「彡-ノ」で表現される混同が生じたと考えられます(例えば「搦」cf.64))。
 改めて「彡」を持つ会意文字を解読します。

」=「木」+「彡」:=き+け=>毛のある木=>すぎ
」=「形-彡」+「彡」:=処刑される男達+け=>受刑者の毛=>伸び放題の毛=>千差万別の生え方=>毛の生えるかたち=>かたち(「刑-刂」cf.62)
」=「彡」+「頁」:=たくさんの毛+堅物の賢者=>毛深い賢者=>顔の毛=>ひげ(「頁」cf.60)

 名前を持たない時代の男達は、「毛の生えた形」で区別されたのでしょう。「形」「須」の字から考えると、アラブの男がひげを大切にするのは自己主張ばかりでなく、特に一卵性双生児が成長期に悩むアイデンティティ(他人との区別)を再確認する意味もありそうです。
 また、他人は名前を忘れても体毛形の記憶で思い出す方が正確で早かったのでしょう。

」=「周」+「彡」:=まわり+け=>まわりのけ=>まわりに盛り上がるもの=>掘り起こしたまわり=>ほりおこすもの=>ほる(「周」cf.41)

」=「日」+「京」:=おんな+みやこ=>都のおんな=>あでやかなもの=>かがやいているもの(「京」cf.51)
」=「景」+「彡」:=都のおんな+け=>都の女の毛=>そって細くした(まゆ)毛=>ふちにかげのあるもの=>ふちのかげ=>かげ

 第59回では「林」の解読を紹介するのを忘れましたので追加しておきます。意味の移り変わりには「夫達」「草樹木」の二つの流れがあります。「木」の古い意味「夫達」がわからないと、「彬」の意味が理解できないのです。後の時代に使われる「植物の木」を意味する「林」は直感的に理解可能です。

」=「企-止」+「十」:=立ち上がる男+男=>立派な男=>夫=>立っているだけの代用参加者=>立っているだけのもの=>植物=>き(再掲。「木」cf.59)
」=「木」+「木」:=夫+夫=>夫達
」=「木」+「木」:=き+き=>きぎ=>はやし
」=「林」+「彡」:=夫達+毛深いもの=>毛深い夫達=>選ばれた男達=>見た目と質の優れたもの(質実剛健なもの)=>すぐ見分けられるもの=>違いのはっきりしたもの=>あきらかなもの=>あきらか

」=「尤」+「彡」:=衣を着た女+毛の多いもの=>毛深い女=>毛深いもの=>むくいぬ(「尤」cf.51)
」=「厂」+「尨」:=かがむ+毛深い女=>(敵意で構えて毛を逆立て)身をかがめた毛深い体=>おおきなもの=>おおきい(「厂」cf.23)

 「尤」と「彡」の合成の意味は「体毛を着たもの」を連想させ、むくいぬノイメージにぴったりです。また 「尨」(ボウ)は「説文解字」の意味がすでに「毛深い犬」の意味になっており、女の意味が消えているので、この時代にすでに解字は困難となっているようです。


」=「彡」+「辵-彡」:=け+あし=>毛深い(動物の)足=>早くはしる足=>早くすすむ=>すすむ=>ゆく(「辵-彡」cf.20)
」=「車」+「辵」:=くるま+すすむ=>車のすすみ=>つながったわだち=>つながる(「車」cf.24)
」=「軍」+「辵」:=覆った車+すすむ=>軍隊の進行=>軍需品をはこぶ=>はこぶ(「冖」cf.34)
」=「周」+「辵」:=まわり+すすむ=>まわりをすすむ=>めぐる=>(「周」cf.41)

」=「隹」+「辵」:=とんでる若者/とり+すすむ=>鳥がすすむ=>すすむ(「隹」cf.33)
」=「禺」+「辵」:=男を産んだもの+すすむ=>肩身の狭いもののあゆみ=>身を隠しながらすすむ=>であってしまう=>であう=>あう(「禺」cf.38)
」=「述-辵」+「辵」:=特別な夫+すすむ=>女の言葉を伝えあるく夫=>繰り返し復唱する=>何度も言う=>のべる(「ホ+`」62追加)
」=「首」+「辵」:=私の正面+すすむ=>すすむさき=>みち(「首」cf.48)

還-辵」=「罒」+「一+口」+「イ+逆ヒ」:=のろう+女のひと+男達=>男たちを連れた女がのろう=>車座になる=>わになる(「罒」cf.48、「一+口」cf.41、「イ」cf.54、「逆ヒ」cf.49)
」=「還-辵」+「辵」=わになる+すすむ=>輪になってめぐる=>ぐるぐるまわる=>まわる

」=「斤」+「辵」:=反抗する男+すすむ=>反抗する男のすすみ=>近寄ってくる=>せまりちかずく=>ちかい(「斤」cf.22)

遠-辵」=「土」+「口」+「イ」+「逆y」:=ひと+女+働く男+ただの男=>女と男たちの部族=>遠くに住む部族=>遠くの部族(cf.52)、
」=「遠-辵」+「辵」:=遠くの部族+ゆく=>とおくの部族へゆく=>とおい

 「辵」の省略形は三画と四画の二つがありますが、草書の形からみて最初四画となり、次第に三画になったと考えられます。

 以下「辵」に関する辞書の部首解説と解字とを示します。特にこの解字の内容から察すると、現在解読している当ブログの内容は中国の書かれた記録からは読み取ることが不可能であると考えられます。 

「辵」部首解説:これを部首にて、行く・進む・動く・隔たる、また、道など、足による動作に関する意を表す文字ができている。
    解字:会意。意符の彳(彡は変わった形。行の左半分の形と、意符の止(「辵-彡」は変わった形。あしあと、とどまるの意)とからなる。道を歩いたりとどまったりする意。  

 これまで辵は会意文字の紹介に多く利用してきました。以下の文字はすでに解読を終えていますので前を参照してください。ただ、これまで「辵」の意味を漠然と「あし」の意味に解釈していましたが、「すすむ」または「ゆく」に置き換えてください。
迄(cf.54)、逆(cf.35)、退(cf.50)、追(cf.43)、逃(cf.64)、通(cf.25)、逮(cf.64)、過(cf.63)、逹(cf.62)、遮(cf.61)、遡(cf.35)、選(cf.62)、遼(cf.58)、速(cf.59)。


診-言」=「个-|」+「彡」:=おとこ+け=>おとこのけ=>男子の陰毛=>陰毛=>ひげ=>口ひげ=>(男の)くち=>もごもごしたもの
」=「言」+「診-言」:=ことば+(もごもごした)くち=>発音の崩れた言葉=>聞きなおす=>確かめる=>確認する=>みなおす=>みる

」=「王」+「珍-王」:=最高のもの+男の陰毛=>すばらしい股間の男=>とうとい=>めずらしい=>こっけいな
」=「糸」+「診-言」:=いと+陰毛=>陰毛のような糸=>ちぢれた糸=>ねじれる=>ねじる(「糸」cf.49)
」=「歹」+「診-言」:=死体+毛深い男=>毛深い男の死=>(劣性遺伝で遺伝)形質がたえる=>たえる/つきる(「歹」cf.55)

 地上の人間の最適適応範囲は亜熱帯から温帯であるといわれています。原始時代に北方に追われ寒さに対応した多毛な民族と、温暖な最適地域を占めた優秀な民族では毛の濃さが違うようです。温暖な地域での多毛者は劣性遺伝と考えられます。

」=「疒」+「診-言」:=やまい+くち=>くちびるのやまい=>くちびるのできもの=>はしか(「疒」cf.64)
」=「氵」+「診-言」:=みず+もごもごしたもの=>よどんだ水=>よどむ
」=「目」+「診-言」:=め+もごもごしたもの=>落ち着かない目つき=>(うらみを)こらえた目=>こらえる
」=「走」+「診-言」:=ひとの足+もごもごしたもの=>獲物にまつわる動き=>複雑なはしり=>はしる(「走」cf.20)

 「企-止」の意味は男ですが、イメージとしては男の足を表していることに注意してください。「男の体毛」は当初は陰毛の意味であり、衣をつける時代になって「口ひげ」の意味に移り、更に「口の周り」の意味に移ったと考えられます。
 また、「診-言」(毛深い男)と「尨」(毛深い女)が対の字であったようです。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「衆」 解字:会意形声。意符の目(罒・血は変わった形。め、転じて頭数の意)と、意符と音符を兼ねる??(「衆-血」は変わった形。多くの人の意)とから成る。多くの人の意。ひいて、「おおい」意に用いる。
「杉」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の彡(ねばりがある意)とから成る。粘りがあり腐りにくい木、「すぎ」の意。
「形」  解字:形声。意符の彡(筆の毛先のそろっている意)と、音符の??(「刑-刂」は誤り変わった形。にる意)とから成る。筆で似せて書く意。ひいて、「かたち」の意に用いる。
「須」 解字:象形。顔にひげの生えたさまにかたどる。垂れ下がったあごひげの意。借りて、「もとめる」意に用いる。
「彫」 解字:形声。意符の彡(かざる)と、音符の周(刀の意)とから成る。刀で彫って美しく模様を付ける、「ほる」意。
「影」 解字:会意形声。意符の彡(かざる、あや)と、音符と意符を兼ねる景(太陽の光の意)とから成る。太陽の光線の明らかな意。ひいて、「かげ」の意に用いる。

「林」 解字:会意。意符の木(き)二つから成る。木が多く並び立つ、はやしの意。
「彬」 解字:形声。意符の彡(あや)と、音符の林(??の省略形。文と質が備わる意)とから成る。飾りと内容とがともに備わる意。
「尨」 解字:象形。毛の多い犬の形にかたどる。毛の多いむく犬の意。
「厖」 解字:形声。意符の厂(いし)と、音符の尨(おおきい意)とから成る。石の大きい意。

「連」 解字:形声。意符の辵(のろのろあるく)と、意符と音符を兼ねる車(輦の省略形。てぐるまの意)とから成る。人が手車をのろのろ引いてあるく意。転じて、「つらなる」意に用いる。
「運」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の軍(まるい意)とから成る。まるくまわって進行する、「めぐる」意。ひいて、「はこぶ」意に用いる。
「週」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の周(あまねくめぐる意)とから成る。道をあるいてあまねく回る、「めぐる」意。
「進」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の隹(くつを履いて外にでる意=出)とから成る。くつを履いて道路に歩み出る、「すすむ」意。
「遇」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の禺(たまたま思いがけずの意=偶)とから成る。思いがけず道でたまたま会う意。
「道」 解字:形声。意符の辵(みち)と、音符の首(通っている意)とから成る。まっすぐに通っているみち、とおりみちの意、ひいて、広く「みち」の意に用いる。
「還」 解字:形声。意符の辵(みち)と、音符の??(「還-辵」は省略形。再び帰って来る意=復)とから成る。一度いったものが再び元の道を戻って来る意。ひいて、「かえる」「めぐる」「また」などの意に用いる。
「遊」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の「遊-辵」(ゆったりしている意)とから成る。ゆったりと道を行く意。ひいて「あそぶ」意に用いる。
「近」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の斤(すくない意)とから成る。道程が少ない意。ひいて、「ちかい」意に用いる。
「遠」 解字:形声。意符の辵(みち)と、音符の「遠-辵」(ながい意)とから成る。長くいく、得へ行く意。ひいて、「とおい」意に用いる。

「診」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の「診-言」(みる意)とから成る。言葉によって調べてみる意。
「珍」 解字:形声。意符の王(たま)と、音符の「診-言」(混じりけのない意)とから成る。純色のたまの意。ひいて、「めづらし」の意に用いる。
「紾」 解字:形声。意符の糸(いと)と、音符の「診-言」(ねじれまがる意)とから成る。糸がねじれる意。ひいて、ねじれる意に用いる。
「殄」 解字:形声。意符の歹(死体)と、音符の「診-言」(つきる意)とから成る。死体の肉が全部なくなって白骨となる意。ひいて、「つきる」意の用いる。

「疹」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符の「診-言」(くちびるの意)とから成る。唇のできものの意。
「沴」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の「診-言」(もとる意)とから成る。水がすらすらと流れないで、よどむ意。
「眕」 解字:形声。意符の目(め)と、音符の「診-言」(恨みを持って怒る意)とから成る。恨みを持った目つきをする意。
「趁」 解字:形声。意符の走(ゆく)と、音符の「診-言」(すすみかねる意)とから成る。ゆきなやむ意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



1.14 「門」と「鬥」

 「門」と「鬥」(たたかいがまえ、とうがまえ)は共に左右対称です。「門」の会意文字が多いのに対し、「鬥」の会意文字はほとんどありません。また、辞書では「閧」は「鬨」の代わりに誤用される、「閙」は「鬧」(さわがしい)の俗字、「闘」の本字は「鬪」、と説明しています。以上この両者には深い関係のあることが推察できます。まず辞書の説明を確認しましょう。

「門」部首解説:これを部首にして出入り口や外囲いなど、もんに関する文字ができている。
   解字:象形。向かい合っている両扉が閉まっている形にかたどる。人の出入り口、「もん」の意。
「鬥」部首解説:これを部首にして争いや闘いに関する意を表す文字ができている。数はすくない。
   解字:会意。丮(手にものを持つ意)と厈(手にものを持つ意)とが向かい合っている形からなる。二人が向かい合って争い会う、ひいて、「たたかい」の意に用いる。
 
 注:「閧」は「説文解字」では「村里の中の道」の意味になっています(これは解読不明)が、康煕字典では「戦う兵士」もしくは「戦いの声」の意味が載っています。


「門」と「鬥」の中央はそれぞれ「日:=最高の女」と「王:=最高の男」であり、構成が対応しています。先に解読した「共:=ともに働く男達(cf.62)の会意文字「閧」「鬨」がどちらも「かちどき」の意味を持ちます。もう一つ「闘」と「鬪」は共に「たたかう」意味と考えます(「闘」と「鬪」の構えの中の「豆+寸」の解説は後述)。

 「門」と「鬥」の両者は戦いに関係するようです。縦棒「|:=男根=>棒」ですが、左右にあるのでその意味には取れません。また、縦棒「|:=落ちるもの=>くそ」の意味もありましたがそれも不適切なようです。
 
 「間」の字は更に「日」が入っています。三人の総指揮者がいて、真ん中の総指揮者を示す文字が「あいだ」というからには指揮権の移行を示しているようです。

 以上の検討から「門」と「鬥」を解読します。
」=「|」+「日」+「日」+「|」:=昇る+女総指揮官+女総指揮官+降る=>勝った女総指揮官と負けた女総指揮官=>覇権戦争/いくさ=>勝ちいくさ=>凱旋の記念物=>凱旋門=>もん=>神社のもん(「日」cf.45)
」=「門」+「共」:=勝ちいくさ+共に働く男達=>戦う兵士=>戦に勝った男達=>勝利の声=>かちどき(「共」cf.62)
」=「門」+「市」:=たたかい+隠れて支配するもの=>部族を治めるもののたたかい=>政治家のたたかい=>さわがし(「市」cf.52)

」=「|」+「王」+「王」+「|」:=昇る+男総指揮者+男総指揮者+降る=>勝った王と負けた王=>覇権戦争/いくさ=>勝ちいくさ
」=「鬥」+「共」:=勝ちいくさ+共に働く男達=>戦う男達=>勝利の戦士=>勝どきを上げるもの=>かちどき((「王」cf.21)
」=「門」+「市」:=たたかい+隠れて支配するもの=>部族を治めるもののたたかい=>政治家のたたかい=>さわがしい

 「門」の解読は最初この字だけで追及したために、「上る太陽と降る太陽(太陽神の象徴)=>神社の門」と解読し、「間:=日中」と考えていました。しかし、その他の門の会意文字、例えば「聞」「闇」などの意味がしっくりせず、「もん」の意味は別の意味からの派生と考え検討をやり直しました。

 それにしても、これまで縦棒の中には「下る」意味しか見ていませんでした。「門」の中の縦棒に「上る」意味を持たせた漢字創造者の柔軟な表現力に敬意を表します。

 最初「門」が「たたかい」の意味であったのが、母系制の終わりごろに知恵と腕力で台頭してきた男たちが集団で争うようになり、「鬥」が「たたかい」の意味を引き継ぎ、「門」は「もん」の意味に、代わって行ったと考えられます。

 以下「門」の会意文字を紹介します。「門」は「たたかい」の意味で解読できるものがほとんどであり、「もん」の意味で解読できるのはわずかです。

」=「門」+「日」:=覇権の争い+女総指揮者=>覇権移行時の暫定指揮者=>中継ぎの総指揮者=>中間に支配すること=>あいだ

」=「門」+「口」:=いくさ+くち=>いくさの時の言葉=>勝敗の行方をとう=>とう
」=「門」+「幵」:=いくさ+受刑者/受刑所=>戦う受刑者/いくさの時の受刑所=>受刑者が戦いに駆り出される=>牢獄がひらく=>ひらく(「幵」cf.62)
」=「門」+「耳」:=いくさ+みみ=>戦いでの耳=>(敵の動きに)そばだてる耳=>動きを聞き取る=>きく(「耳」cf.48)
」=「門」+「王」:=いくさ+(性的に)最高の男=>いくさの時の最高の男=>よけいなもの=>よぶんなもの=>うるおう(「王」cf.21) 
」=「門」+「企-止」:=いくさ+おとこ=>男の争い=>隙をうかがい急におそう=>うかがう/急に襲われる=>アイディアに打たれる=>ひらめく(「企-止」cf.59)
」=「門」+「木」:=いくさ+おっと=>いくさに参加しないひと=>ひまなひと=>ひまなこと=>=>しずか(「木」cf.59)
」=「門」+「或」:=いくさ+武器を持つ女=>いくさに出る女=>境界を定める女=>きょうかい(「或」cf.41)

」=「門」+「才」:=もん+知恵のある男=>門をとじる男=>とじる=>とじる(「才」cf.59)
」=「門」+「一」:=もん+横棒=>門の横棒=>かんぬき

 「閉」は「いくさを終わらせる策士=>いくさをとじる=>とじる」と解釈するのは少し遠い感じです。「門」が「いくさ」ではなく「もん」の意味になった時代に「門を閉じる役」を「才:=才能のある男」が受け持ったと考えるほうが自然なようです。大雑把に中国文化は対比統合の文化です。神社の門は女が開き、男が閉める決まりではなかったかと推測します。

 また「閂」の文字の「一」が「横棒」の意味を持つ字は他に見つからず、「説文解字」にもなく、いかにも後代の男が作ったと考えられる味けない構成です。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「閧」 解字:形声。意符の門(もん)と、音符の共(村里の中の道の意)とから成る。村や里にある門の意。ひいて、村里の中の道の意に用いる。
「問」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の門(むやみに攻めまくる意)とから成る。口で相手を攻め立てる、白状させるために問い詰める意。ひいて、「とう」意に用いる。
「開」 解字:形声。意符の門(もん)と、音符の幵(そむく意)とから成る。門の両扉が背き離れて通路が開ける意。ひいて、「ひらく」「ひらける」意に用いる。
「聞」 解字:形声。意符の耳(みみ)と、音符の門(弁別する意)とから成る。耳に入った声を聞き分ける。「きく」意に用いる。
「閏」 解字:形声。意符の玉(王は省略形。あまり。日と月の運行を比較し、調整するという玉燭の意)と、音符の??(門は省略形。あまりの意。)とから成る。月日の運行を調整した余分の日、「うるう」の意。
「閃」 解字:会意。意符の門(もん)と、音符の人(ひと)とから成る。門の中に人がいるのをうかがいみる意。ひいて、見え隠れする、「ひらめく」意に用いる。
「閑」 解字:会意。意符の門(もん)と、音符の木(き)とから成る。門の入り口を遮る横木の意。ひいて、「しきり」の意、借りて、「しずか」「ならう」などの意に用いる。
「閾」 解字:会意形声。意符の門(もん)と、意符と音符を兼ねる或(さかい、くぎりの意)とから成る。門の内外を区切る横木、「しきい」の意に用いる。

「閉」 解字:形声。意符の門(もん)と、音符の才(川がふさがる意)とから成る。門を「とじる」「とざす」意。
「閂」 解字:会意。意符の門(もn)と、音符の一(うp漕ぎの形)とから成る。門が開かないように横に通してある木、「かんぬき」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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