象形文字の秘密
漢字の解読

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複合文字の解読(その3) /64

 今回は複合型の三回目で、「冫」と「冫」が更に左右対称に付く二重指示がメインテーマです。


10.複合型「冫」

 「冫」に関する辞書の解説から検討しましょう。

「冫」 部首解説:これを部首にして、氷・凍る・冷たい・寒いなどの意味を表す文字ができている。
    解字:象形。氷が凍ったとき、表面張力によって、その部分がひきつけられるさまにかたどる。水が凝り固まってできた氷の意。

 漢字創造の最も初期の段階でできたと考えられる単純な縦棒「|」の複合型「刂」は「刀」の項の中でその解字は完全に忘れされれていました。同じく漢字複雑化の第一段階でできても良い「横の二本棒」がもっとあるはずです。「二」(cf.12)とそれに関連する「牛-ノ」(cf.12)「夫」(cf.13)「元」(cf.19)「井」(cf.36)はすでに紹介しました。第39回で紹介した「言」は「二」が二重に使われる複合型です。他に「二」が見つかりません。

 「横二本棒」の候補はどう見ても「冫」以外にありません。「冫」の展開された文字の中で偏の説明が特殊な「次」の字に注目します。

「次」 解字:形声。意符の欠(あくび)と、音符の二(立ち止まる意=止)とから成る。立ち止まってあくびをする意。ひいて、休息する、「やどる」意に、また交代して休息することから、次第・順序の意に用いる。

 角川大字源の「次」の解字には意符の「二(:=立ち止まる)」と示され、この意味はともかく、「二番目」を引き出す手がかりが得られ、その意味「つぎ」の間には深い関係が感じられます。

」=「勹」+「二」:=二本の足+ふたつ=>対の二本の足=>均等に働く足(再掲。cf.26)

 「」は康煕字典では中が「二」になっていますが、通常われわれの使う書体では「冫」に近くかかれます。

 そこで、「二」が変化して「冫」が生まれたと推理し、解読を進めます。

」=「冫」+「欠」:=二番目の+理性のかけた男=>二番目に理性のかけた男=>つぎに理性のかけた男=>つぎの男=>つぎ(「欠」cf.5)
」=「次」+「口」:=つぎ+ひと=>次のひと=>次の人を決める=>相談する=>はかる(「口」cf.37)
」=「言」+「咨」:=ことば+相談する=>言葉で相談する=>協議する=>はかる(「言」cf.39)
」=「次」+「皿」:=つぎのもの+うらまれるもの=>二番目にうらまれるもの=>ぬすむこと=>ぬすむ(「皿」cf.48)
姿」=「次」+「女」:=二番目のもの+おんな=>女の二番目のもの=>女の容姿=>容姿=>すがた
」=「次」+「貝」:=二番目のもの+賢い男=>二番目に賢い男=>家族に残す男=>家族で確保する/とる=>家族で扶養する/たすける=>家族の財産とする/もと(「貝」cf.60)

 初めは「冫」だけで「二番目」の意味であったものが、次第に「欠」を付けた「次」が「二番目」の意味を引き継いだと考えられます。「次」がことさらに意識されるのは、飢饉に向かって「次に誰を食べるか」を「咨」=>「諮」(はかる)という問題をかかえていたからでしょう。

 引き続き「冫」の付く字で他に「氷に由来するつめたい」という意味を持たない文字を探します。「冫:=二番目」で辻褄が合うでしょうか? 辻褄を合わせるためには、「冫」の意味の流れをすこし補うことが必要です。

」=「二」の変形:=二番目=>つぎのもの=>すこし程度の軽いもの=>すこし簡素なもの=>すこし/簡素なもの

」=「冫」+「台」:=すこし+台形のもの=>すこし盛り上がるもの=>(表面張力が大きく)溶けて盛り上がる金属=>金属を溶かす=>とける/とかす(「台」cf.37)
」=「冫」+「妻」:=すこし+男が支配する女=>少し男が抑える女=>夫にすこし抑えさせる女=>度量の広い女=>すごい女=>すごい(「妻」cf.34)
」=「冫」+「疑」:=すこし+うたがう=>少しうたがう=>疑問に思わせる=>技巧をこらす=>こる(「疑」の解読は後述)

 「冫」は問題なく「すこし」の意味で解読が進みます。「さむい」意味の文字にまで解読の範囲を広げてみましょう。

」=「寒-冫」+「冫」:=(隠れた男達が)家の中でかまえる+すこし=>(皮下脂肪の少ない男達が)家の中で少しかまえる=>寒さで身を構える=>さむい(「塞-土」cf.62)
」=「冫」+「稟」:=すこし+(影で廻す粟を)うける=>ちょっとワイロを受ける=>身が引き締まる=>身が引き締まる程度に寒い(「稟」cf.53)
」=「冫」+「固」:=すこし+固まる=>(水が)すこし固まる=>薄氷がはる=>水面がこおる=>こおる(「固」cf.36)
」=「冫」+「東」:=すこし+ひがし=>少し東=>(黄河の)すこし東方の山地=>こおるところ=>こおる(「東」cf.59)

 「冫」が「さむい」意味を持つと解釈されるようになった時代、それ以降に 「凛」に「さむい」意味が追加されたと考えられます。また、「凍」は黄河流域のすこし東方にある山東省の泰山(標高1545m)らしく、氷河時代には万年雪をかぶっていたであろうと考えられます。


」=「冫」+「广」=>簡素なもの+いえ=>(病で休養する)仮のいえ>やんだ者の休養所=>やんだもの=>やむ(「疒」cf.23)
」=「疒」+「正」:=やまい+止まったからだ=>やまいで動かない体=>やまいのしるし=>病状(「正」cf.20)
」=「疒」+「尤」:=やまい+最も多いもの=>ありふれたやまい=>いぼ(「尤」cf.51)
」=「疒」+「甘」:=やまい+乳の味(あまい)=>乳臭いやまい=>幼児のやまい=>(やせて腹が膨れる)小児病(「甘」cf.42)
」=「疒」+「旦」:=やまい+ひるま=>昼間のやまい=>浅く日焼けしたように(黄色に)なるやまい=>黄疸(「旦」cf.13)
」=「疒」+「知」:=やまい+ちえ=>知恵のやまい=>おろか(「知」cf.39)
」=「疒」+「」:=やまい+ちいさいひと=>小さい人のやまい=>劣等感のやまい=>なおるやまい=>なおる=>(やまいを)なおす(「」cf.58)

 「疵」については「此」の字の解読紹介を忘れていましたので「此」から示します。

」=「止」+「ヒ」:=一方を横にしたあし(=>とまる)+おとこ=>とまる(男の)あし=>ここにとまれ=>ここ(「止」cf.20,「ヒ」cf.49)
」=「疒」+「此」:=やまい+男の足=>男の足のやまい=>ちいさなきず=>きず

 「」も意味が明白であるためこれまでしばしば展開文字の確認に利用してきました。以下の文字は各々遡って参照してください。

「痛」(cf.25)、「痀」(cf.29)、「病」(cf.32)、「痕」(cf.50)、「痃」(cf.52)、「疾」(cf.57)、「痢」(cf.63)


 「凉」「凖」は意味が取れません。各々「涼」「準」の俗字で、「氵」の崩れ型として定着したようです。

「凉」=「冫」+「京」:=すこし+都=>?
」=「氵」+「京」:=水+都=>川辺の都=>すずしい(「京」cf.51)

「准」=「冫」+「隹」:=すこし+とり/とんでいる若者=>?
準-十」=「氵」+「隹」:=みず+とり=>水鳥=>およぐもの(「隹」cf.33)
」=「準-十」+「十」:=およぐもの+男=>およぐ男=>平らになる男=>平らなもの=>みずもり(水準器)



***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「咨」 解字:形声。意符の口(ことば)と、音符の次(とる意=資)とから成る。人の意見をよく聞き取る意。
「諮」 解字:会意形声。意符の言(ことば)と、意符と音符を兼ねる咨(はかる意)とから成る。ことばでとう、また、はかる意。
「盗」 解字:なし(「氵+次+皿」の解説)。
「姿」 解字:形声。意符の女(おんな)と、音符の次(うまれつき、もちまえの意=資)とから成る。女の生まれつきの態度の意。ひいて、「すがた」の意に用いる。
「資」 解字:形声。意符の貝(貨幣)と、音符の次(もつ意、または、積み蓄える意)とから成る。積み蓄えて持っている金銭、宝の意。ひいて、「もと」「たすける」「とる」などの意に用いる。

「冶」 解字:形声。意符の冫(こおり)と、音符の台(ゆるむ意=弛)とから成る。もと、氷がゆるみ溶ける意。ひいて、金属が溶ける意に用いる。
「凄」 解字:形声。意符の冫(こおり)と、音符の妻(きる意=切)とから成る。身を切られるようなつめたさの意。ひいて、心の縮むような寂しさの意に用いる。
「凝」 解字:形声。意符の冫(こおり)と、音符の疑(とどまって動かない意)とから成る。氷がぴんと張って動かない意、「こる」意。
「寒」 解字:形声。意符の冫(こおり)と、音符の「寒-冫」(??がもとの形。むすぶ意)とから成る。氷結する意、ひいて「さむい」意に用いる。一説に会意形成で、「寒-冫」が屋内で身をかがめて草のしとねにくるまっている意と音を示し、凍える、ひいて、「さむい」意に用いるという。
「凜」 解字:形声。意符の冫(寒気)と、音符の稟(とどまって動かない意)とから成る。身の引き締まるように寒い意。
「凅」 解字:形声。意符の冫(こおり)と、音符の固(かたまる意)とから成る。氷がこおる意。
「凍」 解字:形声。意符の冫(こおり)と、音符の東(あつまりむすぶ意)とから成る。こおりが凝結する意。

「症」 解字:形声。意符の广(やまい)と、音符の正(しるしの意=徴)とから成る。病気の外部に現れるしるしの意。病気、熱病の意。
「疣」 解字:なし(「胈」の解説)
「疵」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符の此(そしり傷つける意)とから成る。皮膚のきずの意。ひいて、広く「きず」の意に用いる。
「疳」 解字:会意形声。意符の疒(やまい)と、意符と音符を兼ねる甘(あない、おいしい意)とから成る。甘味の摂取過多による小児の病気の意。
「疸」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符の旦(きも、胆嚢の意)とから成る。胆汁が血液中に混入して黄色になる病気の意。
「痴」 解字:なし(「癡」の説明)
「療」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符の(おさめる意)とから成る。病気をなおす意。

「涼」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の京(つめたい意)とから成る。冷たい水、また、水の冷たさの意。引いて、「すずしい」意に用いる。
「準」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の隼(ひとしい意)とから成る。水面が等しい、たいらの意。


***** 終了 関連する辞書の解字 *****


次に「冫」の組み込まれた「求-丶-一」を検討します。縦棒の右側が「氺」と異なり「ヒ:=男」である点に注意したください。

求-丶-一」=「冫」+「|」+「ヒ」:=すこし+垂れ流す(男根)+男=>すこし垂れ流す男=>優秀な男=>すぐれた男(「|」cf.21,「ヒ」cf.49)
求-丶」=「冫+|+ヒ」+「一」:=優秀な男+体>優れた男の体=>優れた男
」=「求-丶」+「丶」:=優れた男+特別=>特別に優れた男=>特技を持つ男=>もとめるもの=>もとめる
」=「王」+「求」:=最高の男+(宝石を磨く)特技を持つ男=>宝石磨きの匠=>丸く磨かれた宝石=>球状の宝石=>きゅう(「王」cf.21)

 「求-丶」はその中に「十:=男」の意味を含ませています。辞書では「水の部」に登録されていますが、「水」とは字の左側が異なります(「水」の解読は後述)。


尹-ノ」=「巾」の右90度回転:=制する男=>指揮する男=>優れた男(再掲。cf.34)
」=「巾」(横型)+「冫+|+ヒ」:=抑える++優れた男=>他人を指導できる男=>(知能レベルが女に)追いついた男=>おいつく=>およぶ

」=「广」+「隶」:=いえ+ほとんど垂れ流さない男=>家でもらさない=>心配ない=>安心できる/かくじつな=>やすらか=>やすい
」=「米」+「康」:=こめ+(殻の中の)やすらかなもの=>米粒=>(ついて)表皮を除いた米=>除いた穀類の表皮=>ぬか

 犬も犬小屋の中ではもらさず、外に出て便をします。気の緩む家の中でももらさない男は犬以上に頼りになる存在?と考えられます。現代風には家でもオムツの取れた親の安堵感が「康」の字の原義です。

」=「辵」+「隶」:=あし+おいつく男=>おいつくあし=>追いつき捉える/およぶ=>つかまえる

隷-隶」=「士」+「示」:=立てた男根+示す=>立てた男根を示す
」=「隷-隶」+「隶」:=立てた男根を示す+優れた男=>(捕虜でも殺さずに)召使とする男/つきしたがう優れもの=>しもべ

 象形文字の解読にはしばしば話題になる「隷書」ですが、以上の解読からその意味は「女の正式な教育を受けずに優れた男が自分で学んで書いたもの」(正式な書と異なるからこそ別の名前で呼んだ)であることが判明します。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「求」 解字:象形。吊り下げた毛皮の形にかたどる。毛皮の衣の意。借りて、「もとめる」意に用いる。
「球」 解字:形声。意符の玉(たま)と、音符の求(うつくしい意)とから成る。うつくしい「たま」の意。

「隶」 部首解説:これを部首にして隷など、捕まえる意味を表す文字ができているが、数はきわめて少ない。「れいつくり」などと呼ばれることがある。
「隶」 解字:形声。意符の「巾の横型」(手)と、音符の氺(眔の省略形。追いつく意)とから成る。追いついて、手が届く、「およぶ」意。
「康」 解字:形声。意符の庚(杵を両手で持って穀物をつく形)と、音符の??(穀皮、ぬかの形)とから成る。穀物の粒が抜けて空になった穀皮の意。借りて、「やすい」の意に用いる。
「糠」 解字:なし(「穅」の解説。「糠」は「穅」の別体)
「逮」 解字:会意形声。意符の辵(みち)と、音符の隶(おいつく意)とから成る。道で追いつく、「およぶ」意。
「隷」 解字:形声。なし(旧字「隸」の解説)

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



11.「冫」の複合型「弱」と「飛」

 「弱」「飛」は「冫」の付いた要素が二重になっています。以下の解読を見ないでこれまでの内容から「飛」の字を自分で分解してみてください。

」=「コ」+「弓-コ」:=はいはいする幼児+曲がった足=>幼児の曲がった足=>弧になるもの=>ゆみ(再掲。cf.61)
」=(「弓」+「冫」)*2:=(曲がった足+すこし)*2=>(すこし曲がった足)*2=>のびたような両足=>よわい幼児の足=>よわい幼児=>よわい
」=「氵」+「弱」:=水+よわい=>水に弱い(およげない)=>おぼれる
」=「扌」+「弱」:=て+よわい=>弱い手=>なでる手=>なでる=>こする=>からめる

 「弱」の中の「冫」が「搦」では「ノ+ノ」に変形しています。この変形は「率」とその展開にも見られます。


」=(「乙」+「冫」)*2+「牛-|」:=(おとめ+すこし)*2+若い男=>若い乙女たちと(一部の)若い男子=>(朗らかに笑い転げる)とんでいる若者達=>おだっているもの=>とんでいるもの=>(鳥が)とぶ(「牛-|」cf.34)

 これまで象形とされてきた「飛」は「風の部」に属し、他に類似する字がないので解読が難しいのです。中央の「牛-|」が左45度の軸で対象反転されており、構成要素の意味を重視したデザインが実に創造的であることに驚かされます。
 箸が転げても可笑しい年頃の少女と同年代の一部の少年のおだった様子が「飛」の原義です。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「弱」 解字:形声。意符の「弱-冫-冫」(弓の曲がりを正す「ゆだめ」)と、音符の彡(まげる意)とから成る。ゆだめによって弓を曲げる意。弓がたやすく曲がることから、「よわい」意に用いる。
「溺」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の弱(よわい意)とから成る。水に弱い、「おぼれる」意。
「搦」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の弱(とらえる意=捉)とから成る。手で捉えておさえる意。

「飛」 解字:象形。鳥が羽を張ってとぶ形にかたどる。鳥が高くとびあがる、「とぶ」意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



12.「冫」の左右対称な複合型

 「冫」には「弱」や「飛」で利用される単なる重複とは異なり、第61回で示した二重指示の型があり、「氺―|」は「冫」で「|」を左右から挟む複合型です。辞書で「氺」だけは「シタミズ」と呼ばれ「水」と混同されて取り上げられますが、その他は解説にはあらわれません。前々項の縦棒の右側が「ヒ」である「求」「隶」とは異なり、また、「雨」の四画の点とも相違することに注意してください。


」=「|」+「氺-|」:=垂れ流す+すこし*2=>垂れ流す+ほんの少し=>ほんの少し垂れ流す=>ほとんど垂れ流さない

泰-氺」=「三」+「人」:=三番目の男=>おだやかな男=>おだやか(「春-日」cf.13)
」=「泰-氺」+「氺」:=三番目の男+ほとんど垂れ流さない=>ほとんど垂れ流さない穏やかな男=>(しもの片付けからも開放される)やすらかな男=>(気持ちが)やすらぐ/ゆったり


漛-氵-ハ(上部)」=「氺」+「夫」:=ほとんど漏らさない男+夫=>ほとんど漏らさない夫=>優秀な夫(「夫」cf.13)
漛-氵」=「漛-氵-ハ(上部)」+「ハ(上部)」:=優秀な夫+わける=>優秀な夫が分ける=>いろいろなものを均等に分ける=>雑多を均等に分けられたもの=>雑多で均等なもの(「ハ」cf.17)
」=「氵」+「漛-氵」:=みず+(形が)雑多で均等なもの=>(ぼこぼこする)湧き水の塊=>湧き水=>湧きあがる水(意味は設文解字による)
」=「滕-月」+「月」:=優秀な夫が分ける+肉=>優れた夫が(獲物を捕らえて)肉を分ける=>各部分を取り混ぜて(均等に)分ける=>いろいろい織り込むもの=>雑多に織り込む=>おりこむ
」=「艸」+「滕」:=植物+織り込むもの=>つるを織り込む草=>フジズル=>ふじ(「艸」cf.62)
」=「竹」+「滕」:=たけ+おりこむ=>竹を織り込んで作ったもの(「竹」cf.54)


」=「日」+「共」+「氺」:=ひと+ともに働く男+ほとんど漏らさない=>ほとんど漏らさず(=優秀で)共同で働く男たち=>急にあばれだすもの=>爆発するもの=>爆発しそうなもの(「共」cf.62)
」=「氵」+「暴」:=みず+急にあばれだすもの=>急にあばれる水=>おおたき=>たき
」=「火」+「暴」:=ひ+急にあばれだすもの=>急にあばれだす火=>ばくはつ(「火」cf.61)
」=「日」+「暴」:=ひ+急にあばれだすもの=>(乾期に入り)急に照りつける太陽=>日にさらされる=>さらす(「日」cf.45)


桼-木」=「企-止」+「氺」=>おとこ+ほとんど垂れ流さない=>ほとんど垂れ流さないおとこ=>ほとんど垂れ流さないもの=>たれないもの(「企-止」cf.59)
」=「桼-木」+「木」:=たれながさないもの+き=>樹液のたれない木=>うるしのき=>樹液がこぶになるもの=>こぶ(「木」cf.59)
」=「氵」+「桼」:=みず+うるし=>うるしの樹液=>うるし
」=「月」+「桼」:=にく/からだ+こぶになるもの=>こぶになったにく=>ひざ(「月」cf.45)
」=「ノ」+「桼」:=特別な+こぶになるもの=>特別に(実が)こぶとなるもの=>きび(「ノ」cf.12)

 「黍」は「禾+(桼-木):=あわ+たれないもの=>?」で解読できませんが、「禾(あわ)」の粒々を数珠のように大きくした黍の実の連想を裏に含んではいます。



***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「泰」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の??(両手の意)と、音符の大(ぬけでる意)とから成る。水中で両手の指の間から米や砂が抜けでる意。借りて、「やすらか」「おおきい」「はなはだ」の意に用いる。
「漛」 解字:角川大字源に題字なし
「滕」 解字:角川大字源に題字なし
「藤」 解字:形声。意符の(艸)と、音符の滕(なわの意=縄)とから成る。なわを作るつる性植物の意。ひいて、「ふじ」の意に用いる。
「籐」 解字:形声。意符の竹(たけ)と、音符の滕(ものをからげるなわの意=縄)とから成る。竹に似たつる性の熱帯植物の意、「とう」の意。

「暴」 解字:会意形声。意符の米(氺は誤り変わった形。米の意)と、意符と音符を兼ねる??(「暴-氺」は省略形。太陽に当てて白くする意)とから成る。米を日に当てて乾かす意。引いて、さらす意に用いる。
「瀑」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の暴(にわかの意)とから成る。にわか雨の意。
「爆」 解字:形声。意符の火(ひ)と、音符の暴(暴は省略形。パンパンとはぜる破裂音の意)とから成る。竹などが焼けて、パンパンとはぜんる意。
「曝」 解字:会意形声。意符の日(ひ)と、音符の暴(さらす、かわかす、ひにあてる意)とから成る。日にあてて、「さらす」意。

「桼」 解字:なし(「漆」を参照。「桼」は「漆」の別体)。
「漆」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の桼(象形。木から汁が滴り落ちるさまにかたどる)とから成る。木から滴り落ちた、ものに塗る汁、「うるし」の意に用いる。
「膝」 解字:なし(旧字??の解説)
「黍」 部首解説:これを部首にして、黍の種類・性質などに関する意を表す文字ができているが、数はきわめて少ない。
「黍」 解字:会意。意符の「黍-氺」(稲の実ったもの)と、音符の氺(=水。みず)とから成る。粘り気のあるよく実ったものに、水を加えて酒をつくる稲、「きび」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



」=「儿」+「氺-|」:=垂れ流す乳児+ちょっと*2=>垂れ流す乳児+ほんのちょっと=>(乳をあまり飲まず)ほんのちょっと垂れ流す乳児=>弱い乳児=>死ぬきざし=>(専制君主の倒れる)ちょうこう=(反語的)とこしえの君が世=>とこしえ(「儿」cf.19)
」=「扌」+「兆」:=て+弱い乳児=>弱い乳児の手=>弱弱しく空をつかむ手=>むなしく掲げる手=>むなしくいどむてつき=>いどむ
」=「足」+「兆」:=あし+弱い乳児=>乳児の足=>跳ね上げる足=>はねる足=>はねる(「足」cf.41)
」=「辵」+「兆」:=あし+弱い乳児=>乳児の足=>にげるものの足=>にげるもの=>にげる
」=「口」+「兆」:=くち+弱い乳児=>弱い乳児の口=>小児が泣き続ける=>声を上げてなく=>なく(「口」cf.37)
」=「言」+「兆」:=ことば+弱い乳児=>乳児の言葉=>親だけに通じる言葉=>あつらえた言葉=>あつらえる(「言」cf.39)
」=「目」+「兆」:=め+弱い乳児=>弱い乳児の目=>(焦点が合わず)遠くを見る目=>ながめる(「目」cf.48)
」=「イ」+「兆」:=男の仕事+弱い乳児=>弱い乳児の仕事=>簡易で軽い仕事=>かるい(「イ」cf.11)
」=「氵」+「兆」:=みず+弱い乳児=>乳児をあらうみず=>ゆあみする=>あらう
」=「忄」+「兆」:=こころ+弱い乳児=>弱い乳児を思うこころ=>うれえるこころ=>うれえる/(縁が)うすい
」=「土」+「兆」:=つち+弱い乳児=>土葬する乳児=>墓場
」=「月」+「兆」:=体+弱い乳児=>弱い乳児の体=>(息を引き取るのが)はやい=>早いつき=>みそか月
」=「示」+「兆」:=しめす+弱い乳児=>(神に)赤子の誕生を示す=>出産を祝う/水子を弔う=>みたまや(「示」cf.61)
」=「木」+「兆」:=き+弱い乳児=>弱い乳児のような実の付く木=>もも
」=「金」+「兆」:=金属+弱い乳児=>小型の酒の容器=>かんどっくり

 「跳」の「足」は「女の足」であるのに対し、「逃」の「辵」は「男の足」(後述)です。また「誂」についてのコメントですが、ドイツでは幼稚園の園児の入園時の発音は母親にしか通じないと聞いています。
 「洮水(トウスイ)」とは黄河に注ぐ支流の名前です。



」=「玄」+「氺-|」+「十」:=かめ+ちょっと+おとこ=>ちょっと亀のような男=>(反抗して)動かなくなるもの=>引っ張るもの=>引っ張る=>ひきつれる(「玄」cf.52,「十」cf.19)

函-凵-(氺-|)」=「一」+「勹」:=体/部分+曲げた足=>曲がった足の体(「勹」cf.26)
函-凵」=「函-凵-(氺-|)」+「氺-|」:=曲がった足の体+ちょっと=>ちょっと曲がった足の体=>いぬ
」=「函-凵」+「凵」=ちょっと曲がった足の体+口を上に向けるもの(動物)=>ちょっと曲がった足で上を向くいぬ=>仕事をするいぬ=>大切に囲う=>囲い込むもの=>かこう/はこ
」=「氵」+「函」:=みず+仕事をする犬=>泳ぐ仕事の犬=>みずにひたる=>ひたす


 「楽」は本来「樂」の省略形なので「幺」の所で紹介するべきだったのですが、「楽」の方がしっくり解読できるので、筋を曲げてここで紹介します。「楽」は康煕字典にも載っていません。

」=「白」+「氺-|」+「木」:=しろい+ほんのちょっと+木=>(蚕が大量に育ち)ほんのちょっと白くなった(くわの)木=>(絹の採れる)たのしみな木=>(心待ちで)たのしい木=>たのしい(「白」cf.45)
樂-木」=「幺」+「白」+「幺」:=しろ+オスのいないものたち(むし)=>(繭の中が)白いむしたち=>山繭(「幺」cf.49)
」=「樂-木」+「木」:=山繭+き=>山繭の付いた木=>(絹の得られる)たのしみなき=>たのしいこと=>たのしい

 辞書の解説による「樂:=山繭のついたクヌギ=>たのしい」より「楽:=蚕でうっすらと白く見える木=>たのしい」の方が「氺-|」の意味もしっくりしていて趣があります。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「兆」 解字:象形。亀の腹甲や動物の骨を占いのために焼きその表面にできたひび割れの形にかたどる。亀甲や獣骨を焼いて、そのひび割れによって表れる、神意を知る「きざし」の意。
「挑」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の兆(かきみだす意)とから成る。手でかき乱して振るい動かす、「いどむ」意。
「跳」 解字:形声。意符の足(あし)と、音符の兆(おどりあがる意)とから成る。足で小躍りする、「はねる」意。
「逃」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の兆(ぬけでる意)とから成る。抜け出てゆく、「にげる」意。
「咷」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の兆(さけぶ、なく意)とから成る。声を出して泣く意。
「誂」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の兆(ひっかける意)とから成る。言葉で引っ掛ける、さそいかける意。
「眺」 解字:形声。意符の目(め)と、音符の兆(とおい意)とから成る。目で遠くを見渡す、「ながめる」意。
「佻」 解字:形声。意ふの人(ひと)と、音符の兆(はねる意=跳)とから成る。人が軽やかに跳ねる意。
「洮」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の兆(あらう意)とから成る。水であらう意。
「恌」 解字:形声。意符の忄(こころ)と、音符の兆(うすい意=葉)とから成る。心がうすい、まことが足りない意。
「垗」 解字:形声。意符の土(つち)と、音符の兆(のがれる、はなれる意=逃)とから成る。人間界からはなれた土地、墓場の意。
「朓」 解字:形声。意符の月(つき)と、音符の兆(暗くてはっきりしない意)とから成る。光が暗くてはっきりしない月、みそかづきの意。
「祧」 解字:形声。意符の示(みたまや)と、音符の兆(はじめの意)とから成る。遠い祖先をまつる廟の意。
「桃」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の兆(きざしの意)とから成る。妊婦がつわりを癒すために食べる酸果のなる木、「もも」の意。
「銚」 解字:形声。意符の金(金属)と、音符の兆(けずる意)とから成る。土を削り取る金属製の農具、すきの意。

「率」 解字:象形。甲骨・金文は、麻綱と麻の細いとの残りの形にかたどる。篆文はさらにその上下に、さらに綱をなう道具を加えた形にかたどる。くず麻で作った綱の意。借りて、「ひきいる」「したがう」などの意に用いる。

「函」 解字:なし(象形とされる別字??の解説)
「涵」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の函(ふくむ意)とから成る。水に入れて含ませる、「ひたす」「ふくませる」意。

「楽」 解字:樂(象形)の解読
「樂」 解字:象形。くぬぎの木に野生の山繭が付着している形にかたどる。粒状の山繭の付いているくぬぎの木の意。
「薬」 解字:なし(「艸+樂」の解説)

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【2008/01/26 14:59】 | 漢字解読3 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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