象形文字の秘密
漢字の解読

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「Y」の追求6 /54

「Y」から「人」へ(その1)

 漢字は「意味と図形」が強く結びつき、微妙な形の変形が各々異なる意味を持つ記号となり、多くの記号の組パズルの世界を作っています。これが漢字の強い生命力の中心です。

1.「人」の解読

 いよいよ「人」の解読です。「人」は現在まで横向きの人の象形とされています。

「人」 部首解説:これを部首にして、人の動作・状態・性質などを表す。この場合おおむね偏となって、イの形をとる。今・令・余などのように字形の上から編入されたものもあり、これらの上部「∧」を、特に「ひとがしら」「ひとやま」、または単に「やね」と呼ぶ事もある。
    解字:人の体を側面から見た形にかたどる。人の体の意。ひいて、「ひと」の意に用いる。

 「人」は「Y」を上下逆転させた形です。「Y」が男のぶら下がる男根の象形ですから、当然「人」は男根を立てた男の意味が基本です。視点を変えるだけでこんなにも異なる意味を取り出すことができます。

」(象形):=股間に下がる男根=>おとこ(cf.49)
」=Yの上下逆転:=男根を立てた男=>普通の男=>おとこ=>ひと

 「人」が男の意味の他に女の意味を含むようになったのは、父系社会もだいぶ進んでからです。

 石器時代の「Y」「I」が男の意味であることは既に述べましたが、西洋における「I」は「Y」と同じく男根の象形と考えられ、男を表すほか父系社会になって初めて「女」も含む意味になったと類推できます。



2.「イ」の解読

 「イ」(にんべん)は、辞書の解字ではすべて「人」と表現され、両者の相違は認識されていません。

 第11回では「イ」と「彳」に関して、解読を進めるために、まず数の少ない方の「彳」の字を取り出し、その動きに関する意味の特徴をとらえ、次に同じような意味を持つ「イ」を捕らえて比較しました。そして、「イ」が身近な仕事、「彳」が大儀な仕事と、両者の意味の違いを捕らえましたが、改めてその展開を解読します。

」=Yの上下逆転:=男根を立てた男=>普通の男=>おとこ=>ひと
」=「人」の変形:=身近な仕事をする男=>部族内の男の仕事=>男仕事

」=「十」+「一」:=男根+体=>男根を持つ体=>成年男子(cf.19,21)
」=「イ」+「士」:=部族内の男の仕事+立った男根=>男根を立てる仕事=>種付けの仕事=>つかえる

 辞書の「士」の象形の解説は珍しく正確です(下の辞書の意味を参照)。

」=「ノ」+「士」:=特別な+男根の体=>特別な男=>身を任せる男=>身をまかせる=>まかせられる=>になう
」=「ノ」+「士」:=特別な+男根の体=>男の特性=>北に位置するもの=>きた(男の方位)
」=「イ」+「壬」:=部族内の男の仕事+まかせる=>まかせられた仕事=>になう

 「壬」は二つの意味の流れが考えられます。

」=「イ」+「弋」:=部族内の男の仕事+くい=>立っているだけの仕事=>居るだけのもの=>かわりのもの=>一時的な首領=>時代のかわり=>じだい(「弋」cf.15)
」=「イ」+「戈」:=部族内の男の仕事+武器=>武器を扱う男仕事=>木を切る仕事=>(木を)きる=>打ち取る=>打ち従える=>うつ(「戈」cf.15)
」=「イ」+「左」:=部族内の男の仕事+(左縛りの)衣を着けた技師=>見習いの仕事=>補助の仕事>たすける(「左」cf.42)
」=「イ」+「右」:=部族内の男の仕事+(右縛りの)衣を着けた女=>手伝いの仕事=>たすける(「右」cf.42)

」=「イ」+「足」:=部族内の男の仕事+あし=>履物の仕事=>出発準備の仕事=>出発をうながす=>うながす(「足」cf.41)
使」=「イ」+「吏」:=部族内の男の仕事+女の衣丈=>衣丈を計る仕事=>裁縫師=>余暇に雑用を頼まれるもの=>つかわれる=>つかう(「吏」cf.44)

」=「イ」+「ヒ」:=部族内の男の仕事+ただのおとこ=>男の世話係り=>仕事で目覚める男=>理性を獲得する男=>変化した男=>かわる(「ヒ」cf.49)

 垂れ流す男が、手仕事を持つことで責任感が生まれ、それがきっかで理性的に目覚めることを「化」で表したと考えられます。字の構成として「人」の男根を立てた意味を汲む「イ」と、「Y」の男根をぶら下げた意味を汲む「ヒ」による「上下する男根」の対比を裏に含んだ二重構造です。「化」は視覚的に記憶を助ける大きな効果を持つ傑作です。


」=「イ」+「九」:=男の仕事+最高の女指導者=>指揮者の使い=>執行するもの=>恨まれるもの=>かたき(「九」cf.18)

 「仇」は「署」と同じく、憎まれごとの執行、権威をバックにした行動等への反感を買う損な役割です。

」=「イ」+「犬」:=部族内の男の仕事+いぬ=>犬の仕事=>ふせを教える=>ふせさせる=>ふせる

 狩に犬を使うためには、犬と共に身を隠すことが必須です。

」=「イ」+「中」:=身近な男仕事+セックスの最中=>情事を助ける仕事=>体を合わせる=>ちゅうかいする=>なかだつ(「中」cf.38)
」=「イ」+「主」:=身近な男仕事+隠れた主=>隠れて住むひとの仕事=>住み込む仕事=>すむ(「住」cf.51)
」=「イ」+「占」:=男の仕事+うらなう=>男の占い師=>相手をうかがう=>うかがいみる
」=「イ」+「衣」:=身近な男仕事+ころも=>衣の仕事=>衣を作ってもらう=>たよる(「衣」cf.51)


 以上「イ」は身近な(部族内の)男の仕事の意味ですが、以下に「男」を主体として示すと考えられる例を示します。

」=「ム」+「人」:=(女性器の)ない+男=>女性器のない方の人=>(女主人に)にたおとこ=>似た者をつかう=>もちいる=>もってする/もって
」=「イ」+「以」:=男+(指揮者や女)ににた男=>にた男=>にる

 「似る」の意味は初期には「以」でしたが、次第に「以」が「指揮者に似た(指揮者の)男子を徴用する」ことを意味するようになり、元の「似る」意味は特に「イ(にんべん)」を付けて区別したと考えられます。したがって、この「イ」には男の仕事の意味が消えています。

」=「イ」+「言葉」:=男+言葉=>男の(単純な)言葉=>しんじられる=>しんじる=>まこと

 男が言葉を上手に操れるようになるのは「信」の字ができた時よりずっと遅い時代で、ことばの仕事とは考えられません。

」=「イ」+「申」:=男+上下に伸びるもの=>背の伸びる男=>背が伸びる=>のびる(「伸」「申」cf.8)
」=「イ」+「奄」:=男+纏足の男=>おれ(「奄」cf.10)

 「伸」と「俺」は田の展開として、「イ」「彳」の前に既に紹介しました。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「士」 解字:象形。男子の性器がぴんと立った形にかたどる。
「仕」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の士(仕事の意=事)とから成る。古代、貴族の仕事は奴隷の役目であったことから、仕事をする奴隷の意。のち、使用人の意に、転じて、「つかえる」意に用いる。

「壬」 解字:象形。織機の道具の経糸を巻きつけた軸のさまにかたどる。経糸を巻きつけて膨れた軸の意。借りて十干の第10位に用いる。
「任」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の壬(物を入れて両端を縛る円筒の袋で、背に負うもの)とから成る。人が背中に荷物を負う、「になう」意。ひいて、「たえる」意に用いる。

「代」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の弋(かわる意)とから成る。代わりの人、代理人の意。ひいて、「かわる」「かえる」、また、時代などの意味に用いる。
「伐」 解字:象形。人を戈で刺撃したときの形にかたどる。
「化」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符のヒ(本物でない意=偽)とから成る。人が仮装などをして本来と違った別人となる意。ひいて、「かわる」「かえる」などの意に用いる。一説に、会意で、人とそのひっくり返ったさまとにより、人が形をかえる、ひいて、「かわる」意を表すという。

「伏」 解字:会意。意符の人(ひと)と、意符と音符を兼ねる犬(いぬ)とから成る。もと、いぬが自身を守るために、人を見て腹ばってほえる意。ひいて「ふせる」意に用いる。

「仲」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の中(真ん中の意)とから成る。伯(長男)と叔(三男以下。一説に、季(末子))との中間の人の意。
「住」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の主(立ち止まっている意=駐)とから成る。人が歩行しないでじっと立ち止まる意。ひいて、「とどまる」「すむ」意に用いる。
「佔」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の占(うかがう意=覘)とから成る。うかがいみる意。
「依」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の衣(真っ直ぐ立てないで傾く意=奇)とから成る。もと、体の傾いたあしなえの意。ひいて、他のものに寄りかかる、「よる」意に用いる。

「以」 解字:会意形声。意符の人(ひと)と、意符と音符を兼ねる??(すきの意)とから成る。すきをもった人、農夫の意。借りて、「もちいる」「もって」などの意に用いる。
「似」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符のム(=以。容貌が同じである意)とから成る。人の顔かたちが似ている意。
「信」 解字:形声。意符の言(古くは、口から出る心の意と考えられていた)と、音符の人(古文は心。重なる意=申)とから成る。内から出る言葉が心と重なって合致している、ことばが「まこと」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「彳」の解読

 「彳」は本来「人」の直接の変形ではなく別の要素「ノ:=特別な」が付いており、次回以降に紹介する予定でしたが「イ」との対比のために「イ」に続けます。

」=「ノ」+「イ」:=特別な+身近な男仕事=>村の外の男仕事=>大儀な仕事=>過酷な仕事

」=「彳」+「二」+「丁」:=村の外の仕事+二+(融合)+働く男=>二人で村のまわりを見張る仕事=>巡視の男仕事=>見回りに行く=>ゆく

 現在でもパトロールは原則二人で行きます。旁の部分は融合と考えずに「二+|:=に+棒(男)」と解釈することも可能ですが、「丁:=仕事をする男」の意味を生かし、二人が並んで行動する様子が上の四画で表されています。この字は、「象形」というより「象状況」と考えられます。

」=「彳」+「正」:=村の外の仕事+ただす=>村の外を正す=>攻め行く=>たいらげる=>うつ(「正」はcf.20)

」=「彳」+「主」:=村の外の男仕事+ぬし=>村の外の主の仕事=>御用聞きに村の外へ行く=>村の外へ往復する=>ゆく/行って帰る(「主」cf.51)

 「住」と「往」で、同じ隠れた主に仕えるのですが、主が部族内にいる場合はその邸宅内に住み込み、部族の外にいる場合は行き来したと考えられます。

」=「彳」+「聿」:=村の外の仕事+技能者=>外の技能者を助ける仕事=>(弟子入りして)言いつけに従う=>従うおきて=>きまり=>のり/さだめ(「聿」cf.34)


」=「土」+「足-口」:=おとこ+あし=>おとこの足=>でかける=>あるく/はしる=>はしる
」=「彳」+「走」:=村の外の男仕事+おとこの足=>村の外を動き回る仕事=>遠くに出かける=>あるいて行く=>あゆむ

 「走」は「徒」との関係で、第20回の解読を少し修正します。「走:=男の足」はもと「出かける」意味で、「徒」が「遠くに出かける」意味でしたが、「徒」が遠いので歩く意味となったので「走」が「はしる」意味に変化したと考えられます。


」=「彳」+「方」:=村の外の男仕事+あっちこっち=>村の周りの仕事=>外を動き回る=>さまよう

従-彳」=「ソ+一」+「足-口」:=正面+あし=>足の正面=>進む先
」=「彳」+「ソ+一」+「足-口」:=村の外の男仕事+進む先=>外の仕事で歩み進む先=>したがう 


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「行」解字:象形。意符の行(??=十字路の)左半分の形にかたどる。道、あるいは道を行く意。
「征」 解字:形声。意符の彳(みち)と、意符と音符を兼ねる正(膝以下の下肢の意)とから成る。足で道を歩行する、「ゆく」意。借り手「うつ」意に用いる。
「往」 解字:なし(本字「??」の解説)。
「律」 解字:形声。意符の彳(みち)と、音符の聿(ひとつにする意=一)とから成る。一筋の道の意。ひいて、「のり」の意に用いる。
「徒」 解字:形声。意符の「徒-土(=辵。道路を歩く)と、音符の土(ふむ意=踏)とから成る。道路を踏み歩く、車に乗らないで歩く意。

「彷」 解字:形声。意符の彳(ゆく、あるく)と、音符の方(左右・両側の意=旁)とから成る。左右に歩く、さまよう意。
「従」 解字:なし(「從」の解説)。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



4.「入」の解読

 この項では前に「内」を「冂」の展開として「入」には深く触れずを紹介しましたが(cf.32)、改めて「入」の展開として「内」を紹介します。

」=Yの上下逆転:=男根を立てた男=>普通の男=>おとこ=>ひと
」=「人」の変形=>男根の先を横にした男(性交の体勢の男)=>交わる男根=>はいる

」=「入」+「王」:=はいる+大きな男根=>大きな男根を入れる=>すべて入れる=>すべて=>まったく=>かんぜんに
」=「木」+「全」:=き+すべて入れる=>口に入れ込む木=>きのせん=>せん

 「入+冂」は教育用漢字で「内=人+冂」となっていますが、以下「内」で代用します。本解読には教育用の趣旨に反する内容も含みます、念のため (^-^*)。

」=「入」+「冂」:=交わる男根+からだ=>体に入った男根=>はめる/うち側=>うち
」=「言」+「内」:=ことば+うち側=>うち側のことば=>くぐもったことば=>はっきりしないことば
」=「口」+「内」:=くち+うち側=>口の内側=>音が口からでない=>音が詰まる=>どもる
」=「氵」+「内」:=みず+うち側=>内側の水=>入り江=>ながれこむ=>(川の)合流点
」=「月」+「内」:=からだ+うち側=>内側の(充実した)体=>肥えた体=>肥える
」=「衣」+「内」:=衣のうち側=>縫い繕ったもの=>ぬいつくろう/おぎなう
」=「糸」+「内」:=いと+うち側=>内側のいと=>内側をぬう=>縫い代をおさめる=>おさめる

」=「木」+「内」:=き+はめる=>組み木=>ほぞ

 「全」の上は現在「∧」になっていますが「設文解字」も「康煕字典」も上が「入」になっています。また、「全」が「入+工」と「王」が「工」になた説明もありますが、「入+工:=巧みに入れる=>テクニシャン」となり、意味が異なります。

 「入」の展開には「扖:=はめる」など少しあるのですが、「説文解字」に載っていないので省略します。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「入」 解字:象形。穴居、あるいは家屋の入り口の形にかたどる。いりぐち、または、中にはいる意。
「全」 解字:会意。意符の入(美・善の意味を表す)と、意符の王(=玉。たまの意)とから成る。混じりけのない美しい玉の意。ひいて、「かんぜん」の意に用いる。
「栓」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の全(さしこむ意)とから成る。口に差し込むくぎの意。

「内(=「入+冂」) 解字:象形。穴居、あるいは家の入り口の形にかたどる。入り口または入る意。ひいて、「はいる」意に用いる。一説に会意形成で、家(冂)と入れる意味と音を示す「入」とからなり、家に入れる、ひいて、「うち」の意を表すという。教育用漢字は俗字による。

「訥」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の内(くるしむ意=難)とから成る。ことばに苦しみすらすらでない、どもる意。
「吶」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の「入+冂」(ゆきづまる意=頓)とから成る。口ごもる、「どもる」意。
「汭」 解字:形声。意符の水(みず)と、意符と音符を兼ねる「入+冂」(はいる意)とから成る。川が別の川に流れ込む、また、その流れ込む所の意。
「肭」 解字:形声。意符の肉(にく)と、音符の「入+冂」(つまる意=吶)とから成る。肉や脂肪が多く詰まっている、肥える意。
「衲」 解字:形声。意符の衣(ころも)と、音符の内(補いつづる意=納)とから成る。いろいろの布を継ぎ足して補う意。転じて、ころもの意に用いる。
「納」 解字:形声。意符の糸(いと)と、音符の内(ぬれる意=淖)とから成る。水にぬれた糸の意。借りて、「いれる」「おさめる」意に用いる。

「枘」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の「入+冂」(でっぱっている意=吶)とから成る。大きな木にはめ込む小さな突起、「ほぞ」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



5.「乞-乙」の解読

 「乞-乙」に関しては、「巾」の字の意味を先に示さないと解説をに進めるのが困難でしたので、「制」を分解して先に示しました。改めてここで紹介します。

乞-乙」=「人」の変形:=足を跳ね上げる人=>若い男=>男子=>若者
」=「乞-乙」+「乙」:=若い男+若い女=>若い男と女=>乙女が求める若者=>もとめる(こう)=>(ぎこちなく)求め合う=>目的を達する=>ことをおえる(「乙」cf.19)
」=「イ」+「乞」:=おとこ+こう=>おとこがこう(男が告白する)=>いさましい
」=「忄」+「乞」:=こころ+若い男女=>若いカッブルの心=>よろこぶ
」=「口」+「乞」:=くち+ぎこちない=>ぎこちない口=>どもる
」=「山」+「乞」:=やま+若くぎこちない=>けわしいやま=>けわしい
」=「乞」+「辵」:=男女が求めあう+あし=>求めて歩み寄る=>性交まで至る=>~まで至る=>~まで=>まで
」=「言」+「乞」:=ことば+おえる=>いいおえる=>おえる

 女主導の社会では「女が男に乞う(女が男を求める)」のが当たり前だったのでしょう。また、それは体を交え終えることであったことが、「迄」「訖」の意味から推測できます。
逆に「男が女に乞う」場合は特に「男」を示す「イ」が付いていますが、先に示した主体を表す「イ」です。


竹の偏」=「乞-乙」+「|」:=若いもの+ぼう=>地上のぼう=>たけのこ
」=「竹の偏」+「竹の偏」:=たけのこ+たけのこ=>たけのこの群れ=>たけ

」=「气-乙」+「山」:=男子の体+上に噴出すもの=>若い男根=>突き立つもの=>筒型の入れ物=>かん

」=「石-口」+「小」:=若い男の体+小さい=>小さい男子=>おまえ/なんじ

气-乙」=「乞-乙」+「一」:=若い男+体=>男子の体=>男子
」=「气-乙」+「乙」:=若い男の体+若い女=>乙女の引かれるもの=>ひくもの=>ひく=>みりょく
」=「氵」+「气」:=みず+ひかれるもの=>(上に)ひかれる水=>ゆげ=>水蒸気
」=「气」+「分」:=ひかれるもの+わける=>=>引き分けられるもの=>形を変える雲=>雲気や天候=>天の気

 よく使う「気」は「メ」の解読で紹介します。

」=「矢-人」+「人」:=男子の体+男根を立てた人=>男根を突き出した男子=>突き出すもの=>や
」=「矢-大」+「大」:=男子+大きな男根=>大きな男根の男子=>突き出すもの=>や

 「矢」は二つに解読できますが、どちらも似た意味となります。

」=「冂」+「|」:=体+男根=>体で上下する男根=>操る男根=>操れるもの=>制御できるもの=>制御すること=>制する/おさえる=>髪や乳房を押さえる布=>覆う布=>ぬのきれ(cf.34)
制-刂」=「气-乙」+「巾」:=男子の体+制する=>男子の体を制する=>(凶暴な)男子を制する=>せいする
」=「制-刂」+「刂」:=せいする+刀=>刀でせいする=>強制的にせいする=>せいする

」=「气-乙」+「|」:=若い男+棒=>若者の男根を持つもの=>うま
」=「乞-乙」+「十」:=若い男+男根=>若者の男根を持つもの=>うま

」=「木」+「午」:=き+若者の男根=>木の棒=>きね(柄がない原始的なもの)
」=「言」+「午」:=ことば+若者の男根を持つもの=>若者のことば=>おおめにみる=>ゆるす

 「午」は二つの解釈ができますがどちらも同じ意味です。午の男根の形が人に非常に似ていることによります。

観-見」:=「乞-乙」+「隹」:=若いもの+足を後ろにして飛ぶ鳥=>若いとり=>飛んでいる若者(比喩的表現)=>機運の乗ったもの
」=「観-見」+「見」:=飛んでいる若者+領主の跡取り娘=>跡取りの相手=>よく見て選ぶ=>よく見る(「見」cf.48)
」=「観-見」+「欠」:=飛んでいる若者+理性を欠くもの=>無邪気な若者=>単純に喜ぶ=>よろこぶ
」=「観-見」+「力」=>飛んでいる若者+ちから=>(機運に乗った)力のある若者=>すすめられる者=>すすめる

 「観」「歓」「勧」は各々「觀」「歡」「勸」の俗字となっていますが、「觀-見」は別の意味です。漢字が複雑になる時代に追加されたものと考えられます。

 よく使う「権」は「木」の解読をしないと意味がとれないので後述します。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「乞」 解字:象形。水蒸気が立ち上がるさまにかたどる。もと、气に同じ。のち、乞の字形となり、借りて、「こう」に用いる。

「」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の乞(つよい意=詰)とから成る。人の勇壮である意。
「忔」 解字:形声。意符の忄(こころ)と、音符の乞(つまる、いっぱいにつまる意=詰)とから成る。心が充実する、よろこぶ意。
「吃」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の乞(つかえる、つかえてとまる意=訖)とから成る。口から出る声がつまる、「どもる」意。
「屹」 解字:形声。意符の山(やま)と、音符の乞(高大の意=)とから成る。山が高く険しくそびえたつ意。
「迄」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の乞(およぶ意)とから成る。みちを行って及ぶ意。ひいて「いたる」意に用いる。
「訖」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の乞(おわる意=既)とから成る。話おわる意。ひいて、「おわる」意に用いる。

「竹」 解字:象形。竹の葉が垂れ下がっている形にかたどる。葉の小さく垂れ下がっている草木、くまざさ、ひいて、「たけ」の意。

「气」 部首解説。これを部首にして、期待の状態を表す文字ができている。
    解字:象形。人の呼吸する息、あるいは蒸気が、立ち上がる形にかたどる。立ち上がる蒸気の意。もと、汽の古字。
「汽」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の气(いきの意=泗)とから成る。自ら立ち上がる息のようなもの、水蒸気の意。
「氛」 解字:形声。意符の气(き)と、音符の分(発散する意)とから成る。天地の間に発散する気。

「缶」 解字:象形。口がすぼんで腹部が膨らんだ、蓋付きの素焼きの器にかたどる。腹部の膨れた素焼きの器、「ほとぎ」の意。

「尓」 解字:なし(「爾」の解説)。

「矢」 解字:形声。鏑(ヤジリ)や栝(タメギ)と矢竹により、矢の形にかたどる。真っ直ぐに飛ぶ「や」の意味。

「制」 解字:会意。意符の刀(かたな)と、意符の??(「制-刂」。幹と皮を備えた木の形)とから成る。刀で木を切り刻む、、また大きな木材を規格に従って、大小それぞれに裁断する意。

「午」 解字:象形。臼を搗(ツ)くきねの形にかたどる。もと、音を立てて臼をつくきねの意。杵の原字。借りて、十二支の第七位二用いる。
「杵」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の午(きね)とから成る。木製の穀物などをつく「きね」の意。
「許」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の午(ゆるす意=興)とから成る。相手の言葉を聞き入れる、「ゆるす」意。

「観」 解字:なし(觀の解字)。
「歓」 解字:なし(歡の解字)。
「勧」 解字:なし(勸の解字)。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



6.「石-口」の解読

石-口」=イの45度右回転:=前かがみの男=>硬い男根の男=>かたいもの=>かたい
」=「石-口」+「口」:=かたいもの+ひと=>(考えの)かたい(堅実な)人=>かたいもの=>いし

」=「宀」+「隹」:=いえ+足を伸ばして飛ぶ鳥=>家の中のとり
」=「石」+「隺」:=かたいもの+家の中のとり=>とりの死骸(剥製/羽の商い)=>たしかめる=>たしか
」=「石」+「更」:=いし+次第にかわる=>だんだん石のようになる=>かたくなる=>かたい(「更」cf.44)
」=「石」+「乞」:=いし+おわる=>石になったもの=>かたい石
」=「扌」+「石」:=て+堅い人=>取りこぼしのない手=>堅実に拾い上げる=>確実に推める=>確実に開拓する=>ひらく

 干物や練り土(レンガ)から水が蒸発し、次第に石となると考えられたようです。

」=「石-口」+「日」=>かたいもの+優れた女=>(考えの)かたいすぐれたひと=>殆どの女=たくさんのもの=>ひゃく
宿-宀」=「イ」+「百」:=男の仕事+(身持ちの)かたいひと=>身持ちの硬いひとを助ける男仕事
宿」=「宀」+「宿-宀」:=いえ+身持ちの硬いひとを助ける男の仕事=>夜に泊るいえ=>やど

 「百」の字のできた時代には、村落が既に女数100人を超える規模に成長していたと考えられます。

面-(石-口)」=「目」+(融合)+「口」:=目の周り
」=「面-(石-口)」+「石-口」:=目の周り+かたいもの=>目の周りの硬い所=>かお=>めん

而-(石-口)」=「冂」+「||」:=からだ+両手=>両手をついてあるく男(「冂+||」cf.33)
」=「石-口」+「而-(石-口)」:=硬いもの+両手を付いてあるく男=>男根の硬い男/おまえ=>(立てているにも関わらず)手を付いて歩き回る=>~にも関わらず
」=「雨」+「而」:=あめ+男根の硬い男=>雨と男根の硬い男=>必要なもの=>もとめる


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「石」 解字:形声。意符の○(いしの塊)と、音符の??(厂は変わった形。ばらばらになる意=釈)とから成る。大きな岩から分解した小さい「いし」の意。
「確」 解字:形声。意符の石(いし)と、音符の隺(かたい意=固)とから成る。石の硬い意、ひいて、「かたい」意に用いる。
「硬」 解字:形声。意符の石(いし)と、音符の更(つよい意=剛)とから成る。石の堅い意、ひいて、「かたい」意に用いる。
「矻」 解字:形声。意符の石(いし)と、音符の乞(いしのかたい意=堅)とから成る。石の硬い意。
「拓」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の石(取り上げる意=拾)とから成る。手で取り上げる、「ひろう」意。かりて、「ひらく」意に用いる。

「百」 解字:会意形声。意符の一(いち)と、意符と音符を兼ねる白(親指の爪の白い部分の形。もと、手で数を示すとき、親指で「ひゃく」を表した)とから成る。一つの「ひゃく」、つまり「ひゃく」の数の意。
「宿」 解字:なし(甲骨文字??の解説)。
「面」 解字:象形。面を被った頭の形にかたどる。顔を隠す「面」の意。ひいて「おも」「おもて」「つら」の意に用いる。
「而」 解字:象形。もと、長く垂れたあごひげの形にかたどる。顔を飾るあごひげの意。借りて、助字に用いる。
「需」 解字:形声。意符の雨(あめ)と、音符の而(ぬれる意=濡)とから成る。雨にぬれる意、借りて「まつ」、「もとめる」意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



7.「ト」の解読

 第20回では「ト」を「十の右半分」と解読しました。「人」の変形で解釈することもできそうです。ただし、「十」の場合は二画目が横棒ですが、「人」の変形の場合は二画目が斜めであり、その傾いた意味が微妙に含まれています。

「ト:=かたあし」に関する展開は大20回を参照してください。

」=「十の右半分」:=半分になった棒=>枝分かれしたもの=>かたあし
」=「人」の変形:=棒/えだ=>かたあし

」=「夕」+「ト」=傾いたもの+えだ=>そと向きのえだ=>そとむき=>そと
」=「木」+「ト」:=き+ぼう=>ぼうのき=>めしべが棒状の木=>ほおのき


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「外」 解字:形声。意符のト(亀の甲羅にできたひび割れの形)と、音符の月(夕は省略形、かける意=缺)とから成る。亀トの表面に現れた、占いのひび割れの意。ひび割れが甲羅の表面(そとがわ)にできることから、「そと」の意に用いる。
「朴」 解字:形声。意符の木(き)と、音符のト(はぐ意=剥)とから成る。木の表面を覆っているものをはぎとったもの、木の皮の意。借りて、飾り気がない意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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【2007/05/20 15:15】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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