象形文字の秘密
漢字の解読

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「Y」の追求 /49

 いよいよ今回から解読も佳境に入ってきました。このあたりになると辞書の解説は殆ど役にたたなくなります。

 音と意味の結びついた原始的は聴覚言語の世界から、記号と意味の結びついた新たなる視覚言語の世界へ、象形文字の発達とともに人の智恵の黎明期を鑑賞することとになります。

 命への感覚「生=>性」が基調音として響いていますが、社会的な組織化や知的に生を捕らえようとする響きにも耳を澄ませてください。


古代の洞窟に描かれた壁画の中で「Y」は「男」、「▽」は「女」の意味と解釈することは考古学で確定しています。

 男と女の股間の象形「Y」と「▽」はどちらもたった3画で男女を書き分けています。これらの記号を使い分けるために、男女の体の特徴的な一部で全体を象徴する抽象化の能力が前提となります。
 
 今後数回にわたり「Y」の追求をします。少しずつその変形を紹介してゆきます。


1.「Y」から「ヒ」へ

 この形は「Y」の先が西洋の小文字のyと逆方向に曲がっています。まず辞書の部首の解説から入ります。

「ヒ」 部首解説:これを部首にした「さじ」に関する文字ができているが、きわめて少ない。主に文字整理上から設けられた部首。「ひ」という。
    解字:象形。足がなえて曲がっている形にかたどる。もと、「足なえ」の意。借りて、「さじ」の意に用いる。

 象形「Y」を得た後、次第にその展開を利用するようになったはずです。

」(象形):=股間に下がる男根=>おとこ
」=「Y」の変形:=ぶら下がる男根=>おとこ=>おす
」=「ヒ」+「ヒ」:=おとこ+おとこ=>並べたおとこ(男達、オス達)=>おとこをくらべる=>くらべる
」=(「ム」+「月」)+「比」:=(「ない」+「命を生む体」)+くらべる=>おすのからだ+くらべる=>おすをくらべる=>オスを選ぶ=>できることで択ぶ=>できること=>うまくできる

 辞書で「比」は五画ではなく四画で、偏が「ヒ」か「上」かの論議がありますが、「能」の字では「比」が縦に並んでいて「上」が使われておらず、結局「比」は「ヒ」を二つ並べたものと解釈します。
『設文解字』と『康煕字典』はともに「能」を「熊」の意に解説しています(「熊」は後に解説)。

屁-ヒ」=「口」+「|+ノ」(左はね棒)=>しり
」=「屁-ヒ」+「ヒ」:=しり+並ぶもの=>しりに並ぶもの=>けつ=>へ

」=「日」+「比」:=ひと+男達=>男のひと達=>絡み合って戯れる男達=>絡み込む
」=「氵」+「昆」:=みず+絡み込む=>絡み込む水=>まじる

」=「比」+「白」:=くらべる+かがやくもの=>輝きを競うもの=>ほとんどの女達=>みんな=>より合うもの(よりあわす)=>拠り所=>中心=>しん
」=「イ」+「皆」:=男の仕事+みんな=>女達への男の仕事=>ともする
」=「阜」+「皆」:=たくさんもの+拠り所=>たくさんの拠り所=>たくさんの足がかり=>はしご
」=「扌」+「皆」:=て+より合うもの=>手をより合わせる=>手をこする=>ぬぐう
」=「木」+「皆」:=き+拠り所=>(部族の)拠り所となる(真っ直ぐな)木=>中心の木

 「昆」と上下の逆転した「皆」は「日:=おんな」に指示の点を付け「白:=かがやくもの」へと区別しています。

」=「ヒ」+「日」:=おとこ(ぶら下げた男根)+知恵者=>おとこの知恵者=>知恵の意図するもの=>意向=>むね
」=「ヒ」+「日」:=おとこ+知恵者=>おとこの知恵者=>(筋肉質でない)柔かい男=>うまい
」=「扌」+「旨」:=手+柔かい男=>手の柔かい男=>ゆび
」=「月」+「旨」:=体+柔かい男=>柔かい体の人=>うまい>あぶら身=>あぶら

 「旨」は食べてうまい意味が始で、男の智恵が女に追いつき「意向」の意味に変わったので、改めて体の美味さは「月:=からだ」を追加して「脂」ができたと考えれれます。

」=「イ」+「ヒ」:=おとこの仕事+おとこ=>男がする男の世話=>世話をする男=>(仕事の責任感で)大成長する=>ばける
「疕」=「疒」+「ヒ」:=やまい+おとこ=>男のやまい=>はげ
」=「死-ヒ」+「ヒ」:=傾いた体+おとこ=>男の死体=>しぬ(「死-ヒ」は第42回参照)

老-ヒ」=「土」+「ノ」:=特別の+人=>年取った人
」=「老-ヒ」+「ヒ」:=年取った人+おとこ=>おとこの老人=>おいる


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「ヒ」 解字:ナシ(似た字に「匕」があり参考に載せます。
「比」 解字:象形。人が二人並んでいる形にかたどる。ひいて、「ならぶ」「くらべる」意に用いる。从(=従う。したがう意)と反対向きの字。
「屁」 解字:形声。意符の()と、音符の(意=)とから成る。意。
「能」 解字:形声。意符の「能-ム-月」(=??。獣の前後の足の形))と、音符の「ム+月」(真っ黒い意)とから成る。真っ黒い獣、熊の意。熊の原字。借りて、「あたう」「よくする」意に用いる。

「昆」 解字:象形。多くの節足を持つ昆虫の一部分の形にかたどる。ムカデのように多くの節足が繋がった虫の意。借りて。「あに」の意に用いる。
「混」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の昆(地下水が噴出して渦巻く意)とから成る。水のたえずわき出て流れる意。

「皆」 解字:会意。意符の日(白は誤り変わった形。口を開いていう意)と、音符の比(人が並ぶ意)とから成る。皆が同じように言う意。ひいて、みなの意に用いる。
「偕」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の皆(並びそりう意)とから成る。人が並びそろう、「ともにする」意。
「階」 解字:形声。意符の阜(おか、やま)と、音符の皆(きざはしの意)とから成る。上り道がきざはし状になっている丘の意。ひいて、「きざはし」(階)の意に用いる。
「揩」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の皆(こする意)とから成る。手でこする意、ひいて、「ぬぐう」意に用いる。
「楷」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の皆(曲がらずに真っ直ぐの意)とから成る。枝や幹が曲がらずに真っ直ぐ伸びる木の意味。

「旨」 解字:形声。意符の甘(日は変わった形。うまいとする意)と、音符のヒ(さじで口に入れる意=匙)とから成る。さじで口に入れてうまいとする、「うまい」意。かりて「むね」の意に用いる。
「指」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の旨(分かれる意=支)とから成る。手の先の分かれた部分、指の意。ひいて、「ゆびさす」意に用いる。
「脂」 解字:形声。意符の肉(にく)と、音符の皆(固まる意=凝)とから成る。肉の中にこり固まっているもの、「あぶら」の意。

「化」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の匕(本物でない意=偽)とから成る。人が仮装などして本来と別人になる意。ひいて、「かわる」「かえる」などの意に用いる。一説に、会意で、人とそのひっくり返ったさまにより、人が形を変える、ひいて「かわる」を表すという。
「疕」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符のヒ(あたまの意)とから成る。頭の病気、頭にのできものの意。頭のできもの。はげ。
「死」 解字:形声。意符の「死-ヒ」(死体)と、音符の尸(尽きてなくなる意)とから成る。死体が風雨にさらされ、肉が落ちて白骨だけとなる意。
「老」 解字:象形。長毛で背の曲がった老人が杖をついているさまにかたどる。背の曲がった年寄りの意。ひいて「おいる」意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.「Y」から「逆y」へ

 「ヒ」はさらに「豕」「水」「衣」などの字の最後の二画(以下「逆y」と記述します)の変化があります。


逆y」=「Y」の変形:=男根を下げたもの=>おとこ=>(動物の)おす

易-日」(象形):=「四本足の動物」(第28回参照)
昜-日」=「一」+「易-日」:=からだ+四本足の動物=>四本足の動物の体=>獣の体=>獣
豕-逆y」=「昜-日」+「逆y」:=動物の体+おす=>おすの獣の体=>獣(おす)
」=「豕-逆y」+「逆y」:=獣+おす=>獣のおす=>いのしし=>ぶた
」=「辵」+「豕」:=あし+いのしし=>いのししの走り=>ひたすら追う=>おいかける
隊-阝」=「ハ」+「豕」:=分ける+いのしし=>いのししが蹴散らして分ける=>蹴散らす
」=「阝」+「隊-阝」=たくさんのもの+蹴散らして分ける=>たくさんで追い出すもの=>戦の組=>くみ
」=「辵」+「隊-阝」:=あゆみ+蹴散らして分ける=>蹴散らして進むあし=>たっする=>とげる
」=「月」+「豕」:=体+ぶた=>ぶたの肉=>ぶた
」=「宀」+「豕」:=いえ+ぶた=>豚の小屋=>いえ

 特に「豕」は野生の食用の「いのしし」だったのが、「ぶた」として家畜化され重宝がられた時代が続いたと考えられます。

「隊」の旁の上は現在「ソ」に成っていますが古い形は「ハ」で、書きやすさのための変形です。

住む家より食用の豚を飼育する建物の方が進んでいるのは、住居よりオフィスの方が環境の整っている現代でも同じです。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「豕」 解字:象形。頭と足、尾のある豚の形にかたどる。「いのこ」の意。
「逐」 解字:形声。意符の辵(ゆく)と、音符の豕(豕は誤り変わった形=追)とから成る。追いかけて行く意。ひいて、「おいかける」意に用いる。
「豚」 解字:会意。意符の豕(ぶた)と、意符の月(にく)とから成る。神に備える際に丸のまま用いられた、生まれたばかりの子豚の意。ひいて「ぶた」の意に用いる。
「家」 解字:形声。意符の宀(いえ)と、音符の??(豕は誤り伝わった形。ひまの意=暇)とから成る。閑居する家の意。ひいて、「いえ」の意に広く用いる。

「隊」 解字:形声。意符の阜(おか)と、音符の「ハ+豕」(垂れ下がる意=垂)とから成る。丘の炊きい所から下に落ちる意。借りて、「くみ」の意に用いる。
「遂」 解字:会意形声。意符の辵(ゆく)と、意符と音符を兼ね備える「ハ+豕」(押しのける意とぶた)とから成り、豚が群れをなして押しのけて進む意。転じて、「とげる」「ついに」の意に用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「幺」の追求

 「糸」の中の「幺」も一つの部首です。いずれも象形で、特に「糸」はこの字から連想できる二つの起源があるようです。

「幺」 部首解説:これを部首にして、小さい、弱い、かすか、などの意を表す文字ができている。その字形から「いとがしら」などという。
(ヨウ)解字:象形。カイコの二本の糸の互いに交わり合うさまにかたどる。ごく細い糸の意。ひいて、小さい意に用いる。
「糸」 部首解説:これを部首にして糸の種類・形状・製品などに関する文字ができている。
    解字:(A)象形。繭からでる生糸の幾本をあわせて撚った形にかたどる。極めて細い生糸の意。
    解字:(B)象形。糸を二本合わせて撚った形にかたどる。極めて細い生糸の意。


」=「逆y」+「ム」:=おす+ない=>オスのいない(分からない)もの=>オスメスのないもの(「ム」は第14回参照)

幾-戍」=「幺」+「幺」:=オスノないもの+オスのないもの=>オスのないもの達=>子供達
」=「人」+「戈」:=おとこ+武器(道具)=>男の武器(道具)=>男の道具(第15回参照)
」=「幾-戍」+「戍」:=子供達+男の道具=>男の作った子供達の道具=>男の作るオモチャ=>オモチャ=>(道具のかすかな)きざし=>かすか。きざし。ちかい。
」=「木」+「幾」:=き+オモチャ=>木のオモチャ=>木の道具=>はたおり機=>はた

」=「山(:=火山=>やま)」+「幾-戍」:=やま+子供達=>やまの子供達=>隠れたままの(行方不明の)子供達=>あきらかでない=>くらい/かすか

磁-石」=「ソ+一」+「幾-戍」:=まえ+子供達=>子供達のまえ(自然に近づく)=>ひきつけるもの=>ひきつける(「ソ+一」は第回参照)
」=「石」+「磁-石」:=いし+ひきつける=>ひきつける石=>じしゃく
」=「氵」+「磁-石」:=みず+ひきつける=>ひきつける水(はちみつ?)=>栄養のあるもの
」=「磁-石」+「心」:=ひきつける+こころ=>ひき付ける心=>情深い心=>いつくしむ


」=「幺」+「力」:=オスメスのないもの+ちから:=子供(中性)の力=>おさない力=>おさない
」=「幺」+「小」:=オスメスのないもの+ちいさい=>オスメスのない小さいもの=>毛虫類=>カイコ=>カイコの出すもの=>いと=>繋がったもの
」=「ノ」+「糸」:=特別な+繋がったもの=>特別な繋がり=>親子の繋がり=>血の繋がり=>血筋=>すじ
」=「糸」+「己」:=繋がったもの+はいはいする女(自称)=>私に繋がるもの(家系譜)=>新たに始まる譜=>はじまり
」=「田」+「糸」:=うむもの+いと=>生み出される糸=>繋がったもの=>つながる=>(先祖代々)繋がるもの=>(世代を)重ねるもの=>かさねる

 辞書では「幺」は三画、「糸」は六画であり、結局「逆y」は二画ではなく一画にしかなりません。


奚-爪」=「幺」+「大」:=オスメスないもの+おおき=>オスメスない大きいもの
」=「爪」+「奚-爪」:=つめ+オスメスない大きいもの=>鳥類
」=「奚」+「隹」:=オスメスのない大きいもの+足を後ろに伸ばして飛ぶ鳥=>きじ?

 「奚」と「雞」についてですが、鳥は単独でいることが多いため長くオスメスが分からなかったのではないでしょうか。特にキジはオスメスの違いが大きくメスの確認が遅れたと考えられます。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「幾」 解字:形声。意符の「幾-戍」(??の省略形。機織のとき足で踏む板木を牽く索)と、音符の戍(しっかりと止める意=住)とから成る。もと、踏み板に連なる索をしっかりと止める意。ひいて、「きざし」の意に用いる。
「機」 解字:会意形声。意符の木(き)と、意符と音符を兼ねる幾(糸をしっかり止める意)とから成る。足で踏む下の板と連動し、上にあって縦糸を止めたり動かしたりする道具、「はた」の意。
「幽」 解字:形声。意符の火(山は変わった形。ひの意)と、音符の「幾-戍」(黒くてはっきりしない意)とから成る。燃えている火の先端が、煙のためにはっきりしない意。ひいて、「くらい」「かすか」などの意に用いる。
「磁」 解字:形声。意符の石(鉱石)と、音符の玆(ひき付ける意=引)とから成る。鉄を引き付ける磁石、じしゃくの意。
「滋」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の玆とから成る。もと、川の名。借りて、「しげる」意に用いる。
「慈」 解字:なし(「玆+心」の解説)

「系」 解字:象形。二本の糸を結びつなぐ形にかたどる。二本の糸をつなぐ意。ひいて「かける」意に用いる。
「紀」 解字:会意形声。意符の糸(いと)と、意符と音符を兼ねる己(糸の先端の意)とから成る。糸の先端、「いとぐち」の意。
「累」 解字:形声。意符の糸(いと)と、音符の畾(??の省略形。田は更に省略された形。きちんと整理する意=理)とから成る。糸でつづってきちんと整理する意。ひいて、「しばる」意、借りて、「かさねる」意に用いる。

「奚」 解字:(角川漢和大辞典に見出しナシ)。
「雞」 解字:(鶏の本字)解説ナシ

***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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【2007/02/25 13:23】 | 漢字解読3 | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) |

「目」の追求 /48

 今回は「目」に関する字の追求です。

1.「目」と「网(罒)」「皿」の追求

まず、「目」「网(罒)」「皿」の辞書の説明から入ります。「网(罒)」「皿」以外の「目」の展開は以下の項に続けます。

「目」 部首解説:これを部首にして、目の状態・作用などに関す意を表す文字ができている。この部首から後に「見」の部首が分かれて独立した。
    字義:め
    解字:象形。目の形にかたどり、それを縦に書いたもの。黒い眼球、まなこ、「め」の意。
「网(罒)」 部首解説:これを部首にして、網の種類・状態に関する意を表す文字ができている。楷書になるとおおむね罒の形になるが、他の形になることもある。
    字義:あみ
    解字:象形。元両端に柱を立てて網を張り渡した形にかたどる。禽獣をおおいかぶせて取るもの、「あみ」の意。
「皿」 部首解説:これを部首にしさら状の容器の種類・状態・用法などに関する意を表す文字ができている。
    字義:さら
    解字:象形。足のついた容器を横から見た形にかたどる。食物を盛り付けて覆う器、「さら」の意。


「目」は「口」、「口+一」の系列で解読可能です。

」=「日」+「一」:=最高のひと+からだ=>最高の人のからだ=>優れたひと=>知者=>観察の優れたひと=>(何事も)深く見つめるもの=>観察する顔=>顔=>深く見る所=>め
」=「目」の90度回転:=在野の(正当でない)知者=>逆恨みする知者(邪悪な目)=>うらむもの(うらまれるもの)=>うらむ(うらまれる)=>怒るもの=>しかるもの=>ばっするもの=>ばつ

」=「罒」+「者」:=うらまれる+もの=>逆恨みされるもの=>損な役の者=>損な役割=>役割
」=「罒」+「言」=>うらむ+ことば=>うらむ言葉=>ののしる
」=「罒」+「馬」=>うらむ+うま=>馬をうらむ=>馬のせいにする=>馬をしかる=>馬をののしるもの=>ののしる
」=「罒」+「言」+「刂」:=ばつ+言葉+刀=>(女の)言葉をさえぎるばつ=>言い訳へのばつ=>ばっする

」=「罒」+「一」:=うらまれる+からだ=>うらまれたからだ=>恨みを受けるもの=>受け取るもの=>さら
」=「ノ」+「皿」:=特別な+さら=>特にさらで受けるもの=>ち

 「网」は「罒」の字の変形として後代にできたようです。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「署」 解字:形声。意符の网(あみ)と、音符の者(もうける意=置・處)とから成る。鳥獣を捕らえる網を設ける意。鳥獣を捕らえるためにそれぞれ網を設けることから、ひいて、部署・役割・役所の意に用いる。
「詈」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の罹(罒は省略形。あらあらしい意)とから成る。荒々しい言葉で人に逆らう、「ののしる」意。
「罵」 解字:形声。意符の网(あみ)と、音符の馬(いかりたける意。また、多言の意)とから成る。怒って多くの言葉を浴びせる、「ののしる」意。
「罰」 解字:形声。意符の詈(ののしる)と、音符の刂(=刀。かたな)とから成る。刀で脅かしながらののしる意。ひいて、「しおきにする」意に用いる。

「血」 解字:象形。皿(さら)の中に血液の塊(=??。のち一の形になりさらにノに変わった)のある形にかたどる。器の中の凝り固まった「ち」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.「見」の追求

「見」の辞書の説明から入ります。

「見」 部首解説:これを部首にして、見るなどの目の行為に関する文字ができている。目の部首と関係が深い。
    字義:みる
    解字:形声。意符の目(め)と、音符の??(人体の巻曲した形からケンの音を表す。儿は変わったたち。あらわれる意=顕)とから成る。目前に現れる意。ひいて、「あらわれる」「みえる」「みる」などの意に用いる。

 「目」の部首解説では「目」の部首から「見」の部首が分かれたと説明しています。
 辞書には「儿」(ニンニョウ)と「目」の両方の部首があるにも関わらず、有史以降の知識では「見」がその両者の会意とは説明できなかったと思われます。(「儿:=垂れ流す女=>女子」。辞書の意味は「人」。第19回参照)

」=「目」+「儿」:=知者+女子=>知者の跡取り=>賢い女子(賢女)=>鋭く見るもの=>観察するもの=>観察する=>みる
」=「王」+「見」:=亀頭+賢女=>賢女の慰み者=>立派な男根の者(最良の現物)=>げんにいるもの=>あらわれたもの(「王」については第21回参照)
」=「夫」+「見」:=おっと+賢女=>賢女の夫=>お手本となる男=>皆をただす男=>ただす
」=「示」+「見」:=しめす+賢女=>(証拠や現実を)示してみせる=>みせる=>みる


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「現」 解字:形声。意符の玉(たま)と、音符の見(あきらかの意=顕)とから成る。玉の光の明らかの転じて、「あらわれる」意に用いる。
「規」 解字:形声。正しくは「矢+見」に作る。以下「矢+見」(円を画くものさしの意)の解説。
「視」 解字:形声。意符の見(みる)と、音符の示(=ネ。とどめる意=止)とから成る。目をとどめて見る意。ひいて、「みる」意に広く用いる。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



3.「直-L」の追求

 「直-L」は辞書にはなく直接解読に入ります。

直-L」=「十」+「目」=>おとこ+知恵者=>おとこの知恵者
」=「斤-丁」+「直-L」=>反り返るもの+おとこの知恵者=>反り返える男(反発してくれる男)=>反り返って守るもの=>身を守るもの(のがれる)=>たて
」=「直-L」+「L」:=おとこの知恵者+女の徳=>徳の有る男の知恵者=>素直な知恵者=>すなおな者(まっすぐなもの)=>すなお(まっすぐ)
」=「イ」+「直」:=おとこの仕事+まっすぐなもの=>正直な仕事=>価値ある仕事=>あたいする=>あたい
」=「罒」+「直」=>うらむ+すなおなもの=>正直者を恨ませる=>恨まれる身代わりの者=>身代わりにさらすもの=>おき留めるもの=>おく



4.「自」「首」「身」「鼻」の追求

「自」「首」「鼻」「身」の辞書の説明から入ります。

「自」 字義:みずから
解字:象形。鼻の形にかたどる。鼻の意。自分を示すとき鼻を指差したことから、「みずから」の意に、転じて「おのずから」の意に用いる 。
「首」 字義:くび。こうべ。
    解字:象形。「ソ+一」(毛髪の形)と、自(はな。顔面)とから、人の頭部の形にかたどる。人体上に直立している、「くび」「こうべ」の意。
「鼻」 部首解説:これを部首にして、鼻の状態・機能に関する文字ができている。
 字義:はな
    解字:形声。意符の自(はな)と、音符の「鼻-自」(突き出ている意=出)とから成る。顔面から突き出ている部分、「はな」の意。ひいて、始めの意に用いる。
「身」 字義:み
    解字:象形。女性がみごもって腹が大きくなり中に子供がいる形にかたどる。また形成で、意符の??(はらむ意)と、音符の千(みごもる意=娠)とから成る。ともにみごもる意。転じて、「み」の意味に用いる。

 辞書の解説では「首」は象形とされていますが、首の形でも部首でもない「はな」の意味を持つ「自」がその要素に現れました。

」=「ノ」+「目」:=特別な+知者=>特別な知者(特別な目を持つもの)=>わたし(自称)=>みずから=>おのずから

 「自」とは自然と一体になった最高統率者を表したようです。

 西洋の「私」が自然と対立する主張であるのに対し、東洋の自然の流れに溶け込んだ「自」の受け止め方の根源が見られます。


」=「ソ+一」+「自」:=まえ+わたし=>わたしのまえ=>わたしの顔=>あたま=>くび(「ソ+一」は第35回参照)

弁-ム」=「|+ノ」(左はね棒)+「十」=>垂れ流すおとこ=>垂れ流すもの(第19回参照)
鼻-自」=「田」+「弁-ム」:=生むところ+垂れ流すもの=>垂れ流しを生む所
」=「自」+「鼻-自」:=顔+垂れ流しを生む所=>顔で垂れ流す所=>はなみずをたらす所=>はな

身の上部」=「自」+(融合)+「一」:=わたし+からだ=>妊娠したわたし(横向き)
」=「身の上部」+(融合)+「|」+「ノ」:=妊娠したわたし+垂れ下がるもの+特別な=>特別な飾りをたらしている妊娠したわたしの体=>素晴らしきわたしの体=>み

 「身の上部」は「田」の字が「母」に変形したことを思い出してください(第10回)。横から見て腹の突き出した雰囲気が見事に捉えられています。また、「身」の字には飾りを付けた自慢げな高貴な雰囲気も漂っています。



5.「看」の追求

 「看」は辞書の解字に文句のつけようがありません。下の辞書の解字を直接参照してください。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「直-L」 解字:辞書になし。
「盾」 解字:会意。意符の目(め)と、音符の「盾-目」(たての形)とから成る。身を隠して防ぐ道具、「たて」の意。
「直」 解字:形声。意符の目(め)と、音符の十(まっすぐの意=正)とから成る。目でまっすぐに見る意。のち、意符にL(曲がった形)が加えられ、曲がりを正す意に用いられるようになった。
「値」 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の直(相当する意=)とから成る。人が二人相対して力量などが対等の意。借りて、「あたい」の意に用いる。
「置」 解字:形声。意符の网(あみ)と、音符の直(たてる意=植)とから成る。網をたてる意。立てたままにしておくことから、「おく」意に用いる。

「看」 解字:会意。意符の目(め)と意符の手(て)とから成る。こてをかざして望み見る意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



5.「耳」の追求

「耳」の字をまず辞書で確認します。

「耳」 部首解説:これを部首にして、耳の状態・機能などに関する文字ができている。
    字義:みみ
    解字:象形。耳の形にかたどる。顔の両側に添えられたもの、「みみ」の意。


耳の上部」=「二」+(融合)+「目」:=ふたつ+め=>目(顔)の横に二つ飛び出すもの
」=「耳の上部」+(融合)+「|」:=目(顔)の両側にとびだすもの+垂れ下がるもの=>目(顔)の両側にとび出し垂れ下がるもの=>みみ

 「耳」の横に飛び出す「二」は「再」の解読を思い出してください(第25回参照)。辞書の解字の説明で「顔の両側に添えられた」という一句は、象形の解説ではなく、どことなく「耳」の字の起源を匂わせます。

 「耳」の字の中央の「口」が象形的に「耳の穴」に読み取れる深い配慮にも注意が必要です。

 象形文字の言語は目に優しい言語であり、表音文字の言語は耳に優しい言語と述べましたが(第2~3回参照)、「耳」の文字が「目」の文字からからできており、象形文字の視覚優先を納得していただけると思います。


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テーマ:漢字 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2007/02/10 09:42】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(2) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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