象形文字の秘密
漢字の解読

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「勹-ノ」のまとめ /30

 「勹-ノ」の解読に関する役者が揃った所で、第26回~第29回の内容の勘違いや誤解を訂正し、全体をまとめます。


1. 全貌

 「勹-ノ」は最も基本的な部首の一つと思われ、象形と考えて間違いないようです。
勹-ノ」(象形):=曲げた足

」=「勹-ノ」+「ノ」(指示):=曲げた足+付根=>足の付根=>股関節=>またぐら=>またぐらにつつむ=>つつむ

」=「勹」+「丶」:=股関節+特別な=>(神経の)つながった足=>つながったもの=>つながる=>木で(水と)繋がるもの=>ひしゃく
靮-革」=「勹」+「一」:=股関節+ひとつ=>一つの関節=>一つのつながり=>つながる
」=「勹」+「二」:=足のつながる所+ふたつ=>対の二本の足=>均等に働く足=>そろう
」=「勹」+「口」=>股関節+口=>産道口=>(赤子の生まれる)丸い口=>まるい=>まるいもの出産=>一回の出産=>くぎり

弓-コ」=「|」+「勹-ノ」:=一本の棒+曲げた足=>一本の曲げた足=>曲げた足=>ふんばる足=>構えた足

巧-エ」=「一」+「弓-コ」:=体+曲がった足=>足を曲げた体=>構えた体
夸-大」=「二」+「弓-コ」:=二+曲がった足=>二本の曲がった足=>またぐ足=>またぐ
汚-氵」=「二」+「弓-コ」:=二+曲がった足=>曲がった両足

与-一」=「ト」+「勹-ノ」:=一本の足+曲げた足=>曲げた足
」=「与-一」+「一」:=曲がった足+体=>曲がった足の体=>曲がった足の人=>足を傷めた人=>不要の人=>あたえる
与-一+|」:=曲がった足+男根=>曲がった足のような男根=>曲がった男根の男=>不要な男=>あたえる(「与」の変形)

万-一」=「勹-ノ」+「ノ」:=曲げた足+伸ばした足=>走る二本足=>走り回る/動き回る=>はしる
」=「一」+「方-亠」:=体+動き回る=>動きまわる体=>しなやかな体=>千変万化の格好をするもの=>ものすごい変化=>ものすごい数=>まん
」=「万-一」+「戈」:=動き回る+武器=>持ち歩く武器=>武器を持ち歩くひと=>大人になった人=>大人になること=>なる

」=「万-一」+「ノノ」:=走る二本足+二本足=>走る四本足=>けもののあし=>けもの
」=「万-一」+「日」:=走る+日=>動き回る日々=>続いて働く日=>一連の日
」=「万-一」+「甫」:=二本足+はじめて=>初めの二本足=>はえずる足=>はう。はらばう。

 「万-一」は走る体を横から見た足の形に構成しており、直接の象形と考えてもおかしくない点に注意してください(一画目を伸ばした足と解釈したのはこのためです)。


2. 「勿」、「旬」、「匍」は「勹」ではなく「万-一」の展開と訂正します。
 
 形から「勹」に属するとして解読を進めたので、これらの文字の持つ「動き回る」意味にひきずられて「勹」に「股関節=>動き回る」意味を読取りました。

 しかし以上の三者は「勹」からできたのではなく、「万-一」の動き回る意味からでき、後に第一画が短くなって「勹」と同形になったと解釈します!
 従って「勿」、「旬」、「匍」は「万-一」の仲間に移します。

 「勹」には二つの意味の流れを紹介しましたが、二つの意味の流れはなく「つつむ」意味だけと訂正します。



3.「勹-ノ」、「弓-コ」、「与-一」の関係を整理します。

勹-ノ」(象形):=曲げた足
弓-コ」=「|」+「勹-ノ」:=一本の棒+曲げた足=>一本の曲げた足=>曲げた足
与-一」=「ト」+「勹-ノ」:=一本の足+曲げた足=>曲げた足

 「曲げた足」の意味は、その表記が時代と共に「勹-ノ」、「弓―コ」、「与-一」と3段階に変化しています。

 今回の混乱の一つに「勹-ノ」と表記が類似で起源の異なる「刀―ノ」(司、刀、力、幻がこの仲間:後述)があります。これらは「曲げた足」の意味の流れでは解読できないことに注意してください。

 「勹-ノ」から「弓-コ」への変化は同形で意味の異なる「刀-ノ」との区別のためと思われます。「弓-コ」から「与-一」へは変化というより追加で、「ト」の中にある男の意味(後述)を強調した「足を傷めた男」の意と考えられます。

 今回紹介した分の展開は改めて第26~第29回を観賞してください。

30mageashi.gif


 ご愛読ありがとうございます。 
先が見えず、行きつ戻りつする迷路のような探検に戸惑われたことと思います。これまでが部首を中心とした解読の第一段階で、感覚的に全体の道のりのほぼ1/3に来たかなと思われます。
 これからの解読は更に険しい道のりが予想されます。

 皆さんもこれまでの解読を手掛かりに、自分の名前や住所の漢字等を取りだし、先回りして解読に挑戦してみてください。例えば「鳥」の中には今回の「与-一」:=曲がった足、が入っています。

 書いてみて始めて解釈の不正確に気付き思わぬ時間を取られたり、書いた後で気が付いて慌てたことも有ります。これからもありそうなので、多少ギクシャクするのは御許しください。
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【2006/09/24 10:40】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(1) |

「句」と「局」の追求 /29

1.初めは「句」の字について考えます。まずその意味と解字を辞書で確かめます。

「句」 字義:くぎり
    解字:形声。意符の口(くち)と、音符の勹(古形は「収-又」。やめる。やすむ意=休)とから成る。言葉を休止する、言葉の切れ目の意。一説に鉤の意で、かぎの意という。


 第26回で捕らえた「勹」の解を思い出してください。
」:足のつながる所=>=股関節=>座った股関節=>またぐらをなす所=>またぐら=>ものをつつむ=>つつむ

 「くぎり」の意味は「つつむ」と少し関係が有りそうですが、「口」の意味が生きてきません。着実な解読に向けて「句」の仲間を集め検討しましょう。

「佝」 字義:背が丸い。せむし。     <=丸い体
「呴」 字義:口で吹く。あたためる。   <=丸くした口
「狗」 字義:子犬。              <=丸いけもの
「鉤」 字義:先の丸いかぎ。かぎ。    <=丸い先のかぎ
「痀」 字義:せむし。          <=丸い背中
「岣」 字義:山頂。           <=丸い頂点
「拘」 字義:とらえる。          <=丸い腕
「昫」 字義:あたたかい。        <=丸い日

「句」は「まるい」と言う意味を持つようです。
」=「勹」+「口」=>股関節+口=>産道口=>(赤子の生まれる)丸い口=>まるい=>まるいもの出産=>一回の出産=>くぎり

 「句」は長い時代の間に「産道口」,「まるい」、「くぎり」の3段階の意味の変遷を経ているようです。

 「くぎり」の意味は子供の出産で母親の社会的地位が変わったらしく、子供の出産を一区切りと見なしたものでしょう。

 少し強引な解読ですが、性と出産に関わる文字の内容は最も古く時代の風化を多く受けています。また、次の「局」の字との関係で、この強引と思われる解読が少しは緩和されます。


 今回の解読に手掛かりを与えてくれた文字達を改めて紹介します。

」=「イ」+「句」:=男の仕事+まるい=>丸くなる仕事=>丸い体
」=「口」+「句」:=くち+まるい=>丸い口=>吹く口=>口で吹く=>あたためる
」=「犭」+「句」:=けもの+まるい=>丸いけもの=>子犬
」=「金」+「句」:=かね+まるい=>先の丸いかね=>先の丸いかぎ=>かぎ
」=「疒」+「句」:=やまい+まるい=>(背中の)丸くなる病=>せむし
」=「山」+「句」:=やま+まるい=>山の丸い所=>山頂
」=「扌」+「句」:=うで+まるい=>丸くした腕=>抱え捕らえる=>とらえる
」=「日」+「句」:=ひ+まるい=>(雲のない)まるい日=>暖かい日=>あたたかい

 「呴」は偏の口と句の中の口とが異なる口を表わしている点に注意してください。口偏の字は多く後代にできた字で辞書の解説の通り「食べる口」の意味です。
 この字の意味からは、かじかんだ手を温める情景が浮かびます。

 「鉤」は釣針の形と思われますが、魚を取る画期的な発明です。



***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「佝」(キョク) 解字:形声。意符の人(ひと)と、音符の句(曲がる意=勾)とから成る。背の曲がった人の意。
「呴」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の句(かがまる意=痀)とから成る。口で息を吹きかける意。
「狗」 解字:形声。意符の犬(いぬ)と、音符の句(小さい意=駒)とから成る。小さい犬の意。
「鉤」 解字:形声。意符の金(金属)と、音符の句(曲がる意=曲)とから成る。金属製の曲がった「かぎ」の意。
「痀」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符の句(まがる意=曲)とから成る。背骨の曲がる病気、せむしの意。
「岣」 解字:形声。意符の山(やま)と、音符の句(高く積み上げる、重なる意=楼)とから成る。山の盛り上がった所、山頂の意。
「拘」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の句(とどめる意=押)とから成る。手で押しとどめる意。ひいて「とらえる」意に用いる。
「昫」 解字:形声。意符の日(ひ)と、音符の句(あたためる意=煦)とから成る。日光で暖かくなる意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****



2.続いて「局」の字の追求で、まず辞書の内容です。

「局」 字義:ちぢむ。つぼ。
    解字:形声。意符の尸(人体)と、音符の句(体の曲がっている意=曲)とから成る。侷の原字。借りて「つぼね」の意に用いる。

「ちぢむ」と「つぼ」の無関係な意味を持っています。手掛かりに「尸」を思い出してください(第16、第18回)。
」=「口」+「|+ノ」:=肛門+垂れ流すもの=>しり=>突き出したもの=>覆うもの

 関連のなかった二つの意味は、元の意味から容易に枝分かれを推察できます。
」=「尸」+(融合)+「句」:=しり+産道口=>股間の産道口=>産道口=>(産後)縮まる所=>ちぢまる
」=「尸」+(融合)+「句」:=しり+産道口=>股間の産道口=>赤子を収めた口=>赤子ツボの口=>子宮の口=>子宮=>つぼ

 次に「局」の展開でその正さを確認しておきます。
」=「イ」+「局」:=部族内の仕事+ちぢむ=>縮こまる仕事=>背丈が低い
」=「扌」+「局」:=て+ちぢむ=>手を縮める=>にぎる
」=「足」+「局」:=あし+ちぢむ=>ちぢんだ足=>足を曲げ縮める=>つづまる

 「産道口」は初め「局」の字で表わしたようですが、次第に「句」は「まるい」意味に変わっていったために、「句」に「尸:=しり」を追加して、新たに「産道口」の意味を持たせたと思われます。



***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「侷」 解字:会意形声。意符の人(ひと)と、意符と音符を兼ねる局(小さく曲がる意)とから成る。人体が曲がって縮まる意。
「挶」 解字:形声。意符の手(て)と、音符の局(かがめる意=曲・拘)とから成る。手を曲げて囲む、にぎる意。
「跼」 解字:形声。意符の足(あし)と、音符の局(かがめる意=曲・拘)とから成る。足を曲げて縮こまる、「せぐくまる」意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****


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【2006/09/19 08:41】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |

「勿」の追求/28

 今回は「勿」の検討です。まず辞書の説明から糸口をつかみます。

「勿」 字義:なし。なかれ。
    解字:象形。甲骨文に二系統ある。(・・・以下分からない形の説明で活字もない)一つは吹流しの形、他方はすきで大地を掘って土を跳ね上げた形にかたどる。・・・混じる意、借りて否定や禁止の助字に用いる。

辞書の説明は人為的な土の形を元にした象形としており、余りにもひどい解説で到底受け入れられません。
形からの連想で「勿」の字の意味を考えましょう。この形は「豚」「象」「豹」などに入っているのが一つのヒントです。

既に捕らえた「万-一」を手掛かりにします。
「万-一」:=二本の足=>動き回る足=>動き回る

 「勿」は「方-亠」に二本の足を増していますから、象形をベースとした創造で「四本の足」の意味と考えられます。
初期には第一画がもっと長かったと思われますが、直接の象形と見ても見事なデッサンです。

」=「方-亠」+「ノノ」:=二本の足+二本の足=>四本の足のもの=>動物=>ひとではない=>ない
辞書の「なかれ」の意味の中には「四本の足で動くべきでない=>四本の足であってはならない」のニュアンスが読取れます。
この字の展開を検証してみます。

」(ソウ)=「勿」+「丶」:=動物+(指示)=>動物の足そのもの=>忙しく動く=>いそがしい
」=「口」+「勿」:=くち+動物=>動物のくち=>くちさき
」(フン)=「勿」+「刂」:=動物+刀=>動物を斬る=>くびはねる
」=「氵」+「勿」:=水+動物=>水中の動物=>潜み隠れる
」=「牛」+「勿」:=うし+動物=>牛という動物=>大切な財産=>大切なもの=>もの

 現在でもアフリカでは牛と共存する部族がおり、またインドでは牛を神の使いと考え食べたりはしません。


以下「勿」の展開です。
」=「日」+「勿」:=日+動物=>日を反射する動物=>きらきらする動物=>とかげ=>(色が)かわりやすい=>かわる/やすい
昜-日」=「一」+「勿」:=体+動物=>動物の体
」(ヨウ)=「旦」+「勿」:=穏やかなもの+動物=>穏やかな動物(草食動物など)

日中の肉食動物でも餌を捕えるとき以外は穏やかですから、次の解読でも通じないことはありませんが、少し無理を感じます。
「昜」=「日」+「一+勿」:=日+動物の体=>日中の動物(夜に寝る動物)=>穏やかな動物
「一+勿」は「豚」の大切な骨格です(後に解説)。


 続いて「昜」を展開したいのですが「場」「腸」「揚」「楊」「湯」「煬」「瘍」字の意味と容易に繋がりません。逆に以上の意味の共通点を抽出しましょう。

「場」 字義:ひろば。あきち   <=ぼこぼこするじめん
「腸」 字義:ちょう       <=食べ物でぼこぼこした所
「揚」 字義:あげる       <=掴んで持ち上げるこぶし
「楊」 字義:やなぎ       <=ぼこぼこ出る芽
「湯」 字義:ゆ         <=ぼこぼこ吹き上がる水
「煬」 字義:やける       <=炎を吹き出だす火
「瘍」 字義:かさ        <=ぶつぶつ吹き出す病

両側から追い詰め両者のつながりがめでたく見えてきます。
」=「日」+「一+勿」:=日+動物の体=>日中の動物(夜に寝る動物)=>穏やかな動物=>散らばる動物=>散在するもの=>ぼこぼこするもの=>ふきだすもの

改めて解読を示します。
」=「土」+「昜」:=地面+ぼこぼこするもの=>(草のない)でこぼこした地面=>ひろば
」=「月」+「昜」:=からだ+ぼこぼこするもの=>食べ物がこぶになっている所=>ちょう
」=「扌」+「昜」:=て+ぼこぼこするもの=>掴んで持上げるこぶし=>掴み揚げる=>あげる
」=「火」+「昜」:=ひ+ぼこぼこするもの=>表面が燃えたもの=>あぶる
」=「木」+「昜」:=き+ぼこぼこ吹き出すもの=>ねこやなぎの芽=>ねこやなぎ=>やなぎ
」=「氵」+「昜」:=みず+ぼこぼこ吹き出すもの=>沸騰する水=>ゆ
」=「疒」+「昜」:=やまい+ぼこぼこ吹き出すもの=>ぶつぶつの病=>おでき=>かさぶた=>かさ

「揚」の字は最初ものを掴んで持上げる拳の動作です、油でものを揚げる様子にも転用されています。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「匆」 解字:象形。「?」が本字で屋根のある天上の形にかたどる。もと粗目に木を組んだ檽子窓の意。借りて、「いそがしい」意に用いる。
「吻」 解字:形声。意符の口(くち)と、音符の勿(ぬぐう、ふく意=「扌+文」)とから成る。口をぬぐう意。ひいて、口のまわり、「くちびる」の意に用いる。
「刎」 解字:形声。意符の刀(かたな)と、音符の勿(はなす、たつ意=「イ+勿」)とから成る。刀で切り離す意、ひいて、刀でくびを切る意に用いる。
「沕」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の勿(ひそかの意=謐)とから成る。水が深く静かに流れる意、ひいて、潜み隠れる意に用いる。
「物」 解字:形声。意符の牛(うし)と、音符の勿(ふぞろいの意=雑)とから成る。色のふぞろいの牛、雑色の牛の意。すべてのものはふぞろいであるところから、ひいて、「もの」の意に用いる。

「易」 解字:会意。意符の「?」(とかげの形)と、意符の彡(光彩のある意)とから成る。皮膚の色を変えるとかげの意。ひいて、「かえる」「かわる」意に、また、変わりやすいことから「やすい」「やさしい」意に用いる。「昜-日」解字:ナシ
「昜」 解字:会意形声。意符の彡(光彩のある意)と、意符と音符とを兼ねる号(?)とから成る。登ったばかりの太陽の光彩の意。

「場」 解字:形声。意符の土(つち)と、音符の昜(とりはらう意=除)とから成る。邪魔ものを取り払って平坦にした地面の意。ひいて場所の意を表わすという。
「腸」 解字:形声。意符の肉(からだ)と、音符の昜(長い意=長い)とから成る。人体の中の長い器官、「はらわた」の意。

「揚」 解字:会意形声。意符の手(て)と、意符と音符を兼ねる昜(太陽の高く上がる意)とから成る。手で持ち上げる意。ひいて「あげる」意に広く用いられる。
「楊」 解字:形声。意符の木(き)と、音符の昜(あがる意=揚)とから成る。白い花が綿のように飛揚して散る木の意。
「湯」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の昜(あつい意=陽)とから成る。熱い水、「ゆ」の意。
「煬」 解字:形声。意符の火(ひ)と、音符の昜(ものを乾かす意)とから成る。火気でものを乾かす、「あぶる」意。
「瘍」 解字:形声。意符の疒(やまい)と、音符の昜(きずの意=傷)とから成る。きずやできもの、「かさ」の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****


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【2006/09/14 01:16】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |

「勹」の展開 /27

今回は「勹」の展開です。

「勹」の変形に「弓-コ」の字があったと考えられます。まずこれに関する文字達を辞書で確かめます。

「弓―コ」 見出し字ナシ
「巧-エ」=「一」+「弓-コ」 字義:技
      解字:(巧の古字,「手偏+弓―コ」の解説)
「于」,「夸‐大」,「汚-氵」(ウ) 字義:ああ。おいて。
       解字:象形。木を湾曲させた形にかたどる。木を湾曲させる意。借りて、感嘆詞や助字に用いる。

「号」 字義:さけぶ
    解字:形声。意符の口(くち)と、音符の「弓-コ」(なく意=號、呼)とから成る。大声を出して泣く意。
「巧」 字義:たくみ
    解字:会意形声。意符の工(おの)と、意符と音符を兼ねる「巧-エ」(浮草が水平に浮いている形)とから成る。おので木を打って水平にする意。ひいて、「たくみ」の意に用いる。
「兮」(ケイ) 字義:(助字。韻文の句間や句末の置き、語調を整える)
    解字:象形。水面に浮かぶ水草の形にかたどる。水面に浮かぶ水草の意、借りて助字に用いる。

「夸」 字義:またげる。またがる。
    解字:形声。意符の大(ひと)と、音符の「夸‐大」(またげる意=迂。また、またがる意=騎)とから成る。足を曲げてまたがる意。跨、胯の原字。借りて跨る意に用いる。

以上特に「于」、「夸‐大」、「汚-氵」は一まとめで、これらの文字に対する記録が風化して擦り切れています。


「弓-コ」はどこにも説明が見当たらないので、その形や意味を推定します。この字は一画目が下に飛出さず連続していて、全体で一画です。辞書の活字では少し下に飛出していますが、以上全て同じ仲間とします。

「万-一:=動き回る足=>動き回る」でしたから、その一部である「弓-コ」の元の意味は形から考えて「曲がった足」であると仮定し、解読を進めます。

弓-コ」(象形):=曲がった足=>ふんばる足=>構えた足
巧-エ」=「一」+「弓-コ」:=体+曲がった足=>足を曲げた体=>構えた体
夸-大」=「二」+「弓-コ」:=二+曲がった足=>二本の曲がった足=>またぐ足=>またぐ
汚-氵」=「二」+「弓-コ」:=二+曲がった足=>曲がった両足
「夸-大」と「汚-氵」は同じ二本の曲がった足ですが、意味が違うと考えましょう。

問題なく解読が進みます。以下の展開も問題がありません。
」=「口」+「巧-エ」:=くち+構えた体=>構えた体の口=>さけぶ口=>さけぶ
」=「工」+「巧-エ」:=職人+構えた体=>職人の身構え=>たくみな身構え=>たくみ
」=「ハ」+「巧-エ」:=わける+構えた体=>構えた体で分ける=>突き進む=>けちらす

そこで勢いに乗って次の所まで解読を進めます。
与-一」=「ト」+(融合)+「弓-コ」:=一本の足+曲がった足=>曲がった一本の足=>曲がった足
」=「与-一」+「一」:=曲がった足+体=>曲がった足の体=>曲がった足のひと=>あたえる
注:康熙字典では「与」の最後の横一棒が短く、曲がった部分とは交わりません。

「曲がった足」の意味は初め「弓-コ」でしたが、これが次第に「ふんばる足=>構えた足」へと意味に移っていったため、後代に「ト」を加えて「与-一」で「曲がった足」を表わすようになったと考えられます。

 「兮」の展開です。一字しか見つかりません。
」=「目」+「兮」:=め+けちらす=>けちらす時の目=>にらむ
注:説文解字では「うらんだめ」と解説されています。


 「夸」の展開です。
」=「大」+「弓-コ+二」:=おおきい+またぐ足=>大きくまたいだ足=>誇張して大きくした体=>おおげさ=>ほこる
」=「足」+「夸」:=あし+大きくまたぐ=>大きくまたいだ足=>またぐ

」=「夸」+「刂」:=おおげさ+かたな=>大げさに切る=>えぐる
洿」=「氵」+「夸」:=みず+おおきくまたぐ=>おおきくまたぐ水=>みずたまり=>たまり水
」=「月」+「夸」:=体+おおきくまたぐ=>体でまたぐ所=>また
」=「衣」+「夸」:=衣+おおきくまたぐ=>おおきくまたぐ衣=>はかま
」=「言」+「夸」:=ことば+おおげさ=>大げさな言葉=>ほこる

「またぐ」の意味は初め「夸」でしたが、これが「ほこる」と言う意味に移っていったので、後代に足偏を付けて「跨」で「またぐ」を表わすようになったと考えられます。


「汚-氵」の展開です。
」=「氵」+「汚-氵」:=みず+曲がった両足=>濡れて曲がった両足=>泥まみれの両足=>よごれる


 以上解読は順調で「弓-コ:=曲がった足」であるとした仮定は正しかったと思われます。


***** 開始 関連する辞書の解字 *****

「刳」 解字:形声。意符の刀(かたな)と、音符の(えぐる意)とから成る。刀でえぐり取る意。
「洿」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の夸(水たまりの意=汚)とから成る。水たまりにたまった水の意。
「胯」 解字:会意形声。意符のも肉(からだ)と、意符と音符を兼ねる夸(またがる意)とから成る。体のまたがることのできる部分、「また」の意。
「誇」 解字:形声。意符の言(ことば)と、音符の夸(おおきい意)とから成る。大言する、「ほこる」意。
「跨」 解字:会意形声。意符の足(あし)と、意符と音符を兼ねる夸(またぐ意)とから成る。夸の後にできた字。

「汚」 解字:形声。意符の水(みず)と、音符の「夸-大」(どろの意)とから成る。くぼ地にたまった泥水の意。

***** 終了 関連する辞書の解字 *****

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【2006/09/06 23:08】 | 漢字解読2 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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