象形文字の秘密
漢字の解読

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「乙」の追求-その19

「乙」の外堀を埋めましたので、いよいよその「乙」の字そのものの解読に入りましょう。「乙」が二つも使われている「飛」の字の中の「乙」は「一」に対して「L」が立っています。辞書では「乙」と同じく二画とは数えず一画と数え「飛」は九画の部首で、「鳥が羽を張ってとぶ形にかたどる象形」と説明されています。

繰り返しますが「乙」を二画と考えます。そして「乙」を分解します。
「乙」=「一」+「L」

 手掛かりは「」です。辞書の意味を吟味します。
「(礼、禮)」字義:れい。行動規範や様式。真心や心からの扱い。感謝の意を表す贈り物。
      解字:会意形声。旧字は意符の示(かみ)と意符と音符を兼ねる豊(酒を入れる器、さかずきの意)。

「」が「乙」の部首でなく「乙」より画数の多い「示」の部首の中にあるのも変です。
「」の説明の対象となっている「禮」ですが、いままでの検討から「」に変わって説明し「」を直接解説しないためのカムフラージュであることが分かります。「礼」は示偏が筆記により崩れたものであり問題としている旁「つりばり」には影響はありません。

 結局「」の意味の中心は「つりばり」であり、真心や感謝そのものであることが分かります。そこで次のようにまとめて解読できます。
」:=真心や感謝=>(動物に対する)女の要素=>女の徳=>徳
」=「示」+「L」:=示す+真心や感謝=>真心や感謝を示す=>女(だけ)の要素を示す=>女の徳を示す=>徳を示す=>れい
「示」は動詞的要素ですから、「L」は非常に単純な形でかつ抽象的な概念を表現していることに驚かされます。

「L」の応用を考えて正しさを確認しましょう。「儿(ジン)」ですが、まずは辞書の説明です。
「儿」 部首解説:これをもとしてできている字は少なく、主として文字整理の上から設けられた部首。「ひとあし」ともいう。
    字義:ひと
    解字:象形。人の体の背部の屈曲している形にかたどる。

「|+ノ」は既に解読済みですから、「元」も加えて次のように解読できます。
」=「|+ノ」+「L」:=垂れ流す+女の要素=>垂れ流す女=>女の子=>こども(ひと)
」=「二」+「儿」:=に+女の子=>2年目の女子=>2歳児=>元気な子=>育ち始め=>はじめ=>めでたい


 「L」をもとに「乙」に戻り解くことを試みます。
「乙」=「一」+「L」=>?+真心と感謝=>?+女の要素=>おとめ

「一」の意味は「いち」と「地平線=>地面」の二つを既に獲得しましたが、どちらもあてはまりません。「一」が更に別の意味を持っていると考えないとこの壁は越えられません。

これまでに解読した文字を手掛かりに「一」の意味を引き出せるでしょうか?「母」「大」の字を思い出してください。
「母」:=横に腹の膨れたもの=>はは
「大」:=一番大きい男=>大きい男=>おおきい

「母」の横棒は膨らんだ腹を示し、他方「大」は両腕を広げた男を示しています。ここから「乙」を解く共通の意味を取り出すのです。取り出した要素は「からだ」です。

」:=からだ
」=「田」+「一」:=生むもの+体=>生む体=>はらむ体=>はは
」=「人」+「一」:=おとこ+体=>男の体=>おおきい
「母」は横の腹の広がるイメージと「からだ」を意味する横棒の利用が絶妙にダブっていることが分かります。また「大」では「からだ」を意味する横棒が両手のイメージと重なり両手両足を開いた男の象形を訴え掛けます。これで「乙」が落ち着きます。
」=「L」+「一」:=女の要素+体=>女の体=>おとめ


「一」が分かったので来た道を少し戻ってみましょう。「士」の字を手掛かりに「十」を更に深く解読することができます。「士」の辞書の表記は次の通りです。
「士」 字義:青年
    解字:象形。男子の性器がぴんと立った形にかたどる。青年男子の意。

いままでの検討から「士」は部首「十」と部首「一」を男子の性器の立った形に合成した、となります。結局の
「十」+「一」:=「立った男子の性器」+「体」
と解釈できます。以上から次の意味の流れが取り出せます。
」=「一」+「|」:=体+棒=>棒のある体=>男根のある体=>男根=>(一本の)棒=>はり

更に「十」は「男根」の意味を持つ流れに「男」の意味があり、「九」の意味する「円熟した女」に対抗しています。「じゅう」は父系社会になって女を超えたものとして最後に追加された意味だったのです。
」=「一」+「|」:=体+棒=>棒のある体=>男根のある体=>男の体=>男=>じゅう


「十」が解けるといもずる式に「土」等が順調に解読できます。改めて「士」から始めます。
」=「十」+「一」:=男根+体=>男根の目立つ体=>青年男子
」=「十」+「一」:=男+体=>男の体(士の逆転)=>犯す男根の体=>犯す男子=>犯す=>(罰に)食を与えない=>ほす
」=「日」+「干」:=太陽+犯す=>日が犯す=>ひでり
」=「十」+「一」:=男+体=>男の体=>男=>座り込む体=>座る所=>地面=>つち  もしくは、
」=「十」+「一」:=男+地面=>地面の男=>座り込む男=>座ること=>座る所=>地面=>つち
」=「土」+「ム」:=男+ない=>いなくなった男=>さった男=>さること=>さる

 「士」は「土」に比べ体より棒の方を強調しており、「干」は「士」の上下を反転させた否定形です。字の上下を逆転させて否定形を造る手法も注意してください。
 「土」は「大」に比べ人が座った形に構成し、また、「一」の「つち」と「体」の意味が微妙にミックスされています。
 「去」もうまく納まりました。


 続いて次の一団も本来の姿を見せてくれます。
」=「|+ノ」+「十」:=垂れ流すもの+男=>垂れ流す男=>垂れ流すこと=>垂れ流し
」=「ノ」+「廾」:=特別な+垂れ流し=>垂れ流す量=>液体の量=>しょう(液量単位)
」=「日」+「升」:=太陽+特別な垂れ流し=>小さくなる太陽=>のぼる朝日=>のぼる
」=「ム」+「廾」:=ない+垂れ流し=>垂れ流しがない=>垂れ流しを止める=>べん

 これまでに解読した内容とも矛盾なく全体が繋がります。特に「昇」で大きな朝日が垂れ流して小さくなるという考は、草木の水が垂れ流されて小さく乾燥する現象の応用です。
 「弁」もうまく納まりました。


 「一」が「体」の意味を持つことを突き止めることで、漢字解読の大きな足場を獲得できました。例えば「武」の左上の横一棒には苦しめられましたが、容易に解決します。
」=「一」+「止」+「弋」:=からだ+とめる+くい=>くいを止める体=>鍛錬した体=>いさましい


 参考のために辞書での今回の文字に関する解字だけを簡単に載せておきます。
「元」 解字:形声。意符の一(あるいは●。あたまの意)と、音符の兀(ゴン、まるい意=丸)とから成る。頭が丸い意。
「干」 解字:象形。敵を突き刺す二股の武器の形にかたどる。突き刺す武器の意。ひいて「おかす」意に用いる。
「旱」 解字:形声。意符の日(ひ)と、音符の干(かわく意)とから成る。
「土」 解字:象形。地中から吐き出されるように発芽する形にかたどる。
「去」 解字:象形。飯入れの容器と、その蓋の形にかたどる。空っぽの容器から蓋を離したさまによりのける、ひいて「さる」の意味に用いる。
「廾」 解字:象形。両手を高く上げて物をささげているさまにかたどる。手でものをささげる意。
「升」 解字:象形。ますの中に酒をくみ上げた形にかたどる。一説に会意という。
「昇」 解字:形声。音符の日(ひ)と、音符の升(のぼる意=登)とから成る。日が昇る意。
「弁」 解字:象形。両手で冕(ベン、冠の象形)を持ち上げて、かぶろうとしているさまにかたどる。
「武」 解字:形声。意符の止(あし)と、音符の戈(またぐ意=跨)とからなる。

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【2006/07/22 08:21】 | 解読の前に | TRACKBACK(0) | COMMENT(3) |
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 このブログは漢字の解読を紹介します。従来、部首はほとんど象形とされていますが、部首である「用」「角」「車」「里」「鬼」「竜」「魚」「黄」は部首「田」を含んでいます。  「田」を含む部首を「田」から派生した文字と説明しようとする探検です。

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